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    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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子供の紫外線対策

子供の夏休み真っ盛りでしょうか。もう8月になりますね。

子供さんと一緒に、アウトドアやプールや海などに行かれる患者さんも増えてきました。

10歳までのお子さんがいらっしゃる方々は、お子さんの紫外線対策ってどうされていますか?

帽子のつばとか、気にして選んでますか?

服装は?日焼け止めは縫ってあげていますか?

どこまでやったらいいのか、目安はご存知ですか?

 

ていうか、まず自分自身の紫外線対策できていないのに、子供の分までやってられませんよね?

ご自分にするにも、紫外線対策の知識が必要です。

どこまでやっていくのか。やったほうがいいのか(できるかどうかが別にして)。

 

で、まず、自分にもやっていて、子供にもやっていきたいと思っていらっしゃる方、あるいは、知らなかったけど、やれるかどうかわからないけど、まずは知識として知っておきたい、という方に、ひとつの目安のご提案です。

 

日本臨床皮膚科医会http://www.jocd.org/ という学会がありまして、申し訳ありません、私、入っていません。。

いや、もちろん私が入っていないのがおかしいのであって、素晴らしい学会です。

そちらのHPのトップに、素晴らしい情報が載っています。どなたでも見れるところがすごい!

 

「学校生活における紫外線対策に関する統一見解」http://www.jocd.org/pdf/20150929_01.pdf

「保育所・幼稚園での集団生活における紫外線対策に関する統一見解」http://www.jocd.org/pdf/20150929_02.pdf

この「統一見解」というのは、日本臨床皮膚科医会と日本小児皮膚科学会の統一見解、ということです。

 

これは、もちろん、医者から紫外線に当たってはいけないと診断を受けているような特殊な子供は、全然別の話ですよ。

普通に、他の子たちと同様に、みなさんが子供のころと同様に、普通に紫外線に当たっても、とりあえず今すぐ命に関わることがない場合の話です。

 

ここに載っている紫外線対策の方法は、とても具体的でわかりやすく、お子さんのいらっしゃる方には、とても参考になるのではないでしょうか。

自分自身にも、ここまでやっていないのに、と思われた方もいらっしゃることはないですか?

 

こういうのを読むと、小学校。幼稚園・保育園に、ここに書いてあることを、要求される親御さんがいらっしゃいます。

気になる方は、要望は出されたらいいと思いますが、全部のことを学校や園にしてください!とさせるのは、なかなか難しいと思いますよ。

要望を聞いてもらえたら、ものすごくラッキー!と思われたほうがいいです。

 

まず、運動場やプールなどにテントですが、テントがあればいいですが、なければ買わなければいけません。

そのお金、どこから出ますか? 簡単に予算が下りればいいですが、下りなかったら買えません。

保護者会で出してくれますか? 出す、寄付する、というなら、すぐに用意してくれるかもしれませんが、そう簡単に、お金がわいてでてきませんしね。

 

また、テントがあったとしても、テント張って、ほっておくわけにいきませんから、毎回片付けないといけませんよね。

(そのまま、ほっておいて、強風が吹いて、倒れたり、飛ばされたり、それで子供がケガでもしたら、安全対策がなっていない!とまた大問題になるでしょう。学校側は、毎回片付けることになると思います。)

その手間暇、誰がしますか? 学校の先生方ですか? 今でも仕事いっぱいなのに、これ以上、残業を増やせと? 下手したら残業代も出ていないかもしれないところに、サービス残業してくださいって?それとも、保護者会で毎回設置片付けしてくれますか?

 

体育やプールの時間の前に、日焼け止めを塗りたい子に、塗る時間を用意してあげる(自分で塗らす)というのはいいと思いますが、全身一人で塗れないので、ラッシュガード上下着用となると思います。あるいは、ラッシュガード着たい子は着たらいいですよ、と許可制になるかも。

こういう全員が揃っていない場合、どちらかが少数派だったら、今の時代、いじめにならないんでしょうか。 少数派は、多数派から、いじめられるのは昔からでしょうけど。。。

ラッシュガードが買えないおうちがあったら? あるいは、親に、そういう理解がなければ、買わないので、着れませんよね。(給食代すら払わない親もいるというのに、ラッシュガード、全員買いますかね?

学校側が無料配布も無理でしょうし、貸出にしても、予算が必要です。着用するということは、誰かが買わないといけません。

 

また、日焼け止めを塗るにしろ、ラッシュガードを着るにしろ、今までよりも時間を取るわけですから、その分、体育やプールの時間を短くするのか、それとも全体の終わる時間をあとにずれこませるのか?

あとにずれ込んだら、塾だのお稽古に遅れると、クレームにならないんでしょうか?

 

日焼け止めが自分で塗れる子(上下ラッシュガード着用であれば、顔・首・うなじ・ひじ下・ひざ下くらいとかなり塗る面積も減ります)はまだいいですが、塗れないくらい小さい子は? ラッシュがード着ないとなったら、全身塗らなきゃいけないわけです。

誰が塗りますか?

学校や園の先生ですか? その時間はどうしますか?

 

ここに書いてあったことを、休みの日に、お子さんを海やプールに連れていって、同じことやれ!って言われたら、こんなの、わかっているけど、忙しくてやってられないっ!!と思いませんか? そう思いながらもやれたらいいですが、無理な時は無理でしょう?

それを同じなのに、学校や園の先生に、強制させるとか、どうしてやってくれないんですか?!と責めるのは、そりゃ向こうにも事情がいろいろあるでしょう、と思います。

 

日焼け止めを塗らせてほしい、ラッシュガードを着たいんですが、という希望を却下された場合は、それは、堂々と、どうしてですか?!と詰め寄ったらいいと思いますが、仮にクラス全員が希望しても、いきなりできない事情もあるわけです。

 

全部を学校や園に求めるのは、そりゃ無理です。

先生一人で、大勢の子供をみていて、今でもかなり大変なわけですし、なにかあったら、すぐにクレームになる時代ですから、もう学校側はかなりキャパオーバーだと思います。

 

そもそも、そういうお母さん方が子供の時に、プール行こうが体育しようが、真っ黒に焼いていたでしょ?貴女のお母さんは、貴女にそういうことしてこなかったでしょ?

当時は、まだそこまで紫外線の害のこともわかっていなかったし、言われていなかったので、時代が違う、と言われたらそれまでですが、でも、それで、何か困りましたか? 今、皮膚癌になっていますか? 皮膚癌になったとして、子供の時に浴びた紫外線だけが問題ですか? 大人になってからは紫外線対策をやっていたんですか?他の刺激はなかったんですか?癌に強い免疫力があるくらい、そもそも肉や魚を食べていたんですか?って、話です。

 

医学が進歩して、確かに子供のころからの紫外線対策は大事です。

でも、だからって、全部、365日学校でもどこまで実践は無理です。だって、子供の場合、誰かがしてあげないといけませんから。

 

そこまで気になるなら、家で、学校から帰ってから、遊びに行く前に、紫外線対策するとか、学校に行く前の朝に、たっぷり塗ってあげるとか、休みの日に、家族で遊びに行く前にちゃんと対策してあげるとか、そちらが先です。

それだけでも、かなり違いますよ。

それができないなら、学校や園だけ、やってくれない!って責めてもダメですよ。

 

プールに授業で、学校側が日焼け止めを嫌がる原因のひとつに、日焼け止めが溶けて、水が汚染されることです。

子供用で、なかなか耐水性のものって、売っていませんから、プールだと溶けて流れてしまいます。(なので、結局、紫外線対策にもなっていないんですが。。)

こんなことを、大勢の子供にされると、あっという間に水を全部変えなきゃいけないし、プールの掃除も大変です。

そのお金はどうしますか?

学校のプールなんて、大きすぎて、予算のことがなによりありますから、季節前に掃除して、水入れて、その1回でいくことがほとんどじゃないでしょうか。

だから、嫌がられるんです。

 

昔に来られた患者さんの話ですが、小学生低学年ぐらいだったと思いますが、買われた日焼け止めがお子さんにも使えますよ、と声をかけたところ、子供にはドラッグストアの安物でいい、こんないいのは塗らせない、とおっっしゃってました。

1回レーザーするのを止めれば、日焼け止め10本くらい買えるのに、お金をかける優先順位は、自分の顔なわけです。

その家庭の問題ですし、価値観はひとそれぞれですが、もし私だったら、こんな母親嫌いだろうな(こういう人の場合、日焼け止めだけでなく、一時が万事だろうし)、子供があとから知ったら、すっごい悲しいと思いますけどね。。。

子供にこそ、まだ皮膚が弱いですから、少しでも質のいいものを塗ってあげてほしいものです。

 

うちの患者さにも結構多いですが、自分の漬かっている日焼け止めが、ウォータープルーフかどうかすら把握していない方って、結構いらっしゃいます。

きっと強いと思います、って、かなりてきと~。(商品名を聞いたら、どこがウォータープルーフやねんっ!!ということ多数。。)

 

ということは、子供に日焼け止めをもたせたとしても、それ自体がウォータープルーフじゃなければ、なんの意味もないし、これまた水が汚れますから、学校側は、泳ぐ許可を出さなかったり、あるいは、そういう子が増えてくると、再び、日焼け止め禁止、ということになったり。。

全員の親が、同じように、準備してくれるわけではありません。

 

また、ご自身の塗っている量も、無茶苦茶少ないのに、子供にどうやって教えるんでしょう。

まず、自分がちゃんと紫外線対策が必要なことがわかりますか?

 

日焼け止めを的確に塗る、というのは、本人の意識だけでなく、知識も必要です。

自分にできない場合は、学校や園にお願いするのも、してくれたら、感謝しないいけませんよね。要望はしても、クレームは止めましょう。

どこまでの紫外線対策をするのかも、個人によって違います。

ご自宅でそこそこできていれば、学校側がしてくれない!と、そんな怒ることでもないと思います。ほんと、してくれたら、ラッキーです。

ちゃんと栄養が摂れていれば、学校の体育やプールの時間くらいの紫外線であれば、そんなに負けない体になると思いますよ。

この世の中、できることとできないことがあるんですから、できることから始めていきましょう。

それだけでも、だいぶ変わります。

紫外線を100%カットすることもできませんし、する必要もありません。

ある程度の適度な量の紫外線は必要です。

それでも神経質になったり、過敏になっているとしたら、貴女がまず紫外線に当たらなければいけないのと、栄養療法をお勧めします。栄養で、バランスを取りましょう。

 

カテゴリ:

スキンケア, 医療