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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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悪魔の誘惑

うちに来られる患者さんを診ていたら、皆さんには、毎日、ものすごい悪魔の誘惑がこれでもか!というほどあるんだな~、と実感する今日この頃です。

肝斑やシミなどのスキンケアのカウンセリングの方には、全員、一切のお肌のいらんことをするのを止めてもらうように、初診時にお伝えしているんです。

「こすらない」ようにと、お伝えしても、ご本人がこすっている意識がなければ、例えこすっていても自覚がないので、直らないんですよね。

具体的に、刷り込みことやコットン・ふき取り・パッティング・美顔器は、全て止めていただくうように申し上げています。

特に、肝斑の患者さんは、人一倍、要らんことはsてはいけないと私は思っているんですが、途中でお休みをされて、しばらく来られなかった時に、悪魔の誘惑が始まるようです。

 

うちの治療は、その方が満足された時点で、いくらでもお休みされればいいわけなんですが、その場合、スキンケアは、ちゃんと続けるように初診時に申しあげています。

私が勧めるスキンケアさえ、されていれば、そんな高いお金を出されることもないですし、それだけできていれば、基本ホームケアとしては十分で、それ以下でも以上でもない(「以上」に関しては、クリニック専用化粧品を使うとか、良いモノを追加する方法はありますが)と思っています。

肝斑の方は、薬をゆっくり減らしていれば、フォトやイオン導入は、お休みされていいと思うんです。

そのお休みされている間に、TVや雑誌・はたま化粧品のカウンターなどで、いらん情報というおが山ほどは入ってくるんですよね。

先日来られた患者さんがおっしゃってたんですが、「化粧水って、コットンで塗ったほうがいいんですか?」と。

これは、初診時に、コットンを使うのは一切止めてもらってます。

コットンで何でも塗らせるのは、化粧品会社の陰謀で、早く化粧品を減らすための戦略です。

コットンで塗っても、2倍3倍の量が必要になるだけで、メリットは一切ありません。

自分の手で、パシャパシャ塗れば、それであっという間に終わりです。

手でペチャペチャ塗る分だと、コットンの半分以下でも十分に顔はべたべたになりますから、塗り残しがあることはまずありません。

皆さんは、お気づきじゃないかもしれませんが、コットンで塗る時にどうしてもお肌をこすっているわけです。雑巾がけと同じですね。

極端に言うと、金属タワシでフローリングに雑巾がけしてると思っていただいたらいいと思います。

そのうえ、さらにパッティングをするとなると最悪です。

まだ、コットンでこするか!みたいなモノです。

うちのクリニックの洗面所にもパウダールームにも、コットンは一切置いていません。

初診時の洗顔の時などに、コットンを欲しがる患者さんが、ごくまれにいらっしゃるんですが、スタッフにどうして必要なのか聞きに行ってもらいます。

理由をお聞きすると、手で十分なので、(コットンが必要だったことは今だかってありません)、使わないでください、と簡単に申し上げて、カウンセ時に私がどうしていらないのか、説明しております。

さて、その聞かれた患者さんですが、手で塗ってくださいと最初にも申し上げましたが、みたいな話になって、どうしていきなりそんなことを言われたのかなんですが、先日化粧品を買いに、化粧品屋さんに行ったら、そこの販売員の人が、「コットンで塗らないと、お肌に入りませんよ~!」と断言されたそうです。。。

あああ。。。、一体どこのメーカーでしょう。。そんなバカなことを言うのは。。

たかがコットンです。ただの綿花の塊です。それで塗ったとして、一体手と何が変わるというんでしょう。

コットンに何か仕込まれているんでしょうか。

そこで売られているコットンは、CIAが秘密裏に開発している特殊な皮膚から吸収させる薬品が仕込まれているんでしょうか。その販売員の人は宇宙人だったのかもしれませんね。地球の文明では理解できません。。

コットンでたたいたら、吸収されていくのだとしたら、人間の皮膚のバリア機能は、一体どうなっているんでしょう。。

皮膚を突破されて、奥に吸収されれば、血管や神経・筋肉だけでなく、心臓も脳みそもいrんな内臓があるわけです。そんな大事なモノがあるところに、簡単に外から侵入されれば、体は困るわけです。

皮膚というのは、体にとっては、最大で、重要な「よろい」になっているわけです。

皮膚のバリア機能が、そんな簡単に突破されれば、お風呂もプールも海も川も、汚くて入ることなんてできません。

「コットンでないと入らない」なんて、おかしなことを堂々と言い切るわけです。

買うほうにしても、あまりにも相手が自信を持って言い切るので、一瞬自分が間違っているのかな。。?と不安になってしまいますね。

私がこんなことを言われたら、若い時ならくってかかったかもしれませんが、今となっては、時間の無駄でしかありませんから、そんなおかしな人は相手にせず、そこのお店では買わないでしょうね。

あまりに悪質なら、消費者センターに注意してもらうかもしれませんが。

化粧品なんて、一番の目的は「保湿」です。皮膚の奥に入る必要は全くありません。

表面に、蒸発せずにいてくれればそれでいいわけですから。

その患者さんには、もう一度説明したら、「そうですよね~。あまりにも言い切られたから。」と不安にやはりなられたようです。

こういうおかしな誘惑は毎日山ほどあるんでしょうね~。

どうしてそういうことが言えるのか?という理屈というか、原理というか、冷静になって考えれば、真実が見えてくることが多いんですが、ついつい冷静になることを忘れて、その話に引き込まれてしまうんですよね。

ショップチャンネルとかも、ごくたまに覗いてみると、ものすご~く、うまく買ってもらうワナがいたるところに仕込んでありますよね。

私も、一瞬、「おっ?!」と引き込まれる時もありますが、そんなわけないじゃん、とすぐにチャンネルを変えます。

でも、一般の方、特に、ああいう通販がお好きな方は、最初からね、ああいう番組を見てはいけませんね。

あちらも売ることのプロですから、人の心の隙間に、うま~く入り込んできますね。

先日もたまたま見たTVで、はるな愛さんが、郷ひろみさんに教えてもらった顔のマッサージサロンがあるそうで、芸能人がこぞっていっていると、顔がすぐに小さくなるから、と。

ああ~、またか、と思って聞いていると、なんとそこのサロン、「してもらったら、半永久的なんです~」と、生放送で言うんですよ。

「半永久」の意味、わかって言ってらっしゃるんでしょうか。

例え、フェイスリフトの手術をしても、やった瞬間からも老化は始まっています。重力で下がろう、下がろうとしているわけです。

老化は止まりませんし、手術は何も老化を止めているのではなく、単に、余っている皮膚を切って、引っ張って、上のほうに止めているだけですから、どうせまたたるんできます。

手術をしても半永久なんて有り得ないのに、なんでマッサージ(その時むくみを取るだけです)で、有り得るねんっ?!

お前は、魔法使いか?!と、ツッコミたくなりますね。

しかも、そのサロン、1回20万(!)だそうで、(ウォンでもルピーでもないですよ、円ですよ)、アホちゃう~。

20万円って、タイタン、うちで何回できるわけ?それならタイタンでしょう~。

郷ひろみさんが、時々TVで、顔筋マッサージを褒めていて、通っていらっしゃることとか言われていますが、なんでタイタンをされていないのか不思議でなりません。

東京なら、タイタンをされている有名なクリニックなんて、山ほどあるのに。

誰か教えてあげないのかな~、と思って、TVを見ています。

そんなして、引っ張るから、顔の皮膚がシワシワにたるむのでは?と私は思いますね。

(あのマッサージのせいで、どれだけの肝斑の悪化と肝斑患者さんを生み出したのか、私は、ゾッとします)

一般の方も、TVで芸能人がそんなことを言うと、おなじこと、やりたくなりますよね。

あ~あ~、です。

「ためしてガッテン!」以外は、今はホントに、TVや雑誌のいう事は信用してはいけませんね。

危ない世の中です。

そこら中に、悪魔の誘惑がありますから、自分でちゃんと考えないと、ホントに自分の身は守れません。

うまい話なんて、ないんですよね、何でも。

医療でも、すごく良く効く治療があっても、何かしら欠点が必ずあります。

欠点の種類は様々ですが、ダウンタイムがあるとか、値段が高いとか、効果が出るのに時間がかかるとか、肌質により向き不向きがあるとか。。

調子のいいことだけ、なんて、医療はありません(効果の薄いことでよければ、ありますけどね)。

何でも自分で確かに経験しないと、ホントはどうか、ということはわかりませんから、経験することも大切ですが、スキンケアで、間違ったことを長期すると、その分、お肌は、エライことになって、復讐されます。

キレイになんて、なってくれないわけです。

それを取り戻すのに、何倍もの時間とお金がかかってくるので、うまい話に乗る時は、何事もほどほどに。。

カテゴリ:

化粧品, 医療