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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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エステのオススメの施術

よく患者さんから、エステでは荷をしたらいいですか?と聞かれます。

皆さん、エステ、お好きですよね~。

オススメの施術は、体・うで・あしのマッサージや温める系です。痛くなくて、アロマオイルとか使って、摩擦のあまり起こらない、こすらないヤツです。(痛い治療・こするような治療は、勧めません。)

実は、私も結構好きです。年に1~3回くらい旅行に行くんですが、旅行に行ったら、旅先でほとんどと言っていいほど、エステに行きます。そのホテルや旅館に大体スパのある場合に限られますが、エステのアロマオイルとかのマッサージって、気持ちいいですよね~。最近は、忙しくて、少しご無沙汰です。

ここで勘違いされては困るんですが、私は絶対顔のいわゆる「フェイシャルエステ」というものは頼みません。体のみです。そこのメニューが、全身のセットメニューしかなく、顔が込みの場合、「顔は止めてください」とわざわざ言うのも、「なんで?」みたいになるので、黙って仕方なく受けます。これも、勉強と思って。。。なるほど~と思うときもあれば、やはり止めてくださいと止めるべきであった、と悔やむこともあります。まあ、たまの1回くらい、マッサージされたからといって、いきなりタルむとか、肝斑になるというわけではありませんが・・(と信じたい!)。

基本、エステはリラクゼーションです。他人の手によって、気持ちよく、お姫様のように扱ってもらえる場所というか、一種の気分転換というか、リフレシュというか、自分にとって、贅沢な時間のご褒美ですよね。医療ではこういうことって、できません。皆無とは言いませんが、医療イコール治療ですから、そこまでリラックスできるって、あまりないですから。だからこそ、エステに効能・効果は期待して受けちゃうと、裏切られたようなことになります。

顔のエステは、やり方や施術にもホントよるんですが、1個ずつ確認して回るわけにもいきませんので、うちの患者さんには勧めていません。確かに、気持ちはいいし、その時数時間は、リンパも流れてスッキリしますが、それだけなので、たったそれだけのために、たるみや肝斑の原因になり得るマッサージをすることに意味が見出せません。(むくみを取りたかったら、タイタンをすれば、シワ・タルミの治療にもなって、一石二鳥です。いや、三鳥か。。)

昔のエステって、今ほど、むちゃくちゃマッサージしたり、力入れたり、引っ張り上げたりって、なかったかと思うんですが。もちろん、施設にもよりますけどね。もう、ホントに目の周りをぐいぐい引っ張ったり、こすったり、クリームを擦り込む、というようなことを、お金をもらって他人にする、ということは止めて欲しいです。

TVとかで、そういうことをしている画像を流すのも良くないと思います。

わかりやすい分、多くの方がマネしちゃうんですよね~。クマや目の周りのシワ・タルミ・色素沈着(シミ)がどんどんひどくなってしまっている方、続出です。目の周りなんて、一番優しく扱わないといけないのに。。「今日から止めましょう!」と止めてもらっても、するクセがついているので、中々止められないのと、また止めたからといって、すぐ治るわけではなく、皮膚が伸びてしまったり、色素沈着を起こしてしまった場合は、光・レーザー治療もお金・回数も、すごくかかります。あまりにひどい場合は、手術でないと、むずかしいことも。。。(靴や革のカバンが、伸びてしまったら、もう戻りませんよね、型崩れ。お肌も同じで、皮膚も引っ張ると伸びちゃうんです。)

リンパを流して、気持ちがいいな、とされる側もわかっていて、する側も、効果はそれくらいですよ、と説明していたら、まだいいと思うんですが、最近は不況の影響なのか、お客さんを騙してというか、効果を誇張して、契約してもらうお店が増えて、困ってます。消費者センターも大変です。

特に、肝斑に、わけわからん光をあてて、悪化させておいて、「好転反応です。この後、良くなります」と言って、さらに契約させる、という悪質なエステも結構あるんです。(この好転反応という言葉、医療ではありません。悪いものを出し切っていて、この後よくなるから、とエステで説明されるようですが、皮膚科医から見たら、ただのかぶれや副作用や合併症です。経過として、そういう過程を取らざるを得ないということは、もちろんありますが、生理現象というか仕方ない反応というか、医療の場合は、ありのまま、こういうことがあります、と説明があるはずです「好転反応」なんて言葉は使いません。エステの人の中には、意味もわからず、いいことのように、使っている人がいるので、これまた大変です)。

軽い肝斑であれば、患者さんが気付かれて、すぐに肝斑治療を始めれば、わりと1~2回で結構良くなる方もいらっしゃいますが、ひどくさせてしまっている場合は、時間はすご~くかかってきます。患者さんが一番大変ですけど・・・。医師でもない人に、よく自分の顔をまかせるなーと、いつもビックリします。シミやホクロを勝手に電気かなにかで焼いているエステもあって(これは学会も厚生労働省も認めていません。医師にだけ許される行為です。)、もしガンだったら、どうする気なんだろう?と思います。ただでさえ、皮膚ガンの見た目というのは難しく、専門外の医師であれば、気付くことがなくても仕方ないのに(そういう場合でも、やはり医師ですから、初期に気付かなくても、どこかでこれはおかしいと気付いて、ちゃんと紹介されるから大丈夫ですよ。初期の皮膚ガンに気付いてもらえるというのは、かなりのラッキーな稀にみる状態です。皮膚ガンに限らず、他のガンでも初期に越したことないので、検診はちゃんと受けましょうね)、医師でもない人が、他人のホクロを焼くなんて、エライことです。絶対、受けてはいけません!無料であっても!

それに比べて、手・あし・うで・背中・腰・おしりなどの体のマッサージは、エステでないと。これこそ、エステです。医療では難しいでしょう。医療ではリンパを流すモノって、気持ちいいものは、あまりないんじゃないかな~。多くの女性の方が、冷え性だったり、むくみやすかったりしますから、体のマッサージや温める施術といのは、大変オススメです。血行を良くすることで、中からキレイになる、というのはダイエットも含めて、有り得ると思います。体質や頻度・程度にもよりますが。うで・あしもそうですが、腰・おしり・背中って、自分でマッサージしにくいところなので、これこそ誰かにしてもらう、というのが最高のご褒美だと思うんですけど(私自身は、下半身の血行さえ良くなれば、痩せるのでは!?と勝手に妄想してます。。)

エステは、もっとリラクゼーションと、体のメンテナンスに徹底して、プロとして、頑張って欲しいな、と思います。フランスとかは、エステと美容クリニックが協力して、女性をキレイにするんですけどね。日本のエステのような広告戦略はないんじゃないかな。医療との役割分担もきちんとしてますし(アチラのエステは、クリニック並にお高いですが・・)。

将来的に余裕ができたら、メディカルエステを併設して、体のリラクゼーションもクリニックでしてみたいな、と思いますが、まだまだ今の仕事に手一杯ですので、いつになるかはわかりません。まあ、クリニックだと、メディカルエステと言っても、もっと効果のある機械が使えるんですよね。

ちなみに、すべてのメディカルエステが、効果があって、中身は同じではありません。ちゃんとわかっている美容皮膚科医あるいは形成外科医が、ナースやエステティシャンに指導して、医学的根拠に沿った施術をしているかどうかが大切です。適当にやっているところやドクターがノータッチのところもたくさんあります。もちろん、ナースやエステティシャンの知識やスキルも大切です。これだけは、受けてみないと見抜けないかも。やっても、一般の方だとわからないかもしれません。やったのに抜けなくて、効果がよくわからなくても、まあ所詮エステですから、とりあえずこんなものか、と思って、見抜くのはあきらめましょう。その時、気持ちが良かったら、続けてみてはどうでしょう?それくらいしか、判断の基準って、ないかもしれませんね。効果はあまり期待せずに、気持ちのいいことに、対価を支払う、という割り切りが大切です。

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