プロフィール

  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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ボトックス®って、これはアラガン社の製剤だけを言うので、もう一般的に、ボツリヌストキシンの治療を、なんでもかんでもボトックス®って、呼んだらいけないんですけどね。

まあ、うちは、アラガン社を使っているので、よし、とされてください。

当院は、施術メニューに加えませんでしたが、他院で、今年の春、花粉症のボトックス®治療をしているクリニックが、いくつかあったと思います。

患者さん数人からも聞かれました。

私も、やり方は知っていますし、やろうと思えばできますが、メニューには加えませんでした。

何故かというと、一体料金をいくらにしていいか、わからなかったからです。

ボトックス®を使う以上、量もそれなりには要りますし、結構なお値段を使わないといけません。

保険から考えたら、ビックリするようなお値段です。

毎日忘れずに飲む煩わしさからは解放されますが、はたしてそれだけのお金をかけてまでやりたいのか?と、私は思います。

薬は眠くなるから、という方、保険も新しい薬が出てますから、昔よりは、かなりいろんな面で、マシになったと思います。

(新しい薬は、保険でも、ちょっと高くなりますけどね。)

高額でもいいからやって欲しい!という方が出てきたら、まあ、考えようか、くらいで、当院では取り扱いなしにしてました。

先日の日曜日、東京で、キュテラ社の勉強会があったんです。

東京日帰りです。ちょっと疲れました。

大阪でもされるんですが、内容は変わるし、(規模も違う?)やっぱり大阪にはいらっしゃらない先生の御講演や新製品の案内など、東京のほうが、大事なんですよね~。

せっかくクリニックも休みなので、行って参りました。

日本医科大学の佐藤先生のボツリヌストキシンのご発表があり、大変タメになりました。

(全然時間が足りず、もっとお話を聞きたかったです)

その中で、花粉症のボトックス®治療の注意をおっしゃってました。

(ボトックス®だけの注意ではなく、ボツリヌストキシン全てについての注意です)

花粉症に治療に使う場合、鼻の奥に、この薬剤を垂らします。

やはり、いくらかは、喉の奥に流れていきます(患者さんが感じなくても)。

喉の奥(喉の後ろ側の壁側)には、リンパ濾胞という、免疫の塊があります。

このリンパ濾胞に、薬剤がついちゃうと、抗体ができてしまう確率を上げてしまうわけです。

抗体というのは、耐性と思っていただければ。

一度できてしまった抗体は、一生消えないと言われてます。

(昔に、2~3年で消える、と聞いたこともありましたが、ホントかどうかもわからない、と言われてました。消えない、と思っておくほうがいいと思います。)

この抗体ができちゃうと、どこに注射しようが、全く効きません。

シワもエラも汗も、全滅です。

「花粉症は治っても、その後、ボトックス®効かなくなっちゃいますよ。」とおっしゃってました。

このブログを読まれた方は、とりあえず花粉症に使うのは、お止めください。

ボツリヌストキシンは、それでないと無理!っていうところにだけ、私は、使ったほうがいいと思ってます。

花粉症は、保険の薬で、いいでしょう~。

花粉症ボトックス®を取り扱っているクリニックの大半が知らずにやっていることと思います。

知ってても、お金もらえるなら、と副作用は黙っていて、やるクリニックもあるかもしれません。

患者さんに、抗体が出来てても、そうところは自分たちには関係ないですからね。

ボツリヌストキシンって、うまく使えば、いろんな可能性を秘めている素晴らしい薬剤なんですが、他ので充分いけるなら、わざわざ使わなくても、と思ってます。(たくさんやって、抗体できても、困りますからね。)

最近のメソボトックス(ボトックスリフト)もそうなんですが、うちでは多分やりません。

だって、タイタンでいいやん、そっちのほうがいいやん、と思っているからです。

詳しいお話は、次回に。→