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    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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ニキビを予防する方法

ニキビを予防する方法なんて、魔法みたいなモノは、はっきり言ってありません。

強いて言うなら、毛穴が詰まりにく肌質になるように心がけてあげたり、栄養バランスを取るような食事・食事で補えない栄養素の補充(サプリとか)、ストレスを貯めないように規則正しい生活。。。

どれも簡単そうに見えて、なかなか難しいことが多いかもしれません。

保険の治療(薬)で予防は、基本絶対無理と考えてください。

そもそも、保険の治療は、今ある病気や症状を抑える・改善する・バイキンを殺すということが目的であって、予防する、というのは、まったく違う考え方です。

最新のニキビ治療薬ディフェリンゲルを、広範囲に塗らせる医師もいますが、私はあまり勧めていません。赤向けや刺激・乾燥などの副作用(というか、出ても当たりまえの経過なんですが)が頻繁に出てくるからです。

私は、基本ダウンタイム(赤みやかさぶたや腫れなど、何か処置をして、その後で患者さんが我慢したり、困る症状が出ること)が出る治療というのは、あまり好きではなく、ディフェリンゲルも保険のみの患者さんに、処方することはありますが、ニキビのみで、出ている時のみ、にしてもらってます。それでも、合わない方もいらっしゃるんですよね。

ディフェリンゲルは、ピーリング剤みたいなものですから、広い範囲に塗れば、「予防」にはなりえますが、その分のしっぺ返しというか、副作用は覚悟しないといけません。

自費のケミカルピーリングであれば、月1回クリニックで行うくらいですから、おうちでする必要はないですし、特にサリチル酸マクロゴールであれば、そんなダウンタイムは通常出ません。赤向けは、普通出ません。

 私は、予防に関しては、全て自費で行います。保険では、無理でしょう。

まあ、例えば漢方薬とか、抗生物質(化膿止め)をずっと飲んでいると、予防のように、いい状態を保てることもありますが、抗生物質は、長期予防として飲むものではありません(菌に耐性ができます。副作用は結構あります。長期服用がまだ比較的大丈夫な薬もありますが、あまり勧めません。やはり、ニキビに関しては、ここぞ!という時に飲んでこその抗生物質だと思います。)。

漢方薬は、ドンピシャで、自分にピッタリ合うものが見つかればいいですが、漢方薬の種類はニキビに使うモノだけでもたくさんあり、その中から選んで比べていく、というのは結構大変です。

状態を見て、ある程度の漢方の種類は選んで処方されているとは思いますが、専門の漢方医でもなければ、なかなか難しいと思います。

というのは、西洋医学と違って、漢方って、いつまで様子を見ていいのか、悩むんですね。基本、何か月も飲んで、体質を変えていく、というのはニキビに関しては、あまり関係ないと思われていいと思います。

漢方の種類にもよりますが、ニキビの場合は、1~2週間くらい様子を見られて、まず自分に合っているかどうか(逆に、困ることがないか)、その次に、ニキビはちょっと良くなっているのか、というのを見ていきます。

このニキビに効いているのか、の判断が難しいんですが、本当に合っている漢方なら、1~2週間である程度わかります。なんとなく効いているのかな?というので、副作用がなければ、1か月は飲んで様子を見たらいいと思いますが、よくわからない、というのであれば、あなたのニキビに合っていないのかもしれません。劇的に効けば、わかりやすいんですが、西洋医学の薬でも劇的に絶対効くのか、というとそんな薬ばかりではなく、なんとなくいいのかな、と様子を見ることがあります。

漢方で、ゆっくり効いている、となると、ホントにどこまで様子を見るのかわからなくなることがあります。特に、ちょっとは効いてる、というときに、他の漢方ならもっと合うかもしれない、いや、漢方ならこれくらいが限界でしょう、、と判断が難しいです。しょっちゅう、漢方を変える、というのも、何がなんなのか、わからなくなる時もあります。

保険で処方する漢方の代表は、ツムラの顆粒なので、まだ飲みやすいと思います。それでも、漢方が飲みにくいという方は、その漢方が合っていない可能性があります。

誰が飲んでも、絶対ニガい漢方もありますが、ニキビで出されることはあまりなかったように記憶してます。自分に合っている漢方は、おいしい、とまで思わなくても、飲み辛くはない、不快ではない、という感じです。

だから、最初から大量に処方されるよりは、1~2週間で、まず様子を見てもらうほうがいいかな、と思います。合っていない(飲み辛い)漢方をたくさんもらっても、絶対飲まなくなるし、もったいないですよね。

漢方好きの方は、漢方専門のクリニックに行かれるのも手ですが、保険適応と、自費のところがあるので、ご注意ください。ツムラの顆粒を採用してるところもあれば、自分のところで、調合して、煎じて飲んでください、とか、あるいは、顆粒を処方されたりと、クリニックによって、さまざまです。

ただ、専門のところは、1か月単位で処方されるかもしれませんね。とりあえず、一月様子を見てください、みたいな感じで。まあ、考え方の違いですが。2週間にして、と頼んで聞き入れてもらえるかは、クリニックによって色々でしょう。

私も昔、18・19歳くらいの時、生理痛があまりにひどくて、漢方専門のクリニックに親に連れて行かれたことがあります。針を打たれて(ずっと体に埋入しっぱなしのヤツです)、漢方を大量にもらいました。(1か月分か、もっとかは忘れました)結局、ちゃんと飲まなかったので、効いているのかどうかは判断できませんでした。本人に、飲む気がないとダメですね。生理痛がひどい時は、結局横になって休んで、鎮痛剤を飲む、ということを繰り返してました。そのうち、受験が終わったら、自然に軽くなってましたね。漢方の効果は、よくわかりません。。

そこは、保険ではなく、自費で、領収書を確定申告の医療費控除に提出するよう、言われました。

「漢方、え~。。。」という方は、別に飲まなくていいですよ。絶対続きませんから、もったいないです。

ニキビなら、飲みやすくて、美容にもいいサプリメントのほうが、私はわかりやすいので、好きですね。

基本は、ビタミン剤(BやCです。サプリ好きなら、Eも一緒に飲んだほうが吸収はいいです)と亜鉛です。ドラッグストアのモノより、クリニックのほうが吸収も効果もいいです。もちろん、当院では自費です。(保険診療と併用はできません。全て自費のみとなります)

他には、プラセンタやアスタキサンチンを飲んでいる方もいらっしゃいます。

もちろん、劇的に効くわけではありません。効く方もいらっしゃいますが、すぐに効くのは、ホントに少数派です。

お肌に、プラセンタやビタミンCのイオン導入をしたり、ビタミンCの化粧品やアスタキサンチンの美容液を塗ったり、肌荒れ用の化粧品を使ったり、と人それぞれです。ニキビ以外に何が気になるのか、で選ぶ基準にすることが多いです。

クリニックで、ケミカルピーリングをひどい時はするのか、ある程度定期的にピーリングするのか、あるいは、家で簡単にできるピーリング石鹸を生理前や脂っぽい時・ニキビが出た時にだけするのか、とさまざまです。また、ピーリング石鹸もいろいろ種類があるので、肌質に合わせて選びます。

ただし、乾燥肌の方は、ピーリング系は勧めません。

ピーリングのできない方・今は向かない方・ニキビ跡も気になる方は、ライムライトやジェネシスがおススメです。お肌の代謝が良くなるので、ちょっとした予防になってる方が多いです。

ただし、自費だからと言って、万能ではありません。ニキビもシミも何でも、お肌のメンテナンスやスキンケアをして、いい状態を保ってあげれるように、努力していくものですから、一旦良くなったからと言って、一生持つわけではありません。少しでもキレイにしてあげるために、定期的にお手入れをする、という考え方です。

美容皮膚科の自費治療を、魔法みたいに思っておられる方には、本来自費治療は向きません。1回して、終わりではないので。そんな都合のいいモノは、世の中ありません。

調子の良い時は、いくらでもお休みされたらいいと思いますが、満足が行くまでは、ある程度続けないと結果は出ませんし、どれくらいで結果が出るかは、みなさん違うんです。肌質もニキビの状態も、薬やレーザーとの反応も。あくまでもスキンケアの医療バージョンみたいなモノなので、○○回で良くなる、と約束できるものではありません。

治療によったら、ある程度の目安(サリチル酸マクロゴールなら、3~4回とか)があるものもありますが、これだけしたからと言って、ニキビが全くなくなるわけではありません。

また、予備軍みたいなのが出てて、しばらくしたら、ひどくなるから薬をください、と言われても、出せません。ひどい状態に合わせて、薬を選ぶからです。一度でも診たことがあれば、アレを塗ってみたら?とアドバイスできることもありますが、ひどい状態を一度も診てないのに、何を処方していいのか、わかるわけがありません。

「今は出てないけど、こんなのが出るから薬を欲しい」、という方、ニキビに限らず、湿疹やアトピー・ヘルペスなどで受診されます。初診で、はっきり言って無理です。処方できません。薬屋さんではありませんから。

自分の好きな薬だけ、ある程度欲しいなら、ドラッグストアに行きましょう。自由に買える薬もあります。

医師が処方する、ということは、診察あっての薬なので、特に皮膚科の場合、そのモノ自体を診ていないと、ホントに合うモノは出せないでしょう。

基本、予防に保険は使えません。国が7割負担してくれるということは、それなりの制限が伴います。

それが自費との違いです。(自費なら、好きな薬を何でももらえるというわけではありませんよ。保険適応はないけど、ニキビに使ったら、いいんやけど、という薬が使えたりします。)

軽めにニキビに、保険診療だと、どこのクリニックも、そんな大差はないかもしれません。似たりよったりかも。特に、簡素肌がベースにあると、保険で出せるニキビの薬は限界があります。

どこまでキレイにしたいか、どの状態を目指すかですが、ニキビはある程度自費を覚悟しないといけないことが多いかな、と思います。(保険の薬だけで、うまくいってるなら、自費をする必要は全くありません。)

 

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医療