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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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ホントにおススメしない化粧品第4弾「安物の化粧品」です。

ここで言う「安物」というのは、「安い」=「悪い」ということではありません。

安くても、質のいいもの、お肌にとっていいものは、たくさんあります(と、思います)。

それとは逆に、すっごい高くても肌にむちゃくちゃ悪いものもあるわけです。

(前回のおススメしない「高機能化粧品」もその一つです。)

ただ、全般的に言えることは、どうしても安いと、原価も安いので、お肌にとってまだマシな、比較的質のいい界面活性剤(乳化剤なども)を使えないことも事実です。

その辺が難しいところです。

例えば、今、ドラッグストアで、1000円以下の化粧品をお使いの方。

それで何も自分はトラブルがなく、満足しているというなら、そのまま使っていらっしゃったらいいと思います。

専門家が肌を診て、ホントに、お肌に負担がかかっていないかどうかは別として。

(お肌に自信をお持ちの方、あるいはトラブルは感じていない、という方のお肌を実際診ると、全体に変な赤みがあったり、顔中肝斑で茶色くくすんでいるので、ご本人が気づいていないだけ、ということもあったり、乾燥してお肌は悲鳴を上げているのに、全然気づいていない方、などなど、そういうこともあります。

どうして気づかないわけ?と思われるかもしれませんが、おそらく、ず~っとそんな状態が続いていて、ご本人からしたら、当たり前すぎて、そういうものだと思っていて、おかしいとか思いもしない、と言う感じなんでしょう。

自信を持ちすぎているというのも、イタイところでしょうけど。

そんな方を、こちらから説得して、今しているスキンケアを根底から変える、というのは、私は不可能だと思います。

だから、今のお肌に疑問を持っていない方は、どうぞそのままお過ごしください。)

やっぱりなんか調子悪い、という方。心配な方。

化粧品を見直してみませんか?

健康な肌の女性の肌トラブルの大半は、化粧品から来ているといっても過言ないかもしれません。

一般病院で、外来をしていた時も、女性の顔の場合、はっきりした湿疹や皮膚炎は別として、なんか調子悪いとか、確定診断がつかないような、皮膚炎や湿疹を繰り返すとか、そういう時は、まず使っている化粧品全部(基礎化粧品も一切)止めていただきますね。

皮膚科医として当たり前の判断です。

かぶれや湿疹とかで、皮膚科に受診して、化粧品全部止めるように言われた経験のある方は、大勢いらっしゃるんじゃないですか?

皮膚科の治療として、常識です。

でも、湿疹が出てるわけではなく、そこまでひどくない場合。

ステロイド塗るほどじゃないし、塗るにしても、弱~いのでいいけど、それをず~っと塗っておくのもダメだし、保険ではそんな処方する薬がないな。。という程度。

出す薬がないとなると、皮膚科外来行っても、あまり相手にされないでしょ?

保険診療の場合、さっさと薬を出して、次の患者さんを診る、というのがふつうでしょう。

(でないと、外来終わりませんからね。話をゆっくり聞いてる時間は、一般の皮膚科にはありません。)

何か言っても、適当に流されて終わりです。だって、出す薬ないから。

まあ、アレルギーの薬出したり、ビタミン剤出したり、当たり障りのない薬を適当に出して、あきらめて、どっかよそのクリニックに行くのを待っているんですよ。

あんまりうるさいと、体質改善したら?と言われ、漢方薬とか勧められて、そういうクリニック行くように言われたりとか。

(まあ、ホントに漢方がいい場合もありますけどね。でも、そういう場合は、出す薬もちゃんとあって、さらに追加で漢方も、あるいは、漢方に切り替えましょう、ということが多いですね。)

(病気の皮膚からしたら、症状が軽すぎて)薬を出せるような状態でもないのに、化粧品全部止めるように言ってくれるクリニックは、ホントは良心的なんですよ。

ちゃんと相手してくれています。

化粧品を全部止めるように言われた女性は、たいてい抵抗しますからね、それの相手をするだけで、余計に時間がかかるわけです。止めろ、と言った以上、説得する時間も余計にかかるわけですから。

化粧品を止めさせずに、不調をどうにかしていく、というのは、出す薬もないわけですから、保険診療で外来やっても、クリニック儲かりませんからね。むしろ、時間を取れば取るほど、他の患者さんも待たせて、自分がしんどいだけですから、そこまでの相手をしてくれ、と保険診療で要求するのは、なかなか酷というものです。

今の保険制度では、科に関わらず、患者さんの話を長く聞けば聞くほど、儲からないようにできています。薬出すか、検査するか、薄利多売と同じで、短時間に大勢診るか、をしないと、経営が成り立たないんです。

だから、話をちゃんと聞いてくれるドクターというのが、多くはないわけです。

ホントにひどいクリニックだと、ステロイド塗るほどでもないのに、きっついステロイドを出して、「これで様子をみてください。」と化粧品を止めるように言うこともなく、すぐに追い出されて、ステロイトド漬けにされて、気が付いたら、副作用でお肌がえらいことになっている方も結構いますからね。最悪です。

化粧品以外に、不調の原因があることもありますが、そういう場合は、ほとんどの皮膚科医は、パッと診たら、大体わかります。(そう訓練されていないと、一般外来はやっていけません。)

特殊な病気や、病気の出始め、とかで、すぐに確定診断して、治せ!というのは、無茶な話です。それは、誰でも、なかなか見抜けません。ある程度、症状がそろわないとね。

(ちなみに、原因を見つけていく場合に、経過がとても重要になりますから、患者さん自身がちゃんと把握していないと、調べようがありません。

また、客観的に判断することができず、自分で思い込んでいる方も、経過を話す時に、事実を言いませんからね。勝手に自分で、これは関係ないと判断して、(ホントはとても重要なことなのに)経過をはしょったり、脚色する方も、適当に薬出されて終わり、ということもあります。

お肌と経過を診ていたら、この人、絶対何か要らんことしている、というのは直感でわかります。

それぞれの病気なりのお肌の経過というのがあるわけなんです。

(特殊な場合を除いて。

そして、特殊な場合というのは、確率から言って、一般外来で、そうそう出くわすものではありません。)

それから外れていると、違うことが起こっているわけで、「何も悪いことはしていない」なんてことは、普通あり得ないわけです。

こちらが原因を探そうとしているのに、患者さん自身が協力しないなら、どうしようもありませんからね。そんな人を忙しい外来で、毎回毎回説得して一緒に原因を探してくれるドクターを見つけることは、ものすごく難しいでしょう。

さて、話を戻しますね。

これが美容皮膚科の場合(というよりも、うちの場合)、大した湿疹・皮膚炎があるわけでもなく、薬を出すようなひどい症状があるわけでもないのに、なんとなく調子が悪い、今は大丈夫だけで、湿疹を繰り返すこともあり、一度出ると長引いてしまうなど、そういう場合に、今、全部化粧品を止めさせるというのは、さすがに酷でしょう。

今日も明日も仕事に行ったり、学校に行ったり、人と会うわけですものね。特に、化粧をせずに、仕事に行くわけにいかないところが大人として難しいところです。

私は、そういう場合、まず使っているすべての化粧品を聞いて、あやしいものはすべて止めていただきます。

使っておられるものの中で、とりあえず続けてみましょうか、というのは続行です。

調子悪い時に、新しいものに変えても、それがどんなにいいものでも、刺激なったりすることもありますからね、少し落ち着くまで、基本は変えないほうがいいです。

どうしても、変えるなら、(家に使えるものが何もなかった場合など)、最低限、テスターを使って、お肌に沁みないか、かゆくならないか、など、感じを確認しましょう。

いつも言っているように、クレンジングは即止めてもらっています。

他のものは全部続行でもクレンジングは即止めです。

もちろん、「高機能化粧品」も。

最近は、安いものでも、「高機能」などの付加価値のついたものが増えましたよね。

そんな安い値段で、「高機能」なわけ、ないじゃないですか。

安物の、「高機能化粧品」も、即止めです。(高いものもね。)

おススメしている純石けん(カリ石けん素地のみ。)など、安くても質のいいものもあります。(うちで買えば、1個150円)

これは、「安物」ではなく、昔ながらの、シンプルな作り方とシンプルな材料だけで、作っているので、安いわけです。

その代り、消費者は、すぐに新しいものが好きなので、消費者離れも起こしやすいですし、使い続ける人って、決まっていきます。ホントに必要なものが何か、わかっている方は、そのまま使い続けます。

こういう商品て、付加価値も付いていないので、大勢に受ける商品ではないんです。

付加価値がない分、商品の値段を上げるわけにもいきません。(ますます売れなくなりますから。)

だから、安いんです。(材料もシンプルですからね。)安い分、メーカーの儲けもそれほどありません。

でも、メーカーの理念として、そういうシンプルな、なるべくお肌に負担にならないような化粧品を作り続けてくださっているわけです。

(だから、利益優先のメーカーは、あまりこういう商品は出しません。)

ドラッグストアでも、探せば、そういう昔ながらの成分だけで作ってある、シンプルな化粧品って、あると思います。

(昔から売っているもの全部が、質がいいわけではないですよ。)

ただね、そういう商品って、それほど、使い心地が良くなかったり、使い心地は悪くないけど、保湿効果が全然足りなかったり、と、なんかもひとつ、というか、物足りないというか。。

(化粧品に求めるのは、保湿だけだ、ということさえ、理解していたら、ホントはあまり気にならないんですけどね。みなさん、市販の化粧品に、大きな期待をし過ぎです。)

物足りないから、いろいろ書いてある、いらん化粧品を使いたくなってしまうんですよね。

また、一度、そういう、いらん化粧品を使うと、一見、塗り心地とか、なんとなく騙されてしまいますから、(一種の麻薬と同じですかね。)、もうそれが当たり前になっちゃうので、シンプルなものに戻れなくなっちゃうんです。

うちの患者さんの中には、ドラッグストアの安いやつを使っておられる方もいらっしゃいます。

なんか肌おかしいな、と思って、化粧品の商品名を聞いたら、恥ずかして(安物だから)いいたくないようなこともあるみたいです。

人に恥ずかしくて言えないような化粧品を使うのは、止めませんか?

安くても、それがいい!と自信を持って、使っているなら、別に聞かれたって、堂々と言えるでしょ?

「ただ、安いから」「安物でいいや」と、適当に買っちゃったから、恥ずかしいわけでしょう?

ひどい方になると、商品名すら覚えていない。

たまたま、ドラッグストアに行ったら、店頭に安売りして、山盛りで売っていたから。

ホントにテキトーです。

名前も憶えていないような化粧品を、顔に塗るのって、怖くないですか?

恥ずかしくて言えないようなもの(自分が人に言うのに、恥ずかしいと思ってしまうようなもの)や、名前すら憶えていない化粧品を使うのは止めましょう。

どっちにしろ、そんな化粧品で、保湿なんてできていないでしょう?

別に乾燥していません、というなら、たぶん、その化粧品を塗らなくても、その人の肌は、乾燥しないんじゃないですかね。

自分の肌自体が、ちゃんと保湿成分を保持していたら、化粧品を塗る必要はありません。

界面活性剤で負担になるだけです。どんな化粧品にも、乳化剤という形で、入っていますからね。

自分の保湿成分だけで足りないから、保湿するために、化粧品を使って、補うわけです。

化粧品のメリットデメリットとどっちが大きいか、自分にとって、メリットが多いなら、化粧品を使えばいいと思います。

普通に考えて、安い化粧品で、塗り心地も良くて、質も悪くなく、しかも保湿もしっかりしている、というのは、ちょっと難しいでしょう。もうちょっと、お金をかけないとね。

ドラッグストアでも、デパートの化粧品ほどではないけど、そこそこの値段のものも、たくさん、売っていますよね。そういう中にも、いいものは結構あると思いますよ。

今、人に聞かれたら、恥ずかしくていいたくないような安物を使っていて、しかも乾燥している、というなら、うちのレーザー治療、1回休んでもいいので、その分で、いい化粧品を買ってください。

普段の保湿ができていないと、光・レーザー治療に、どんなにお金をかけても、レーザーで保湿はできませんから、お肌はキレイになりません。

レーザー治療をされる場合、日焼け止めの塗り直しと、こすらない・一切の摩擦と刺激を止めることと、自分に合った保湿をするように、と必ず、申し上げているでしょう?

確かに、光・レーザー治療をして、お肌がキレイになれば、化粧品なんて、どんどんお金がかからなくなりますが、安物を使っていい、というのとは、別問題です。

安いのを使うといっても、テキトーはダメです。

化粧品もテキトーだと、お肌もテキトーにしかなりません。

ドラッグストアの安いやつでも、大した肌トラブルもなく、ご本人がこだわって、それを使っておられる場合、私から、「それ、肌に悪いから止めてください。」と全部止めているわけでもありません。

安いものでも、わざわざ止めることまでしないものもあります。

(何か起これば、後から止めることもありますが。)

お肌は乾燥していて、でも安いのしか買えない、というなら、せめて、塗る心地は我慢して、べたつくものを使わないと無理でしょう。

(塗り心地も良くて、保湿効果も高い、というのは、どうしても値段が上がります。)

レーザーする1回のお金で、もう少しランクを上げた化粧品が、何本も買えるでしょう。

それくらい、普段、顔に塗るものって、お肌の状態を左右するわけです。

ただ、いくらいい化粧品を使ったところで、レーザー1回するような効果なんて、出るわけないですから、化粧品をケチってでも、レーザーを1回でも多くしたい、と言う方。

まあ、そりゃそうでしょう。

でも、それなら、ちゃんと自分で調べて、安い化粧品で、質のまだマシなものを探すしかありませんね。

そんな手間暇もかけるのはイヤ、というなら、精製水にグリセリン混ぜて、化粧水として使って、最後にワセリン塗っておいてください。

塗る心地は悪いでしょうし、これで保湿が全然足りない方もいるでしょう。

(ワセリン自体には、保湿効果はありません。保湿できている状態の最後に塗って、蒸発しないようにフタをしているだけです。それと保護ですね。

でも、人によっては、ワセリンで、毛穴が詰まって、ニキビが出ることもあるので、誰でもワセリンが使えるわけではないですよ。)

グリセリン水とワセリンで、そのあと、日焼け止めとファンデーションが、塗りやすいかどうか、までは知りませんよ。

安くして、肌に負担をかけない、ということは、そういうことです。

どちらにしろ、基礎化粧品をケチりすぎたところで、日焼け止めとファンデの質を落としすぎると、肌にまた負担になるわけですから。

どこで妥協するか、ですけれど。

まあ、あんまり化粧品をケチって、レーザーしたところで、ちゃんとしている方と比べて、効果は悪いと思ってください。

化粧品を使う以上、必要悪というか、なんらかの害はあるわけです。安いものはどうしても、その害が、いいものに比べて、大きいのは当たり前です。負担がずっと続いてる肌に、お金かけてレーザーしても、効果どころか悪化することもあります。

まずは、普段のスキンケアありき、です。

それと、安物の化粧品って、使っているよくない成分とかも似たりよったりのことがあって、ずっと使っているのに、突然合わなくなる、ということがあります。

(ずっと使い続けたからこそ、ある成分に、「感作」されて、一種のアレルギー反応が起こったわけです。絶対誰にでも起こるわけではありません。たまたま、と言えば、たまたまです。でも、起こってしまったら、もうずっと、その成分は、合いません。)

安物は止めましょう、と言っているのに、また次に買った化粧品も安物で、またかぶれて、延々とかぶれを繰り返す方が時々いらっしゃいます。

こうなると、安物連鎖は、どっかで断ち切らないと。レーザーしてる場合じゃないです。レーサーのお金、ムダですから。

こういう方は、もう化粧品全部止めさせるしかないですかね。安物しか買いませんからね。

ケチっているわけではなく、なるべくシンプルでいきたいから、と信念を持って、市販の安いものからちゃんと探すなり、確認するなり、グリセリン+ワセリンでいいや、というなら、いいと思いますよ。

(安いっていっても、限度ありますけどね。100均は、絶対ダメですよ!念のため。

昔、勤めていたクリニックで、ジョークのつもりで、100均はダメですよ、と言ったら、(普通、こういうと、たいていの方は、そりゃそうですよね、と笑われます)、「そうなんですか?!」とビックリされたことがありました(使っておられたようで。。)。さるがに、今、うちに来られている方で、100均の化粧品を使う方はいません。)

あと、安いものでも、ティーンの子が使うような、(ティーン用に発売されているもの)化粧品を、大人の女性が使うのは止めておきましょう。

普通に考えて、お肌に合っているわけ、ないでしょう。

逆もそうです。

若い子が、アンチエイジング用の化粧品はいりません。毛穴が詰まって、ニキビ出るだけです。(高いものでもね。)

安いもので、「アンチエイジング用」なんて、あり得ませんからね。原価から言って。

安い「高機能化粧品」は、ホントにロクでもないと私は思います。

値段の高い光・レーザー治療をする前に、もう一度、化粧品を見直してみてください。

美容医療さえすれば済む話ではないので、毎日安物で肌を痛めていたら、本末転倒です。

お金はあるけど、何を買ったらいいかわからないし、化粧品にもあまり興味ないし、ついドラッグストアでテキトーに買っちゃう、と言う方は、うちで、化粧品(試せるのは、ちゃんと試してからね。)買ってください。こちらでおススメのものをご紹介します。

わからないときは、人に任せる、アウトソーシングですね。役割分担をしてしまいましょう。(その代り、こちらの指示はちゃんと守っていただきます。)

でも、自分で、ちゃんと化粧品と向き合うと、普段のお手入れって、もっと楽しいですよ。

どこで手を抜いていいのかもわかりますしね。