プロフィール

  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

カレンダー

2017年11月
« 10月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930  

最近投稿した写真

  • IMG_20171123_142324[1]
  • IMG_20171113_205047
  • 100000009002749707_10204
  • DSC_1775
  • IMG_20170929_163107
  • P1130086
  • P1130037
  • P1130238
  • IMG_20170917_181247 - コピー
  • キャプチャ
  • 登録会員
  • IMG_4381
  • IMG_20170807_231649

ホーム > 2017年11月06日



SNSの世界で、栄養療法?をやっている医者が、フェリチン大会を開いている話は以前にもしたと思います。

「フェリチン信仰」、フェリチンバカと言っていいレベルかと思いますが、フェリチンだけ高くして、一体何をしたいねん、という本末転倒ぶりぶり。もう1種の信仰宗教?って感じです。

 

鉄代謝の評価をする際にフェリチンは確かに私も調べますが、診ていく順番は、フェリチンは最後のほうです。

最初には診ません。

最初に診たところで、炎症や溶血があるかな、あるかもしれないなと評価をするだけで、そんな値はそのまま信じたら、大変な目に遭います。

 

フェリチン信仰の人はご存知ないと思いますが、フェリチンは鉄の貯蔵庫なので、貧血の改善もせず、質のいい赤血球も造らず、含鉄酵素を造ることもせず、いろんな臓器で働くこともなく、貯蔵庫に貯めてばっかりいても体にはな~んにも役に立ちません。

 

体壊してまで生活切り詰めて、苦しんで苦しんで、でも貯金は億万長者並みにある。

こんなお金持ちって、羨ましいですか?

しかも、本人はお金と思っているかもしれませんが、全部偽札だったとか、お金増えすぎてトラブルが逆に舞い込んでしまったとか、そういう顛末付きというお話。

フェリチンバカというのは、これと同じです。

 

例えば、生理のある年齢の女性で、フェリチンが30だったとしましょう。

私は、30でも信じませんね。本当かもしれませんが、疑ってかかります。

フェリチンが8だったとしても、まだマスクされていて、本当はもっと低い可能性もあります。

フェリチンだけ測っても、どれだけマスクされているのかはわかりません。

なので、他の検査項目を足した方がいいんです。

(足せない場合は、本当に参考にしかなりません)

 

それを、300や500、あろうことか1000なんて、アホかっ?!

それ、おかしなサプリのせいでなっていると気づいてもらえなかったら、ガンかと疑われて、不要な検査、山ほどされますよ。

脅しじゃなくて、ええ、ほんとに。。。

 

病院で処方される非ヘム鉄、ありますよね。

検査もされず、ず~っと飲んでいたら、300くらいまではいくことがあるのかな?

でも、普通は病院で貧血の検査されますから、300まで行くことってまああまりないと思います。

内科や婦人科のちゃんと診ている先生であれば、貧血はフェロミアなどの非ヘム鉄しかいく薬がなく、飲ませていても、胃腸障害は言われるし、フェリチン変な上がり方するのに、患者さんの貧血(症状も含めて)はちっとも良くならないし、途中で止める先生も多いです。

それでも仕方ないから出し続ける先生もいます(だって、他にないから。患者さんが飲みたくないと言うまで出す。)。

わかっていて、最初から出さない先生もいます。

 

そのフェリチン信仰で勧められているのが、「フェロケル®」というキレート鉄です。

ヘム鉄ではなく、非ヘム鉄で、キレートされていることで、非ヘム鉄特有の胃腸障害の副作用がなく、そして吸収率が抜群にいい、フェリチンがバカみたいに上がる、というのが、勧められている理由です。

 

非ヘム鉄とヘム鉄では、口から腸に入ってきた時の吸収の経路が違います。

万が一ということがありますから、いろんな経路で鉄が吸収される工夫がされているわけですが、人間の場合は、基本はヘム鉄がメインの経路です。

(非ヘム鉄では吸収が悪すぎるので。そこまで大量に食材で摂るというのは、なかなか難しい。)

 

非ヘム鉄が吸収される場所ですが、小腸粘膜の上皮細胞の絨毛という先の先っぽに、DMT-1というくっつく場所があります。

これはもう決まっています。

今日、電子顕微鏡で非ヘム鉄が取り込まれている写真を見せていただきましたが、絨毛の先に、チョン!と鉄がくっついていました。

(黒くチョンと染まっていました)

 

ところが、フェロケル®は、絨毛全体が真っ黒!!

いや~、恐ろしい光景でしたね。

異常やわ。。。

吸収率がいいのがこれの特徴ではあるんですが。。。

 

こちらのフェロケル®は、開発されたものですが、どうもDMT-1を介さないようで、違うトランスポーターがあるらしいです。

非常~に不自然。

 

ヘム鉄にしても非ヘム鉄にしても、他のビタミンミネラルにしても、経口で(口から食材で)摂る場合、過剰症には本来なりません。

体のホメオタシスがちゃんと働いて、必要な場合は吸収するし、過剰であれば吸収しないで流れていきます。

(薬や人工的に作った合成のビタミンミネラルは、そうはいきません。過剰症があり得ます。)

ヘム鉄も普通の非ヘム鉄も、自然界に存在する物質ですから、体にちゃんと調節する機能が備わっていると思います。

(ちなみに、ヘム鉄は、HCP-1というトランスポーターです)

 

ところが、このフェロケル®は、そのどちらからも入らないので、ホメオタシスが働かないから、バンバン入ってしまうのでは。。。?ということらしい。。

 

鉄だけたくさん入ってきても、鉄だけではどうしようもなく、使いきれなければ、逆に邪魔だったり、ホメオタシスが働いていないところではなにが起こってもおかしくないこともあるので、まだ知られていないだけでなにか起こっているかもしれない。。

ヘモジデリン(鉄沈着)を起こしたり、万が一フリーの鉄が血中に入ってしまったら、活性酸素出しまくりです。

そういったこともちゃんと調べられているのでしょうか?

薬の場合は、副作用合併症などちゃんと(一応)調べられます。特に過剰症になった場合に何が起こるのかというは、やはり危ないので、特に調べられます。(上限も決めないといけないし、どの量が一番効果的なのかも出さないといけないから)

 

そういったことも(データの深読みも含めて)わかっているドクターが、ちゃんとこまめに血液検査もした上で、鉄過剰を見過ごすことなく、鉄に利用が上げられるように工夫しながら、吸収率がいいし安いから使うというのは、ありなのかもしれませんが(私は使いません)、血液検査もせずに、「安くていいんでしょ」と安易に購入して飲み続けるものではないと思います。

 

うちには、そんなものを飲んでいる患者さんはまだ来ていませんが、他のオーソモレキュラー療法やっているドクターのところには来られているようで、えげつないフェリチンの値になっていて、自覚症状(貧血も含めて)の改善どころか体調が余計に悪くなって、かなり問題になっていました。

(前から問題になっていましたが)

 

ちなみにですが、オーソモレキュラー療法をされているドクターで、フェロケル®を患者さんに出している先生を知りません。

オーソモレキュラー療法では、効率よく、しかも安全なヘム鉄を使いますから。

 

貧血も改善できないのに、フェリチンだけ高くて何がしたいのか。

そのメーカーのステマ(ステルスマーケット。ようややらせとかサクラってやつです。まあ、ぐるなわけです)だったら知りませんけど、

メーカーと組んでいるやつはウハウハですわな。信じて買った人がバカを見る。

 

ネットの情報だけで、専門クリニックにもいかず、サプリをネットで買って飲み続けるのは止めましょう。

効果がなかった、お金が無駄だった、というのはお金だけの問題ですが、不調になったら、ほんとに目もあてられませんよ。

食事を変えるくらいは無理のない範囲で自分で始めてみるのはいいと思いますが(持病のある方は必ず主治医と相談して)、市販のサプリは普通は病態改善までいきませんし、血液検査に影響が出るようなことは通常ありません(そこまでのものじゃないということです)。

なので、皆さんが勝手に飲む分には、検査しなくても問題ないわけです。

血液検査に影響が出ているとなると、薬と同じ扱いになりますから、これは、診察も受けずに勝手に飲んでいいものではないと思います。

 

このブログや私のfacebookを読んでくださっている方は、せっかくこの記事を見つけたわけですから、ほんとにいますぐ止めてください。

専門クリニックで診察と検査を受けてください。

ひどくなればなるほど、回復させるのにもお金と時間がよけいにかかります。

 

1 / 11