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    柴 亜伊子
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ワセリンについて①

昨日も家のパソコンを励ましましたが、ダメでした。やっぱり、寿命をまっとうされたようです。

持ち運べるノートPCを買うことにしましたが、あの長年使ったPCを捨てるのかと思うと、ちょっとかわいそうになっちゃいました。よく頑張ったね~。

いつ買いにいけるかは、未定です。まだ調べてもいませんから。。。

そんな状況なので、なかなかブログの更新ができないかと思いますが、またまた「ホンマでっか?!TV」を見ていて、もう~っ!と思ったので、ちょっとコメントを。

ワセリンの保湿効果が優れていると、言われていたのを見ていらっしゃった方、いらっしゃるでしょうか?

ワセリンがすごくいいように言われてましたが、まだ薬とかがあまりない時代の話です。

確かに、どこのドラッグストアでも売っていますし、しかも安価なので、悪くはないです。すごくシンプルなモノですね。

ですが、皮膚科医の間では、ワセリンの保湿効果が悪い、というのは当たり前の話です。

むか~しからある薬なので、ほとんど副作用なく(副作用が全くないとおもわれがちですが、精製度合いなどにより、ごくまれにかぶれる方がいらっしゃいます。ワセリンはかぶれないからと思って、ずっと使っていて、調子の悪い時は、皮膚科医に相談しましょう。)、ステロイド(ホルモン剤)と混ぜて、よく使われてることが多い薬です。

ホントに大昔からありますから、どちらかと言うと、年配の医師の大半は、ワセリン世代と言いますか、皮膚科と言えばワセリン中心、みたいにずっと処方されてこられたと思いますので、ホントに使われることが多いです。そういう先輩が多い医局などで育つと、下の医師もワセリン中心になる傾向が強いです。

いつだったか、10年くらい前でしたか(少なくとも6年以上は経っています)、皮膚科学会でもワセリンに水分保持能力がないことは皆さんもご存知でしょう、みたいな保湿をどうするか、という発表を聞きました。皮膚科医にとって、今は、あまり使い道が減ってきた薬の一つです。

話はそれますが、

ワセリンと何かステロイドを混ぜて、軟膏壺に入れて、患者さんに、万能薬あるいはそこでしかもらえない特別な薬みたいな感じが出せるので、わざと軟膏壺に移し替えて、薬の名前を教えない皮膚科も、いまだにあるかもしれません。

クリニックで、医師がチューブに入っている薬をわざわざ混合して患者さんに処方することは、10年くらい前?の学会でもあまり勧められていませんでした。

薬に対してはPL法という法律があります。その観点からも勧めないというものです。

(混合した時点で、それぞれのメーカーの責任がなくなります。混合した医師の全責任において行うことになります。何かあった時に、1人の医師だけでどんな責任が取れるのか、という危惧も、もちろんあります。まあ、軟膏ですから、飲む薬や注射とは違って、よほどの薬を使わない限り、そんな大きな副作用は出ません。副作用の出る薬は混合しようがしまいが、副作用は出ます。実際、それほど法的に問題にならないから、よけいに混合推進派みたいな医師が多いのかと思います。

まあ、法律の問題は置いといて、その時の発表で、ステロイドとよく1対1の割合で混合されて処方されることが多いんですが、実は、これが大きな落とし穴だそうで。。。

大体、混ぜるのが好きな皮膚科医というのは、やはりステロイドの副作用を気にされてることが多いんです。

半分の濃度にしたから、と思って医師が使っていても、効果は半分どころかもっと下がってしまったそうです。しかも、薬の持っている副作用はそのままです(トータルで使ったステロイド分の副作用は、減らすことができません)。意味ないですよね?

それだったら、適切な強さのステロイドを患部にだけ塗る、ということをしたほうが、塗る量も把握できて(副作用の注意がしやすいということです)、ちゃんと効くので、早く良くなります。早く良くなるということは、ステロイドを使う量も少なくて済む、ということです。

しかも、混ぜた場合、大体大き目の軟膏壺でもらうものだから、患者さんも湿疹の出ていないところ全体に広げて塗ったりしちゃうんですね。(ひどいところだと、医師から全体に塗るように指示が出ます)

こんなことしたら、ステロイドはたくさん使うわ、関係ないところにもステロイド塗るわで、どんどん皮膚がヤラレていきます。どこにどれだけステロイドを使ったのか、ということが把握できなくなりますね。

誰にでも何にでも、こういう処方をするクリニックがあって、ステロイドの副作用を大量の患者さんに作って、患者さんは、ステロイドが恐くて使えなくなる、という魔の連鎖にハマってしまうんですね。

その結果、「ステロイドは悪魔の薬だ!」みたいになるんです。ステロイドにしろ、何にしろ、医師からもうらう薬は、副作用は絶対あります。

ただ、その程度が、大したことなかったり、めったにおこらなかったり、様々です。医師の使い方、処方の仕方が適切でないから、副作用が出やすくなる、ということがあって、本当は、それが一番問題なんです。薬が悪いのではなくて。

皮膚科で、薬だけ(特にステロイドを)窓口でもらうっていうのは、一番やったらダメですよ!必ず診察を受けないと、アトピーとか長期ステロイドを塗る方は、副作用が出ていても、気づいてもらえません。

必ず、ステロイドは、患部のみ、です。ちゃんとした指示が出ない限り。塗り方を説明しない医師も悪いですが、患者さんもステロイドの副作用から自分で身を守るために、どこに塗るのか、必ず確認されてください。

私が、一般病院で働いていた時に、ワセリン混合を処方するのは、全身のアトピーで、全部がひどくて塗らなくてもいい皮膚がない時だけ、とか、患者さんが塗り分けできない時(説明しても、塗り分けってメンドクサイですから、やらない方って、いっらっしゃいます。また、どうしてもできない方もいらっしゃいます。ステロイド大好きで、チューブで渡すと、大量に塗って、すぐまたもらいにくる方、などなど)とか、ちょっと特殊な場合です。塗り分けできる方やできる範囲の広さだな、と思った時は、保湿剤+ステロイド(炎症止め)という方針です。

混ぜてしまうと、全部に塗ってください、と説明がはぶけるから、というクリニックもあるかもしれません。

混合軟膏が全部悪いわけではありません。もちろん、こんなことくらい知っていて、その上で処方されているクリニックもあります。

ただ、必ず、混合の中身をちゃんと教えてくれるクリニックで、診察を受けましょう!

話がだいぶソレましたね。ワセリンの保湿効果でしたね。失礼しました。

ステロイドネタは、本当にキリが無くて、ひどいことも散々診てきたので、つい熱が入ってしまいます。

ちょっと、長くなったので、続きは②へ

 

 

カテゴリ:

医療