プロフィール

  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

カレンダー

2010年11月
« 10月   12月 »
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

最近投稿した写真

ホーム > 2010年11月09日



すっかり冷えてきましたね~。涼しくなって、乾燥性の湿疹が増え出す時期です。アトピーの方は、むしろ真夏の方がかゆみはひどいことが多く、汗で負けてしまうことも多いため、涼しくなってくると、かゆみは少しマシになる季節です。かといって油断していると、悪循環にはまってしまうので、注意しましょう。

これからの季節に注意することは、まず素肌に化繊やウールのチクチクするものがあたらないように。化繊やウールももちろん着ないと寒いので、着るのは構わないんですが、素肌には綿100%とかやわらかい肌着やTシャツなどを着てから、着ましょう。タイツや下着や肌着の全部が中々刺激のないものにできないという方は、保湿をたっぷりしてください。保湿した後に着ると、少し刺激がマシです。

乾燥肌の方もそうですが、乾燥すると表面の角質がささくれだって、その隙間からいろんな異物が入り込みやすくなります。ホコリであったり、花粉だったり、化粧品などの添加物であったり、ウィルスやバイキンなど様々です。お肌のバリア機能が壊れてしまうんですね。壊れてしまうと、さらにもっといろんなものが入ってきて・・と悪循環にはまります。そういうことを繰り返すうちに元々アトピーじゃなくてもいわゆる敏感肌になってしまうことがあります。そうなると、服のチクチクもますます刺激に感じて悪循環に・・となってしまいます。

なにはともあれ、まずは保湿です!夏の間はマシだからと保湿しない方もいらっしゃいますが、季節を問わず、やはり必要です。顔は年中化粧品を塗るわけですよね?乾燥している体のお肌も同じことです。ただ、夏の間なら、塗りやすいローションにするとか、落ち着いていて塗り忘れることはあっても、一応定期的には何か塗っているとか、涼しくなってきたら、ボディクリームに変えたり、入浴剤にしっとりするものを使うとか、自分にとって続けやすくて、気持ちが良くなる保湿を頑張って続けてください。体も顔と同じで、年中お手入れしてあげると、同じ悪化するにしても、程度がマシだったり、悪化する回数が減ったり、あるいは悪循環にはまらず早く良くなったりします。本当です。

軽いアトピーや乾燥性湿疹は、保湿をマメにしてると、ステロイドのホルモン剤を使う量が減らすことができたり、強いのを使わなくても済んだりと、いいことずくめです。

保湿をして、バリア機能を回復させるだけで、お肌はかなり強くなります。保湿を全くせずにステロイドだけを塗る、なんてことは絶対にやめましょう!

よく、ステロイドとワセリンみたいな軟膏が混ざったものを湿疹もいい皮膚も含めて全体にベターっと塗っている方がいますが、余程の重度ならともかく、止めた方がいいです。いい皮膚にステロイドがついてしまいます。ステロイドは、湿疹のところだけにするのが、お肌を強くするコツです。

皮膚科で薬だけもらって、お肌の状態をもう何か月も診てもらってない、というのもやめましょう!本当に調子が良くて、保湿剤だけもらってるというなら、まだアリですが、ステロイドをもらっているなら必ず定期的に診察を!副作用が起こっていないか診てもらう必要もありますし、診察に長いこと入らないと、間違ったステロイドの使い方をしている方が結構います。多分忘れてしまったり、勘違いしていることが多いみたいです。

ステロイドは、きちんと使えばアリな薬ですが、間違って使えば毒にしかなりません。顔なのか体なのかで使う強さも違います。もちろん、目の周りか頭か、背中なのか首なのか、など皮膚の薄さでも強さが変えないとダメです。皮膚炎の程度によっても変わります。どこにでも、どんな湿疹にも万能で使えるステロイドはありません。

だから、勝手に違う場所に塗ったり、家族で使い回したり、ということはダメなんです。大人にとっても普通くらいの強さでも、子供にとっては、かなり強くなります。自己判断は止めて、皮膚科医に診てもらって、アドバイスをもらいましょう。それが副作用をなるべく避ける方法です。

アレルギーのある方、痒くて寝ている間や知らないうちに掻いてしまうという方は、塗り薬だけでなく、飲み薬も必要です。飲む頻度は、症状によって違いますが、悪化時に飲めるように、いくつか手元に持っているということも大切です。なかなかすぐに皮膚科に行けないこともありますよね。行ける時に行って、お薬ももらって、使い方も(もちろん薬の名前も)紙に書いて忘れないように残しておきましょう。症状により、日常生活で気をつけることがたくさんある方もいらっしゃると思いますが、優先順位をつけて、何が一番大切か、どうなると一番自分が困るのか、と考えてみて、できることから一つずつでもいいので、頑張って始めてください。

よく患者さんから頼まれますが、当院は薬だけ、というのはやっていません。(元々今は、無診療投薬自体、禁止されています)必ず、診察をしないとステロイドは出しません。また症状に合わせた分しか、ステロイドは出しませんから、しばらく来れないからステロイドを多めにください、というご希望には応えることができません。保湿剤であれば、保険が許す限り、限度までお渡ししますが。(自費なら本当に好きなだけ出せます。)ご了承ください。