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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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さっき、テレビ番組観てて、どこぞの美容外科の医者が出てましたが、テレビでは、手術3か月待ちとか今まで○○人手術したとかいろいろ横にテロップが流れてました。

 

テレビ番組ではそう載せたほうがインパクトがあって視聴率取るには話題性もありいいんでしょうけど、真に受けないようにしましょう。

 

美容外科のCMで(美容外科だけでなく、化粧品でもサプリでも食品でもなんでもありますが)、「今話題の商品、何万個突破!」とか「何百万人が使用している」「口コミランキング第1位!」とか、そういった宣伝文句は止めるように以前から指導がされています。

だって、確認できないことですからね、誰も。

てきと~に言ったもん勝ちですから。

 

そういった中には、本当の情報もあるのかもしれませんが、そういった宣伝文句って、だいたい怪しいところしか使っていないような。。。

まともなところが使っていても、あからさまじゃなかったり、もうちょっと品があるというか、前面に出していないというか、控えめというか、中身で勝負されているので、そういう宣伝文句はあくまで添え物的なことが多いような気がします。

 

まあ、その情報が本当かどうかというのもどうでもいい話ですが。。。。

 

手術に関してが、何万件やろうが、下手な医者は下手です。

鍛錬である程度のレベルまでは最低限いけることもあると思いますが、やはり上手い先生というのは、持って生まれたものも多少あるし、ものすごく不器用では、ご本人の努力も結構大変。。

 

(私は最初2年半ほど形成外科をしていました。研修医の時に散々言われたのが「大工さんじゃないんだから、手先が器用だけじゃダメだ、頭を使え!先生は医者でしょ?!」と。

大工さんも知識と経験で頭を使ってお仕事されているので、普通に考えたらおかしな言葉ですが、ようは、期先が器用だけでどうもできるものではないですよね。手指を使う仕事というのは。全てそうだと思います。)

 

で、多少の手先の器用さに、勉強して得た知識の多さと、それを活かした上での手術での経験、術前でのチェック項目、術後の患者さんの経過、キズの治り方、体調の戻し方、注意事項などなど、もろもろ含めて、手術はうまくなっていくものだと思っています。

 

確かに、若いまだ経験の少ない医者でも、とても手術のうまい医者はいますが、まだ経験が少ないから、これからの伸びしろにさらに期待と言いますか、そこそこうまくいけるということは本人もわかっていて、それにおごらず、ひたすら勉強と経験の繰り返しです。

本当にうまい先生は、決しておごらず、まだまだ未熟だと常々おっしゃいます。

いくつになっても、医者を何十年されていようとも。

 

それに引き換え、下手くそというのは、手先の問題だけではなく、経験も知識も手術にいかせない人と言いましょうか。。。やはり医者も専門がとても細かく分かれる時代ですから、向き不向きはあります。

 

ノーベル賞の山中教授も整形外科のドクターで、整形外科なんて、手術ありきみたいな科ですが(今は、専門が分かれて、手術だけではありませんが、当時は手術できて一人前という時代かなと)、その整形外科で手術が下手くそで周りから向いていないと言われておられたのは有名な話ですよね。ご自身でもよくインタビューに答えていらっしゃいました。

 

向き不向きがありますから、下手くそは医者が、何千件手術しようとも、ダメなものはダメです。

数も大事ですが、中身のほうがもっと大事。

たくさんやって、多くのことを学んで伸びる医者もいれば、てきと~にいい加減にやっただけで数だけ多いやつなんて、結構いると思います。

こういう人って、どんな職種でもいますよね。

 

で、美容外科の手術ですが、最低まずここだけ確認しろ!というポイントは、形成外科認定医があるかどうかです。

認定医をもっているから絶対大丈夫というわけでは全くないし、認定医なくてもうまい先生は確かにいると思います。

 

でも、美容外科医なんてたくさん今時いるのに、どうしてわざわざ、形成外科認定医じゃない医者に手術してもらうの?バカ高いお金を払って。

 

チェーン店出身の自称美容外科医は、大半が(90%以上?)、皮膚科医形成外科医ではありません。

医者であっても、医師免許はあっても、皮膚の専門家ではない。

 

かぶれて、ちょっと塗り薬頂戴、という話ではないですよ。

メス入れて顔切ったり、塗ったり、糸入れたりするわけで、よくそんな医者に、顔にメス入れさすよな~?!といつもびっくりします。

皆さん、チャレンジャーというレベルではなく、ほんとに何も考えてないんだな~と思います。

まあだいたいが値段に引かれて、ケチるからそういうところでひどい目に遭う。

そりゃそうだろう。

 

まず、そこのクリニックに、ちゃんと医者のフルネームと経歴が書いてありましたか?

出身大学はどうでもいいですが、一体どこの病院のどの科で研修しましたか?研修のあと、どこの病院の何科で形成外科医として勉強して来られましたか?

 

それがわからない場合は(載せていない。載せられないからです。形成外科医ではないから。形成外科認定医はかなり厳しい)、手術はお願いしない。

 

ここ、最低ラインです。死守するところ。

 

形成外科認定医ないのに、どこぞの「美容外科専門医」「美容外科認定医」とかついていたら、それはおかしい。

形成外科学会所属のほうの美容外科認定医専門医は、必ず形成外科認定医じゃないと受験資格がありません。

形成外科医としての基礎がないのに、美容外科は務まりません。

 

手術は、レーザーとは違うんです。

まして、手術の中でも、形成外科は特殊で、顔を扱うとなると、さらに特殊です。

他の外科医(脳外科、消化器外科、心臓外科、整形外科などなど)と全く皮膚の扱い方が違います。

 

私は最初に形成外科医として研修した時に、皮膚の扱い方を徹底して教わりました、

他の外科ではまず扱わないピンセットで、皮膚を擁護的につままないと、皮膚が挫滅します。

一般の外科では、皮膚なんて気にしていないので(中身である、腸や脳や心臓、筋肉、骨などが目的であり、大事なわけですから)、まあ扱い方は無茶クチャです。

手術のキズ跡がどうなろうが知ったこっちゃない。

形成外科研修をされた先生は、ちょっと気を遣ってくれますが、それでも形成外科医の持っているピンセットなどの手術器具は、自分の科には置いていません。

優しく扱うなんて、もう道具が違いすぎて、無理な話です。

 

美容外科のひどいところになると(格安チェーン店とか、チェーン店出身の何科かわからん得体のしれん医者とか)、元、内科医、麻酔科医、眼科医、精神科医などなど、メスなんて持ったことも皮膚なんて縫ったこともない医者が、いきなり患者さんで練習ですから、まあひどいもんです。

そんな集団ですから、皮膚を擁護的に扱うなんて教育、誰も知りません。

 

こちらは参考までに。

美容美容外科学会JSPASのHPです。

http://www.jsaps.com/

手術をお考えの方は、まずこちらで勉強を。病院検索にしても。

美容外科学会JSASは、全然違う団体なので、絶対にお間違いないように。

 

形成外科の中でも美容外科はかなり特殊な分野です。

美容外科医としての訓練も経験も必要ですから、認定医だけもっていてもダメですが、認定医が最低条件です。

 

レーザーと違って、メスを入れたら、もうキズ跡は消せませんから、安易にやるものでは決してありません。

戻せない、戻らないと思って、やってください。