当院では、アザ(太田母斑・扁平母斑など)用のレーザーは取り扱っておりません。
でも、時々アザの患者さんがいらっしゃいます。
ご本人は、シミだと思っていて、実はアザだった、という場合です。
特に、遅発性太田母斑様色素斑は、子供の時にはなく、ある程度の大人になってからできるので、薄めのモノだと、そばかすやシミだと思っておられる患者さんもいらっしゃいます。
皮膚科医・美容外科医でも、シミなどを専門でやっていないと、ただのシミと言われたり、ひどい時には、肝斑と言われたり、と中々アザの指摘をされないことも結構あります。
アザか、シミか(あるいは肝斑か)で、治療経過・治療方法が全然変わってくるので、診断を正しくつけるというのは、とても大切なんです。
うちに来られた場合、アザのみ、という方もいらっしゃれば、肝斑が混ざってる方、あるいは、普通のシミも混ざってる方、いろいろです。
肝斑が混ざっていたら、アザであろうと、まず肝斑治療からですが、アザと普通のシミだけであれば、フォト(ライムライト®)をすることがあります。
肌を50倍にして見ることができるので、それで、茶色い色素(太田母斑とか深いアザは、灰色の色素が見えます)があれば、フォトでできるところまで、やってみるのも一つの方法です、というご案内はします。
(扁平母斑は、あまり積極的にはしていません。確かに、ちょっと薄くなる方もいますが、再燃しやすいこともあるからです。患者さんのご希望ですることもあります。)
ただし、最終、深い部分のアザは必ず残ります。どこまでがアザで、どれだけシミが混ざってるかは、経過を見ないとわからないんですが、シミであれば、ある程度フォトで薄くできるし、アザの浅い部分が確かに薄くなることがあるので、できるところまででよければ、ということでライムライトをあてています。
経過は様々ですが、日焼け止めさえ頑張っていただければ、確かにちょと薄くなります。
フォトで反応がある間は、フォトでもいいと思います。薄くなって、もうレーザーしなくていいや、という方も出てこられます。人それぞれです。
アザでも濃い目の患者さんから、よくお聞きするのが、コンシーラーというより、カバーファンデーションの話です。
中々、市販でいいモノがないのと、塗りにくいわりに結構値段がするのと。。毎日のことなので、かなり大変だと思います。
以前に知ったんですが、資生堂の中には、いろんなグループがあって、その中の一つに、アザやキズ跡用のファンデーションを作っている部門があります。
「パーフェクトカバー」のシリーズですhttp://www.shiseido.co.jp/pc/index.htm。
学会に行くと、専用ブースがあったので、頼んでテスターをいくつかいただきました。
各種の色はありませんが、テスターがありますので、これを試しに塗ってもらったところ、かなり今使っているのよりも塗りやすいのと、価格も良心的なのと、カバー力もある、ということで、喜ばれる方が多いです。
ただ、塗り方にコツがいるそうで、ご購入をお考えの方は、HPに載っている取り扱い店で、予約をしてもらって、塗り方指導を受けてから、購入していただくことになります。(そのほうが、絶対キレイに塗れると思います!色も色々見てもらえますしね。クリニックに一番近いところだと、高島屋の角にある、池善化粧品でしょうか。確認して、予約してくださいね)
ただ、ホントにスゴイカバー力なので、ここまでは要らないという方、アザの方というより、ニキビ跡の赤みの方とかには、資生堂ナビジョンのスポッツカバーファンデーションがおススメです。
これは、レーザーー後のかさぶたなどにも塗ってカバーしてもらうために開発されたもので、ニキビやニキビ跡にもちろん使ってもらえるタイプになります。
パーフェクトカバーほどではありませんが、これも結構なカバー力で、塗りやすさは、かなり上です。お値段もお手頃です。
これは、ウォータープルーフとも皮脂・汗に強いとも表示がないんですが、水で洗ったくらいでは落ちません。
基本、洗顔は、石けんやマイルドなクレンジングをおススメしているんですが、マイルドすぎると全然落とすことができません。これは、やっぱりちゃんとしたクレンジングオイル(ナビジョンのは、取り扱ってませんが、いいと思います)か、キレート剤配合とかのクレンジングでないと、ちょっと難しいかな。。。無添加石けんを泡立てたら、一応落ちましたけど。
先日、ニキビ跡の赤みを気にされている患者さんと、水に塗れても落ちにくいBBクリームって、まだないですね~、とお話していて、「そうだ!スポッツカバーだ!」と気づきました。
帰りに塗ってみてもらったところ、結構なカバー力で、普通のファンデより、全然カバーできますね。
ノンコメドジェニックなので、ニキビが出る方も、使いやすいと思います。
色が2種類しかないので、赤みの強いところだけ、カバーして、上から自分のファンデやBBクリームを塗ってもいいと思います。
赤みって、普通のファンデでは、なかなかカバーできませんものね。
こういう、一見もうかりそうもない化粧品(実際、そんなに儲けないと思います)に、開発・販売に時間とお金をかけてくれるのは、資生堂という大企業だからかも。
他の部門で、儲かっているから、こういう少数派の方用の、化粧品を作ってくれるところはさすがです。
資生堂だけあって、塗りやすさは、他のメーカーのカバーファンデよりも群を抜いていると思うんですけどね。
こういうところは、いつもスゴイな~と尊敬しちゃいます。
資生堂さん、これからも研究頑張ってください。
多くの患者さんから、肌にやさしいBBクリーム(ファンデでもいいんでしょうが)があったらな~、と言われます。
今、開発中かもしれませんが、ナビジョンの日焼け止めのウォータープルーフタイプと、色つき、お願いしますね~。