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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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ホーム > 2017年08月23日



肝斑の治療なんて、散々書いてきたことなので最近は書いていませんでしたが、まだまだ世の中周知されていないんだなと思ったので、また書いておきます。

 

クリニックにかかってくる電話で、「シミに○○してほしいんですけど。」とレーザー名を名指しで電話してくる人って結構います。

 

まあ確かに、シミには、○○みたいに、世の中には雑誌など機械の名前が載っていたりします。

うちのホームページにも載っていますね。

でも、ベースに肝斑というシミがあったら、そのシミの部分だけに強い治療はやりません。

まあ、悪化しますから。

運よく悪化しなかったとしても、ロシアンルーレットみたいなもので、たまたま運が良かっただけ。

次も大丈夫とは限らない。

1回目がうまくいけば、患者さんは2回目もやってやってと言いますから(そらそうだ)、その後から、スキンケアがどうのこうの、日焼け止めがどうのこうの、次は悪化するかもしれないと言ったところで、聞いちゃあいません。

それなら最初に徹底して注意事項言っとかないと。

 

仮に言ったとしても、誰も悪化するとは思っていないから受けるわけで、悪化したら、説明していようが同意書取っていようが関係ないです。

「そんなの聞いていません!」となります。それを言うか言わないかだけの違い。

なので、うちでは、肝斑がある、可能性があるところに、シミのピンポイントの治療はしません。

(よほど理解が良くて、信頼関係のできている方で、悪化するかしれないことを覚悟の上であれば、あてること自体はダメではないと思います。まあうちではやりませんが。。)

 

肝斑の治療は、一にも二にもスキンケアです。三、四もスキンケア、五にも六にもスキンケアです。

(私の考える正しいスキンケアとは、私の拙著「きれいな肌をつくるなら赤いお肉を食べなさい」にすべて載っています。ご参考までに。とてもわかりやすく、必要なことはすべて書きました。あとは、実践あるのみ。どこまでやるのか、できるのかにかかっています。)

 

ただ、スキンケアだけで良くなるのに時間がかかるので、その途中でいやになってあきらめる方もいるので、クリニック専売品の美白剤も使いますし、スキンケアをちゃんとやるのであれば、フォト(ライムライト)を使っての治療もやります。

フォトを使わずに、別のレーザーを使うこともあります。これは、肌の状態によって全然違います。

 

やっぱりね、美容医療のいいところって、お金払った分、ちょっと良くなるんですよ。

それを励みに、もっとスキンケアも頑張れば、早くきつい治療もできるし、しかも副作用も少なくできるから頑張ってスキンケアやってくださいね!とはい!頑張ります!!

となればいいんですが。。。

 

中には、スキンケアやらなくても、たった1回でこんだけ良くなるんだったら、もっとお金かければもっとよくなるんじゃない?!もっと強い治療をやれば、さらに良くなるんじゃない?!とあらぬ方向に行ってしまう他力本願系の方もいます。。

 

なまじ1回で良くなるから、そういう期待をさせてしまうわけで、良くならないほうがいいのか?と思ったりしますが、それは本末転倒ですから、やる前に、こんこんと説しますが、こういう方にはどこまで届いてんだか。。

 

最初は良くてもも、そのうち数回くらいで頭打ちです。

(回数は個人差がありますが9

だって、スキンケア全然やらないんだから、良くなるわけがないです。

最初があまりにもひどすぎるので、世間並のところまでお金と美容医療の科学の力で、引っ張り上げれただけの話。

そこからが本当の勝負なわけです。

なので、スキンケアをやっていない時間がもったいなさすぎて!!

 

先日もそんな電話がかかってきて、絶対にやってほしい!と言われるので、これはシミ治療希望で、レーザー名など名指しで言われる方全員にお伝えしていますが、

「もし肝斑があったら、話が変わってきますので、ホームページの肝斑のところも先に読んでおかれてください。」

そしたら、当日のカウンセがスムーズにいきやすいです。

(だいたい肝斑、もしくは肝斑の可能性がほとんどある。)

 

ところが、先日そうお伝えしたら、

「肝斑はトーニングでしょ?私トーニングしたいわけじゃないから。他でいろいろやっているので、わかっています。」

 

。。。わかってないっ!!

ぜ~んぜんわかってないですっ!!

今時、肝斑に、いきなりトーニングって。。。

 

そもそもトーニングの治療が出てきた時から、賛否両論があり、賛成派であっても、スキンケアの徹底と内服薬(トラネキサム酸など)などは必須で、それで数か月ほど様子を診て、それでもダメなら、レーザー―トーニングというのはセオリーです。

(それでもうちでは、トーニングを肝斑の治療としては使いませんね~。リスク高いから。)

学会でも副作用合併症などが問題になって、肝斑の治療のファーストチョイスでは全くありません。

 

肝斑治療=レーザートーニング なんて言っているのは、学会にも来ないような悪徳クリニックだけかもしれません。

初回¥9900みたいな。あるいはそれ以下とか。。(!) まあ、安売りクリニックのことが多いです。

スキンケアどころか薬の話もしないし、リスクの話もしない。

でも、お金は巻き上げる。もらった以上、やっているふりはする。

悪化したらめんどくさいから、とりあえず、一番弱いのでやっておく。

回数がいることを言って、コースを買わせる。

 

おきまりのパターンです。

(逆に、わけわからん設定で当てられて、ちょっとやそっとでは治らないくらいの合併症というか後遺症に悩まされている方もいます)

 

もうちょっとシミの治療も冷静になってほしいなと思います。

日焼け止めも塗らずにやれって、一体どうしろと?!と思いますが、強い治療はそうそうできません。

スキンケアの賜物なのが、今の自分の肌です。

お肌はどうですか? ちゃんと働いてくれていますか?

 

スキンケアだけでは足りなくて、ここでも栄養状態が絡んできます。栄養状態が良ければ、肝斑のひどいのにはならないのかもしれませんが。。。

 

うちでは、トラネキサム酸の内服を出すこともめっきり減りました。

肝斑治療の中でも一部の方のみです。

栄養療法されている方にはまず出しません。いらない薬ですから。

でも、皆が皆、栄養療法されるわけではないので、そういう場合は仕方ないので出します。

それでも他に手段があれが、ぎりぎりまで出さないですね。

出しても短期とか。。

 

早く気づいていただきたいものです。

良くなるのは、肝斑だけじゃいんですけどね。しわもたるみも体調も、いろんなことが変化があります。

しかもいい方に。

早い者勝ちです。