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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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水虫の治し方④

塗り薬で注意が必要なのが、かぶれです。

 

市販の薬も病院の薬も、湿疹とか他の塗り薬に比べてかぶれる方の確率が多いです。

 

特に、市販のモノは、成分が全然効かないモノ(病院のに比べて)もあり、買った方が効いてるように感じてもらわないと困るので、スースーする薬剤や乾かす薬剤など色々混ざってることが多いです。

 

そういうホントはあまりいらない成分でかぶれることも多く、かぶれていることに気付かずに、水虫がどんどんひどくなってると思って、さらにそれを塗り続けて、エライことになって、初めて病院に来るという、恐ろしいことがよくあります。

 

そういう時は、もう~ぐちゃぐちゃで、腫れあがるわ、真っ赤っかだわ、ただれてるわ、膿もついてるわ、でホントにひどいもんです。

 

どっから手をつけていいかわかりません。そこまでいくと、水虫の菌も検査でみつからないこともあり、ホントに水虫だったのか、違ったのかもわかりません。

 

菌が見つからない以上、まずはかぶれや、ただれや、バイキンがついている場合は、それの治療から入ります。

ホントに水虫だったら、落ち着いたところで、また顕微鏡検査をすると、どっかで菌が見つかります。

 

病院でもらう薬で、ここまでなることは、あまりないです。たいていの方が、塗ってひどくなった、とまた受診されるからです。あるいは、次の受診の時に、気付いてもらえると思います。

 

でも、病院の薬でも、かぶれるかどうかは、塗らないとわからないので、最初から、たくさんもらうのは、私はススメていません。

 

たくさんもらって、かぶれても、薬は返品ができません。衛生用品の場合、どんな環境に保管されていたのかがわからないので、返品された薬を、他の患者さんに使いまわすわけにいかないからです。

 

よほど広範囲でない限り、足水虫くらいなら最初は1本くらいにしておいて、大丈夫だったら、次に多めにもらうほうがいいと思います。

 

ちなみに、市販のラミシール®という塗り薬は、病院でもらうのと同じ濃さです。市販のほうが、もしかしたら、塗りやすいかもしれません。

成分以外に、どんな成分を混ぜているのかまでチェックしたことはありませんが、薬そのものの効果は同じなので、病院にどうしてもいけない時に、市販で何かを買うなら、ひとつのおススメです。

ただ、かぶれには、気を付けてくださいね。

かぶれも出なくて、調子がいいなら、頑張って数か月続けてください。

自分で始めてしまったなら、ちゃんと最後まで頑張りましょう。

 

塗り始めてから、皮膚科にいって、検査をしても、菌は見つかりません。もう表面の分はやっつけられていますから。奥にひそんでいる分のために、塗り続けるんです。

 

もし、塗ってるのに、菌が見つかったら、症状や治療日数にもよりますが、その薬と菌の相性が悪い可能性があります。その場合は、塗り薬を変えないといけないかもしれません。

 

 

さて、爪水虫の場合ですが、爪水虫を塗り薬だけで治す、というのはかなり難しいです。

 

ごくまれに塗り薬のみで良くなった方を診たことがありますが、ものすご~い少数派です。良くなるにしても、時間が恐ろしくかかりますから、肝臓などに問題のない方は、薬を飲んだほうがいいです。

 

水虫の爪が、全部生え変わるのを待たないといけませんから、効果が悪いと、新しく生えてきた爪も、完全に健康な爪になっていないことがあります。いつまで経っても、健康な新しい爪にならないんです。

 

ただ、飲み薬には、副作用があります。全員で絶対出るわけではありませんが、ある程度飲む場合、血液検査が義務づけられています。

 

副作用で、肝臓に負担がかかっていないか、チェックするんです。

 

薬の種類も、いろいろで、毎日飲む薬もあれば、ひと月のうち、1週間だけ飲む、パルス療法という飲み方もあります。

 

主な薬は、ラミシール®とイトリゾール®の2種類です。それ以外にもありますが、まあ、メインはこの2種類でしょう。

 

価格も通院に通う頻度も違いがあるので、処方される時に聞いてみたらいかがでしょう。

 

また、爪水虫がある、ということは、足も水虫です。例え、症状が無くても、爪から周りの皮膚に移ってる可能性大ですし、もともと、皮膚に水虫があって、爪に移ったのかもしれません。どちらが先かなんてわからないので、もし爪水虫で、塗り薬を塗る時は、足も塗りましょう。

 

まあ、飲み薬なら、足にも爪にも効くんですが、塗り薬も一緒に使ったほうが早く良くなります。

 

水虫がホントに治っても、ちゃんとケアしてないと、またどっかでもらってきますから(どこにでもあると思っておいてくださいね)、ケアを大切に。

 

蒸らさないように、こすらないように、キズ(目で見えない小さいモノです)をつけないように、ゴシゴシ洗わず、丁寧に足を洗う!指の間も同様です!

靴を脱いだ時は、その日のうちに、なるべく足を洗いましょう。

おかしいな、と思ったら、市販の薬よりも、皮膚科受診をおススメします。

薬を塗る前に、顕微鏡検査をしましょう。正しい診断があって、初めて適切な治療ができますから。

 

菌が見つからない場合は、水虫以外の治療になるのは仕方ありません。それで様子を見てくださいね。水虫の薬じゃないのに、どんどん良くなるなら、水虫じゃなかったって、ことですし、調子が悪くなるなら、もう一度受診して、検査してもらいましょう。

水虫なら、もっと菌が増えて見つかりやすくなっていることもありますから。1度で見つからないことも有り得るので。

 

水虫は、必ず治るので、あきらめずに頑張ってください。恥ずかしがらずに、皮膚科に受診を!

水虫と思っていたら、汗の湿疹だった、というこも結構ありますから。

 

 

カテゴリ:

医療