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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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水虫の治し方①

足が蒸れだす季節ですね。

水虫の方が増えてきました。

水虫は、男性しかならないと思っておられる方がいるかもしれませんが、オジサンの病気ではなく、誰でもなります。女性でも、子供でも、赤ちゃんでも。

もし、お父さんが水虫で、治療してなければ、一緒に暮らしている家族は、かなりの確率でうつされます。

お父さんが犯人とは、もちろん限りませんが。

水虫は、どっかから突然湧いて出るモノではありません。どこかで、うつってくるモノです。

昔は、女性は家に居て、外に出る機会の多い男性のほうが、うつされる確率は、どうしても高くなるわけですが、今は、女性も、専業主婦でも、行動範囲が広いため、どんどんうつっちゃうんですね。

一番気を付けるのは、スポーツクラブやスイミングプールなどの裸足になるところです。

靴を履くのは、一番最後ですよね。必ず、24時間以内に、足をちゃんと洗いましょう。水虫菌(白癬菌)がついても、24時間以内に洗い流せば、普通うつりません。

あとは、歯医者や皮膚科でも、靴を脱いで、スリッパに履き替えるところがありますよね。水虫の人が履いたスリッパや靴を履くと、うつされる確率が上がります。特に、皮膚科は、水虫の患者さんだらけですから、そこのスリッパを履いたら、水虫かもしれません。

他にも、裸足になる(自分の靴を脱ぐ・他人と共用の履物を履く・他人が裸足で歩くようなところを自分も裸足で歩くなど。ここでいう他人は、不特定多数のことも含めて、「あなた水虫ではないですか?」と聞けない方がいる場合、と思っていただいたら。)機会のところが、要は危ないわけです。

ただ、そこに行ったから、必ずうつるわけではなく、そんなことでうつっていたら、私たち皮膚科医の手指は、水虫だらけになってしまいますから、有り得ません。

やはり、早めに足を洗うなど、洗い流すことが大切です。外から帰ったら、手洗い・うがいは、必須ですよね。足も、そとから帰って、すぐに洗えないでしょうが、24時間以内には洗い流しましょう。

洗う時の注意点ですが、絶対こすらないこと!足でも顔でも背中でも体中どこでもそうですが、こすっていいことなんかありません。

足をゴシゴシ洗うと、特に蒸れやすい季節だと、皮膚もふやけ易くなってることがあり、それをこすったら、皮膚にキズが付きやすくなります。蒸れなくても、足の裏やかかとでも、ゴシゴシこすると、見えないくらいのキズができやすくなります。

その細かいキズに、水虫菌が入り込むと、24時間以内に洗い流しても、出ていかないことがあり、指と石けんの泡で、優しく、赤ちゃんを洗うように洗う、足の指の間も1本ずつ優しく洗うということが大切です。擦ること以外にも、乾燥して、角質が毛羽立っているような方・カサカサのひどい方なども菌が入りやすくなります。

擦ったり、カサカサでなくても、気を付けるのが、女性はブーツです。

男性の足が蒸れやすいのは、革靴を1日中履いているからです。女性も働くようになって、1日中パンプスなど履いてますよね。途中で、脱いで、通気を良くする、って大事ですね。

蒸れると、皮膚がふやけて、ちょっとした刺激で、キズがつきやすくなります。

今、女性の間に、冬以外にもブーツが流行っていて、冷房のガンガンにかかっているところなら、足を冷やすのは良くないので、アリだと思いますが、通勤や通学には不向きです。ハリウッドセレブが暮らしている環境とは、日本と気候も違います。あちらは、もっとカラっと乾燥してるんですね。しかも移動は全部専用の車でしょうし、自分で歩いたり、電車に乗ったり、ってほとんどないんじゃないですか。

この日本も蒸し暑い中、ブーツを履こうものなら、蒸れ蒸れのふやけっぱなしです。ずっと蒸れてたら、水虫でなくても、他の菌お増えやすいですよ。皮膚科医としては、夏ブーツはススメません。

皮がめくれる・かゆい・赤い・ジュクジュクしている イコール水虫 ではありません。

同じような見た目で、ただの汗の湿疹(アセモの一種や、異汗性湿疹など)やかぶれのことがあります。

水虫の見分け方は、皮膚科で顕微鏡で調べてもらうしかありません。

菌が見つかれば、間違いなく水虫です。

見つからなければ、絶対違う、と言えないことろが難しいところですが、中途半端に薬を塗ったりとかしてると、菌は見つかりません。症状の軽い時も、みつかりにくい時もあるかもしれません。

こういう時は、担当の皮膚科の判断になりますね。

菌がない時は、とりあえず、症状に合わせた治療(水虫以外の)をする、というのが原則ですが(水虫だったら、しばらくしてより水虫らしくなり、菌が見つかって、診断ができます)、よほど疑わしい時には、水虫薬を処方される時もあると思います。

ただ、菌がないのに、薬を始めた場合、どこで塗るのをやめるのか、難しいところです。

病院の薬だと、数日~数週間で、症状がかなり治まります。そこで治った!と思って、みなさん薬勝手にやめちゃうんですよね。ここが水虫の恐ろしいところで、足の皮膚は、角質(アカの部分)が分厚いので、奥に入り込んでいたりするんです。症状の出ていない、その隣にも、菌はいるかもしれないので、

水虫の場合は、症状が全くなくても、両方の足の裏全体と全部の足の指の間に塗る、というのが大切です。塗り薬のみなら、2~3か月塗る、というのは大切です。1か月でいける方もいますが、長いにこしたことありません。目で見えませんからね。

止める時は、必ず最後に、顕微鏡で調べてもらって、菌がないのを確認してもらってから、薬を無くなり次第、終了にする、というのがおススメです。

菌がないのに、薬を始めると、最後の確認もできないし、患者さんも、真面目に塗りませんね、実感がないですから。そんな何か月も塗らなきゃいけないのに、中々塗りませんよね~。

 

自分は、気を付けているのに、家族に水虫がいる場合、どうしたらいいか。また、その人が治す気がないのか、全然治療をしてくれない場合、これは問題です。

同居している家族は、やはり時間の問題で、うつることになると思います。

次回に、一緒に住んでいても、うつされない方法を載せませんね。乞うご期待!

 

 

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医療