プロフィール

  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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いきなり初対面で、パッとお肌の状態を診ただけで、これがいい!とわかるわけではありません。

自費治療の場合は、当院で取り扱っている治療が、光・レーザー・注入・ピーリングなどと限られてきますし、当院にある治療・ない治療も含めて、一般的なお話と、それぞれの長所と短所を申し上げています。すごくいい治療と私が思うものであっても、その方に治療の相性として、本当に合っているかどうかは、やってみないとわからないんです。(ご本人が、効果と値段に満足されているか、という別の問題も、自費の場合はあります)

それぞれ、値段も通う間隔も効果も違いますからね。

合っているかどうか、わからないのに、いきなりコースで申し込むというのは、止めておかれたほうがよく、もちろん当院では、コース料金はありません(その代り、継続お値引きシステムというので、割引きさせていただいております)。

まあ、自費治療に、うちに来られる方のほとんどが、手術とか大きく変えるとか、副作用がすごい、というような治療は困る、という方が大半で、皆さん、結構調べてから受診される方も多く、私も顔負けの知識をお持ちの方・するどいツッコミをされる方、様々です。

光・レーザー治療の場合は、早くキレイにする方法は、患者さんの普段されるスキンケアにかかってますので、私が手助けできることは、ほんの微々たることになります。

うちの治療の中でも、どれから始めたらいいかわからない、という方には、一番気になっていることからされたらどうですか?とご提案しています。それでも、決められなくて、「私の肌の、どこを良くするのが、一番いいと思いますか?」と聞かれて、こちらのほうがいいと思いますよ、と率直に申し上げて、それを治療される方と、「それは気にしてません」と言われる方と。様々です。 

気にしているモノからされたら、いいと思います。

まあ、肝斑があると、いきなり強い治療を濃いシミの部分にはしませんけれど。

それに比べて、保険の治療は違います。

保険の場合、皮膚科で治療というと、薬くらいしかありません(当院には、液体窒素も手術も行なっていません)。

薬を決める前に、まずは診断が大事なんですが、パッと診て、わかるモノというのは、ほんの一部の病気です。(水虫ですら、診断をつけるのに顕微鏡検査が必要ですから)

湿疹・かぶれ・赤くなる・ぶつぶつなどが繰り返し、また長期にわたって、出ている場合、慢性湿疹とか、慢性皮膚炎と保険病名をつけてしまえば、それまでですが、そういう繰り返して起こる場合、なにか原因があることがあります。

原因のわからない病気というのも大半ですが(突然なる、たまたまなる、というものです。そこまで医学は解明されていません)、原因がわからなくても、これをしたら、必ず悪化する、ということがみえてくることがあります。

そしたら、それを取り除いてやれば、少なくともいい状態を少しでも長く保つことが可能だと思います。そうするには、患者さんから、経過を詳しく教えていただくということが必要です。

いつからどんな症状だったのか、どこに出たのか、いつ病院に行って、どんな薬をもらったのか、その後どう変わったのか、などの経過です。

他院を受診したけど治らない、とよく当院を受診されることがあります。その病気を知っているかどうかの差で、パッと診て、その薬全然違うよ、ということがたまにあります。

でも、そういうことは、ホントにたまにです

また、他院を受診した時と、当院に来られた時と、全然症状が違う、ということもよくあり、その場合、薬が全然違ってくるのも当たり前です。

「前の薬が全然効かない」と言われても、その薬が何かわからなければ、同じような薬(全く同じモノだったり、見た目が違っても成分が同じだったり)を出す可能性もあります。

(皮膚科医同士、そんなに大きく薬は変わらないということです。ステロイドの強さが、考え方によって変わることは多いですが)

当院は、大きな病院や皮膚科メインでされているところみたいに、いろんな薬の見本があるわけではないので、キャップの色だけ言われても、全くわかりません。

合わなかった薬もわからない、経過も憶えていない、となると、こちらは対症療法するしかありません。

対症療法というのは、痛いなら、痛み止めを出す、バイキンがついているなら、化膿止めを出す、赤くて炎症があるなら、炎症止め(おもにステロイド)を出す、といったような、出ている症状をとりあえず抑える、ということです。

まあ、ほとんどの病気(皮膚科でなくても)が、現代医学であれば、根治治療というのは、ほとんどないので、対症療法になりますが。

対症療法で、とりあえず様子を診て、出した薬の反応と、その後悪化したら、その経過と、と一から診ていくことになるので、ものすごく時間がかかります。

かぶれとか虫さされは、すぐに普通治りますが、慢性の病気の場合、一度発症すると、一生付き合っていく病気もあるので、対症療法の延長みたいにはなることも多いです。その場合は、副作用がなるべく出ないように、うまく病気とつきあっていくしかありません。

皮膚科の病院を変える際には、残っているなら、必ず今まで使っていた薬を持っていきましょう。そのほうが無駄になりません。また、慢性でずっと治らないのであれば、日記みたいに、ご自分で経過をつけておくというのも、一つの方法です。調子良い時は要りませんが、悪化した時の状況や日時がわかるにこしたことありません。

私に限らず、これは他の医師でも、経過がわからないと仕方ない、と思っていると思いますよ。

保険診療も自費もそうですが、医師・病院や薬は、万能ではないので、患者さんの協力が、早く良くする方法です。

他力本願で良くなる病気・症状(全部おまかせみたいな)なんて、ごくごく一部ですから、自分のことは、自分もちゃんと考えて、ケアしてあげる、気をつけてあげるというのが、本当は一番大切です。