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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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毛穴の開きを改善する治療

 

「ためしてガッテン!」毛穴編の続きになります。

実際の医療なら、どこまで毛穴の開きが改善できるのか、ということです。

うちのHPの毛穴のところhttp://www.aiko-hifuka-clinic.com/symptom/pore.html にも、簡単に書いていますが、今問題にしているのは、毛穴の開きですね。

(ニキビ跡の凹みレベルまでいくと、話が少し変わってくるので、あくまで毛穴の開きについての話を思ってください。ニキビ跡の場合は、凹みの大きさや深さや原因が全然変わってきますから。)

 

まず、グリシルグリシンシリーズは、やっぱり使ったほうがいいです。日々のお手入れは、大切です。皮脂の中の成分で、すり鉢状になってしまいますから、毎日皮脂は出てますものね。

そこに追加して、クリニックでできることは、やはり光・レーザー系で、ケミカルピーリングは、毛穴の汚れを掃除したりする分にはいいんですが、そんな詰まっていないけど、毛穴が開いている場合に、私は勧めてません。デメリットのほうが大きいことがありますから。

大人の女性は、たいてい乾燥肌がベースにあるので、めったにピーリングは勧めません。ピーリングって、確かに毛穴掃除してくれて、毛穴はキレイになりますから、汚れやすい方には、お肌の乾燥具合に合わせた強さで使ってもらいますが、私はあまり毛穴の開きには使いませんね~。

ケミカルピーリング(クリニックのね)は、確かに(微々ですが)コラーゲンを増やしてくれますが、なんか毛穴の開きに効く場合って、少数派だと思います。

ものすごい脂性で、そのせいで皮脂の中のオレイン酸もバンバン出てて、毛穴がどんどん開いていくような方だと、ピーリングでちょっと脂を減らす(というか乾燥させて)ことで、オレイン酸も減って、結果毛穴がマシになる、という場合かなと。

ほとんどの大人の女性は、乾燥肌・混合肌で、ピーリングをすることで乾燥が一気にひどくなりますから、ガッテンで言っておられた、「お肌を傷める」状態なわけです。その結果、余計に毛穴はひどくなるし(番組でもやっておられましたね)、お肌の荒れて反ってボロボロになるし、ツヤもなくなり、まあ、ひどいもんです。乾燥がひどくなるから、よけいに時間が経つと、皮脂がどんどん出て来ます。その結果、混合肌になるわけですが、また皮脂が嫌!脂っぽい!とピーリングをして、ボロボロになって、と負の連鎖に突入です。

全体にボ~っと赤くなって、洗顔後はすぐに化粧水とかつけないと、痛いくらい乾燥している、という悲しい状態になっていくわけです。

お肌も診ずに、ピーリングをバンバンやらせるようなクリニックは、アトピーみたいにならない限り(アトピーでもやるかもしれませんね)、ドクターも診てないし、そんなところのナースは、やったらいけない、とは考えもしないわけですから、ご自分で、なんかおかしい!と気付かれない限り、悪循環から脱出できません。誰も助けてくれません。お金取られて、肌ボロボロにされるだけです。

ピーリングはね、ホントにやっていい方と、ダメな方、やっていい方でも、やっていい時とダメな時、やる時でも適切な強さを選ぶ、というのが大事なので、誰でもクリニックのピーリングをバンバンやっていいわけではありません。

 

それじゃあ、私は何を使うかというと、一番多いのはジェネシスです。次にライムライトです。

まず、毛穴のアップを診て、どんな毛穴で、なにが原因で目立っているのか、を診断して、ジェネシスかライムライトかを選ぶわけです。より、メリットの多いほうからをお勧めします。

あと、患者さんに、両方説明して、こっちがしたい、となった場合に、私のおススメと違った場合、どうして私が最初に勧めないのかのデメリットを説明します。

それをご了承の上、お勧めじゃないほうをされるのは全然構いません。納得しない方(デメリットを受け入れない方)には、治療をお断りしますけどね。

しばらく、そのどちらかをやって、落ち着いたら、もう片方の気になっていたほうにチェンジされる方もいらっしゃいますし、ずっとそのまま気にいって、続ける方もいらっしゃいます。

お肌の状態も、どんどん変わって行きますからね~。

 

肌荒れの方がとても多いわけですが、そういう方の場合、顔全体が赤いので、下に肝斑が隠れていてもわかんないんですよね。

肝斑がもしあると、ライムライトのみ当てるということは私はやりませんから、肝斑にあててもよくて(ちょっと良くなる方もいます)、肌荒れ・赤みの炎症を抑えて、コラーゲンも増やして毛穴を引き締めるジェネシスから始めることを勧めてます。

やってるうちに、正しいスキンケアとジェネシスで、赤みが薄くなって、肝斑がないとわかれば、ライムライトのみに変えてもいいし、やっぱり肝斑かな、となったら、肝斑セットに変えてもいいし、ととりあえず状態を落ち着かせてくれるんですよ。

ジェネシスは、アトピーの方の美肌治療や痒みや赤みの炎症を抑えるのにも使いますから(自費です)、どんだ肌荒れにもやっていきます。安心して、お肌の弱い方も使えるわけです。むしろ、ジェネシスで元気に回復させてくれるような、早く落ち着くように手助けしてくれる感じでしょうか。

ガッテン流に言うと、お肌が傷んだせいで、毛穴が目立っていたのが、ジェネシスで肌荒れを改善してくれるのから、その結果毛穴の目立ちも改善する、というおまけもついてきます。

ジェネシスって、実はとっても素晴らしいレーザーなんです。(シミとタルミには効きませんけどね)

5年ほど前に、ジェネシスで学会発表をしたことがあって、毛穴の開きの改善度を測ったものです。

TVでやっていた目立つ毛穴の数を測ってくれる装置を使って、ジェネシスを2週間~1か月毎に、4回やった場合のデーターの集計をまとめました。

結果は、約20%改善(目立つ毛穴の数が20%減りました)でした。

ただ、集計しながら気付いたのは、かなり個人差があったのと、ジェネシスをやる間隔が、2週間~1か月と、人によってかなりまちまちだったので、ホントのジェネシスの効果がこれ!というわけではありません。

実感としては、ちゃんと通ってやれば、確かにもっといいな、という感じです。(マメに来られている方の結果が圧倒的に良かったので。まあ、そりゃそうですよね。)

 

今、うちで当てているジェネシスと、この発表の時にやっていたジェネシスとで、機械の設定が違いますから、今は、もっとバージョンアップしてると思っていただいて構いません。

 

データーでもそうでしたが、元の状態がひどい(毛穴が目立ち過ぎている)と、ビフォーアフターって、とってもわかりやすいんですが、元の状態がいいと、毛穴を無くすことはできませんから、美意識の高い方は、毛穴はちっとも変わってない、と思われます。(だから、最初に、「毛穴の診断と適応」というのが大事になるわけです。お金も時間もかかりますからね。)

それ以上は、毛穴は縮みませんよ、とご理解の上、治療をされると、他の付加価値の効果がありますから、美肌治療として、お手軽なアンチエイジングの治療として、喜ばれるんですけれど。。

 

化粧品のCMみたいな毛穴レスなんて、あれ、人間じゃありませんから!CGで加工されてますから!

光やレーザー治療をしたら、誰でもああなれる、と思っておられる方がたまにいて、まあ、悪徳美容クリニックの誇大広告が言い過ぎのせいなんですが、そりゃ無理ですよ、とお伝えします。

(過度な期待を抱く方は、治療をお断りしています。医療は、なんでもできると、つきつめていけば信じておられるので、話が全くかみ合いません。

そんなわけないでしょ?ということがわからないようです。こういう方は、老化が止められる、と思っておられるようですね。)

 

話を戻します。

毛穴は、茶色い色がついているんですが、その色がとても濃い方がいらっしゃって、スッピンになると、茶色く点々の目立つわけです。

そういう時は、ライムライトをすると、茶色に熱が入りますから、熱の力で、毛穴が少しキュっとなります。ライムライトも、コラーゲンを少し増やすので、すり鉢毛穴にも茶色がついていると、より熱が入って、効果的です。

ライムライトは、肌荒れがあんまりひどいと(炎症が強いと)、照射をお断りしたり、その部分を避けることがあります。ここがジェネシスと違うところです。

 

うちで、毛穴に使うメインの機器は、この二つです。(ホホならタイタンを足すこともありますが、毛穴だけのために足される方は、少ないです。シワもタルミも毛穴も、たくさん気になる時に、タイタンを足されます。)

クリニックによって、置いている機械も違うし、考え方も全然違うので、ご自分の目的と合った経過のモノをされるのが一番です。

 

ただ、ジェネシスにしろ、ライムライトにしろ、ある程度よくするのに回数も要りますし、あんまり間隔を空けちゃうと、変化がわからなかったりしますから、満足していない時に間隔を空けていくのは勧めてません。

やっていても楽しくないでしょうし。変化に気付いていて、わざと空けるのは、いいと思いますよ。エステ感覚で時間のある時だけする方もいらっしゃいます。

続けてやって、ある程度改善したからといって、そこで老化が止まるわけではなく、お肌は変化していきますから、どので維持したいのか、その方の価値感ですが、またどっかでやらないと、皮脂の中のオレイン酸で、広がって行きます。(お肌をやさしく扱い続けていて、皮脂が減っていけば、当分やらなくてもいいと思いますが。)

 

何の治療でもそうですが、「完治」は無理です。生きてる以上、変化もするし、老化も毎日進んでいきます。だからこそ、維持をしたい、改善したい、となると、メンテナンスが必要なんですね。

それが、毎日の正しいお手入れだったり、化粧品だったり、医薬品だったり、光・レーザー治療になるわけです。

今日洗顔して化粧水塗ったから、もう一生化粧水は塗らなくていいや、とはなりませんよね。それと同じことです。

 

カテゴリ:

医療