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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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木曜日、クリニックが終わってから、東京に移動して、金曜日、ホテルニューオータニで開催された形成外科学会に参加してきました。

ご予約をお断りした患者さんには、大変申し訳なかったです。

 

今週は、用事が続いたので、また太ってしまった(史上最高の体重を更新中です。。。)のと、さすがに疲れました。。金曜日は、一日中、ずーっと座って講演を聞いているので、おしりが午後には、おしりがむちゃくちゃいたくなってしまいました。

(私くらい、脂肪がついていても、痛いんだから、痩せてる人はどうしてるのかな~と思ってしまいます。)

 

水曜日から3日間の開催で、参加したのは金曜日だけですが、金曜日にレーザーのセクションが固まっていたので、助かります。一部の美容医療(美容外科や注射系)の話は聞けませんでしたが、まあ仕方ないです。

形成外科学会は、他の美容系の学会には全く出て来られない先生というのが、来られるので、レーザーのセクションも独特の雰囲気です。

他のでは、お目にかかれないような、意見の交換会でした。

形成外科のメインは、腫瘍の切除や先天性の異常(見た目の)やアザの治療とか、保険診療がメインになりますから、久しぶりに行くと、ちょっと懐かしいですね~。

さて、今回も、クリニックを休んでまで、いろいろと行った甲斐がありました。やっぱり学会は行かないとね!

 

今回さらに勉強になったのは、やっぱりジェネシスいいわ~、ということです。

今もジェネシスのキャンペーンは、やっていますが、5月でも別のセットで、ジェネシス考えようかしら。。

 

傷跡の修正をレーザーで、どこまでキレイにしていけるか?

という発表が今回はとても多く、絶対に傷跡は、消せないということを前提で、(傷跡は消えると思っている患者さんがいるので、ドクター側は、はっきり言っとかないと、絶対にもめます。)どういうものをつかっていくか、という議論が多かったです。

浅い傷跡(リストカットとかの)は、かなり目立たなくなっている発表もありましたが、みなさんが共通して言うのは、深いのは、あまり変わらない、ということです。

傷跡の場合、ホントにちゃんとした施設とドクターにやってもらわないと、かえってひどくなったり、お金と時間も無駄だったりします。

悪徳美容外科の広告に、消えるように書いてあるかもしれませんが、そんなことは絶対に無理です。ちゃんとした施設と同じ機械を使っているとしても、レーザーは設定が命ですから、料理のレシピと同じで、クリニック、あるいはドクターによって、全然違います。

ちゃんとしたところと、悪徳クリニックが、同じ設定のわけがないですよ~。

ニキビ跡の凹み・水ぼうそうの跡の凹みも同様で、深いものは、あまり変わりません、という見解でした。

でも、すべての機器で比べられたわけでもないですし、今回発表していなくても、比較的いい結果を出していらっしゃる、ちゃんとしたドクターというのもいらっしゃいます。消せなくても、少しでも目立ちにくくする、という考え方で、どこまでやっていくか、ですが、ちゃんとしたドクターは副作用と医療の限界を、する前に必ず説明されるので、患者さんも、いいことだけ言うクリニックでやるのではなく、(そんなわけ、ありませんから)、ちゃんとクリニックは選んで、納得したうえで、(幻想も抱きすぎず)治療をされてください。

さて、今回の学会の自分にとっての目玉は、宇津木先生のご講演でした。

東京の帝国ホテルでご開業されていらっしゃいます。

宇津木先生のお話は、いつも大変わかりやすく、しかも素晴らしい内容なので、いつも楽しみです。ご講演が聴けるのも、形成外科学会だからでしょうか。

。。。ただ、午後一であったため、いつもお昼ご飯の後の発表は、聴いてる間に、居眠りをしてしまいます。

居眠りしてしまったら、どうしよう。。。でも、宇津木先生のお話だから寝るわけないっ!と臨んだにも関わらず、疲れが溜まっていたのか、ちょっと途中居眠りしてしまいました。。。ううう。。。。

今回はフェイスリフトの話だったので、手術をしない私には、直接関係のある話ではないんですが、途中寝てしまって、聞き逃したところは非常に残念ですが、素晴らしい内容でした。

なにより、フェイスリフトの結果は、抜群に素晴らしいっ!!なにより、見た目に自然ですね~。

60代だか70代だかの方が、まるで女学生のようになっていて、これが本当の年齢不詳ってやつか~、と光・レーザーの年齢不詳のとは、ケタが違います!

まあ、手術ですから、ケタが違うのは当たり前なんですが、フェイスリフト特有の、あの変な感じが、全然ないんですよね~。

手術方法も、かなりこだわっていらっしゃるので、ご自身でも、「絶対不自然にはなりません」とおっしゃってました。

中途半端にやるから、不自然になるそうで、

もちろん、スキンケアも徹底的に指導されていらっしゃるので、患者さんのお肌もピカピカです。

手術のやり方にも、ものすごいこだわりをもっていらして、以前のご講演の時に、ヒアルロン酸だったか、ボトックスだったか、注射系の処置でも、お一人に1時間かけているとおっしゃってました。

(帝国ホテルで開業して、一人1時間ということは、この注射代は、一体いくらなんだろう。。。と、思いましたが。。)

座長の先生がおっしゃってましたが、宇津木先生は、フェイスリフトに12時間かけられたことがあるそうで、こだわり具合がわかります。

12時間って、普通、美容外科ではやらないでしょう。。。

フェイスリフトの場合、どこを切っていくか、というのは、ドクターによっても違いますし、どうリフトしたいのか、どれだけしたいのか、というのでも変わると思いますが、頭の髪の毛の中を切っていくことが多いと思います。(生え際に沿って、というのもありますよ。)

髪の毛の中を切った場合、どこを切っても、傷痕というのは、一生消えないんですが、髪の毛の中だと、傷痕は、脱毛になって、一生毛が生えてこないわけです。

普段は、他の毛で隠せても、美容院に行ったら、見られてしまうわけです。

メスで切る時に、毛根を傷つけてしまいますから、脱毛になっちゃうんですね。

ところが!宇津木先生は、毛の流れというか、毛根の位置を診て、メスをいれていかれるそうで、全く脱毛にならないんです!これは、むちゃくちゃスゴイことです!わかっちゃいるけど、誰もマネしませんよ~。それだけで、どれだけの時間と手間暇がかかるんだか。。。やってて、途中で、イヤになってくると思います。

フェイスリフトに、命をかけていらっしゃる、と座長の先生もおっしゃってました。患者さんは、幸せですね。

(手術代は、いくらになるのかは、知りません。。。)

 

美容系の医療の場合、手術でもレーザーでも、東京が情報の発信の中心になることが圧倒的に多いんですが、やっぱり東京は、スゴイ先生がたくさんいらっしゃいますね~。

 

 

 

ちょっと話は古いんですが、下関であった美容皮膚科学会の発表で、アスタキサンチンの育毛効果の発表がありました。

医学的な話になりますと、インスリン様成長因子-Ⅰの産生を増加させ、育毛を促進するそうです。

この辺の機序のところになってくると、もうチンプンカンプンなのですが、ちゃんとマウスで実験され、データーを全部取られてました。

ヒトでも、実験され(もともと、クリニック専用サプリで、もうとっくに認可のおりているものですから)、その結果が写真で載せておられたんですが、確かに、薄毛だった方が割とフサフサになっています。

(詳しい期間とか見てくるのを忘れました。。スミマセン。。)

女性の薄毛予防で始められた場合に、フサフサになるとは思いませんが、アスタキサンチンには色々な効果がどんどんデーターとしても出てきてますから(富士化学工業の、アスタキサンチンでないと、ダメですよ!アスタリール®でないと、データーを出されていません。他メーカーのモノは、似て非なるものですから、ご注意を。)、体のために飲んでいて、髪の毛にも効けばいいや、くらいの気持ちで飲まれるのは、いいと思います。

元々、アスタリール®は、血行促進の報告があり、肩こりの改善も言われている商品です。

血行改善は、飲んで効いているわけですから、全身の血行が良くなっていると思います。

それであれば、もちろん、頭皮の血行もいいはずです。

毛根にも充分血液が届きやすくなるので、血行不良による脱毛・薄毛の多少は改善が出来ると思います。

こういうのって、何でもそうですが、元がひどいと、改善した時わかりやすいですが、元がひどくない場合、予防で飲むとか、なんとなく気になってきたから、という場合、3か月・半年・1年くらいして、なんとなくいいような気がする、と実感される程度だと思います。

私もアスタリール®を飲み始めて、1年半近くになります。疲れている時とかは、倍量飲みます。

(1日2個が通常量です。倍飲むと、スゴイんらしいですが、すぐに無くなってしまうので、普段は、1日2個にしています。)

飲んだから、どうこう、とわかるわけではありませんが、時々、これいいと思う~、と違いのわかる方が現れます。

(塗るほうは、ニキビ・肌荒れ・皮脂過多・乾燥などトラブルがあれば、わかりやすいんですが、飲むほうは、目で見える何かが変わる、というのは、わかりにくいと思います。)

アスタリール®がお好きな方は、増量して飲まれている方もいらっしゃるくらい、ファンは急増中なんです。

ビタミンCの6000倍の抗酸化作用を持っていて、アスタリール®に限って言えば、高血圧・高脂血症・メタボ改善・加齢性黄斑(目の老化の1種です)・筋肉疲労回復・血行促進などなど、いろんなところに効いてくれるんですね~。

美容に鮭がいい、とたまに雑誌でみることがありますが、これ、アスタキサンチが入っているからだと思います。

鮭の身って、オレンジ色してますよね。

このオレンジ色の成分が、アスタキサンチンなんです。

いくら・カニなどのオレンジ色もそうです。

鯛の養殖のエサにも昔から混ぜられていて、(赤いほうが、喜ばれるから。)昔から、実は身近にある成分なんです。

でも、食べ物からたくさん摂るって、無理ですよね。

いくらばっかり食べるわけにいきませんし、鮭を食べると言っても、限界があります。

食事はバランスよく食べるのは一番大事ですものね。

富士化学工業のアスタキサンチンは、飲む方も塗る方も、とても濃い~いです。

色がすっごいオレンジだし、塗るほうとか、ほんのわずかに独特のニオイがありますから、どれくらい濃いのかわかっていただけると思います。

(富士フィルムのアスタリフト®とか、他製品のって、色薄~いですからね。)

アスタキサンチンは、バランスを整える働きがあるんだろうなと思うので、薄毛にしろ、血行が悪いのであれば、程よくなるように調整してくれてる感じでしょうか。

だって、効きすぎて、多毛になったら、困りますからね。

(育毛剤ではないので、多毛にはそもそもならないと思いますが。育毛剤でも、多毛までいくモノはありませんけれど。)

私は、食べすぎと運動不足なので、このまま行くと、メタボまっしぐら!とちょっと心配なんですが(何も、努力はしてませんが)、アスタリール®は、欠かさず飲んでいます。

具体的なことを述べますと、糖尿病の予防・改善・合併症の予防・NASH(非アルコール性脂肪肝炎)の予防・脂質異常の改善などなど、データーが続々と出ているので、私は、絶対飲んでおかないと!と思ってます。

サプリは飲み出したらキリがないですが、同じ飲むなら、目的と効果がはっきりしているモノを取る、というのが一番大切です。

(「効果」を言いだすと、市販のモノは、ほとんど効かないでしょう。パッケージに、「効能・効果」が書いてなければ、「効かない」ととりあえず思ってください。ちゃんとデーターが出ているモノであれば、ちゃんと記載があるはずです。)

もちろん、今糖尿病や高血圧・高脂血症などで、病院から薬が処方されている方が、アスタキサンチンに取って代わるわけではありません。

健康のための補助として追加して飲まれると、とてもいいと思います。

若い方には、メタボやアンチエイジングは、まだあまり関係ないでしょうが、タバコを吸う方は、ホントに、こういう抗酸化剤は飲んだほうがいいです。

タバコは、害だらけなので、吸わないほうがそりゃ、いいですが、急には止められないないでしょうから、少しずつでも減らしている間に、こういう飲み始める、というのが、少しでも、美肌・健康にするためのコツだと思います。

サプリをたくさん買い過ぎて、中々飲めなくなった方でも、タバコを吸われる場合は、アスタキサンチンは頑張りましょう!と言います。

美と健康のためのアンチエイジングで、今重要視されているのは、紫外線カットと抗酸化です。

この二つをどこまでしていくか、ですが、抗酸化は、そういう化粧品を塗るのも大事ですが、やはり健康を考えると、まずサプリだと私は思います。

体の健康や老化って、はっきり見えるモノでないだけに、普段からの、ちょっとした努力が必要なんですよね~。

少し前から、顔にコロコロ転がすローラー、流行ってますよね。

むか~しも流行ったのを、憶えてらっしゃいますか?

若い方はご存知ないと思いますが、「淡谷のり子のゲルマニウムローラー」!

歌手の淡谷のり子さんが、コマーシャルされていて、今みたいな金属ではなく、TVショッピングだったような気がするんですが、画面には、柄のところか、本体が大理石みたいにな見た目になっていて、ピンクとパープルから選べたような気がします。20年くらい前でしたっけ?

すぐに廃れたような気もするんですが。

医者になってすぐの時に、あれを顔中にやって、顔中茶色のしみだらけ(今から思えば、肝斑のすごくひどい状態ですね)の方が、「治してください」と来られて、上の先生がビタミンCの飲み薬だけ出したのを覚えています。

その時に、「ああいう人は、まず顔をいじるのをやめないと、同じことの繰り返しだから、治療しても同じやねん。」と言われてました。

まさに、その通りなんです。

TVだと、女優さん(誰でしたっけ?)が、顔の表面に力を入れずに、コロコロ転がしているだけですよね。

「なんかいいみたい~」とか、「これ、手放せません」とか「これのおかげで、なんとかかんとか。。」とおっしゃいますが、必ず下に「個人の感想です」とテロップが流れます。

商品のチラシにも、TVコマーシャルにも、どこにも「効果・効能」は書いてありません。

「効能・効果」の表示がない、ということは、「効かない」ということです。

だって、薬だったら、薬局で買う市販薬であっても、「効果・効能」書いてありますよね。

どんなに店員さんが、スゴイ効果を言ったとしても、表示がなければ、そこのメーカーが約束しているものではありません。

ただの店員さんの、詐欺まがいの販売手口です。

(当たり前です。効果が実証されてもいないのに、そんなの表示に載せたら、本当の詐欺になります。医師法違反にもあたり、逮捕されてしまいます。だから、メーカーは、どこも似たような、コマーシャルになるんです。効果を言わずに、でも、買ってくれないと困りますから、イメージだけで、消費者を引き付けるという感じです。煽るだけ、煽るわけです。

賢い消費者は、乗っかってはいけません。)

まあ、こんなの昔から似たようなものはあるわけで、忘れた頃に、また業者は、少し形を変えて、売りだす、という作戦でしょうか。。

昔も(今も?)、「幸せを呼ぶペンダント」とか、「財運をもたらす財布」とか、「アトピーが治るクリーム」とか「体臭を消すサプリ」とか、あやしいもので、世の中溢れています。今でも、雑誌や週刊誌の後ろとかに載ってますかね?

信じる方が悪い、という意見もありますが、人間思い悩んでくると、藁をもつかみたくなり、心に隙ができます。

あちらは、売ることにかけてはプロですから、うま~く人の心理を読んで、これでもか!これでもか!とキャッチコピーをかぶせて来ます。

私も夜中、たまたまショップチャンネルを見てると、おもわず欲しいな~、と思ってしまうような宣伝文句があったりします。そういうのを見てると、これは一般の方は、買っちゃうだろうな、と思います。

さて、いろんなコロコロローラーが出ていますが、それほど大差はないんでしょうか。というよりも、おかしくなることはあっても、なにかそんなに良くなるものではないと私は思ってます。

また、買った方は、良くなると思ってされるわけですから、TVを見ながらとか、ひどい方で、何時間もされるわけです。また、CMでは力を入れてないのに、「上がれ~、上がれ~」と念じながら、一生懸命される方が多く、みなさん力み過ぎて、ぐいぐい押すんですよね。結局、あの棒で、ゴシゴシ擦って、摩擦を起こしていることになり、私は、それも肝斑の原因になっていると思ってます。

うちに来る肝斑の患者さんで、コロコロローラーも含めて、流行りの美顔器・マッサージをされてる方が多く、そういうことを始めてからひどくなった方が圧倒的に多いです。

私は、肝斑を良くしたいなら、それら全部、今日から止めてください、とお話してます。

先日の学会で、このローラーの有効性と安全性の評価の発表がありました。

もちろん、その企業から研究費・協賛金を受けておられます。

まあ、そんなことはよくあることで、正しくきちんと結果について評価をすればいい話で、実証しても何もいいことが無かった場合(医療機器ではないので、あり得ます)は、話の持って行き方や発想の転換とかでごまかすしかありません。(企業側は満足しないかもしれませんが、仕方ありません。)

今回、50~60代の女性20人くらい(24人だったか?抄録は15人でしたが、最後に増えることはあります)に、このローラーを1回10分だか15分だかを、1日3回してもらって、測定されてます。

最初の1か月は、顔の右だけ、次の1か月は、左だけ、最後の1か月は両側、と計3か月されてます。

(なんで、こんなことをされるのかは、よくわかりません。普通は、同じ方で、どちらかだけやって、反対側は何もなしで比べて、評価をしないと、本当の効果が判定しにくいと思います。わざと、判定をごまかすためにされているというなら、わかりますが。。)

で、結果なんですが、コロコロをやって、60分まで血行が良くなったそうです。

そういう写真が出ていました。

角質層で、水分含有量が増えていて、血行が良くなったことによるのでは、と推測されていました。

ただ、いろいろな機器で科学的に分析されましたが、施行前と変化はなかったそうです。

これくらいなら、まあ、よくある話で、学会発表でもよく見かけます。

ところが、それに続けて、シワの改善が言われていて、「有効例」というので、お一人の写真が出ていました。確かに、少しシワが減っているのが、写真で確認できました。

(ただ、有効例が何人だったのか、割合が表記されていないんです。)

そして、ビフォーとアフターの写真があり、その施設の皮膚科医5人中3人以上が、「改善した」と判定した、と書いてありました。

(数名の方の写真が載っているんですが、(恐らく有効例)、どっちがビフォーか全然わかりません。

普通、判定基準も、「悪化」「やや悪化」「変化なし」「やや改善」「改善」と5段階評価で判定されることが多いんですが、表記がないんですよね~)

最後に、ご本人評価のアンケートがあり、ほとんどの方が、満足しているみたいな評価でした。スゴイ方で、リフトアップした、と言っている方もいらっしゃったそうです。

結語として、副作用もなく、安全性が確認され、また、リフトアップ効果やシワの改善を認める、うんぬん、と書いてありました。

(誰が、リフトアップした、と判定してん?と普通なります。ご本人が言ってるだけですから。そういうのは、プラセボ効果と言って、正しい評価ではありません。

そりゃ、ご本人が満足されてるなら、いいんでしょうが、お金を出して買う方は、本当の効果があるのかないのかを知りたいわけで、それを医師として、検証している、発表ではなかったんでしょうか。。)

「副作用は全くないんですか?」という質問がされ、演者の先生(医師だと思うんですが、違いますかね?)は、「長時間やったら、私も顔を赤くなりました。時間を守らないといけません」と。(!!)

(副作用なく、安全性を確認した、ってポスターに書いてあるやん?!なんじゃ、そりゃ!!)

あまりにも、結果考察が誘導しすぎてるので、おかしいと思い、聞いてみました。

シワが改善した、と写真を載せている有効例の割合と、皮膚科医が判定した写真のビフォーアフターの違いがわからないのに、なんで半数以上の医師が「改善した」と判定しているのか、と。

シワの有効例は、このたった1例だけだそうです。

他は、変化なし、と中には悪化した方がいたそうです。

(なんでそれで、シワの改善に役立つ、と結語で言われるのか、わかりません。同じ割合、いえそれ以上で、悪化してる方がいるかもしれないのに、意味わかりません)

皮膚科医が判定した写真は、2枚見せて、どっちがアフターか当ててもらったそうです(確率は2分の1ですね)。もやは、当てモノですか。。。なんでそれが、医師の言うところの、「改善」になるのか。。。ここは、TVのやらせ番組か、と思ってしまいました。

よくこれだけ、都合の悪い結果を隠しておいて、「副作用なく安全で、効果がある」みたいなことを発表するな~、とビックリです。医師メインの学会で、ちょっと信じられませんね。

そんな大した結果が出ると思ってされていたわけではないと思うんですが、角質の水分量が上昇して、血行が良くなった、というのがホントであれば、(それすらも、何か作為的に結果を誘導されているのかも、と疑いたくなります。何を信じていいのか、わかりません)、それだけでいいと思うんですよ。何も出ないよりは、マシです。

長時間やると、副作用の出現が懸念されるから、注意喚起が必要、というのも表記しないとダメですし、他の大した効果は認められなかったが、本人満足度が極めて高いため、今後も検討を続けていく、とか、こういうのって、〆の言葉って、大体決まっているんですよね。

スポンサーがいるわけなので、あまりひどいことも言えないし、でも、医師として、おかしなことも言えないし、ぼかして逃げるって、言うんでしょうか。それであれば、「ふ~ん」っていう発表で終わっていたものを。(まあ、スポンサーは、それでは困るんでしょうけどね。)

ちょっと、この発表した施設を信用できなくなりましたね。ちゃんとしたところだと思っていたので。

 もし、これで、企業側が、「皮膚科医お墨付き!」とか、「効果を皮膚科医が実証!」とか商品に表示したら、一体どうするつもりなんでしょうか。

(企業は、それこそが欲しいんでしょうが。)

もう、ホントに信じられない時代に突入しちゃったんですね。。。

この発表を聴いて、ますます、うちの患者さんには、止めておいてもらおうと決心を固めてしまいました。

いや~、学会に参加した価値がありましたね。

(明日から、夏休みをただきます。休むのは、火曜日だけですが、水曜日は元々休診日なので、22日木曜日から、診療を始めます。

ご迷惑をおかけしますが、リフレッシュしてきますね!)

先日の美容皮膚科学会で、一般の学会会員は、ポスターによる学会発表というのができるんですが、これは学会によって、口演になる場合もあれば、ポスターのみ(一般会員は)という時もあります。

美容皮膚科学会だけあって、皮膚科学会や形成外科学会よりも、ほとんどすべての演題が美容に関係することですが、あまりあやしい内容だと、さすがに受理もしてくれないかと思うんですが、この評価基準は、その時の審査員の方によって、様々だと思います。

いろんな学会にも、発表内容のランクがあって、皮膚科学会や形成外科学会は、総会という一番大きな年1回の学会と、地方会と言って、その地区だけの定期的にする小さな学会があります。

地方会は、新人の先生の学会デビューみたいな、慣らし台みたいなところがあって、しょーもない(失礼)、1例報告とかでも、全然ありです。1例報告でも、ちゃんと考察ができていないと、発表後の質疑応答で、恐い先生方から、するどい質問を浴びせられ、タジタジになってしまうというお約束です。

形成外科学会は、手術がメインですから、○○例やって、統計を取ったら、こういうことがわかった、とか、新しい手術方法とか、こんな腫瘍や症例に、こう対処した、とかそういう内容のことが多いです。

レーザーのセクションもありますが、うまくいった症例写真をたくさん見せたり、新しい照射方法を提案したり、統計を取って、結果の評価をしたり、という内容になることが多いんですが、皮膚科学会になると、ほとんどの発表で、病理組織の検討というのがなされていないと、ものすごく突っ込まれます。

(病理組織というのは、患者さんから、皮膚なり腫瘍なり、その一部を切り取って、顕微鏡で、どんな細胞がいるのか、どういう状況になっているのか、細胞レベルで調べる検査です。こうすることによって、推測ではなく、確実に、何が起こっているのかがわかります。病名がわからなかった疾患でも、確定診断をつけることができます。さらに、細かく、電子顕微鏡まで使って調べることもあります。)

この病理検査、確かに素晴らしいんですが、例えば、腫瘍とか、診断のつかない謎の赤い斑点(しかも、全身状態に影響を及ぼすと考えられるような場合。膠原病とか、重症の薬疹とか、内臓に関わるかも、という場合です。)など、診断がつかないと、今後の治療が全く変わってきますから、必ずと言っていいほど、必要になります。

かなり前ですが、形成外科でレーザーをやっている者は知らない医師がいないくらい、有名な先生が、皮膚科学会の総会で、ランチョンセミナーかなにかで、口演されました。

発表内容は、レーザーをやっている者からしたら、素晴らしかったんですが、照射方法の検討や、良かった症例写真を出したりされていました。

そしたら、発表後の質問に、皮膚科のエライ先生が、「病理も取らずに、この発表はなんですか?美容外科ではあるまいし。これもよくなった、あれもよくなった、って、病理がなかったら、あやしいだけだ!」みたいに、ボロカスでした。

反対に、病理を取ったり、細胞学的なレベルで、データーを取っていたら、絶賛されたりするので、おかしな話です。

まあ、皮膚科の美容に全く興味のない医者からすると、美容医療というのは、あやしい美容外科と一諸にされて、全否定されることも、時々あります。

でも、健康な方が、目的は美容のみで訪れて、いきなり皮膚切り取ります、なんて言われたら、二度とその病院に行きませんよね?

キレイになろうと思って行っているのに、(切り取ったら、もちろんキズ跡は残ります。消えません。)何しに行っているのか、わかりません。

美容医療で、そうそう病理検査なんて、できないんですよ。

(皮膚科の先生でも、何でも病理を取れ、という先生がいて、そりゃそうかもしれないけど、それって、学会発表か自分の研究のためでは?みたいな時もあります。医局会とかミーティングみたいな時に、「次回、病理取っておいてね」とエライ先生が簡単に言われ、下っぱの先生は、「どうやって、患者さんに説明しよう。。。」と悩むわけです。特に、とりあえず始めた薬が良くなってきたりしてたら、なんで今更?となりますよね。)

美容医療でも、大学病院とかで行われる治験とか、、ボランティアの方でデーターを取る時に、いくつか病理を取られることがあります。

ただ、そのほとんどは関係者だったりして、一般の患者さん(というか、関係者でない方)ほ、すごく少ない気がします。

もちろん、治験などされる前に、全ての説明(副作用も含めて)はされますし、無料で処置は受けられるわけですが(ちゃんと安全性は、先に確認され、効果が見込めると思われるやり方で)、きちんと言われた日に診察に来ないとダメですし、病理検査までとなると、ホントにボランティアの方(と関係者)が、そんなに得するわけではないと思います。

(たまに、患者さんで、実験する時は、私を使ってください、と言われる方がいらっしゃいますが、モニターもそうですが、いいことばっかりではないと思います。何をどこまでするかでも、違うとは思いますけれど。)

どの科でも、総会で発表するということは、やっぱり大変です。

ただ、美容皮膚科学会は、まだそれほど大きな学会ではありませんし、総会と言っても、地方会がないので、ここしか発表の場はありませんし、演題も他の学会ほどたくさん集まるわけではないと思っているんです。よほど、あやしくない限り、受理されちゃうでしょうか。

(演題を応募する時は、抄録と言って、すごっく簡単なまとめみたいなのを書いて、提出します。まだ、その時は、データーが全部揃ってないし、結果が変わってくることも稀にあるので、そんなに大きなことを先に言いきってしまうと、帳尻が合わなくて、後で大変な目に遭います。ひどい時は、演題内容を変えないといけない時も出て来ます。この場合、当日、その場で、「演題内容を変えさせていただきます」と言うんですが。。。まあ、時々あることです。事情は、それぞれだと思います。もっといいことが見つかって、さらにパワーアップした内容になっていることもありますし、逆のパターンもあります。

だから、抄録には、データーが出ていない時は、どうとでもとりやすいニュアンスで、送ることもあります。)

美容皮膚科学会の発表の特徴は、企業がらみの発表が、他の科に比べて、とても多い印象です。

企業がらみと言っても、どこもそんなスゴイ結果が出ているわけではないので(薬や医療ではありませんから、当たり前ですが)、「ふ~ん」という内容なんですが、私の独断と偏見では、同じ内容を皮膚科学会に出したら、受理してもらえないと思います。

今までも企業の発表はあったんですが、今年は特に多かったですね~。

去年とかも、イオン発生器でしたっけ?それで角質の水分量が上がる、とか発表がありましたけど、そんなのさっさと乳液かクリームでも塗ったほうが、よほど保湿になるのでは?と思ったのを覚えてます。

受け取り方によっても、違いますが、まあ、その程度なんですね。

だから、今回、常盤薬品のコラーゲンドリンクで、結果が出たので、正直驚きました。これがホントなら、スゴイことです。(私は、飲みませんけどね。今、飲んでるサプリで、もう一杯一杯です。光やレーザーをあてるほうに専念します)

企業だけの発表って、たまにありますが、大した結果ではないのに、それをさもスゴイことのように最後が締めくくられていると、あまりにも見え見えなので、見てる医者も、「ふ~ん」程度で、すぐに忘れてしまいます。

ただ、企業と大学の共同研究みたいなのも増えましたね。研究費の関係もあるので、そういうことって、必要です。大学や大きな施設には、研究していただかないと。開業医では、そこまでのことって、できませんからね。

ただ、そういう発表には、ちゃんと企業から何を提供を受けているのか、関係がちゃんと表記されています。もちろん、企業名も。だから、見るほうも、「はは~ん」とわかりやすいんです。

素晴らしい発表だとしても、そういう意味では、企業と関係していると、「ホントかな~?」と疑ってしまうところが、ちょっと可哀想ですか。

でも、大抵の発表は、ツメが甘いというか、ツッコミどころ満載の発表で、よくそれだけで、この商品がいいと言い切るな~、という発表が多いです。

結果判定をするのが、一番重要なんですが、器械で測定となると、そうそうごまかしが利きません。

だから、「効果が出た」というには、器械が一番なんですが、大抵は、測定したら、全然効いていないので、「本人自己評価」や「アンケート」という形になります。

そりゃ本人が満足してたら、いいんでしょうが、学会発表として、プラセボ効果(信じていたら、効果が無くても、良い結果が出てしまうことです)を差し引いて、検討しないと、それこそ誇大広告と同じでしょう~。「個人の感想です」とテロップを流すのかって。あやしすぎる。。。

だから、見てる医者も、そんな発表はわかっているので、まさに、「ふ~ん」か、無視に近いと思います。

企業がらみの発表でも、ちゃんとした施設は副作用とかも全て評価して、最後に締めくくるわけです。

当たり前ですよね。いいことだけ言ってるって、おかしいですから。

長所と欠点(副作用も)を合わせて見た時に、じゃあ、わざわざ要らないかな~、ただでもらったら、あってもいいかな、でも使い方は注意しないと、って感じです。

全部の患者さんに使えるわけでもなく、やっていい患者さんを選ぶ処置だな、とか、これでなくても、もっといいの、あるやんって、ことが結局多いんですけどね。

ところがね~、今回えげつない発表がありました。ちょっとビックリで、思わずツッコミました。

ちゃんとした施設の名前で発表する以上、内容に責任を持ってほしいです。

無名の一開業医が「効く」と言ったところで、影響力って、それほどないですが(そいつ、誰やねん?ですよね)、有名な大きな施設の場合、広告に名前が入ったら、一般の方は信じちゃいますよね。

いや~、恐ろしい時代ですね。何を信じていいのか、ちょっとあまりのひどさにわからなくなりました。

それがわかっただけでも、下関まで行った甲斐があったというものです。

下の先生だけで、暴走した発表なのか、上の先生も容認したのかはわかりませんが、共同演者に名前があって、施設名をつけてたら、もう共犯です。

それだけ、企業側に有利丸出しの発表は、許せませんね~。

(発表には載せていない真実というのが、突っ込んだら出てくるわけです。それは、企業側に都合の悪いことなんです。だから、あえて載せないんですよね~。それって、その商品を買う消費者からしたら、「ウソをついている」のと同じだと思います。)

長くなるので、詳細は、次に書きますね。

広告で、何か効果のあることが書いてあったら、絶対突っ込んでお店の人に聞きましょう。

「○○認定済み」とか「効果が実証されました!」とか書いてあっても、突っ込んだら、全く関係ないことだったり、そこの商品とは、全然違うものだったりするので。

それに、ちゃんとした施設が加担するとは思いませんでしたが。。。

 

 

ここ数年、コラーゲンドリンクやアミノ酸のサプリや溶かして飲む粉のアミノ酸など、とても流行ってますね。

以前は、そんなもの、飲んだって、なんの意味もない、と言われていました。

「コラーゲンは、たんぱく質なので、サプリやドリンクで摂ることで、効率良く、栄養を摂ってる、くらいで、シワやタルミがなくなるわけではありません、ブタを食べても、ブタにならないでしょ?コラーゲンを食べても、もっと細かく分解されて吸収されて、皮膚だけではなく、全身の栄養源として使われ、吸収されなかった分は、ウンチになって出ていくだけですよ。」

私も患者さんに、ずっとそう言ってきました。

コラーゲンドリンクも、ちゃんとしたメーカーのを、続けて毎日摂ると、1か月で、軽く1万円は超えてきます。

でも、データーが取れているわけではなく、そんなのに1万円もかけるなら、ジェネシス1回でもするほうが、よほど確実ですよ、と言って来ました。

ところが、去年の抗加齢学会で、「コラーゲン摂取は、全く意味がないわけではない」という発表があり、簡単に言うと、コラーゲンを摂取することによって、コラーゲンを作るスイッチが入ることがわかったそうです。

ただ、どの先生もおっしゃるのは、出所のわかっている、ちゃんとしたモノを摂りなさい、ということでした。

ほとんどのサプリが、「海洋性」とか「マリンコラーゲン」と表記があると思いますが、これは魚のうろこが原材料だそうです。

そんなウロコ食べるんだったら、地鶏とか牛スジとかブタの角煮とか食べるほうが、おいしいし、どこで育てて、どう流通しているかわかるから、安全でいいでしょう?食事でバランスよく、摂るほうが、皮膚だけでなく、健康のためにもいいですよ、とそれ以来申し上げて来ました。

(スッポンやふかひれでもいいんですが、高価なので、日常生活、そうそう頻繁には食べられませんよね。

よく、スッポンを食べたら、翌日お肌がプルプルになる、とTVや雑誌で、言われていますが、あれは、コラーゲンが増えているわけではありません。

そんな1日でコラーゲンが増えるわけないし、体験した方もおわかりでしょうが、そのプルプルは、もっても、数日でしょう?あれは、コラーゲンじゃなくて、他の成分(ムコ多糖類とかだと思うんです。私の勝手な想像ですが。ヒアルロン酸もムコ多糖類の一種です。ねばねば・プルプルのモノは、たいてい、ムコ多糖類が豊富に入っています)のおかげで、たくさん摂取したから、皮膚や関節などに移行しているのか、増やす働きに貢献したのか、あくまで、一時的なものだと思います。

吸収されてしまえば、無くなってしまうわけです。

(以前に、どちらかの大学が、ヒアルロン酸の摂取により、皮膚内(だったと思いますが)のヒアルロン酸が増えた、という発表をされたのを見たことがあります。

もちろん、維持はしなかったはずです。ただ、摂取すること自体は、無駄ではない、ということでした。結構な量だったような気もしますが、はっきり覚えていません。)

私も、スッポンの効果を検証しようと(というとカッコイイですが、ただスッポンが食べたかっただけです)、京都の大市さんhttp://www.suppon-daiichi.com/にお邪魔しました。

スッポンと言えば、大市でしょう~。お伺いしたのは、もう3年以上前ですけど。

(私の周りに、スッポン好きがいないので、それ以来、食べてないな~。私は、好きなんですけどね。機会があれば、大市さんにまた行きたいです。風情があるんですよね~。マンガの「美味しんぼ」の載っていたのとそっくりそのままです。当たり前ですが。)

いただいた結果、おいしかったですけど、私は全然プルプルにはなりませんでした。

スッポンは、ゼラチン質が大変多く、また滋養強壮に昔から有名ですから、いろんな栄養素も入っています。アミノ酸もとても豊富です。(もちろん、コラーゲンもです)。

そういうモノを摂取することで、皮膚の角質の水分がアップするということはわかっているので、もともと、お肌に水分や栄養が足りない方がスッポンとかを食べたら、一気に栄養が入ってくるわけですから、なにか変化には気づかれるかもしれませんね。

でも、もともと肌の状態がいいと、スッポンを食べたから、20歳に戻れるわけではないので、あまり変化はわからないと思います。まして、その栄養分は吸収されたら無くなってしまいますから。

今年の「見た目のアンチエイジング研究会」で、京都府立大学大学院生命環境科学研究科応用生命科学専攻 教授の佐藤健司先生のご発表で、「コラーゲンペプチドの摂取により、皮膚の水分量の試験で、年齢の高い方の場合、効果があると言っていい、かなりの個人差・プラセボ効果(ご本人が効果があると思いこむことによって、いい影響が出ることです)がある」というのが、今までのデーターから、まとめられて、評価されました。ご自身でも実験をされ、コラーゲンペプチドを摂取することで、皮膚のいろんな細胞に作用して、痛んだ皮膚などの修復を促進させ、保湿効果も高め、その結果、骨粗鬆症の抑制、肌の状態の改善により、見た目のアンチエイジングにつながるかもしれない」という結果を出されました。(かなり簡単に、はっしょって書きましたが。)

ようは、コラーゲンを摂ることは、意味ないことないよ、という発表です。(これは、ネズミでされたデーターなので、人間での効果については、今後検討されていくそうです)

さて、そこで今回の学会なんですが、常盤薬品が阪大・名大に協力してもらい、出された発表なんです。

コラーゲンペプチドを含むドリンクを2カ月間飲んでもらって、判定されたところ、血液中のアミノ酸が増えていて、皮膚の粘弾性が増え、シワの本数が減っていた、という結果です。

写真を拝見したところ、確かにちょっとシワは減っていました。(むちゃくちゃ減っているわけではないですよ)

「コラーゲンを摂ることに、意味はある」という、結果発表でした。(20名の方で、データーを取られてます。平均年齢45.7歳です)

あとは、やはり値段だと思います。

シワがむちゃくちゃ減るわけではないので、金額によったら、光やレーザー治療をするほうが、コラーゲンを増やすのは確実です。

ただ、クリニックになかなか行けない方・光などが事情があって、照射できない方・恐い方などなど、アンチエイジングケアの一つの選択肢としては、これがホントなら、アリだと思います。

(大きな期待は、禁物ですよ。)

今まで、いろんな食品メーカー・化粧品メーカー・製薬会社なども、いい結果の出るデーターを出そうと、すごく実験をされてきたと思うんですが、なかなかちゃんとしたデーターが出なかったのが現実です。(だから、ほとんどの医者は、コラーゲンなんて、意味ない、と思っていたわけです)

ホントにいろんなメーカーから、コラーゲン関係のサプリやドリンクが出ていますが、きっと細かく分析すると、中身の成分って、全然それぞれ違うと思うんです。

食べて、それほど害のあるものはないとは信じていますが、吸収率まで考えて作られているのかは、ほとんどのあやしいメーカーではされていないでしょう。

吸収率まで測定するには、かなりのちゃんとした研究施設がいるので、普通に食べ物を加工しているだけの感覚もメーカーでは無理だと思います。

(資生堂のコラーゲンドリンクも、吸収率をよくする工夫がされていたと思います。シワが減った、みたいなデーターは今のところは、出てなかったと思いますが。)

「食品」と思って、摂取されるなら、どこのメーカーのでもいいのかもしれませんが、(ゼリー食べてるのと同じですからね。ゼラチンもコラーゲンです)、ホントに「アンチエイジング」と思って、摂取されるなら、ちゃんとした企業から出されているのを摂ってくださいね。そんなのは、それなりのお値段はするはずですから、あやしいところのは勧めません。

品質の確かなモノが、どこのメーカーなのかわからない時は、やっぱり普通に食べモノで、ご自分で調理されるのが一番安心だと思います。

ただ、コラーゲンはたんぱく質なので、たんぱく質摂取の制限を医師から言われている方は、必ず医師にご相談されてくださいね。食べ物だといいんですが、サプリはいくらもで、たくさん摂ろうと思えば摂れますから、摂りすぎによる健康被害の報告があります。

お気をつけください。

サプリはあくまで、健康補助食品であり、効果をはっきりと謳うものではありません。

ただ、データーが出たものに関しては、意味はある(全くの無駄ではない)と思いますから、お値段・手間暇など、ご自分で納得されたのなら、個人差は大きいでしょうが、やりすぎずにお試しください。

でも、コラーゲンをわざわざ飲むくらいなら、私は、もっと他のサプリを飲みますけどね。

サプリは、飲みだすと、ホントにキリがないので、何を目指されているのか、どうしていきたいのか、を考えて、選んでいかれるといいと思います。

 

HAフィルパッチの補足です。

学会でメモしたのを、ちゃんと見て、発表された効果を書きますね。

「ハリが少し出た」と言われた方が10人中9人、「肌がしっとりした」が8人、「キメが細かくなった」7人、

「ふっくらした」「シワがなくなった・目立たなくなった」が7人、「乾燥しにくくなった」が7人と、私が思っていたよりもいい結果が出てました。

また、目尻のところって、赤茶色っぽく色素がついていませんか?

これって、目尻のシワのところに、涙や化粧品が溜まって、かぶれを起こしているせいで起こることがあるそうで、HAフィルパッチを使って、目尻のシワが改善されたら、赤みも改善されたそうです。

ちょっとこれは、目からウロコでした。なるほど。なるほど。

また、これは貼る時に、プチプチというか、サクサクというか、チクチクとヒアルロン酸のトゲを刺していくんですが(そんな強い力は要りません。上から、まんべんなく押さえる程度です)、その刺さってる感の痛みは、30分~1時間の間に感じて、その後は、ほとんど感じない方が多いようです。

2回目以降は、慣れてくるせいか、そんな痛みはあまり感じないというか、気にならないようです。

痛い!と言っても、縫針で刺されるような痛みとは全然違って、「おおっ?まさに何かが刺さってる!」というチクチク感とでも言いましょうか。。こればっかりは、体験された方でないとわかりづらいかも。。

目元は、表情豊かで、動くところですから、昼間とかの活動してる時間に貼ると、貼っている違和感が、気になって仕方ないと思います。

特に、目元のギリギリのシワが気になって、貼った時は、瞬きや目を動かす度に気になって、さっさと寝てしまったほうがいいです。

やはり、寝ている間の、集中ケアですね~。寝ている間に、ヒアルロン酸の刺が溶けて、翌朝には、ふっくら目元になっていると思いますよ~♪

目元のシワに使う化粧品は、うちでは、エラスチダーム­®をおススメするんですが、これは、保湿剤ではありません。

エラスチダーム®は、もう定着してしまったシワや、キメが粗いのかチリメンジワかどうか迷うような時には、予防も含めて少し始めてみる、というのもアリかもしれませんが、乾燥ジワ対策ではありません。

季節が変わって、湿度も低い日が増えるようになって、脂性の私ですら乾燥する日が増えてきましたから、乾燥肌の方は、いよいよ本格的な乾燥シーズン突入ですね。

乾燥ジワに、レチノール系の化粧品は有名ですが、私もレチノール系は、一つの選択肢としていいと思います。

保湿メインのアイクリームか、レチノール系か、と大きく二つに分かれるのかもしれませんね。

当院には、目元専用の保湿のアイクリームというものがありません。

ナビジョンのWシリーズが、かなりの保湿作用があるので(特に、夜用のクリーム。これで十分じゃないかな、と思ってるんですが。)、これでもまだ乾燥するという方には、レチノールは試す価値はあると思います。

でも、レチノールは合う合わないが、かなり分かれるところです。

合う方は良いんですが、合わない方は、赤くなったり、少しヒリヒリしたり、皮がめくれたりと、いろいろ副作用(というか、まあ、起こっても当たりまえと言えばそうなんですが、)が出ることがあります。

レチノールの作用のうち、そういう面だけが強調されて出てしまうんですね。

気にせず使っている、という方と、やっぱり使えないという方に、またこれも分かれます。

ナビジョンから、HAフィルパッチ®という商品があるんですが、ヒアルロン酸が棘状になっている商品です。

その棘が、皮膚に直接刺さって、ヒアルロン酸が溶けて、ホントに皮膚の中に入れることができるわけです。

刺さる化粧品というか、注射の化粧品バージョンですね。

これは、シンデレラ効果と言われるくらい即効性があり、何かのイベントの前とかにすると、おススメです。

ただ、これ、維持がしない、というのが欠点だったんですね。ヒアルロン酸を一時的に入れてるだけですから。私もそう思ってました。

ところが!

今回の学会で発表があったんですが、週2回これをを目元にして、8週間経過を見てみたら、結構いいい結果が出てました。

目元の乾燥ジワでお悩みの方であれば、ちょっと高いですが(3回分で、¥5,800)、これも一つの選択肢になりますね。

発表の結果の中には、患者さんから、「ハリが出た」と答えた方が10人中7人だったか、8人だったか、写真でも変化が認められていたので、たかがこんな化粧品ですが、おおっ?!と思いました。

レチノールがダメな方・いろいろ乾燥ジワにやってみたい方、一度どうぞお試しください。

ただし、貼る形が決まってますから(のりしろがあります)、気にされているところに、うまく貼れるかは、やってみないとわからないかと。。ほとんどの形はカバーするはずあんですが、なにしろのりしろあ3ミリありますから、ホントの目の際は無理です。

いきなり、3回セット1パックを買うのが、ご心配な方には、9月のキャンペーンで、レチノールのマスク1回分とセットになったのや、エラスチダーム®現品1個とセットになった分がありますから、よろしければ、それでお試しください。

試して、よかったら、現品をご購入くださいね。

昨日の抗加齢医学会のセミナーで、プラセンタのお話がありました。

プラセンタは、胎盤から抽出した成分で、ホルモン剤ではなく、いろいろな栄養素や細胞増殖因子が入っていて、昔から、美白・美肌・若返り・抗酸化・抗炎症・抗アレルギー・免疫力強化など、様々は効能の可能性が言われているモノになります。入っている成分から考えると、確かに、健康・美容・若返り・病気などに効きそうなんですが、あまりにも昔からあるモノなので、ちゃんとしたデータというのが、なかなかありませんでした。

大昔、クレオパトラや楊貴妃・秦の皇帝や歴史上の人物も取っていたとされるモノで、美容業界でも当たり前のように注射や飲むだけでなく、お肌に塗るとかイオン導入とか、いろいろな形で提供されています。

ちゃんとしたデータはなくても、効果を実感される方が多いため、ますますプラセンタ人気が高まる、という状況でしょうか。知っている人は知っている、という状態です。

さて、今回、金沢大学の産婦人科準教授の小池先生が、いろいろなデータを出してくださいました。

まず、更年期のヘルスケアに対する役割ですが、更年期にホルモン療法が出来ない方・向かない方(希望されても、持病などによって出来ないことがあります)に、ホルモン療法に変わる治療になりえないかと、ということでデータを取られました。

データの取り方は、二重盲検法ではないんですが、

(二重盲検とは?:

例えば、本物のプラセンタと、ただの砂糖の塊だったり、中身はプラセンタではない、でも見た目はそっくりなもの(プラセボといいます)で、実験をします。実験されている患者さんも、実験している医師も、判断する場合も、それが本物のプラセンタか、プラセボかわからないんです。両者の主観を取り除くため、本当の正しい判断ができます)

更年期の患者さんに、豚プラセンタのサプリを最初の3カ月は、1日3個、それで効果の悪い方には、次の3カ月は6個飲んでもらって、経過を調べられました。

1日3個でも、ホットフラッシュや不眠が軽減され、1日6個だと、うつやイライラ・不安などが軽減したそうです。

お肌のほうも、乾燥感が落ち着き、皮脂が増え、シワが減り、眼精疲労も改善したそうです。

もちろん、個人差もありますし、極端に魔法みたいに良くなる、とは思わないでください。「改善」「軽減」とトラブル消失は違いますから。

他にも、いろいろデータをみせてくださり、ネズミの実験で、プラセンタがアルツハイマーなどの記憶障害に効果があるかも、という研究をされてるそうです。

当院で、扱っているサプリは、基本データが出ていて、飲む価値がちゃんとあるモノだけを扱っています。プラセンタは、そういう意味では、ちゃんとしたデータはなかったんですが、実際効果が出たという患者さんが多いのと、理論上あり得るのと、処方を希望される方が多いので、取り扱ってます。

ただ、今大人気で、発注が追い付かず、今日入荷する予定です。やっと来ます。発注先も、人気のため、在庫切れが出やすいとおっしゃってました。

在庫が追い付かないので、私自身、最近飲むのを控えてましたが、昨日の発表を聴いて、自分の分もちゃんと確保しようと決心しました。

入荷を待たれていた方、しばらく大丈夫かと思いますが、ご購入希望の方は、お早目に。

 

今日は、外来中にちょっと失礼して、国際会館で開催されている抗加齢医学会総会に行って来ました。

明日・明後日も引き続き開催されるので、明日も少しご予約を制限させていただいております。

ご迷惑を引き続きおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、今日聴いてきたのは、光老化(シミ)の予防と治療についてです。

この世界で、知らないとホントに医者か?と疑われるくらいご高名な、市橋先生の、「高齢までシミが出ない皮膚を維持するには!」が聴きたかったんですね~。

まさに!先日の「ホンマでっか!?TV」で、川田先生がおっしゃっていた、直射日光を浴びていいのは、3分!をどうやって計算したか、のお話でした。

川田先生がTVでおしゃってた時に、説得力あるな~と思って聞いていたんですが、何か根拠があるはず、と思ってましたが、こういうことでした。

市橋先生の計算は、80歳までシミが出ない皮膚にするために、80歳までに浴びる紫外線量を計算し、そこからシミが出ない量を計算して、逆算して、1日でこれくらい、と示されてました。

そしたら、1日3分でした=!!(直射日光です)

こうなると、かなり説得力ありますね。SPF50を塗っても、やはり2時間でした。

TVでも、ちゃんとした先生がおっしゃっている場合は、一つの理論として、納得のいくものですね。TVや雑誌の情報は、決して鵜呑みにしないで、誰が言っているのか、必ず確認しましょう。

確かに、専門家でも意見が分かれてることもあり、違う面から見た意見だったりするので、どっちがどうと判断できないものもありますが、わけわからん人が言っている(特に、皮膚科医・形成外科医など以外)場合は、皮膚の科学と全然合わないおかしなことを言っていることが、ホントに多すぎます。

まあ、日焼け止めは、結構塗っていない(塗りなおしていない)方が多いので、川田先生のように、TVで少し煽るのも、アレはアレでありかと思います。

できたシミは、光(フォト)やレーザーで、薄くしたり、消したりすることは可能ですが、日焼け止めを塗っていない方は、火傷のリスクを上げるだけで効きません。たとえ、しばらく効いたとしてもすぐまた出てきます。ホント、お金と時間の無駄なので、日焼け止めを塗るクセを、一日でも早くつけましょう。

今日の市橋先生のお話でもありましたが、子供の夏のプールの授業ですが、日焼け止めを塗らさないといけない、ということをおっしゃってました。

今の学校は、学校法か何か知りませんが、禁止されているそうですね。薬剤師さんが、日焼け止めが害になるとか、言ったとか言わなかったとか。。。

害になんかならないのに。。。

紫外線のほうがよほど害です!

(もちろん質の悪い日焼け止めは、ダメですよ。紫外線カット効果がないだけでなく、肌がガサガサになったり、かゆくなったり、合っていない日焼け止めは、化粧品もそうですが、害でしかありません。子供さんの大切な肌です。自分にだけお金をかけるんじゃなくて、ちゃんと子供さんの日焼け止めにもお金をかけてあげましょう。自分は、すごい高い化粧品を使うけど、子供のは、ドラッグストアの安物、とか結構多いんですよね。お母さん、子供やご主人にも、自分と同じくらい大切に!)

子供は、成長段階なので、どんどん新しい細胞ができてます。紫外線を浴びると、細胞にキズがいくんですね。成長期に、細胞にキズができると、修復がうまくいかなくて、おかしな細胞がどんどんできちゃいます。がんになる確率が上がってしまいます。特に、10歳までは、海やプールなど、全身大量に紫外線を浴びる時は、ちょっと注意してあげましょう。裸になったら、日焼け止め塗ってあげるとか。休憩の時は、服とかで、紫外線をカットするとか。1日中、ず~っと、強い紫外線にあたるようなことは、大人ももちろん控えましょう。日陰で、ちゃんと休みましょうね。日焼け止めの塗り直しも、お忘れなく。

昔よりもオゾン層が破壊されてますから、皮膚がんも増えてるんですよね。

秋田と鹿児島で、紫外線量は、2倍違うでそうで、日光角化症という皮膚がんは、4倍違うそうです。

紫外線の強い地域にお住まいの方・紫外線を大量に浴びてきた方は、おかしなイボがあれば、皮膚科の診察を!

老化も嫌だけど、がんも嫌ですよね。宇宙人みたいにならなくていいので、ちょっと塗り直しや、衣服でうまくカバーなど、できることから始めましょう。

今年の抗加齢医学会は、皮膚のことをちょっと聴くだけで、体の中やサプリ・食事・運動との関係など中々聴く時間がもてません。残念です。。。

アンチエイジングをやっている医師にとっては、最新の情報を仕入れることも大切で、去年常識だったことが、ちょっと違うかも、みたいなことになっているので、う~ん、今年はうまく時間が合わないな。。抄録(プログラムのようなもの)読んで、ちょっと勉強しますね。

明日も朝一から行く予定です。

今日は、四条から間違えて、京都行の地下鉄に乗ってしまいました。京都駅で気付いてよかった。。。

ボケ過ぎ・・・。1個、講演が聴けませんでした。。ううう・・・・。

明日は寝坊しないように、頑張ります!朝一に、これまた市橋先生の光老化のお話です。明日は、シミではなく、シワです。新情報を仕入れてきます!

昨日の最終の高速バスで、京都に帰って来ました。徳島17:15分発なんですが、学会関係者がある程度いるとは思ってましたが、地元の方、結構最終で京都に行かれるんですね~(京都に戻るのかもしれませんが)。思ったよりも多い人数だったので、ビックリしました。

さて、学会ですが、美容とレーザーに関係した分だけ回ったんですが、それでも時間があまり余らなくて、(会場が二つあって、離れていたせいかもしれません。)、思ってたより、忙しかったかな?

本屋さんもい~っぱい出るので、知らなかった本や新しい本を、いつも片っ端から買いたくなるのを抑えるのが大変です(京都府保健事業協同組合を通すと、安くなる本が結構あるんですね~。でも、学会行くと、つい買っちゃうんです。今回は、反省して、保事協で買えなさそうなモノだけ、とりあえず買いました)

いろんな発表を聴いたり、見たりして、「はあ~?」というものもあり、「う~ん・・・」というものもあり、「おおーっ!」というものあり、中々充実しました。

その中でも、今回一番印象に残ったのが、手術です。

形成外科学会なので、手術メインの学会なんですが、形成外科出身の素晴らしい先生の美容外科の手術、ハイレベルです~!すばらしい!!

久々に、いい手術の結果を見たと思いました。

美容外科で、小顔手術というのがあるんですが、内容は、頬骨を削ったり、アゴの骨(エラのところの角の部分)を削ったり、というのが一般的です。小顔にすると言っても、頭蓋骨を触れる(小さくできる)わけないので、触っても支障(機能上)がない場所となると、限られてくるんですね~。

当院は、美容外科ではなく、美容皮膚科なので、手術希望の患者さんは来られませんが、以前勤めていたところでは、手術希望の方々を診察したことがあります(診察と言っても、話の流れで、わかる範囲でお答えするくらいですが)。

もっと以前は、形成外科に所属してましたから、出張先も形成外科をやっているところです。

そういうところで、他院でエラ削りをされて、おかしな顔になって、なんとかしてほしい、と来られる患者さんが何人もいらっしゃいました。

昔は、今ほどいい人工骨もなく、最初に相談を受けた時代は、まだシリコンプレートくらいしか方法がなかったかな?大学病院では、美容目的の手術はできません(今の時代は、ちゃんと大学の倫理委員会を通して、やっている大学もあります。もちろん、ちゃんとしたところです)。

むか~しは、美容外科というと、ものすごく数も少なくて、ホントに怪しいところもあって(捕まってた美容外科医もニュースになりましたね。患者さんに麻酔かけてわいせつビデオとって、金を隠してて、自家ボートで逃げた、というのが。。)

ちゃんとした有名なところでしてもらうなら、100万単位で、お金がいるような時代。。ありましたね~。その少し後に、美容外科バブルが来て(日本のバブルよりも少し後だったと思いますが)、数もむちゃくちゃ出来て(わけわかんないのまで含めて)、バブルがはじけて、価格競争が始まって、今に至ります。

さて、小顔手術ですが、エラのところの、耳下にある角っこの骨の部分、わかりますか?「下顎角」と呼ばれる部分なんですが、ここを斜めに落としてしまうと、本当におかしな顔になります。間延びして、首との境目のとこなんか、はっきりしなくて、すっごい変!なんです。

患者さんで、エラ張りをとてもコンプレックスに思っておられる方には、まずエラのボトックス注射を勧めています(それほど害がないからです。仮に、何か困っても、必ず戻りますから)。

これで、ほとんどの方が満足されてます(私の関わった方々は)。それでも、まだもっと小顔にしたい、という方で、脂肪が多めについていた場合など適応があれば、脂肪吸引を勧めてます。

エラの筋肉(咬筋)を切りとってしまうのは、あまり勧めてません。戻せないからです。そうそう顔の中で、全く要らない筋肉って、ないんじゃないかな~と思います。

全部やったけど、どうしても骨が気になる!という方には、骨の手術をするしかありませんが、結果がよくないのをたくさん見てたので、角取ると、おかしいと思いますよ、というのはお伝えしてました。

ところが!今回、角だけ取っても、おかしいから、こう取ると良い結果が出る、という発表がありました。クリニカ市ヶ谷の倉片先生の発表です。

他にも、頬骨の削り方にも、工夫をされ、筋肉は切り取らず、残したままで、小顔にしていくというスゴイ技術と理論です。どうしたら、バランスよく、しかも患者さんの満足度を上げるのか、ということに留意されていて、ホントに良い結果でした。

骨を触る以上、腫れ・出血などはもちろん覚悟しないといけませんし、もちろん全身麻酔です。

骨を触ることを推奨はしませんが、同じ手術してもらうなら、こういう先生でないと、ダメですね。

ご高名な先生なので、手術のお値段はわかりません。1日にたくさんできる手術ではないので、かなりの高額だったとしたら、それは仕方ないと思います。日本でも有数の医師本人に、手術をしてもらうということは、美容の場合、金額は相応になるでしょう。

形成外科の手術発表を聴いたのが、本当に久しぶりだったので(去年の形成外科学会、それほど「おおーっ!」って思った記憶がないので)、学会に出て良かったです。形成外科の素晴らしさを再認識しました。

美容外科の手術は、やはりこう見ると、形成外科医として、トレーニングを積んだ医師のほうが絶対安心ですね。この倉片先生になら、私は安心して、患者さんをご紹介させていただきます。

患者さんと、その先生の相性と考え方が一致しないと、どんなにいい手術でもうまくいかないので、診察を受けてから、どうなるか、というのは別の話ですが。

ただ、いつも困るのは、患者さんがレーザーでいけるかな?と受診されて、手術しかない、となった時に、どなたに紹介しようか、ということなんですね。その点、東京は、たくさんの安心できる先生がいらっしゃいます。

していただきたい手術によっても、また違うので、悩むところです。例えば、二重まぶたにする手術とか、手技としては、そんなに難しくはないんですが(トレーニングと理論と解剖を理解していれば)、やはりやり方一つで、腫れ・内出血は全然違います。もちろん、仕上がりも。二重にさえなれば、何でもいいというわけではないので、患者さんお一人お一人、似てるようで、要望は全然違うんですね。

ちょっとした幅で、印象が全く違うので、最初にどれだけ、カウンセに時間をかけるのか、できることとできないことを、最初にちゃんといってくれるのか、ということも、とても大切なんですね。

二重にするのに、糸をかけてるだけだから、糸取れば戻るやん?という方もいらっしゃいますが、人間の体は、そんなにうまくいきません。どれくらいで、糸を取るかで、変なクセがついて、戻りにくくなることもありますし、まぶたの軟骨(瞼板といいます)に、糸が掛けられて、何度も何度もそんなことを繰り返していると、瞼板裂けちゃうんですね。まぶた、ぐちゃぐちゃです。

小さな手術であっても、体にキズは必ずつくので、何どもやり直しを前提に(流行りで、顔をまた変えるようなことも)することでは、絶対ないと思います。

形成外科医なら、誰でもいいのかというと、そんなことがないのが難しいところで。。これは、なんの職業でも同じだと思いますが、そこの集団に属していたら、いくらでも名乗れますし、属したこともないのに、自称の医師も多いです。形成外科認定医なら、いいのか、というと、またこれがそうでもなくて、その先生の肩書きや経歴だけでは、これまた判断できません。

頭のとてもいい、カウンセが素晴らしい先生でも、 手術がうまい、とは限らないんですね~。

患者さんが下調べでわかることはかなり難しいです。私みたいに医師でもわかりません。

また、その先生のキャラって、別問題で、これは診察してもらわないと、ますますわかりませんよね。

ホクロを取るくらいなら、保険診療で、一般の形成外科を受診されたらいいと思いますが、美容の手術って、美容的なセンスも必要であったり、患者さんの意図をきちんとくみ取る、という姿勢がいると思うんです。これには、必ず時間がいりますから、安売り美容外科の流れ作業で、できるはずがありません。

また、そういうところは、形成外科出身の医師というのは、ものすごく少なく、ひどい場合、内科医だったりします。内科医であっても、ご本人の努力(知識の勉強と手技のトレーニングで)で、いい美容外科医に成長された先生も、日本中を探せばいるとは思いますが、まだ私は遭遇したことはないですが。。

知識と手技だけでもなくて、「経験」というのが何でも大切だと思うんですが、患者さんの経過を見ていくのにも、数年は必要でしょう、手術の場合。経験も、スルーするだけでは何の意味もなくて、教訓を得て、次の手術に活かせるのにも、ある程度の時間がいると思います。下っ端時代から、そんなに手術をバンバンさせてもらえるわけではないので、手技を体得するのにも、さらに時間がいります。

医師が全然足りていないところで研修すると、バンバン何でもせざるを得なくなりますが、手術の手技で、指導医の先生が揃ってないので、我流の混じった変なクセもどんどんつきます。これ、治すの大変なんですよね。手術も、教科書に載っていることくらいしか、知識がないので、実践にはあまり役立たず(というか、ホントに手術で大事なことは、教科書には載っていません。直接、上の先生から教えていただくことです。ものスゴク貴重な知識なんです)、経験から得た絶対してはいけないこと・しないほうがいいことを知らないため、無駄な出血・腫れに繋がります。どこで、研修するのか、というのも結構大事なんですよね。本人のやる気も大切ですが、やる気の時に、教えていただける環境や交流場所がない、というのは、医師として、とても悲しいことです。

安売り美容外科には、そういう環境はありません。局所麻酔の手術が大半ですから、そばに指導医がついて、声に出したり、手取り足とり教えるって、自費でお金をいただいた患者さんの前で、できませんよね。患者さんからしたら、そんな医師にしてもらうのに、高いお金を払って、失礼な話、ということになります。慣れていない医師が、一人で手術することが圧倒的に多いはずです。手術は、慣れていないと、どんどん血が出ます。ますます手術がやりにくくなります。見にくいまま、いじっていくので、ますます腫れて、さらにわかりにくくなるという負の連鎖にはまります。

こういうことは、形成外科なら、研修時代、全身麻酔の患者さんの手術などで教えていただけることです。大学病院などで治療をされる場合は、患者さんも御納得いただかないといけないんですが、大学だと、とりあえず皮膚を縫わなければ、ということがたくさんあり、そういう時に練習させてもらうしかないんです。そこで慣れたら、外来手術(患者さんの意識があるままでする手術)デビューとなります。

そういう時も、患者さんには声が聞こえますから、アカンことをした場合は、ピンセットやハサミの柄で、手の甲をたたかれたり、足を蹴られたり、冷や汗をかきながら、手術させていただくんです。あまりひどいと、手術を取り上げられて、上の先生が手術してしまいます。当たり前の話ですよね。患者さんで練習させていただくだけでなく、時間も余分に頂戴するわけですから。

美容外科では、こんなことはできないでしょう。

さて、美容外科の場合、先輩医師になればなるほど、形成外科出身者はもっと少ないので(昔は、形成外科という学部自体が少なかったので、いける大学が決まってました。欧米で研修してこられた美容外科医師が開業されてるほうがまだ多かったかも)、その先生が自分で体得されたその施設なりの美容外科手術を手本にするしかありません。

おかしくないこともありますが、おかしいことも山ほどあります。内科医がいきなり二重の手術を、お金をいただいた患者さんでするわけです。恐ろしいと思いませんか?私(皮膚科医)が、脳外科の手術をするようなものでは?極端な例えですが、受け入れることができますか?

まだ内科医も場合でも、医師としての実践を積み重ねていて、緊急時の対応などができる医師はまだいいんですが、ひどいのになると、研修があけて(今は、スーパーローテイトと言いますか?昔の研修よりも、話を聞く分、だいぶ内容が甘いと思うんですが。。)、その後、すぐ美容外科にいきなり入る医師が増えてるそうです。恐ろしい時代です。。。

(以前は研修医の途中で、研修を捨てて、美容外科にはいってきたそうです。今は、できない仕組みになってますが)。

今回、いろんな手術の発表をみて、やはり形成外科医として、ずっとやってきた先生が開業されたところや任されているクリニックでするほうが、同じお金を出すなら、安心じゃないでしょうか。

手術の腕がわからないことも多いと思いますが、とりあえずカウンセ・診察に行くのに、最初に選ぶのには、いいと思います。あと、できれば、お一人、せめて少人数でやっておられる個人クリニックのほうが、責任を持って、されてる印象を受けます。手術の結果=その先生の評判になるので。

安売りのところは、莫大な広告費で、新規の患者さんがドンドン来ますから、責任感は軽くなるのでは?主治医制にしてるところは、そうないでしょう(そんなことしたら、効率が悪いので、利益優先のところは、絶対しません。全員の医師で、情報をちゃんと共有していて、主治医制をあえて設けていない個人クリニックもあるとは思います。規模が違うので可能なのと、そういうところは、院長が責任を持って、徹底して教育しておられると思います。まあ、ものすごく少数のクリニックですが。)

美容外科手術は、ホントに値段で選んじゃ絶対ダメですよ。高ければいいというわけでもないですが、一度手術してしまうと、そう簡単に戻せるものではないので(手術によったら、絶対戻せません)、あせらず、じっくりクリニックと医師を見定めましょう。