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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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今の注入剤の主流は、ヒアルロン酸かレディエッセ®です。

ヒアルロン酸は、いろんなメーカーがあって、どのメーカーを仕入れているのかは、クリニックによって違うでしょう。

(ちなみに、うちはテオシアルです)

一流メーカーであれば、安全性という意味では、どこも変わりません。

(一流でないところは、知りませんよ)

違いは、粒の大きさにいろいろ種類がそろっているとか、架橋といって、ヒアルロン酸をちょっと工夫して、持ちがいいようにしてあるとか、麻酔薬の入っているのがあるとか、微妙に違うというのか。どこのが絶対優れている!と、はっきり甲乙つけられるものでもないと思います。

ドクターの好みにも寄りますしね。

レディエッセは、®は、1種類しかないので、メーカーも同じです。

ただ、仕入れ先が、正規代理店のところ(うちのタイタンやライムライト・ジェネシスのレーザー会社のキュテラ社が、正規代理店です)か、あやしく正規代理店を通さずに買うか、です。

何でもそうですが、正規代理店を通さず買えば、安いのは当たり前です。

ただ、本当に本物かどうかはわかりません。

キュテラ社は、レーザーでもそうですが、アフターケアや勉強会などにとても力を入れているちゃんとした会社なので、(だから、うちも安心して、キュテラから機械を買うことができます)、レディエッセ®にしても、ちゃんと勉強会を定期的にされています。

副作用調査などもきっちりされているので、安心して私も使うことができます。

安いから、という理由だけで、そういう勉強会にも出ないようなクリニック、あるいは、勉強会だけ利用して、あやしいルートで買うクリニック(これは、発覚すれば、キュテラからクレームがつくはずです。もう勉強会とか参加させてもらえなくなるはずです)は、普通に考えてダメでしょう。

使っているモノが本物っていう証拠もないですからね。

まあ、どれくらい偽物が混ざってるかは、知りませんが、私がしる限り、正規代理店を通さずに買っているクリニックで、ロクなところがありません。

ちゃんとしているクリニックは、当たり前ですが、キュテラから買っています。

(正規代理店から仕入れしてしているという証明書みたいなものはないので、患者さんが、クリニックに問い合わせをしたところで、ウソをつかれたら、確認しようがないです)

まあ、ヒアルロン酸やレディエッセ®を体内に入れる分には、ちゃんとしたところですれば、普通問題はありません。

問題なのは、非吸収性のモノを入れる場合です。

商品名を出すなら、「アクアミド」とか「バイオジェル」とか、まだまだいろいろな種類があると思います。

、レディエッセ®が出てきたのが、ここ3・4年ほど前でしたか。

非吸収性のは、もっと前からありましたから、昔は、ヒアルロン酸と肩を並べて、人気だったかもしれません。

6年ほど前なら、まだ普通には使われていたかもしれません。

昔、私が勤務していたクリニックにも、非吸収性のはありましたし、患者さんからの希望もあったような気がします。(ヒアルロン酸ほどではなかったですが)

ヒアルよりも値段が高いんですが、非吸収なので、かなり持つ(5年以上)みたい、というのが、一般的に人気の理由でした。

ですが、6年前ですら、アレルギー反応が出ることは認知されており、私も患者さんからカウンセ希望があれば、カウンセはしますが、必ず副作用(アレルギー反応)の話はします。その上で、ヒアルロン酸を勧めますが、それでも非吸収性を希望される方には、仕方ないので、注射してました。

まあ、普通の方は、ヒアルロン酸にされますけどね。

非吸収性なので、一生、微量ですが、体内にずっと残るわけです。吸収しないので。

(ヒアルやレディエッセ®は、吸収してなくなるから、安全なわけです)

それが、アクアミド®なら、200人に1人くらいの割合で、アレルギー反応が出る、と、この時代でも言われてました。

そのアレルギー反応は、すぐに出ることもあるし、何年もしてから、突然発症することもあります。

いつ出るのか、わかりません。(もちろん、確率の問題ですから、一生何も出ない可能性のほうが、高いのは高いんですが。。)

アレルギー反応も、ちょっと赤い、くらいならまだマシなんですが、ただれてきたり、赤く腫れあがったりと、最悪の事態は、人前には出られません。

治す方法は、手術して、全部取り出すしかありませんが、そういう非吸収性のモノは、たいていがトロロみたいに、周りにも広がって入るので(ヒアルロン酸よりも、かなり柔らかいです)、最初入れられたと思う範囲よりも、広めに取らないといけないわけです。

「取る」というのは、皮膚の上から、切り取るしか方法はないわけで、顔に大きな傷が残ります。

薬を飲んだり、塗ったりで鎮まったらいいですが、ひどい場合は、やはり手術です。

一時的に、薬で抑えられても、また次いつ出るかわからないわけです。

こういうね、非吸収性の液体状のモノを体内に入れるって、いうのは、すっごい危ないわけです。

私は、昔、鼻に、シリコン注入(シリコンの液体です)をされた患者さんが全身膠原病(ヒトアジュバント病と言います)という1種の全身アレルギーみたいになった方の主治医をしたことがあって、英語で論文も書いています。

この時も勉強しましたが、まあ、大変なわけです。

治療法はもちろん、手術で、全部書き出して取ってくるわけです。無くなれば、反応は出なくなります。(シリコン注入が流行った時代があったわけです。昭和30年代でしたっけ?もう忘れちゃいましたけど。今は、もうどこもシリコンの液体を入れるのは、やっていません。固形はありますよ。豊胸のバッグも、シリコン製ですしね。固形は、今のところ、当たり前のように、手術に使われています。

ものすごいレアケースで、固形でも、そういう報告はあります。

ただ、確率が低すぎるので、使用禁止までには至っていません。ホントのレアケースです。

さて、話を戻しますが、副作用が出た時に、大変なことになるので、4・5年前から、仕入れていたクリニックでも、在庫が無くなったら、もう仕入れないと聞いていましたし(その後、どうなったのかは知りません)、私も、患者さんには勧めないので、ほとんどその頃にはもう入れていませんでした。

40代後半~50代以上の方だと、非吸収性全盛期というのを経験されておられるので、そういう年齢の方が、かなり昔にやりました、というのは、時々聞きます。

一度、そういうのが入ると、もういつ何が出るかわかりませんから、まして、他院でされたことですし、そんなところに、ヒアルやレディエッセ®を入れて、もし何かあっても、まあ、混ざってますから、理論上、何が原因か特定することはできません。どんなに、ヒアルやレディエッセ®は関係ないと思っていても。

そういうトラブルにも、手を出したことで、巻き込まれてしまうわけですしね。

だから、メーカー側も、混ぜないように、そんなケースに使わないように、指導してます。

自分のところの商品が、そんな不名誉なことになったら、困りますからね。

だから、今の美容医療で、まともなクリニックは、取扱いもしてないし、在庫があっても、とっくに処分していると思います(まともならね。)。

以前に、そういうものが入っているところに、ヒアルやレディエッセ®を入れる、ということは、普通はしません。

何があるか、わかりませんから。

でも、一部のクリニックで、今も宣伝を載せているところがありますね。しかも副作用は全くありません、と書いてあります。

まだまだ、いろんなクリニックがやっていた5年前、というなら、わかりますが(それでも、副作用のことは知らせてから、それでもいいか、確認してからしないとダメでしょう)、1年前とか最近やった、という話を聞くと、なんで???と思います。

一番悪いのは、副作用の説明もなく、やるクリニックが悪いわけですが、キャンペーンだか何だか知りませんが、安いから、っていうだけで、気軽にする患者さんも、自分の身は自分で守らないと。

少なくとも、体の中に入れるわけですから、商品名は聞いて、把握するなり、調べるなりしないといけないと思います。

(また、あやしいクリニックでやっていたりするわけです。まあ、今時、そんなものを扱っていること自体あやしいんですから、安いだけで、行くのも、どうかと思いますが。。)

悪徳エステに引っかかった、お金を巻き上げられた、火傷させられた、かえってシミが濃くなった、というくらいなら、まだ治療法はあるわけなので、マシでしょう。お金も社会勉強と思って、あきらめてください。

でも、注射で体内に入れるとなると、簡単にはいかないわけですから、いくら相手が悪い、と言っても、自分の身に全部責任は来るわけです。

ごくたまに、そういうのを入れたことがあるが、ヒアルやレディエッセ®を入れてほしい、という電話があります。

うちでは、そういう場合、一切注入はしません。だから、処置希望であっても、診察・カウンセのみ、の予約しか取りません。

だって、絶対に、やりませんから。

触っても、わからない程度であっても、顕微鏡レベルの話ですから、触ったからといって、大丈夫ですから、やりましょう、とはならないわけです。

だから、来られても、そういう説明と、電話で言った通り、うちでは、やりません、というだけなんですけどね。

たいてい、そういう方は、副作用の話を全く知らないので、その話を」するだけでも、結構な時間がかかります。

初診料2100円もらったところで、うちのメリットは何もありません。だって、何もできないから。

でも、診察やカウンセの希望があれば、ボランティアみたいな感覚で、お受けしてました。

(他院で、安くしいておいて、そのアフターケアだけしてほしい、という問い合わせは一切断りしてますけどね。

本来は、お金を払って、やってもらったクリニックに、問い合わせされるべきものですが。

まあ、もうsこには行きたくないんか、何か事情があって、うちのクリニックで相談しようと、思われたんだな、というので受けてました。)

ただ、最近、そういう方で、無断キャンセルや当日キャンセルなどの、マナーの悪さが目立ちます。

その時間のために、他の方が予約されたいのを、お断りして、その予約を取っているわけです。

(うちは、完全予約制ですから、時間をかぶせて、予約を取る、ということをしません)

で、もうそういう方のために、予約を取るのを止めることにしました。

1日で、診れる患者さんの数は、内の場合、かなり限られてきますから、私の治療を必要としている方のために、予約時間を使いたいと思います。

そのため、今後は一切、診察・カウンセ自体もお断りすることにしました。

何もできませんからね。

手術で取り出し希望であれば、形成外科や美容外科に行かれてください。

うちでは手術はしませんから。

医師には、医療をする時に入る保険みたいなのがあるわけですが、皆さんが車を運転するのに、保険に入るのと同じです。

何かあったら、自分も困るし、相手も困るし、というための保険です。

美容医療にも、共済で作られている、美容医療用の保険があります。

そこでも先日の学会で言われていましたが、本来なら、非吸収性のモノで、トラブルがあった分については、共済から保険は出ません。だって、やったらダメなことだから。

車の保険でもそうですよね。犯罪とかで、車にキズがいっても、人にケガさせても、保険会社は、お金を出しません。当たり前です。

そういう質問があって、そういう話題になりました。

ただ、今ほど、禁止されていない時代に、入れられた分であれば、アレルギー反応は何年も経ってから出ることがありますから)、ちょっと検討します、とりあえず連絡はしてください、みたいな見解でした。

ただ、今からは絶対認めませんよ、と念を押されてました。

学会でも、散々言われてますが、今時まともなクリニックで使っているところはないと思います。

調べれば、すぐにわかることです。

安易に、美容医療の取り返しのつかないことに、何も考えずに、手を出すのは止めましょう。

ご自分が、困るだけですから。自分の身は、自分で守らないと。