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    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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アトピー・肌あれしやすい人の美肌治療①

今は、スギ花粉が少し落ち着きましたが、ちょっと前は、花粉症も出て、アレルギー反応はひどくなるわ、そのせいで、肌もわけのわからない痒みや赤みが出るわ、乾燥が続いて、ますますお肌の調子がおかしくなるわ、と悪循環にはまっている患者さんがとても多かったです。

その半分くらいは、間違ったお手入れをやりすぎたり、湿疹や皮膚炎を放っておいて、ひどくなったり、と自分で防ごうと思えばできた場合、あるいは、自分で悪化させてしまっている場合です。

もう半分は、自分ではどうしようもない場合です。保湿はちゃんとやっているけど、追いつかないとか、調子良かったのに、花粉の季節や季節の変わり目で、荒れてしまった。。という場合です。

どちらの場合でもいえることは、早め早めに対処できるならやる!ということと、間違ってもエステや美容外科に行くんではなく(特にアトピーの方や今湿疹や皮膚炎が起こっている方)、皮膚科や美容皮膚科に行きましょう。

エステは、医者でもナースでもなく、ただの一般の素人さんと同じです。アトピーがなんなのか、どうして、皮膚に炎症が起きてるのかなんて、知ったっこっちゃないんです。とりあえず、契約してお金を払ってくれればいいと思っているので、よほど良心的なところだと、化粧品ですら売らないところもあるかもしれませんが、たいていは、お肌にいい化粧品なので、大丈夫だからと、契約させておいて、会計後に、何かあったら、皮膚科に行くように、言われたり。。。(契約前に言え!ということです)

「美容外科」としか看板を挙げていないのであれば、そのドクターは、皮膚科医ではないので、肌あれやアトピーを診てもらっても、私はダメなんじゃない?と思います。

皮膚科の保険診療の患者さんが、時々言われるのが、「どこに行っても治らない」です。でも、よくよく話を聞いてみると、ちゃんとした皮膚科に全然行ってなくて、そこは内科でしょう。小児科でしょう、整形外科でしょう、と専門じゃない科を巡っておられて、そりゃ、治ったら、ラッキーでしょう~。

ちょっとしたかぶれくらいなら、専門性にこだわる必要はありませんが、ずっと肌あれ・湿疹が続いているとか、アトピー性皮膚炎なら、専門に診てもらわないといけません。

(皮膚科の看板が出ていても、いい加減なところはもちろんありますが。それは、受診してみないと、確かめる方法はないですね。。)

美容皮膚科も、あまり皮膚科の勉強をせずに、美容医療だけ適当にわかった気になって、開業されているところもありますからt、ちゃんと診てくれるのかどうかは、美容皮膚科と看板があっても、それも、受診しないとわからないわけですが。。

 

乾燥が人よりもひどいだけ[昔にアトピーがあった、今も出るけど顔には出ないとかの場合でも)、というくらいならいいんですが、化粧品が沁みるとか、かゆくて赤いとか(赤いだけなら、毛細血管拡張で、皮膚炎ではなく、ただの赤ら顔のこともあります)、痛いとかになってくると、美容医療よりも、まずは、お肌を健康に近づける・戻す、ということが何より重要です。

その場合は、保険診療(自費でもいいんですが)で、保湿剤やステロイドなどの塗り薬がまず必要ですし、アレルギーや炎症を抑える飲み薬も、場合により必要です。

それと同時に、正しいスキンケアですが、いつも私が言っている日焼け止めの塗り直しは、さすがに、お肌がある程度健康でないと、かえってお肌の負担になる場合おあるので(こういう場合は、日焼け止めだけでなく、化粧品のほとんどが刺激になると思ったほうがいいです。基礎化粧品も止めてもらって、薬しか勧めない場合も、最悪あります)、よほど合う日焼け止めがあるなら、1日1回くらいなら塗ってもらうかもしれませんが、やっぱり落ち着いてからでしょうね~。

肌荒れの相談・治療に来られる方は多いですが、私が化粧品(特に、ファンデなどの基礎化粧品以外のメイクアップ用品)を勧めません、と言っているにも関わらず(私が化粧品を止めるというのは、かなりひどいと思ってください)、止めない方がいらっしゃいます。

止めないと、どうなるか?

いつまでたっても治りません。ステロイドもダラダラ使うはめになります。

そんな状態で、薬も使って、自費治療もして、とお金と時間をかけても、効かないんです。効くわけありません。下手すると、現状維持もできません。

化粧品がずっと刺激し続けますからね~。

今まで、散々悪循環にはまって、どんどん悪くしていっているんだから、ホントに良くしたい・少しでも治したいと思っているなら、どっかで、化粧をあきらめて、一時中断してでも、治療に専念しないと!

(一時的に悪循環にはまってしまっただけなら、ちゃんと原因を取り除いて、治療してあげれば、時間がかかっても治ります。アトピー性皮膚炎を完治させることはできませんが、正しいスキンケアと刺激物を無くすことで、いい状態を保ってあげたり、マシな状態を作ることは可能です。

ただ、アトピーでも重症の場合は、確かにかなり難しいし、マメな受診も必要です。クリニックをコロコロ変わるのも勧めません。皮膚の経過がわからなくなりますからね。ひどい時だけ、適当に皮膚科に行っても、誰も真剣には診てくれませんよ。とりあえず、この薬(ステロイド)を塗って様子を診てください、と言われるだけです。いつもそうでしょう?なにより患者さん自身が、正しいスキンケアを頑張らないと、他力本願だけでは改善できないんです。

スキンケアは薬中心にはなるでしょうが(保湿も含みますよ。飲み薬も必要な時ももちろんあります。)、落ち着いてきたら、使える化粧品も出てくるし、化粧品に一部切り替えていくこともできます。

ずっと保湿は、化粧品でなくても、薬の分を使ったって、構わないんですが、やっぱり化粧品おほうが塗りやすいし、今後お化粧していくことを考えたら、基礎化粧品というか、保湿剤は、薬よりも断然化粧品のほうが、ファンデや日焼け止めは塗りやすいです。

病院の薬は、薬の後に、ファンデとか塗ることなんて、考えて作られてはいませんから、化粧品はとてもノリにくいかと。。。化粧品は、ちゃんとファンデとか塗ることを考えて作られていますからね。)

 

敏感肌の方というのは、ほとんどが保湿が足りないと私は思います。

乾燥するので、お肌のバリア機能が弱くなってしまって、いろんなモノに負けやすくなる。。という感じです。

生まれつき、乾燥肌のひどい方というのはいらっしゃいますが[アトピーっぽい人やアトピーの家系の方とか)、昔はそうでもなかったのに、大人になってお手入れを始めるようになって、どんどん敏感肌になってしまった。。。という方は、たいていお手入れが根本的に間違っている方です。

(TVや雑誌の影響も大きいんですけどね。間違った情報ばかり、流されているので。)

そういう方の場合は、ホントに要らんこと(何が要らないことか、わからないかもしれませんが)を全部止めて、保湿だけ、徹底してやるんです。それだけで、ホントに良くなる方がとても多いです。

(お肌に優しいと思って使っている化粧品が、実は全然優しくない、というのも、よくある話なので、ご確認ください。)

アトピーの方で、「完治できない」ということで、悲観される方がいらっしゃいますが、世の中にある病気で、今の医学で完治させることができる病気なんて、ほんごごくわずかです。ほとんどの病気が、完治なんて、できません。

病気というものは、長~いお付き合いをしていきますから(下手すると、死ぬまで)、上手に付き合っていく、ちょっと気の好かない同僚・親戚(ずっと付き合うという意味で)みたいに思ってください。

自分でそうそう関係を切れませんから、適度に息抜きしながら、喧嘩しないように、コントロールしていくわけです。

アトピーの場合、人より、ちょっとスキンケアを頑張るのと、アレルギー体質があるので、アレルギーのコントロールが必要、というだけです。それと、独りで悩まない!ということですね。信頼できる皮膚科医を確保しておくことが、とても大切です。

(かなりの重症の方は、ちょっと大変なので、ちょっと話を置いておきます。体には、ちょこちょこ出るくらいで、顔がメインという方の話です。全身アトピーの方は、毎日スキンケアをするのに、かなりの時間が必要ですから、仕事の内容や勤務体系で、悪化することもあり、自分の意志だけで、回避できない場合も多いので、「ちょっと頑張ればいい」とは、言えません。全身にひどいアトピーは、悪循環を断ち切るのは、とても大変で、入院してもらうこともあります。それで悪循環を断ち切って、ご本人の勝負は、その後ですね。日常生活に戻って、どこまで頑張れるか。。。)

アトピーという病名だけで、重く考えすぎる方がいらっしゃるので、明るく前向きに考えましょう。深刻に考えてしまうことが、ストレスで、体にも、アトピーの症状にも、悪い影響を与えてしまいます。

(深刻に、悲観して考えすぎるわりに、ちっとも皮膚科に行かなかったり、体中擦りまくっていたり、スキンケアも何もしていない方がいるので、わざと悪くしたいのかな?と疑いたくなります。そりゃ、どんどん悪くなるだろ~。)

お肌はね、ホントに悪いことをしないて、いいことだけしてあげていたら、機嫌が良くなって、いいお肌に育ってくれますよ。いじめるのも良くないし、過保護にしろというのではなく、愛護的に優しく愛情を持って、接する、というのが正しいスキンケアの在り方です。子育てと同じですね。

慣れるまで、根気強く!

でも、慣れてしまえば、ホントに楽ですよ~。だって、お肌にとってのいいことって、①擦らない(刺激・摩擦を一切止める) ②自分に合った保湿をする  ③日焼け止めを塗る(環境によって、塗りなおす)  たった3つだけです。これだけやってたら充分なんです。

ホームケアで、これ以上のことがしたかったら、医療に頼るしか(医薬品とかクリニック専用の化粧品とか、医薬部外品とか)ありませんが、正しいスキンケアって、ホントはとてもシンプルで、お金もそんなにかからないし、時間も短かいし、いいことづくめです。

騙されたと思って、一度やってみてください。(要らないことは止めてくださいね。キレイになる邪魔をしますからね。)

何が要らないことで、何がやるべきことなのか、わからないのであれば、一度診察にお越しください。(自費ですが)

次回は、実際のクリニックで行う美容医療の話をします。

 

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医療