たま~に、お電話で、うちの光・レーザー治療の設定、というか、何発あてているんですか?と聞かれることがあります。
きっと、他院で、数を売り物にしているクリニックがあるようで、患者さんの中には、数が多ければ多いほど効く、と勘違いされている方がいるんだろうな、と思います。
一見、素人考えでは、多ければ多いほどいい、みたいな、舌きり雀のいじわる婆さんみたいに、「大きいつづらには、より大きなお宝が入っている」と思われることでしょうね。
でも、医学って、そんな簡単じゃないんですよね。
患者さんの多くが、光・レーザー治療は、機械の名前が同じなら(同じ機種なら)、効果は同じと思っておられる方がいて、各クリニックのHPの値段だけを比べて、どこで治療するのか決めることがあるかもしれません。実際、そう思ってました、と言われる患者さんも結構いらっしゃいます。
受診された患者さんには、今まで他院でなにか治療をされてきたことのある方など特に、設定のお話をする時に、カレーライスの話をするんです。
カレーライスなんて、どこのカレーも、材料って、それほど変わりませんよね。
人参・じゃがいも・玉ねぎ・お肉・カレー粉など。
でも、自分ちとよそのおうちで、味、全然違いますよね。
スタンドのカレーも、食堂のカレーも、ホテルのカレーも、チェーン店でも、もちろんルー一つとっても違いますよね。細かいスパイスをどこまで入れるのかどうか、配合はどうするのか、隠し味をどこまで入れるのか、料理にかける手間は、材料の質は?どこから買う?どういう手順で調理する?
実は、様々なやり方があって、全く同じ材料で作ったとしても、作る人によって、味は全然違うと思います。
レシピって、各レストランで違うの、当たり前ですよね。料理に自信をもっているシェフであればあるほど、ご自分のレシピブックは、宝であるはずで、よその人に簡単に見せるものではないはずです。財産ですからね。そのレシピを元に、商品化だって、されちゃうわけです。
光・レーザー治療も同じです。同じ機種でも、やり方って、ホントにいろいろです。
(普通の方は、こうやって説明すればわかっていただけます。)
数も効果を出していくのに、大切な要素ですが、数だけでなく、まずは、照射方法ですね。いかにあてていくか、患者さんの望みの状態にするための照射方法です。
あと、強さも大事です。この強さも、強ければ強いほどいいわけではなく、その方がどうしていきたいのか、で、強さは変えないといけません。同じ人の顔でも、強さの設定は、全然場所によって違うこともあります。
数だけ比べたって、なんの意味もないわけです。それだけで効果なんて、判断できませんから。
料理そうですが、プロの(プロでなくても)手間暇かけた料理と、すっごく手を抜いて、最低限度のことしかしていない料理とでは、味は違うでしょう?
料理なんて、下ごしらえ一つで、ほんのちょっとした舌触りや微妙なおいしさが変わってきます。
光・レーザー治療も同じです。
医師も施術するナースも(たいていの美容クリニックが医師が行わないで、ナースにさせます)、適当にやって、効くわけないんですよ。いくら数をたくさんあてたからと言って、いい加減な設定でされれば、効かない設定で長々とされるだけ、時間の無駄です。
(たくさんあてる、ということは、それだけ、時間はかかります。一見、手間をかけているように見えますが、いい加減なところは、どうせナースにさえるだけだから、ナースの時間取るだけだし、って感じで、多くあててるだけのところがあります。)
お金さえもらえればいい、というクリニックが、ちゃんと効果が出ますように、なんて工夫を、手間暇かかるのに、やるわけないじゃないですか。
医学的に実証されている光・レーザーを、効かなかったとしても、あてたこと自体は、全く無駄ではないかもしれませんが、患者さんが思っているような効果は、まず出ませんし、効果が見えないと、お金を払った以上、損をした気持ちになりませんか?
(顕微鏡レベルの変化は、なにかあるとは思います)
でも、ひどい場合は、いい加減なところで治療を受けると、火傷したり、反って悪化してひどくなったり、とそれを治すのに、またお金と時間がかかって、と、何をしているのか訳わからなくなります。
機械の数多くある設定の中で、数にだけこだわる方は、カレーライスでいうと、「おたくのカレーは、肉が何個お皿に入れてくれるんですか?」と聞くようなものです。
その肉が、牛肉なのか豚なのか鶏なのか、あるいはシーフードかベジタブルか。
お肉はミンチでキーマ風なのか、あるいはダシだけとって、お肉はオプションなのか、お店のスタイル・考え方でいろいろです。大きな具は一切なくて、全部ミキサーにしているお店もありますよね。
肉の数で、そこのカレーがおいしいかどうかなんて、決められるわけないですよね。
全体の味のバランスと、その方の好みかどうかと、結果、値段と自分の満足度とのコストパフォーマンスがどうか、で、そこのカレーはおいしかった、よくなかった、と判断されていませんか?
光・レーザー治療も同じです。
数だけに振り回される患者さんというのは、そういう本当の効果とはどうやって出していくのかが、わかっていないクリニックの、わけわからん宣伝文句に、つかまるわけです。
ちゃんと、どうやって効果を出すのか、ということが、施術者がわかっていれば、患者さんから数を聞かれた時に、そういうこと全部、説明するはずなんですよね。数だけ言っても、仕方ないですから。
そもそも、患者さんの顔の大きさや、どうしていきたいのか、なんて、皆さん違うのに、数を決めてるって、おかしくないですか?
あなたの顔は大きいから、他の人の1.5倍の料金もらいます、なんて、失礼でしょう~。
まあ、そうは言われなくても、数が決まっているところは、顔の大きな人には足りませんし、顔の小さな人には当て過ぎになります。当て過ぎてもいい治療ならラッキーでしょうが、全ての医療がそうなるわけではなく、当て過ぎで、かえって負担になることも(治療によっては)なるわけです。
どの治療も、数にこだわる方は、こういう話を説明しても、理解されませんので、うちでは治療をお断りすると思います。
幸い、カウンセに来られたことがないので、まだそれで断ったことはありませんけどね。
たまの電話で、そういうことを聞いてくる方がいらっしゃって、うちは電話のカウンセも行っていませんし、今言った話を、医師でもない受付が、どんな症状の方かもわからない方に、電話で説明できるわけもないと思っています。だから、もちろん受付は、そういう方には説明しません。
機械の説明・やり方の説明・効果や副作用など、一般的な話も含めて、全て、受診していただいて、診察をしたうえで、カウンセ時に、医師である私からお話させていただいております。
(だから、電話だけで、色々聞き出そうとされる方は、受付がなにも答えませんから、うちでは予約を取られることはないと思います。
また、教えてくれないと受診できない、と言う方も、こちらからお断りしています。だって、受診して、説明させていただくことですから。
こういう方は、電話で教えてくれないと、受診した日に処置ができないじゃないですか、だから、電話で教えてください、と言われます。
どうして、処置するかどうかを、医師でもない受付の、電話カウンセで決めようとされるのか、私には全く理解できません。
初診時に、そこまで無理して、処置をされる必要はなく、そんなにご心配であれば、まずはカウンセだけ受けられて、ゆっくり考えればいい話で、仮にやる気満々で来られても、適応がなければ処置はお断りしていますから、受付がたとえ簡単な電話カウンセをしたところで、適応がなければ、どんな遠方から来られても、処置はしません。距離の問題ではありませんから。医学的にどうか、だけが問題なので、診察もしていないのに、できるかどうか、貴女にとっていいですよ、なんて、わかるわけありません。)
そういうことにこだわる方は、電話でカウンセラーが適当にいいことだけ言って、やる気にさせておいて、当日医師が、これまた適当にカウンセして、お金だけ巻き上げられて、わけわからん処置されて、不満が残る、という、悪徳美容クリニックの典型例にはまるだけなんですよね。
そんな都合のいい、楽で、簡単なワケないじゃないですか、っていうわけです。エステや化粧品を買うのとは、訳が違うんですから。いくら美容といっても、医療ですから、甘く簡単に考えすぎる方は、適応のある場合もで、うちでは、お断りすることもあります。
HPにも書いてあるんですが、電話のカウンセは行っていませんし、診察で医師に聞かれてください、と受付が何度申し上げても、そういう方が時々いらっしゃるので、ここで書かせていただきました。
ただの一般的な話でよければ、うちのHPにもある程度書いてありますし、ネットで調べれば、いくらでも、ホントとウソも含めて、いろいろ出てくるでしょう。
でも、皆さん知りたいのは、自分にはどうか?ということだと思うんですけれどね。
一般的な話が全て自分にそのままあてはまるわけではありませんから、人と比べても仕方ないと思います。(他人がどうしているのか、とても気になる、という気持ちも、わかりますかれど)
そういう方に限って、一般的な話と違うと、あとで言って来られることも多く、お一人お一人、肌質も目標地点も違うのに、その方に合わせた治療とカウンセでないと、全く意味がないと私は思います。
ごくたまに、患者さんが、ネットで、「こういう書き込みを見たんですけど、こうじゃないと効果ないんですよね?」みたいなことを言われることがあります。
ほとんどは、都市伝説というか、デマもいいところで、どこからそんな非科学的な話が出てくるのだろうと、ホントにわけわからんことを言われることがあり、患者さんの話によると、さもそれが正しいように、そのサイトには書いてあるそうで、(あまりにも非科学的なので、医師は一切関わっていないサイトなんだと思いますが)、そのサイト内で、医学的なことがわかってもいないのに、「これは、こうです。でないと効果がありません」と言いきってあるそうで、不安になって、質問されて来られることがあります。
そのサイトの内容をお聞きしていると、無知というのは、恐ろしいもので、よく言いきれるな~、と感心してしまいます。
たまたまその時に、その人がよく効いた!と思った時の、設定(というか数?)を担当ナースに聞いたのか、その数を書いているのかわかりませんが、何もわかっていない人が、「こういう数でないと効きません」とか書くとは。。。何をどう書こうと、その人の自由ですが。。
効果なんて、全く同じ設定で、同じ施術者にやってもらったとしても、その日の体調や肌の状態で、全然変わってきます。全くいつも同じ効果が出せるわけではありません。
だって、お肌も体も、前回より時間がたった分、老化が進んでいますからね。
そういうサイトを見て、信じるほうも悪いのかもしれませんが、そのサイトを見てないので、どっちもどっちなのか、サイト自体の書き方が悪いのかは、定かではありません。
そういう、わけわからんことを信じて、そういうことをやってくれるクリニックを探している患者さんは、可哀想ですよね。
まともなクリニックは、まず相手にしませんから、(非科学的過ぎて)、お金をくれるなら、何でもOK!という、あやしいクリニックにたどり着くのではないでしょうか。。。
自業自得と言えば、そうかもしれませんが、何を信じるのかも患者さんの自由ですから、仕方ないですね。それを信じて、行動に移しておられるのも、その方自身なわけで、また、こういう方は、カウンセに来られても、思い込み(非科学的な)が強すぎて、話が全然かみ合わないので、聞く耳も持たれていないというか、これも仕方ないですね。
説得、というか、説明をして理解されれば、いいんでしょうが。。。他の患者さんにかける時間以上に、その方に時間はかけませんし、それで理解されないのであれば、その日は処置をお断りするでしょう。
もう一度、ゆっくり家で考えてもらって、考え方の違いに気付かれたのであれば、治療をお受けすると思いますが。
私の考え方・治療のやり方が、絶対正しいわけではありません。医師は100人いれば、100人とも考え方が違います。
でも、うちで、私のやり方でやる以上、私の考え方に共感できる方でないと、治療がうまくいくわけありませんから、理解できない・共感できないという方は、ご自分の考え方に合ったクリニックを受診されないとダメですね。
HPをご覧になって、お電話をいただく方(ごくまれに受診される方の中にも)の中に、全く考え方の違う方がいらっしゃって、なんで、うちを選ばれたわけ???とすっごい不思議なことがあります。
HPの内容まで見ておられないのかな、とお聞きすると、結構見ておられて、ますます???になるわけです。
(例えば、シミを1回で消せ、とか。。。適応のないものをやれ、とか。)
遠方から来たからとか、忙しくて通えないからとか、なにか事情があれば、私が考え方(治療方針)を変えると思っていらっしゃるんでしょうか。。。(医学的根拠に基づいて、治療方針は決めていますから、患者さんの事情で、治療方針は変わりません)
ブログやHPを見ていただいて、受診しよう!と思っていただけたことは、非常に有り難いことですが、そこまで考え方が違うと、的が外れ過ぎてるというか、選ぶクリニック自体を間違っているというか。。
残念ですよね。ホントに残念です。