昨日フジテレビをたまたま見ていて、「つかえるテレビ」とかいう番組です。
その中で、「法令線を5日で薄くする方法」を見て、呆れてしまいました。
どこからツッコんでいいのか、というくらい、おかしいことの連続で、それをさも効くかのほうに放送するなんて、許せませんね~。
「ホンマでっか?!TV」くらいまでしたら、信じない方もいらっしゃると思うし、テロップも流れるから娯楽番組として楽しめますが、昨日のアレはダメでしょう。
まるで、「あるある大辞典」を彷彿とさせました。日本中から納豆が無くなりましたね。。
とりあえず、一番ひどいところをツッコミます。
まず、顔の筋肉は、コリません(番組の中で、どっかの美容皮膚科医が、筋肉が薄くなっていくことを「顔コリ」とか呼んでましたが、訳がわかりません。年を取れば、代謝も落ちるし、栄養の吸収も落ちるし、筋肉を使う機会も減るのもあって、体中どこの筋肉も痩せて衰えて来ます。当たり前です。それを、「コリ」とは言いません。)
肩こりみたいに、こるわけではないので、ほぐす必要はありません。
また、その次にどっかの柔道整復士とかいう方が、5日で法令線を消すとか薄くするだとか断言してしきりにマッサージさせてました。もちろん、薄くも消えてもいません。
ひどいのは、テレビ局が用意したビフォーアフターの写真、アフターのは、顔の向きが違います。少し上を向かせています。鼻の向きが全然違いましたから。
その写真を持ったモニターの方が、「全然違う~」とか言います。(実際、上を向かせていても、全然違うなんてことなかったです)そしたら、参加したモニターの大勢が、一緒に写真を見て、「違う!違う!」とか言うんですね~。まるで新興宗教の勧誘か、悪徳商法の勧誘と同じですね~。ひどいです。まだこんなことをフジテレビはしますか!
なにか番組として、目玉欲しかったんでしょうが(新聞にも思いっきり書いてましたから)、悪質ですね~。
整体士の方が、マッサージの仕方を教えてました。皮膚をこすらずに、筋肉だけマッサージするように、って。。。
できるわけなかろうっ!!顔の筋肉は、皮膚と筋肉はピッタリとつながってるんです。だからこそ、表情筋と言って、体とは構造が全く違うんです。
そんなことも知らない方が、顔のマッサージを勧めるのはホントに止めてほしいです。また、肝斑の患者さんが増えてしまいます。
また、刺激したら筋肉が太くなってくる、ということで咬筋をマッサージで刺激するように言ってました。たかがマッサージの刺激で筋肉が本当に太くなるんでしょうか?それなら、寝たきりの方で、萎えた筋肉のリハビリは、マッサージだけしておけば、歩けるようになるのでは?怪しすぎます・・・。
仮に、本当にマッサージで、咬筋が太くなったら、エラが張るので、顔は大きく四角くなります。
咬筋を鍛えさせるなら、それも伝えてあげないと、エラ張るのが嫌な人って、いっぱいいらっしゃると思いますよ。エラを細くするエラボトックスが流行るくらいですから。
先日も、フジテレビは震災の報道で、不適切発言があったところだから、焦ってるのかもしれませんが、いかにもちゃんと検証したように放送するのは、いい加減止めてほしいです。
皆さんも、決して鵜呑みにされませんよう。
マッサージしたら、その一瞬は、リンパが流れてむくみが取れて、少しスッキリします。が、すぐにまたむくむので、元に戻ります。ほんのわずかな時間のために、お肌をこすって、シミを作ったり、キメを荒らしたりしたら、何してるのかわかりません。引っ張ることを繰り返すと、皮膚は伸びて、タルミの原因になります。(やりすぎないように、ってテレビで言ってましたが、誰でもやりすぎるにきまってるでしょう~。だって、元々効くわけないのに、効くと思ってやるので、いつまで経っても終わりませんよね。まだやり足りないから効かないんだ~、という方、ものすごくたくさんいらっしゃいます。だから、やりすぎちゃうんです。家ですることって、誰も止めてくれませんからね~。そういうことを放送するほうが悪いと思います。やりすぎたら、どうなるって、同じくらいの時間をかけて番組で説明するべきです。)
確かに、顔の筋肉も年齢とともに、重力に負けて、下がってきます。筋肉が鍛えられていると、支えてくれるので、下がるのがマシだとは思います。
ただ、顔の筋肉は、皮膚とくっついているので、鍛えようと思ったら、皮膚も一緒に動かさなくてはいけません。(筋肉が動くと、皮膚も同じように動きます)
そうなると、シワがドンドン刻まれるので、シワだらけになります。肌質にも依りますが、シワが嫌な方は、なるべく顔は動かさないことです(特に、口角だけ上げる愛想笑いなど)。
顔中笑顔で笑う方なら、まんべんなく筋肉を使うので、全体に小じわが増えます。笑いジワってヤツですね。1箇所だけ使う愛想笑いのシワよりは全然いいんですが、表情豊かな方ほど、シワは多くなってしまいます。(愛想笑いの口角横のシワは、ホントに取れません。ご本人も、もうクセになっているので、止めれません。ここにはボトックスも打てないし、動くシワにヒアルロン酸とかは、あまりいい結果になりません。また良くなっても、すぐに愛想笑いすることで、皮膚が折り畳められるので、また溝になります。)
表情ジワが困るなら、ボトックスしかありません。くれぐれも、ボトックスのやりすぎにはご注意ください。人形みたいな、全然表情の出ない不自然な顔になってしまいますから。(打っていいところと悪いところがあります)
事故とか病気で、顔面神経麻痺になった方は、麻痺側は、シワが全然ありません。動くことが少ないからです。筋肉も伸びてるので(弛緩といいます)、下がりやすいです。だから、法令線やフェイスラインとかは、タルミ(下にさがっている感)が反対側よりも目立つかもしれません。
麻痺していないほうは、普通に動くので、年齢相当のシワができます。タルミも年齢相当ですが、麻痺側よりは、筋肉が弛緩していないので、ちょっとマシなはずです。
まあ、法令線は、頬骨についている脂肪や筋肉の量でも違うので、たるんでなくても、頬にだけたくさん筋肉や脂肪があると、口周りとでできる段差の落差がきつくなるので、そのせいで、たるんでなくても、法令線が目立つ、という方もいらっしゃいます。人それぞれですね~。
ビートたけしさんには失礼ですが、一度テレビでたけしさんのお顔を観察されてみてください。麻痺側のほうが、動きにくいので、どちらが麻痺側か、しばらくしたらわかると思うんですが。シワとタルミの関係・動かすことで、シワ・タルミがどう変わるのか、ということがわかるはずです。
何でも二面性があります。長所にもなれば、欠点にもなります。欠点の部分を放送されていないこともありますし、逆のこともあります。(さんざん褒めて持ちあげといて、急にバッシングに変わったりしますよね)
そうなったら、どうなるか、反対の意見はどうか、と考えながらテレビを見るのも頭を使うので、いいと思いますが、気が休まりませんね。
だから、テレビは、あくまで娯楽ですから、くれぐれも信用されませんように。