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    柴 亜伊子
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「ためしてガッテン!」毛穴・ニキビ編②

昨日の続きです。

毛穴が詰まる話から、ニキビのお話をされてましたね。

番組中に出てきたのが、薬品名をアダパレンと言いますが、商品名は、ディフェリンゲル®と言います。

わざわざ名前が隠してありましたね。

NHKならではの配慮ですね。

一般のグッズとかだと、商品名を教えて欲しい時がありますが、まあ、今回は、必ず診察が必要な、市販はされていない薬ですから、皮膚科に受診されて、ニキビの画期的な薬が出たんでしょ?と聞かれたら、皮膚科医ならディフェリンゲル®のことだと気付きます。

これ以降、新しいニキビの薬って、保険で出せる分では出ていませんから。

 

毛穴の詰まりと、皮脂と乾燥のバランスから、今回大人ニキビの話が及んだんでしょうか。

いきなりディフェリンゲル®の登場だったので、「?」と思いましたが、番組のいいたいことは、何でも皮脂が悪いわけじゃない!皮脂が多いからなるわけではない!と言うことが言いたかったんですね。

 

さて、大人のニキビですが、できやすい場所は、中高生と違って、どんどん下に降りて来ますね。アゴ周りが多いのは多いです。もちろん、おでこや頬っぺたにもできますし、鼻にもできますが、圧倒的にアゴ周りに出きる方が増えるのも事実です。

いわゆるTゾーンの脂っぽいところではなく、Uゾーンのどちらかというと乾燥しているところにできるのが、大人のニキビの特徴と言われてましたね。

番組の中で、若い子と大人のニキビで、状況が違うから、ディフェリンゲル®は、乾燥肌の大人のニキビに塗ったら、副作用が出て、反って悪くなる場合を取り上げておられました。

 

ディフェリンゲル®って、簡単に言うと、ピーリング剤のきついヤツみたいなもんです。洗い流さないタイプの。

他のピーリング剤(クリニックのも、ホームケア用も)何でもそうですが、基本乾燥肌の方には向いていません。

(私は、乾燥肌の方には、処方もしないし、治療もお断りします。夏などの暑い日が続いていて、毛穴の汚れがたまっていて、お肌の乾燥が大丈夫な季節などに、その方に合わせたピーリングの強さ(弱さ)を選んで、ホームケアをしてもらう、ということはありますが、まだ今の季節でもなかなか処方しませんね。

一部、処方している方もいらっしゃいますが、もちろん毎日じゃないし、鼻だけとか、生理前の脂っぽい時だけ、とか、ご自分でちゃんと管理できる方のみ、処方しています。

管理したり、お肌の状況がわからない方に、ホームケアできるピーリング剤を

 

これは、そのドクターの好みですが、私は、ディフェリンゲル®を顔中塗らせて予防のための使い方は、患者さんには言いません。

ディフェリンが発売されてから、まだ、そこまで脂性の患者さんに出会ってない、というのが一つと、混合肌の方が実はとっても多くて、いわゆる高校生であっても、乾燥肌との混合肌で、そんな子が予防のために、ディフェリンゲル®を塗ると、副作用も軽くて済んだとかあるかもしれませんが、たいてい、赤むけ・皮向け・乾燥・刺激・痛みなどなど、副作用が我慢できずに止めたり、クリニックを変わったりする方が多いです。

その大半の方が、ディフェリンゲルの詳しい説明をしてもらってなくて、副作用がいきなり出たからビックリして、治療を中断したり、クリニックを変わったりされます。

私も、ディフェリンゲルを処方することは、時々ありますが、うちに来られる大人のニキビの方の場合、乾燥肌がベースに合って、なかなか使えなかったり、私自身がおススメしなかったりで、ニキビの方全員に出してるわけではありません。

じゃあ、大人のニキビは、どうするか、となると、クリニック専用の化粧品や自費の美容医療になってきます。

また、そういう患者さんの大半がひどいニキビ跡でも悩んでいらっしゃって、ニキビの治療だけしてニキビが落ち着いても、見た目はニキビ跡がひどすぎて、全然変わらない、となるのため、ニキビ跡も同時に治療していくほうが、見た目の改善は、全然違うし、早くキレイになります。

そういう治療をしていくのは、保険診療ではもちろんできませんし、ニキビの治療で、保険と自費を混ぜることは、混合診療と言って、今のところ禁止されてますから、うちは全て自費になります。

若いから絶対ディフェリンゲルが合う、という保証もないため、実際は使ってみないと、どれだけの副作用が出るのかもわからないですが、やっぱり若くても乾燥肌のある混合肌のある方の場合は、ちょっと難しいかも。。。

私は、基本どの方にも、予防で全体に塗るのではなくて、ニキビの部分のみに塗って、まず副作用を様子を見てください、とお願いしてます。広めに塗れる方は、なかなかいないんじゃないかな、というのが私の印象です。

顔中、カリフラワーみたいに、ニキビでボコボコで、全部が真っ赤かで、となったら、ディフェリンゲルの副作用のほうがまだマシなので、顔中予防も兼ねて塗っていきましょうか、となるかと思うんですが、うちに来られる患者さんの大半は、年齢に関わらず、乾燥肌がベースにあるので、難しいことが多いです。

やっぱり、その方のお肌の状態によっても違うし、ニキビ跡がどれだけ目立っているのかでも違うし、ニキビの数や種類によっても違うので、何でもディフェリン、というのでは、そりゃ、無理でしょう~、と思います。

皮膚科医も、100人いたら、みんな考え方は違うので、どの考え方でも、患者さんがキレイになって満足されればいいわけなんですが、自分の考え方とお肌に合ったドクターを探すのが一番大変かもしれません。

自費治療だと、ディフェリンだけにこだわるわけではありませんから、ニキビでお悩みの方は、一度診察にどうぞ。初診料が2100円かかりますが。保険とは違った治療があります。

ディフェリンゲルは画期的な薬ですが、万能ではありませんし、保険診療には限界があるので、ンキビしかないのに、いきなり自費から始める必要はありませんが、いろんな皮膚科で薬をいろいろもらって試したけど、うまく行かない、というのであれば、一度ご相談ください。

ただし、ニキビ跡は、保険で効く薬は一切ないし、ニキビとニキビ跡は、治療が全然変わってきますから、ニキビのご相談で来られたら、実は、ニキビ跡でした、ということもかなり多いです。

まあ、診てみないと、そりゃわかりません。

それと、ニキビの方は、洗顔を強くしたり、きつい化粧品を使ったりすることが多いですが、ガッテンでも言われてましたが、お肌は優しく、扱ってくださいね。

 

 

 

 

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医療