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    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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新しい注入剤「リデンシティー」

お待たせしました。リデンシティーの話です。

 

少し前の、美容外科学会に話を戻します。

 

美容外科学会のランチョンセミナーの話です。

(ランチョンセミナーとは、ランチ付きのセミナーで、その企業がスポンサーになって、宣伝のために行うようなセミナーのことです。講師のドクターは、その企業とつるんでるわけではないですが、その企業から提供されたもので、施術をして、データーを集めて発表されます。

ある程度、これを患者さんにしてあげれば、いいだろうな、というものを、ドクター側も納得の上で、引き受けられますから、欠点だらけの商品ということは、まずないですが、やはりドクターによったら、正直に、こういうところはいいけど、こういうところはダメ、とはっきり言う方もいらっしゃれば、わりといいことだけ言って、質問が来たら、いうけど、自分からマイナスなことは言わない、というドクターもいらっしゃって、人それぞれです。

 

さて、今回のご講演は、いわきクリニックの岩城先生でしたので、発表内容は、そのまま事実と思って聴いて大丈夫と私は信じております。

 

ヒアルロン酸の注入と言うと、今までは、ボリュームアップ(法令線や鼻やアゴや凹み)で使ったり、シワの溝を浅くするのに使ったり(これも小さなボリュームアップですが。。)というのが、使用目的でした。

今回のリデンシティーというのは、柔らかめのヒアルロン酸に、アミノ酸や抗酸化成分・ビタミン・ミネラル・麻酔薬と混ざっていて、高級化粧品を注射するような感じでしょうか。

何かを直に、(しかもある程度の量を確実に)注入するというのは、注射でしかできませんから、治療方法のひとつとして、新しい治療方法です。

光やレーザーでは、何かを入れる、ということはできませんし、イオン導入や超音波導入・もっと入れてくれるアクシダームなどと比較しても、注射がやはり確実です。

 

ただ、ヒアルロン酸とかと同じで、自分が生み出した成分ではないので、吸収されてしまいます。

また、吸収が早いようです。(1~2週間で減っていってるようです。ちなみに、料金はわかりません。)

柔らかめのヒアルロン酸だとありがちですが。。。

ヒアルロン酸以外の栄養分が、皮膚にいい影響を加えてくれることもあるでしょうし、続けてやっていくと、それなりにいいようでした。

 

一昔前に、「ダーマローラー」というのが流行ったんですが(名前はいろいろです)、コロコロローラーに、剣山みたいに針がビッシリついていて、ハリネズミのようになっています。

それで、お肌をコロコロすると、プスプスと小さな穴が開き、そこに、美容成分を塗ると、穴からお肌に吸収されるという、原始的なシステムです。

注射を顔中にするのって、されるほうも大変ですし、するほうも大変です。

ダーマローラーの針の長さにもよりますが、注射ほど深くは刺さらないので、注射ほどには血が出ません。

(浅目なわけです。)

これはこれで、悪くはないですが、それでも、ニキビみたいな赤みやかさぶた・点状に内出血が出たり、赤みの反応が、人によったら、一種のアレルギーなのか、1か月近く経っても消えなかったり(何を穴に塗るのかによっても、反応は違うでしょうが。)。。。

クリニックによっても、やり方はさまざまで、ひどいところになると、化膿したニキビの膿のところも平気でやって、顔中の皮膚に、膿のばい菌をばらまく、というとんでもないことをするところもあります。

(こういう基本的にやったらダメなことって、普通に皮膚科医や形成外科医なら、当たり前なことなんですが、そんなこともわからず、やっているところもありますから、ナース任せとか、ドクターでも頭悪過ぎとか。。エライことです。)

また、ローラーを本人用に保管していても、衛生面での管理がいい加減だったり、(他人に使い回しは、いくらなんでもやっていないと信じたいですが。。。)、なんでもそうですが、ちゃんとしたところで、美容医療はやりましょうね。

 

ヒアルロン酸以外に、栄養成分がたくさん入っているリデンシティーですが、ダーマローラーとどう違うんですか?という質問が会場からありました。

ダーマローラーでは、ヒアルロン酸は普通入れません。

保湿用の化粧品みたいなのでよければ、入れてるクリニックもあるかもしれませんが、やはりリデンシティーは、シワとか凹み用のボリュームアップのヒアルロン酸ですから、それはダーマローラーでは無理で、注射で、もう少し深いところに入れてやらないといけません。

吸収が早いとは言え、いろいろな成分を入れることができるので、いいと思いますが、私は、できれば注射ってしたくなくて、注射しなくてもいい場合は、できれば注射って、よほどご本人が希望されない限り、注射な~、と思ってしまいます。

岩城先生もおっしゃってましたが、目の下のクマ(適応のあるのとないのがあります)や、ある程度の年齢の方には、いい、とのことです。

若い方だと、あまり効果がわかりにくい、とのことです。

(美容医療全般に言えることですが、ビフォーがいいと、治療したからと言って、20歳に戻せるわけではないので、微妙な差のアフターになります。劇的に変える、って、なかなか若い方の、元がいい場合、難しいと思います。)

微妙な差に気づいて、患者さんは満足されている方も多い、とおっしゃってました。

(気づくか、気づかない、って大事ですよね。)

 

年齢がある程度の方、あるいは、ビフォーがたいがいひどい場合って、変わり甲斐があるといか、アフターって、わかりやすいんですよね。

 

リデンシティーの場合、ちょっとボリュームアップしながら、肌質改善(言い過ぎかな。。?)もできれば、という感じですが、注射あまりしなくても、という考え方の私からすると、肌質改善の場合は、スキンケアやレーザーで、というのが、私のメインの考え方です。

ボリュームアップは、注射でないと無理ですけどね。

 

でも、ご講演を聴いていて、50代以上の方で、たまにうちにも来られるんですが、今まで日焼けを散々していて、光老化がムチャクチャ進んでいて、お肌がボロボロに汚くひどい方って、いらっしゃいます。

もう、そういう方の場合、患者さんも、スキンケア頑張られますが、元がひどすぎるのと、ホントに、おうちで、正しくスキンケアされているのか、疑問の時もありますが、良くなるのに、恐ろしく時間がかかりすぎる方がいらっしゃいます。

紫外線によるダメージがひどすぎるわけです。

そういう人であれば、中から栄養素を入れてあげるって、ありだな、と思って聴いていました。

 

ちなみに、リデンシティーはテオシアルという、ヒアルロン酸のメーカーになります。

老舗で有名な、Q-MED社のレスチレンだと、Vital もしくは、Vital Light というのが、お肌に、同じように、たくさん注射していく、ヒアルロン酸製剤の栄養剤注射になります。

レスチレンのほうには、ヒアルロン酸以外に入っているのは、せいぜい麻酔薬くらいで、抗酸化成分やビタミン・ミネラルは入っていません。

患者さんの好みもあるし、クリニックのドクターによって、好みや考え方もいろいろでしょう。

いろんな栄養素って、大事ですが、それで、思わぬ反応が出る方もいっらっしゃるかもしれませんから、シンプルにやるか、よくばりになるか、人それぞれですね。

 

患者さんが、ちゃんとメリット・デメリットを理解されたうえで、リデンシティーをされるのは、とてもいいと思いますよ。

うちでは、あまり注射系を増やす予定は、今のところないですかね~。なるべく、ダウンタイムのない治療を、というのが、私の理想です。

今後また気が変わるかもしれませんが。。(注射でないと、できないことって、ありますからね。)

注射好きの方は、一度お話を聞きにいかれたら、いかがでしょう。

選択肢が多いにこしたことありませんからね。

 

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医療, 学会で得た知識