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    柴 亜伊子
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ホーム > 医療 > 成長因子を使った治療



成長因子を使った治療

先日のセミナーのお話です。

 

今、美容クリニックで、「成長因子」というものを追加して、より効果が出そうとする治療法があります。

クリニックによって、何を(どの商品を)使っているのかはわかりませんが、いろいろトラブルの多い治療です。

「成長因子」ってすっごい簡単に言うと、いろんな栄養素も入っているんでしょうが、たくさん増殖させる成分と思っていただいたら、いいかと思います。

例えば、PRPとかヒアルロン酸とか、皮膚に注射するものとかに混ぜて入れて、コラーゲンを増やすのを刺激しますよ、みたいに、宣伝されていることがあるかと思います。

あるいは、ダーマローラー(コロコロローラーに、剣山みたいに針がたくさんついていると思ってください)で、皮膚に穴をあけて、そこに、「成長因子」を塗りこんで、コラーゲンをもっとたくさん増やしますよ、という感じです。

話だけ聞いていると、混ぜてほしくなるかと思いますが、そんな魔法みたいに都合よくいかなくて、増えすぎたら、困るわけです。

「成長因子」に、「ここまでで、止まってね♡」とお願いできるわけでもなく、勝手にどんどん増えてしまうことがあります。

少なくて済んだら、ラッキーでしょうし、ちょうどいいところで止まれば、もっとラッキーでしょうが、そんなうまくいくのかな。。。というのが、私の今までの考えでした。

(これは、正解!です。)

 

皮膚科・形成外科で使用する、「フィブラストスプレー®」という薬剤があてt、深い潰瘍(皮膚がえぐれちゃっているんです)や褥瘡(床ずれのことです)の治療に使う、すっごい高い薬です。

これも、「成長因子」で、スプレーすると、血管を増やして、コラーゲンを作ってる細胞とか増やして、「肉芽組織」というものを増やして、それがコラーゲンとかに変わっていって、表皮細胞も増やすので、どんどん深い傷を治していく、というものです。

床ずれとかひどい火傷とかの治療では、発売された時は画期的で、床ずれの治療に、大変役に立ちました。

でも、もちろん、全員の方に、絶対うまくいくわけでもないし、反応が悪いこともあれば(悪くなるような条件が重なったりして)、反って盛り上がりすぎて、どうしようか、みたいな場合もあったと思います。

週1回とかしか皮膚科受診ができない病院で、それ以外の日を病棟の看護師さんが代わりにスプレーしていて、盛り上がってきても、止めなくて、続けてやって盛り上がってしまったということもありました。

(止めたけど、盛り上がるのが止まらないこともあります。反応が良すぎてしまうわけです。

床ずれとか火傷で、盛り上がってきてくれたのは、確かに嬉しい誤算かもしれませんが(まだ、キズを塞ぎやすくなるので)、例えば、美容医療で、盛り上がったら困るでしょう。

 

ダーマローラーが美容医療に登場した時に、フィブラストスプレーまいたら、コラーゲン増えていいんじゃない?と考えましたが、反応が止まらなくなると、そこだけケロイドみたいに、赤く盛り上がってしまいますから、エライことになります。

ダーマローラーだと、たくさん顔に穴をあけますから、それ全部、赤く盛り上がったら、大変です。

自分の顔で実験するのはイヤだし、患者さんにいきなり試すわけにはいかないし、と私自身は、使ったことはありません。

 

でも、皮膚科医・形成外科医の考えることは似ていて、やっぱりっそういうことをされているドクターがいて、学会で、ちょこっと、「いいですよ。問題ないです。副作用ないです。」と言われたのを聴いたことがあり、「へえ~、副作用ないんだ。。」と思ってました。

(それでも、自分でやる自信は、ありませんでしたが。。。。)

 

私が以前勤めていたクリニックでも、注入系で「成長因子」と追加する(その分値段が上がる)なんかの治療がありました。

私は、その内容成分が疑問だったので、患者さんには勧めたことはなかったので、直接使ったことはありません。

他の先生で、使用していた人はいました。

私が休みの日にあったらしいんですが、その「成長因子」を注射している途中で、いきなりショック状態に患者さんがなり、大変だったらしいです。

注射で気分が悪くなる、とかいうレベルではなく、完全に、アナフィラキシー、という、血圧低下・意識不明のショック状態なので、ホントに命に関わります。

(ハチとかに刺されたり、そばやピーナッツアレルギーの、症状の強いアレルギーみたいなものと思っていただければ)

どうも、その「成長因子」の中に混じっているタンパク質に反応して、アレルギー反応が強烈に起こったようです。

韓国製でした。

(絶対、韓国製の薬剤がダメ、というわけではありませんが、薬剤(というか、商品)によったら、アメリカ製の方法が生成度合がいいので、不純物が少ないので、アレルギー反応が出にくかったり、ということもあるので、薬剤を使う場合、注意が必要で、ちゃんと信頼できるメーカーのものか、ということも大切です。)

結局、しばらくしてから、アメリカ製のに変更されてましたが、私は使ったことがありません。

 

「成長因子」という、言葉のイメージ自体が一人歩きして、成分自体は、医療で使うもの自体は、悪くないと思いますが、(モノによりますが)使い方によったら、ホントにえげつないことになる、という印象です。

 

セミナーは、注入系のお話でしたが、いろんな注入剤に、この「成長因子」を混ぜて、注射しているクリニックもあり、宮田先生も石川先生も、お二人とも使われないそうです。

特に、宮田先生は、他院で、成長因子を入れられて、そこが赤く盛り上がったりして、完全に肉芽状態です。そういう治らない患者さんの治療もされていらっしゃいます。

もちろん、完全に、なかったかのように治すことはできません。

でも、そういう被害者の方が、札幌から沖縄の方まで、日本中から来られるそうで、ものすごくそういう患者さんが多いそうです。

 

とあるクリニックが、この「成長因子」を使って、、バンバン治療をされているらしく、また、「全く問題ないです」と言い切られるそうで、患者さんが肉芽の状態になって診察に行っても、「問題ない」と追い返すそうで。。。。

 

美容医療は、大半の治療が厚生労働省の認可を受けていないものです。

各個人のドクターが、自分の判断と責任において、いろいろな治療をやるわけです。

まだ発展途上の治療もあるし、先行してよかった治療もあるし、それは確かに、現時点だけをもって、いいか悪いのか判断するのは難しいんですが、自分でやった治療で、副作用が出て、実際に、消えないのであれば、それに対しての治療まで考えてやらないと、そりゃ、ダメですよね。

で、この「成長因子」による、肉芽、勝手には消えないと思います。

それを手術するドクターがいるそうですが、(宮田先生は、レーザーを使っておられたはずです)手術して刺激すると、また「成長因子」が刺激されて、すぐにそこから盛り上がってきて、ダメだそうです。(これは、他のドクターがおっしゃってました。)

 

自分でやったことに、責任を持てないドクターが、どんどん被害者を作り出す、と言うホントにエライことです。

 

「成長因子」にも、いろんな種類があるし、クリニックによって、使い方もいろいろですから、全部が絶対悪いわけではないかと思いますが。。。(私は、今のところ、使いませんけどね。)、「成長因子」を使った治療を、今、お考えの方、慎重に、ね。

ネットで調べるだけでも、やってるクリニックが、そう多くない(いや、多いのか?)でしょうし、やっているクリニックのHPとか、比べてみると、わかりやすいと思いますが、いいことばっかり書いてあるクリニックのは、おかしいです。止めておきましょう。

 

最近は、化粧品やエステでも使ったりされていますが、宮田先生もおっしゃってましたが、「成長因子」の類似品であって、害はないでしょうが、効果も期待できないでしょう、とおっしゃってました。

私もそう思います。

医薬品ではないので、エステとか、どこから仕入れているの?どこの誰が、その「成長因子」を作っているの?どうやって?と、常々疑問です。

エステ商品のカタログとか見てたら、いい加減に、適当にいいことばっかり(これが一般のお客さん相手の広告なら、完全に違法だと思うんですが。。。)書いてあって、あやしさ満点です。

根拠もなにもなく、また成分自体もよくわからない、という。。。

エステや化粧品は、所詮、皮膚の表面に塗るだけですから、どうせ吸入もしないし、高いお金を出した意味はないと、私は思います。

医療用をエステで、使えるわけないですからね。

効果を望まれるのであれば、リスクもそれなりにあるし、それは、完全に、「医療」の分野ですから、エステでは無理です。当たり前です。

 

カテゴリ:

医療