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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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小顔特集

今回の「クロワッサン」という雑誌に、小顔特集が組まれてますね。

小顔になるために、何をするかというと、よくあるパターンですが、マッサージと顔の筋肉を動かすトレーニングです。(いわゆる顔筋体操とか顔筋トレーニングというヤツでしょうか)

もうバカらしいので、中身もちゃんと読んでいません。パラパラ~とだけめくっただけです。

またこういう特集は、雑誌でもTVでもそうですが、必ずビフォーアフターの写真の顔の向きが違うことがほとんどです。

ビフォーにわざとひどい写真を使うとか。。

微妙に上を向いたり、下を向いていたり、斜めを向いたりとごまかし、TVなんかだとアフターを一瞬映して、しかも光あてまくりで、ぼかしたりして、「わ~、全然違う~」「すご~い」とかスタジオの誰かが言う、というお決まりです。

マッサージをすれば、特に今流行っている無茶苦茶力を入れたり、リンパをゴリゴリ押して、痛いくらいやれば、大抵どんな顔でもリンパが流れてむくみは一時的に取れるでしょう。

むくみって言っても、病気のむくみじゃないですよ。

朝と夕方~夜で、顔の大きさやタルミ具合が違うとか、フェイスラインが違うとか、誰にでもある1日の顔の変化で、疲れている時・お酒を飲んだ次の日・寝る前にお水を飲みすぎた日・うつぶせで寝て、まぶたが腫れぼったいなどなど、ほんと~に誰にでもある、ちょっとしたことです。

これ全部、むくみなんですね~。

マッサージでむくみをマシにした経験、皆さんの中にもたくさんいらっしゃるんじゃないですか?

溜まっているリンパを流したら、そりゃスッキリします。

足もむくんで、ブーツが入らない時に、マッサージで履けるようになりますものね。

でも、そのむくみ取れたの、どれくらい持ちました?

せいぜい2~3時間、持って半日くらいじゃないですか?

だから、マッサージを勧める方々は、毎日やるように(ひどい方で、朝晩1日2回やれと)指導されます。

あのマッサージ、流行ってから、肝斑の方、急増しました。

また、みなさん、毎日のように、おもちを引っ張るように、伸ばされるので、シワ・タルミがひどくなった方も急増しました。

それで、おかしいな。。どんどんひどくなる。。?と思って、受診されるわけです。

受診された日から、一切のマッサージは、止めていただいています。

マッサージをどうしても続けたい、という方は、うちでの治療はお断りしてます。

根本的にやっちゃいけないことを止めない限り、いくらお金をかけて治療しても、良くなるわけありませんからね。お金だけいただいて、マッサージを黙認するようなことはしていません。

マッサージしたから、シミやシワ・タルミが治るわけでもないのに、たかが数時間のむくみ取りのために行って、その結果、肝斑・シミ・シワ・たるみをひどくしてたら、何してるん?って思います。

メイクアックアーティストの方が、女優さんやモデルさんにマッサージしたりするのは、もうすぐに撮影が待っているからです。

むくんだ、どず黒い顔して、撮影はできません。マッサージして、むくみも取って、顔をパンパンたたいて、ピンク色にさせて、メイクをのせていくんです。目的が違います。その場さえよければ、いいんですよ。

一度伸ばして引っ張った皮膚は、おもちと一緒で、縮みませんよ~。

1回やったくらいで、いきなり弛むわけではないですが、こういう「美顔法」(悪顔法じゃない?)って、やればやるほどいいって、思い込まれる方がすごく多いでので、みなさん、毎日ようにせっせっとされます。ひどい方で、毎日2時間とかされていて、あちゃ~、とか思います。。

あおるだけあおるマスコミが一番悪いんですけどね。いい放っしのマスコミを信じるのは、もうそろそろ止めないといけないですね。

(NHKの「ためしてガッテン!」の美肌特集は、ちゃんとしてました。今まで、一度もおかしなこと言ってる、と思ったことはありません。

その中で、よく言われるのは、とにかく顔を触るな、ということです。いらんことしないように、と。)

今年の抗加齢医学会で、皮膚に何らかの刺激を与えてやると、老化予防になる、という発表がありました。コラーゲンを増やしてくれるんだったか、減るのを阻止するんだったか、ちょっと忘れましたが、可能性があるというデーターを示されてました。

ただ、その時もおっしゃっていたのは、どういう方向に、どんな力をいれたらいいのか、それはわかりません、ということです。(マッサージからしたら、一番重要な部分です)

これが解明されるまで、私は、一切のマッサージを患者さんに止めるように言ってます。被害のほうが大きいからです。どんなマッサージされてるのか、ホントに人それぞれで、えげつないのから、まあそれくらいなら、ということもあります。

でも、たまたまその日が、あまり害のないことをされただけで、今後も含めて普段はどうなのか、それだけ時間かけても思っていらっしゃる期待通りになんて、ならないわけですから、最初から止めて、その時間を睡眠時間や他の用事にあてるほうが、私は、肉体的にも精神的にもいいと思います。

体(顔以外)のマッサージは、女性は冷え症が多いので、これはドンドンされたらいいと思います。(ただし、こするのはダメです。シミになりますよ。)従来通り、リンパの流れに沿って、心臓付近に戻ってくるような方向で、マッサージしてあげればいいんです。

ところが、顔の筋肉は複雑です。しかも、顔だけは、表情筋と言って、皮膚と筋肉が繋がっているんです。一体化して、動くわけです。

こんなことは医師であれば、誰でも知っています。

だから、筋トレみたいに、筋肉を動かせば、皮膚も一緒に動くんです。片方だけなんて、あり得ません。

顔の皮膚が動けばどうなるか?。。そう、シワが増えるんです。動けば動くほど、皮膚は折りたたまれますから、シワが増えます。

顔の筋肉がしっかりしてるにこしたことありませんが、筋肉だけ鍛えるなんて、できないんですよ。

だから、シワが嫌な方は、わざわざ筋肉を動かす体操なんて、やったら、これ逆効果なんです。

(ためしてガッテン!でも、やってましたけど)

だって、シワが嫌な方には、ボトックス注射って言って、筋肉の動きを止める注射やりますからね。

こんな医学では常識的なことなのに、逆のことが平気で雑誌やTVに載って、どんどん逆のことをさせるという。。恐ろしい。。次から次へと、新しい悪顔法を言う人を、よくあれだけ見つけてくるな、と思います。

医師以外の人は、医学知識がないので、体の筋トレやマッサージと同じように単純に考える人が多いんでしょう。その中でも、言い切る、とか、変なことする、とかインパクトのある強烈なことをすると、マスコミからお呼びがかかるんでしょうね~。視聴者の方々もエンターテイメントとして、刺激が欲しいんでしょうね。エンターテイメントとわかって、「真似しないでください」とまだテロップが流れたらいいんですが、「個人差があります」としか流れませんからね。。マスコミの姿勢を疑います。

サービス業の方が、自然な笑顔をするのに、顔の筋トレをするとか、アゴの筋肉を鍛えて、噛む力をしっかりさせるとか、シワ・タルミとは、全く目的が違うんです。

その雑誌やTVで勧めているのは、誰ですか?皮膚科医ですか?歯科医ですか?印象を評論する方ですか?何のために?

そこが大切なわけです。マスコミは、グチャ混ぜにして、何でもいい!みたいにしますよね。

以前、林真理子さんがエッセイに書いてありましたが、「クロワッサン」という雑誌は、一切の美容医療は掲載しないそうです。推奨しないということだそうで、化粧品やマッサージなど、自分の力(?)で、キレイに年を経っていくのを応援するという感じでしょうか。。

食べ物や暮らしついても、エコや添加物のなるべくない生活で、というのを推奨されているようなので、美容についても同様の考え方なのかもしれません。

確かに、添加物まみれの食品って、取り過ぎは絶対健康に良くないし、節電や節水というも大切なことです。物は大切にしないとね。

でも、化粧品て、どうなんでしょう。「クロワッサン」の特集で、化粧品の添加物の問題が取りざたされるわけではありません。

各社の今期いちおし!の化粧品が、誇大広告すれすれで、紹介されます。

その化粧品の効果が素晴らしいかのように。。雑誌を読んだ方に、あたかも効くかのような錯覚を起こさせる記事は、いいんでしょうか。

化粧品なんて、限界があるのは当たり前で

少なくとも、メーカー側は、薬事法を気にしてますから(当たり前ですが)、商品のパッケージには、本当のことしか書いてありません。パッケージ通りの化粧品紹介なら、構わないんですが、たいてい違いますよね。ライターさんが、もう少し誇張して書いてますよね。(個人の感想です、と言い逃れするつもりです。パッケージなんて、大したこと書いてませんから。雑誌て、スゴイ化粧品のように、取り扱われていても、一度パッケージを見てください。どこにも雑誌で書いてあったような効果はどこにも書いていないはずです。

パッケージに書いていない、ということは、それはウソだということです。メーカーは、もともとそんなこと一言も言ってないんですよ。

雑誌やTVからしたら、全部スポンサーですから、いいように、報道されます。)

化粧品ですから(本来、化粧品は、効果・効能をうたってはいけません。効かないので。医薬部外品は、ある程度、言ってもいいんですけどね)、もともとの目的は、治すとか改善する、ではないんです。

そういう限界を正しく伝えて、ここからは医療でないと無理ですよ、と読者に教えることのほうが自然だし、あやしくなさそうに見せかけておいて、実は一番あやしくないですか?

そういう情報を載せるなら、正しく医療監修を受けてほしいです。

おかしな期待を読者に抱かせる、というのはどうかと思います。

医療は載せないくせに、化粧品でもレチノール系は載っていたり、とか、基準がよくわからないな~。

例えば「美ストーリー」みたいに、美容医療行け行けガンガンではなく、また美容医療があたかも魔法のように煽るんではなく、副作用や費用のこと、ダウンタイムや回数のことなど、ちゃんとメリット・デメリットを伝えれば、読者は納得すると思うんですけどね。

うちに来られる患者さんの大半がおっしゃるのは、「他院のHPは、いいことばかり書いてあって、あやしかったから、おかしいと思って、こちらに来ました」ということです。

誰でも、事実を正しく知りたいと思うんですよね。その上で、自分で、化粧品とかでいいのか、美容医療するのか、選びたいはず。それは、「クロワッサン」の読者も同じではないんでしょうかね。私も、毎回読んでるわけではありませんが、自然を装ったと不自然さを、時々感じますね。

「正しく美容医療を報道する」。そういう位置づけの雑誌があってもいいと思うんですよ、クロワッサンには、そういうのを目指してほしいな~。よそでやらないような医療の真実を。誇張するんじゃなくて。

 

さて、小顔治療ですが、はっきり言って、ホントに小顔になりたかったら、うちであれば、タイタンとエラボトックスです。

それでももっと!という方で、積極的におススメしているわけではありませんが、美容医療として、アゴにレディエッセを入れて、アゴの形をスッと整え、視覚に訴える形です。これで、顔の形の印象が変わり、小顔に見えるというわけです。錯覚をおこさせるんですね。

いつもTVでしずちゃんの顔を見るたびに、エステ行って、マッサージなんてしてないで、エラボトしたらいいのに、と勝手に思ってます。

まあ、エラボトは、エラの張っていない方には、あまり効果はありません。

ちょっとは細くなるとは思いますが、普通のエラの大きさでは、エラが劇的には変わりません。したがって、顔の輪郭もそんなに、「小顔!」というほどの印象はないと思います。

まあ、エラのところを触って、少し出る方はやってもいいと思います。

エラが張っていない方の場合は、タイタンで引き締めです。

タイタンは、メインは、シワ・タルミ・毛穴の開き・ニキビ跡の凹みなどの治療に使う光治療ですが、うちのタイタンは、むくみは即座に取れます。まあ、むくみを取ったところで、そりゃまたむくみます。

でも、繰り返しているうちに、むくみに負けないお肌になってします。タイタンの力で、皮膚が引き締まってきますから。

あんまり若い方に、タイタンはやりませんが、タルミはないけど、どうしてもむくみが気になる、という方は、一度当院のタイタンをお試しください。それで、あまり変わらない、というのであれば、(アゴの形もキレイなのであれば)、残念ながら、貴女の顔は、元々小顔なんだと思います。もうそれ以上の小顔は無理かもしれません。

わかわからんマッサージや化粧品やりまくって、お肌を傷める前に、ちゃんとした美容皮膚科で相談しましょう。(いきなりやらなくていいですから)

それから、ゆっくり考えて、選択したらいいと思います。

美容皮膚科も、いいことしか言わないクリニックは、要注意です。

お気をつけください。

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