プロフィール

  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

カレンダー

2011年8月
« 7月   9月 »
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

最近投稿した写真

ホーム > 2011年08月02日



市販の飲み薬「トランシーノ」を始め、トラネキサム酸の入ったサプリや化粧品が、注目されていますね。

飲む方は、いろいろ制限がありますが、化粧品に関しては、トラネキサム酸入りは、シミ・肌荒れでお悩みの方であれば、一度は試してみる、というのは、おススメです。

肝斑や肌荒れ・シミの方に、資生堂ナビジョンのシリーズをご紹介することが多いです。

それだけのデーターがちゃんとあって、道理にかなっている化粧品だと思っているので、自分がいいと思ったモノは、患者さんにもおススメします。

ですが、このナビジョン、安くはありません。

デパートで売っている、アンチエイジング系の化粧品に比べて、全然安いし、効果は断然こちらです

ですが、ドラッグストアやスーパーで売っている化粧品よりも、高いのは当たり前ですよね。

時々、患者さんから、「トラネキサム酸が入っているヤツなら、何でもいいですか?」と聞かれます。

答えは、「ノー!」です。

ダメなんですね、ナビジョン、というか資生堂でないと。

4・5年前の美容皮膚科学会だったと思いますが、その時の美容皮膚科学会は、もう美容皮膚科をやっているドクター用の専門的なセッションと、これからやろうと思っている・あるいは始めたばかりのドクター用の初心者コースのセッションとがありました。

研究部門の発表も、すごく専門的で、一番印象深かったのが、資生堂のラボの研究です。

それまで、私はあまり資生堂自体、快く思っていませんでした。だって、あまりにも、商業戦力丸出しの感が否めなかったので。。

ところが、この日の数々の素晴らしい発表を聴いて、180度考え方が変わりました(単純ですね。。)。

資生堂のラボは、さすがに世界の資生堂で、規模が全然違います。また、研究費も。一般の大学病院とは、ケタが違う可能性もあります。これだけ、研究に予算をかける、というのは、いち大学レベルでは、なかなか難しく、やはり業界最大手でこその資金力だと思います。

資金だけでなく、研究結果も素晴らしく、内容も大学病院顔負けです。

その年の学会発表の中で、優秀な発表が表彰されるんですが、資生堂ラボがいくつも取られたのを覚えてます。(ヤラセではなく、裏金でもなく、本当の実力だと思います。表彰されるに値する発表でした。)

その時の発表の中に、トラネキサム酸の発表があったんですね。

資生堂ナビジョン(クリニック専用化粧品)のトラネキサム酸イオン導入剤などが出るまで、クリニックでは、トラネキサム酸の飲み薬を砕いて、粉にして、水に混ぜて、トラネキサム酸水を作り、それでイオン導入したり、軟膏やクリームに混ぜて、売っているクリニックがありました。

作っていたドクターなりに、トラネキサム酸をなんとか外用で、と考えられた苦肉の策だったんだと思います。

ところが、資生堂の研究結果によると、この医師たちが今まで一生懸命作って処置したり、売っていたモノは、全然ダメだったんです。皮膚の中に入っていなかったんです。効いていなかったんですね~。

どれだけ、効いていないか(浸透していないか)というのも、詳しく発表されていました。

(こういう発表は、大学とかのエライ先生から、難癖つけられたら困りますから、資生堂みたいなちゃんとしたところは、徹底的にスキのない、実験をされます。この時もそうでした。完璧で、ツッコミどころはなかったです。ただ、見とれるだけ。。みたいな感じです。)

トラネキサム酸という物質は、皮膚の中に、すごく入りづらいらしく(角質層よりも、まだ奥の話です。角質にトラネキサム酸塗っても、意味ないです)、入らないと真のトラネキサム酸の効果は発揮できません。

長年の研究で、トラネキサム酸を浸透させる方法を編み出したそうで、特許を取られました。

この日が、確か、ナビジョンのトラネキサム酸の導入剤の発表の日で、会場で、すぐに買える(申し込める)わけではなく、まさに、世の中に知らしめられた瞬間だったと記憶してます。

発売されるのが待ち遠しく、資生堂のブースに行って、発売がわかったら知らせてください、と名刺をお渡ししました。

皮膚に浸透される技術(成分というのか)だけでなく、イオン導入の順番まで、細かく調べられていて、どうすれば、一番効果的に導入できるのか、というのまで、発表されていました。

(簡単に言うと、いろんな機械を使って、皮膚の中に導入された分量を全て計測されているわけです。)

特許まで、取られた技術ですから、今市販されている資生堂の一般化粧品の一部(特に、美白シリーズ)には、この技術を使ってトラネキサム酸が配合されているはずです。(せっかくの特許ですからね)

だから、トラネキサム酸入りの化粧品や導入剤を使うのなら、この資生堂ナビジョンのモノでないと、意味ないんです。入っていませんから。薬を何でも混ぜればいいというものではありません。

飲む薬にしろ、注射薬にしろ、消化吸収の過程で、ちゃんと入るように全て実験されて、飲み薬や注射薬として、役立つように、調合されています。

成分自体が同じだからと言って、皮膚に塗ったところで、生理作用が違いますから、例え注射薬の原液を皮膚に塗ったところで、吸収しません。

そんなモノが同じと思って、やっている医師がいtら、薬理学生理学を全く理解していません。(胃腸と皮膚で、違うの、当たり前ですよね)

たまに、「前に行っていたクリニックで、トラネキサム酸の化粧品(塗り薬?)をもらって(買わされて)、それを塗っていてもいいですか?」と聞かれることがあります。

かぶれないなら、塗っても害はないと思いますが、トラネキサム酸の効果は残念ながら、ありません。。高いお金を出して買われたのに、申し訳ありませんが。。

クリニックで、医師が、資生堂と同じ技術で、作るのは、まあ、無理でしょう。

多分、注射薬や薬の粉を混ぜただけだと思いますが、なんの意味もないことが証明されています。

そんなわけわからんモノを塗るくらいなら、さっさと捨てて、ナビジョン塗ったほうが絶対おススメです。

そんな怪しいモノを今時売っているクリニックって。。。ダメですよ、多分、全てが。

勉強不足です。(専門の美容皮膚科医でないなら、仕方ないかも。その先生の専門が他にあるんでしょう。でも、専門でないなら、お金取って、売らないでほしいですよね。ただなら、いいと思いますが、効果はありません。)

その学会に行ってなくても、ナビジョンのイオン導入を購入する時に、ちゃんと担当に方に聞いたら、今まで医師が作っていたものと、どう違うのか、とかちゃんと説明してくださいます。

医師への発売は、全て岩城製薬というところがされていますが、営業の方、みなさん、しっかりされています。資料もきちんとくださいます。社外秘とかの資料は、もちろん、いただけないので、それ以外の質問は、自分でドンドン質問しないとね~。(薬でも、何でもそうですけど)

先日も、「クリニックで買わされた」という方で、いらっしゃって、(もちろん、ナビジョン発売後の話です)今時そんなクリニックがあるのかと、かなりビックリしました。

それで、ちょっとお知らせです。

塗るモノに関しては、資生堂ナビジョンでないと、ダメですよ~。クリニックのは、効きませんよ~。

(ナビジョンは、品質と大きさからすると、むちゃくちゃ高くはないんですけどね。コストパフォーマンスは、私はいいと思います。もちろん、私もナビジョン愛用です。)