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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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アトピー協会

Facebookでも書きましたが、アトピー協会より、先日の件(企業が勝手に、アトピーの方にさもいい商品であるかのように錯覚させるようなマークを使用して、患者さんが間違えて買って私がこちらの協会に連絡した)について、ご報告のお手紙を頂戴いたしました。

 

日本アトピー協会http://www.nihonatopy.join-us.jp/

 

 

協会のほうでは、今年4月に、賛助企業に商品などにマーク(推奨商品のマークではなく、登録会員であるというどうでもいい内容ですが、いかにも勘違いさせることが魂胆の)を貼らないように伝えているそうです。

すぐに企業2社に連絡して使わないようにと至急訂正するように指示されたそうです。

 

まあ、こういう悪質な企業というのは、もぐらたたきのようなものですから、跡を絶ちませが、

協会のほうでも今後さらにいろいろと注意してくださると思いますが、皆さんも自分の身は自分で守れるようにしましょう。

皆が皆、その怪しい商品を買うわけではなく、一部の方が引っかかるわけですから。

 

 

こちらの協会のことは私もよく知らなかったのですが、この発足の経緯を書いてくださってました。

 

こちらの推奨マーク(アトピー協会推奨商品。ほんとの推奨のものです)は、平成15年に発足されたそうです。

 

今は、金沢大学皮膚科教授の竹原和彦先生が、アトピー性皮膚炎不適切治療健康被害実態調査委員長をお務目の頃、被害アンケートを依頼されたそうです。

また患者さんからの電話相談で、「ところで何かいいものはありませんか?」という問い合わせもあり、なにかできることがあるのではないか・という思いで始められたそうです。

 

竹原和彦先生は、アトピービジネスが全盛で、とてもひどかった頃(当時京大でいらっしゃったと思いますが)、皮膚科学会で、どんな科学的根拠のないひどいものでも、「プラセボ効果」で一時期的に効果が出る、というデータを出していらっしゃったのをとてもよく覚えています。

(確か、プラセボで、約2割ほどちょっと良くなります。後の8割は、不変と悪化です。

その後、ちょっと良くなったのも、もとに戻るか、悪化になります。

この2割があるから、患者さんが信じてしまうわけです。)

 

当時のアトピービジネスは、本当にひどくて、「水」を使った治療?(高額な「水」を完治すると言って買わす。中身はただの水道水。こういう「水」商法は今でもガンなどであるでしょう。)や、塗り薬もさまざまありました。

 

漢方薬の塗り薬やステロイドは一切入っていませんと謳っていて、すぐに良くなる・治る!と評判になったものすべて、ステロイド入り、ひどいのになると、超最強の強さのステロイドというありさま。

(これは、皮膚科でもされてかなり問題になりました。「あそこの薬はよく効く!」と評判のクリニックは、なんのことはない、ただ強い強いステロイドが軟膏ツボの入って処方されているだけです。こうしてステロイドの被害者がますます増えるわけです。

ステロイドが悪いのではなく、そうやって騙して、副作用も説明もしないし、診察もしない、それでもバンバン、しかも大量に出す、買えるようにしてある、ということが非常に問題。)

 

全身イソジン療法というのがありました。

(これは学会で、すぐに禁止されていました。)

これをやるまたバカな医者がいたわけです。患者さんの肌は、消毒剤でボロボロです。

 

竹原先生は、弱みにつけこんで何ら科学的根拠もない商品を売ってぼろ儲けする企業と真っ向から戦っていらっしゃったと思います。

 

この手紙を読んだ時に、竹原先生のことも思い出したし(アトピーのプラセボの話は、よく患者さんにしていますが)、皮膚科学会に参加して毎年思うことですが、皮膚科学会って、かなり真面目な学会です。

患者さん側に立っているというか。

もちろん保険診療という制約がありますから、ステロイドも免疫抑制剤などもそりゃあ使うんですけどね。保険の範囲内で最大限良くするにはどうしたらいいか、という考えがとても目立ちます。

 

それに引き換え(こう表現したら言い過ぎかもしれませんが、それくらい、皮膚科学会が真面目と思っていただければ)、

例えば、私が参加する抗加齢医学会や美容医療の学会は、もともと保険診療でできないことをやっているので、学会の中心にいらっしゃる先生の中に、企業と組んでいるなという、企業側の先生が目立ちます。

患者さん側ではないわけです。

学会としてそうなっているわけではありませんが、この竹原先生みたいな、患と者さんを食い物にする悪徳企業や悪徳クリニックと真正面から戦う委員会みたいなのはありません。

あっても、とても小さい。

運営する人数も足りず、普通の大学や診療業務をこなしながらでの少人数での活動となると、ままならないです。

動くほうにも、それなりの精神力と体力がないと、そういう委員会やって自分の仕事増やしても、それに見合うお金をもらえるわけでなし、企業がからまないと旨い話はないわけで。。。企業と戦う側なんて。損するばかり。。自分の身を削りながらのボランティアですから。。。

 

そういう先生が何人もいっしゃるのは知っていますが、企業側の医者が多いのか、なかなか大きくはならないし、「学会として」というスタンスがあまり感じられないように思います。。

表面だけということはないですが、悪徳に関して、そう強く動くわけではない。。

(業界で、有名だけど、表面だって、学会もいけないね、とは言っているけど、取り締まることができるわけでもなし、なんかうやむやのままいっちゃっているのが、肝斑のレーザートーニング問題が表だったくらいです。)

 

まあ、なんでもそうですが、まさに、そういう治療をする医師の良心にかかっているので、医師次第です。。

そうなると、クリニック選びがとても重要。。

 

話がそれました。

アトピー協会に戻ります。

 

今は、商品の安全性の確認のために、さまざまな化学物質の不使用宣言、製品に使用されているすべてのSDS(セーフティーデータシートGHS対応の国際基準)、物性試験データなど、必要と思われるすべての試験データの提出を企業に求めているそうで、提出されない場合は、その商品は検討しないとのことです。

 

現在は賛助会員としての入会は断っているそうです。

(問い合わせがかなり多い。)

 

「患者さんにとって、本当に必要な支援」を念頭において、活動されていらっしゃいます。

そのお気持ちがとてもよく伝わるお手紙で、いたく感動してしまい、胸が熱くなりました。

 

隔月に、「あとぴいなう」という通信紙を発行されていて、送ってくださいました。

中身はとてもいいです! すらばしい情報が満載でした!!

こちらは、アトピーの患者さんに限って送料無料で送ってくださるようです。

(中身はダウンロードしてどなたでも見られます。

http://www.nihonatopy.join-us.jp/now.html

 

アトピーの方、ご家族の方は、わけわからんネットの変なサイトを見ずに、こちらをまず読んでほしいです。

情報にも優先順位がありますよ。

いい情報から取れ入れましょう。

 

 

カテゴリ:

スキンケア, 化粧品, 医療