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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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当院のホクロ治療

当院のホクロ治療は、炭酸ガスレーザーを使います。

当然のことながら、保険は使えませんので、自費治療となります。(保険を使って処置をすることは、違法になります)

医師によって、これも、全くやり方が違います。

「レーザー治療」と聞くと、手術よりも怖くない、と思って、気軽にレーザー治療を考える方が大勢いらっしゃいます。

「手術」と聞くと、なんかたいそうに、思われますが、私たち医師からすれば、小さなホクロであれば、(ややこしい場所になければ)、形成外科や皮膚科の研修の時に、一番に臨む手術です。

手技としては、キレイにちゃんと治るかは別として、それほどの大手術ではなく、基本中の基本と言えます。

何でも確かに基本って、一番大切ですが、「日本で数人の医師しかできない」ような手術ではないわけです。

手術を扱う皮膚科や形成外科からすれば、一番数としたら多いモノになってきます。

でも、患者さんからしたら、「切って、縫われる」というのが、かなり抵抗があるようですね。

確かに、医療者にとっても、レーザーでホクロを取るとなると、まあスグできて、終わります。後片付けも簡単です。

でも、手術となると、小さいモノでも、滅菌した布や手術器具も用意して、滅菌の手袋もはめて、と準備も後片付けも、ちょっと手間暇かかります。

もちろん、手術時間も、慣れている医師なら、1個の小さなホクロを取るのに、何もなければ、10分かからないかもしれません。

でも、慣れていなかったり、途中で、思わず出血が止まりにくとか、何かあると、30分や1時間があっと言う間に過ぎてしまって、時間が読めないないこともあります。

切って、縫う以上、術前に血液検査をしておくほうが無難です。(どんな小さなものでも、切る深さは、決まってます。脂肪のところまで、普通は取り切ります。)

(それだけの手間暇がかかるわけですから、処置自体は簡単なレーザー処置を、手術を同じ処置として、手術をしたことにして、保険請求したら、いけないわけです。)

炭酸ガスレーザーで、削ることは、とても簡単です。

まず、麻酔の注射をその部分にして、削っていくわけです。削れば削るほど、ホクロはどんどんなくなっていきます。

途中で、肉眼でホクロの確認は不可能になります。でも、まだホクロの細胞が残っている可能性があります。顕微鏡レベルの話ですが。残っていると、また再発してくるわけです。

再発がイヤだからと、患者さんも深く削ってほしいでしょうし、やる医師にしたって、再発して、またお金を払う這わないで患者さんともめたり、また処置することがめんどくさくて、わざと深く削ろうとする医師がいます。

「再発」という面だけから見たら、わざと深く削る、というのは、いいことですよね。

でも、「削る」ということは、えぐっていることと同じで、手術と炭酸ガスレーザーとの最大の違いは、縫うか縫わないかなんです。

再発しない以上に深く削って、後を縫わなければ、キズの治りは遅いです。

健康な方であれば、放っておいても、いつかキズは治りますが、キズ跡が問題なわけです。

縫わないキズというのは、自然に盛り上がるのを待たないといけません。

深く削ることで、凹みが残ったり、赤みが残ったり、ひどい時は、ケロイドみたいに赤く盛り上がります。茶色くシミに残ることもあります。

浅く削っても、キズをつけていること自体は同じなので、少し凹みが残ったり、赤みや茶色みが少し残ることはあります。その場合、赤や茶色は、3か月~半年~1年も経てば、たいてい目立たなくなることがほとんどです。

でも、凹みは、なかなか戻らずに、そのまま残ってしまうことが多いです。

深く削ると、なおさらで、凹みは、水ぼうそうの痕みたいだったり、赤みが1年たっても、全然消えない、しかも盛り上がったまま、というのは、深く削られた場合に、圧倒的に多いです。

深く削った場合のデメリット、浅く削るにしても、炭酸ガスレーザーで削る、という行為自体、なんらかの傷跡は残すわけで、患者さんが思っておられる、レーザーなら簡単だから、という「簡単さ」とは、かけ離れているわけです。

そもそも、そんな魔法みたいなことはないわけです。

説明をちゃんと受けて、処置を受けた結果、ホクロの大きさや深さ、取った場所によって、キズ跡がどこかわからなくなるくらい、目立たないことはあります。

でも、これって、ラッキーだったわけで、「絶対」ではないわけです。

美容外科や美容皮膚科にしても、誇大広告をしているほうがもちろん悪いわけですが、被害者にならないためにも、そんな都合のいいことだけの医療なんて、あるわけないですから、そういうのに乗らないようにしましょう。

よく他院で、むちゃくちゃ削られて、ひどいキズ跡になって、「治りませんか?」と来られる方がけっこういらっしゃいます。

まだ処置されて、1か月未満なら、もう少し落ち着く可能性も残っているので、処置を待ってもらいます。

(やってすぐなのに、どうして、やってもらったクリニックに、相談にいかないのか、疑問です。まあ、信用できない何かがあったんでしょうが、そんなすぐに信用できないところで、処置を受けてしまったなんて。。。)

1か月以上経っていた場合、その状況により、もしできることがあれば、ご提案しますが、なにもまだできない時もあります。ケースバイケースですね。

でも、半年・1年経って、赤みや茶色みなら何かできるんですが、凹みだけは、うちの機械では、ちょっと無理です。

炭酸ガスレーザーによる凹みって、ニキビ跡よりもまだ深いことが多く、しかも、ピンポイントです。

ある程度、そこを盛り上げるのには、かなり強いレーザーが必要です。(通常、ダウンタイムはかなり出ると思います)

ダウンタイム(副作用みたいなもんです)が長く出る治療は、もともと好きではないでの、今のところ、うちにはおいていません。

仮に、他院で、そういう治療をしてもらっても、完全に平らになるわけではありません。ある程度は、ちゃんとしたところで、されれば、盛り上がると思いますが、完全に治すなんて、できないわけです。医療は、万能ではありませんからね。

私は、なにより、あの炭酸ガスレーザーでできた凹みが、大っ嫌いなんです。

ニキビ跡は、誰が悪いわけでもなく、避けられないことだったと思います。

自分に合う治療に早く巡り会っていれば、防げたかもしれませんが、そうそうめぐりあえるわけではないので、無理はことがほとんどです。

でも、ホクロ治療は、違いますよね。お金を払って、跡かたをつけているわけですから。しかも、医師が。

できるだけ、凹む可能性(他のキズ跡も含めてですが)を減らしいわけです。

その結果、当院の炭酸ガスレーザーは、浅~く浅~く削っていきます。

わざと、分けて、浅く取るわけです。長期計画ですね。

3か月以上空けて、赤みがないのを確認して、また削るわけです。

そのため、1年間無料保証にしています。1年間、何回削っても、料金はいただきません。

1回で確実に取りたいという方には他院での手術をおススメしています。

また、レーザー治療でも、浅目ではなく、深く削ってほしい、という方も、お断りしています。

(他院にいけば、ほっておいても、深く削ってくれると思います。浅く削って、また無料で削るなんて、時間もったないですからね。料金が発生するなら、喜んで削ってくれるでしょうが。)

当院のキズ跡は、なるべく最小限に(その代り、時間がかかります)、というやり方に同意できる方のみ、治療をお受けしております。

「もっと簡単に取れると思っていた」とよく言われます。

ホクロを取るだけでいいなら、簡単です。深く削ればいいわけですから。キズ跡のことは一切おかまいなしで。

患者さんも、簡単に考え過ぎだと思います。

もちろん、私のやり方でも、ホクロの大きさや浅さによったら、1回で取れるのもあります。

でも、それはやってみないとわかりません。皮膚の上から見えても、ホクロの深さなんて、わかりませんからね。

最初の説明の時に、3か月以上空けて、赤みが消えたらですよ、とお伝えしてますし、書いてある説明書もお渡ししてるんですが、忘れてしまったり、説明書を見返していない患者さんも、中にはおられます。

1か月とかで、再処置の予約を取られても、肉眼で見ても、もちろん赤いですし、肉眼でわかりにくくても、ダーマスコピー(50倍で見れる器械があります)で見ても、赤みが普通あります。

ダーマスコピーで赤みがなくても、皮膚の下に赤み(炎症)がないという証拠にはなりませんけれどね。

2か月経っていて、赤みも確認できなくて、患者さんが希望されるのであれば、3か月経っていなくて、処置する場合があります。

これもケースバイケースです。

赤みは、通常のホクロの色ではないので、わかりやすいんですが、副作用として、茶色になっている場合ですね。

ホクロの細胞の数が減って薄くなってるのか、あるいはレーザーをしたせいの色素沈着(茶色のシミ)なのか、判断が難しいところです。

3か月以上経っていれば、そんなに深く削っていないので、肌質や日焼け止めをちゃんと塗っているかどうかにもよりますが、色素沈着なら、たいてい消えてわからなくなります。

でも、1~2か月で受診されると、ダーマスコピーで見ても、明らかなホクロの色素は診られず、薄い茶色の色素しかないわけです。

その場合は、色素沈着を考え、しばらく様子を見てもらうわけですが、炭酸ガスレーザーをやれやれとせかす方が、ごくたまにいらっしゃって、最初にも説明しているのに、なんで??となるわけです。(3か月経っていないわけですから)

普通のシミに、炭酸ガスレーザーは使いません。ダメージのほうが強すぎるんです。

炭酸ガスレーザーの副作用で、シミになることがあるわけですから、その後シミになっても、最初のシミの再発なら構わないんですが、副作用のシミであれば、またレーザーで削れば、またレーザーで削れば、シミになるわけです。

負のサイクルを回るわけです。処置の度に、痛い目をして、テープを貼って我慢して、シミを作る、というなにしてるんだか。。

だから、普通のシミは、シミ用のレーザー(削らない)や光治療を使います。

(根っこのあるシミ・分厚いシミは、イボの一種なので、炭酸ガスレーザーを使うことがあります)

そこまでして、1か月とかで、その茶色をなんとかしたいなら、アキュチップ(別料金)を弱~くあてていくことくらいはできます。(強くはダメです。かえって、またシミになります)

最初から長期計画で、分けて取っていく説明をしてるわけですから、わざわざお金を追加して払って、アキュチップまでしなくていいと思いますけれどね。

そんなに、ホクロを毛嫌いしなくても、と思いますが、こればっかりは、個人の価値観ですからね。

でも、いくらお金を払われても、適応のないことはしませんし、処置してはいけない時は、きちんと待ってもらいます。

もちろん、大きさに関わらず、手術で切って、細胞の確認をしてもらわないといけないようなものは、絶対にレーザーは行いません。

レーザーで、削ってしまったら、細胞の確認ができなくなってしまいますからね。

ガンを疑っていなくても、安心のために、細胞を確認してもらってください、ということももちろんあります。

皮膚表面のモノは、どうしても気になって触ってしまって、刺激がまた良くない影響をすることも多いので、手術を言われた時は、本当に早く大きな病院に行って、手術をしてもらってください。

放っておくと、どんどん大きくなって、ますます手術はたいそうになってしまいますから。

医療である以上、何でも甘く考えず、命に関わらないことは、話をちゃんと聞いてゆっくり考えましょう。

命に万が一にも関わることは、早めに指示に従いましょう。

ホクロひとつでも、皮膚も含めて自分の体の一部ですから、大切にされてください。

炭酸ガスレーザーでも、手術でも、一度つけたしまったキズ跡は、完全に消すことはできませんので。

 

 

 

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医療