プロフィール

  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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シワの相談に来られる方って、かなり多いんですが、シワにもいろいろあります。

目尻の笑いジワや、おでこの眉毛を上げた時に出る、おさるさんのようなシワ、眉間にシワを寄せた時に出るシワは、基本、ボトックスを注射するということになります。

表情ジワと言って、動いてできるシワは、動かさないようにするしかなく、でも、表情って、クセでもあるし、無意識のうちに動いてしまうものですから、自分では、「止める」ということは、なかなか難しいと思います。

動かさなくするには、ボトックスしかできないんです。

 

光・レーザー治療で、コラーゲンを増やしても、ヒアルロン酸で、シワを埋めたところで、結局、また動くから、増えてコラーゲンごと、埋めたヒアルロン酸ごと、一緒に折りたたんで、溝を作るだけなんですね。

まず、折りたたまないように、動きを止めてやらないと。

 

患者さんに、どのシワ・どんなシワがイヤなんですか?と聞くと、この表所ジワを言われることが多いので、それなら、ボトックスえすよ、と言うと、「まだ、ボトックスをする年齢じゃないから。」とか、「ボトックスは、もっと年がいってからします」という方がいらっしゃいます。

クセを止めない限り、(実際、止まりませんが)同じことの繰り返しで、ますます溝は深く刻まれて、動かしてなくても、深~いシワに定着してしまうんですが、ボトックスをかたくなに拒否する方がいて、「まだ早い、まだ早い」とおっしゃいます。

 

ボトックス自体を、一生やりません、というのなら話はわかるんです。

ボトックスを、毒だと思っていらっしゃる方も、まだまだいらっしゃいますし、ボトックスを やりすぎた芸能人や読者モデル・知人などの顔を見て、ああはなりたくない、と思っていらっしゃる方です。

こういう方に、無理強いするつもりは全くないし、表情ジワには、ボトックスでないと難しい、ということがわかっている上で、レーザーやヒアルロン酸をされるなら、何も問題はありません。患者さんご自身の治療の選択ですからね。

 

でも、「まだボトックスは早い」と言われる方の場合、ボトックスを毛嫌いしているわけではないのに、ボトックスをすること自体が、高齢の方がすると思っているのか、若い子なら、オバサンがすると思っているのか、頑なな方が時々いらっしゃいます。

50代でも、「まだ早い。もっと年いってから。」と言われたり、20代でも、もうじっとしている時でも消えないシワが溝となって、出てきてるというのに、「まだ早い」と言われます。

 

みなさんは、ボトックスをいつならやっても適正と思っていらっしゃいますか?

 

厚生労働省が唯一認めているアラガン社のボトックスビスタ®をやってもいい年齢は、65歳までです。

それ以上だと、ボトックスをしても、効果はほとんどわからないどころか、下垂と言って、下に下がる副作用だけが目立ってしまう可能性がすごく高くなるからです。

60代以上になると、もう60年以上、皮膚を折りたたんで、溝を作ってきましたからね、何度も折りたたんだお札と同じで、溝が深う過ぎるんです。

場合によったら、シワの状況や筋肉の強さで、ボトックスをしても価値があると判断することもありますが、普通は、あまり勧めないことが多いです。

70代・80代は、私は、やりませんね。

60代後半もやりません。

60代前半は、状況によります。

 

40代・50代でもそうですが、シワの深さによると、もうボトックスだけしても、じっとしている時にもシワが残ってしまってますから、光・レーザー治療やヒアルロン酸注入を含めた併用療法をやらないと、患者さんの思うような結果は出ません。しかも、完全には消せません。

いろいろやれば、メイクで、かなり目立たなくなるとは思いますが、その分、お金も時間もかかるわけです。

 

アンチエイジングは、なってしまった老化に対しての治療よりも、本当に大事なのは、まず予防なんですね。

紫外線カットのための日焼け止めや抗酸化剤の摂取なども大切ですし、基本です。

でも、表情ジワだけは、それらをしても、予防は、ちょっと難しいです。だって、原因は、動いて折りたたまれたことによるので。

 

そういう意味では、表情ジワの予防は、ボトックスがかなり重要な位置を占めると私は思います。

 

よく笑う方は、20代から目尻にシワが残りだします。

目が悪くて、よく目をこらすから、眉をしかめる方、寝ている間にうなされて、眉をしかめる方。

表情が豊かで、眉毛を上下に動かすから、おでこにシワが出る方。

子供の時からの折りたたむという積み重ねなので、早い方で、20代から、出てきます。

動かせば動かすほど、早くシワが残るわけです。

(だから、シワがイヤだったら、顔筋体操なんて、やったら、ダメなんですよ。)

 

そういう方は、20代からでもやったほうがいいと、私は思います。

 

20代は、基本は、正しいスキンケアだけやっていたら、私は充分と思いますが、お金と時間に余裕があるなら、時々、なにか光・レーザー治療を、エステ感覚でしてあげると、確かに、とてもいいです。

でも、光・レーザー治療を定期的にやる予算がない場合、そして、表情ジワが豊かな場合は、スキンケアとボトックスがおススメです。

 

30代・40代でも、まだボトックスをされたことがなく、シワが定着しかけてるなら、もうやっておかないと!と、私は思います。

それこそ、「早く!早く!」という心境です。

 

もうすでに、シワが定着してしまったら、シワの深さにもよりますし、ご本人がどこまで気にするかですが、ボトックスだけでは、ちょっと足りないかな。やっぱり、なにか併用しないと。

 

目尻の笑いジワは、表情を優しく見せますから、ここにボトックスをやるかどうかは、好みが分かれるところです。

ここは、まあ、あってもいいと私は思います。

でも、眉間のシワは、怒っているようにも見えるし、不幸顔に見えますから、私はなくてもいいと思います。

おでこは、前髪で隠してしまえば、まあ、わかりませんが、前髪を上げた時に、ギョッとすることがあり、一気に老けてみえるので、何かはやっておかないと、バランスが悪い気がします。

まあ、その方の好みですけどね。

 

ボトックスはボトックスで、悪いものではありませんから、そう毛嫌いなさらず、一度ご検討ください。

変なところにいれたり、一度にたくさん入れると、不都合なことが起こりやすくなりますから、少な目に、スタンダードなところしか触らない、というのが、ポイントです。