プロフィール

  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

カレンダー

2012年6月
« 5月   7月 »
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

最近投稿した写真

ホーム > 医療 > エルビウムヤグレーザーの威力



エルビウムヤグレーザーの威力

今回の皮膚科学会は、レーザーのセクションは、かなりの豪華版でホントに勉強になりました。

学会の講演とかは、基本、自分が興味のある分を聴くんですが、レーザーや美容医療の教育講演は、それぞれが2時間毎あり、もう、おしり痛いっちゅーねんっ!

直接自分と関係のないレーザーの話でも、せっかくなので、もうそのまま聴いているんですが、たまたまそのまま動くのもめんどくさくなって、立つのもはばかれるし、と聴いていた講演で、おっ!ということが聴けたりするので、やっぱり聴ける限り、でておかないと、といつも思ってしまいます。

 

うちにあるレーザー機器は、キュテラ社のXEOという機械で、うちのXEOは、タイタン・ジェネシス・ライムライト・アキュチップ・ロングパルスヤグレーザー・プロウェーブと、一通りのことができるので、たいていのことは困りません。あとは、イオン導入と炭酸ガスレーザーがあるので、私として、これは充分っちゃ~、充分なんです。

うちに、絶対欠けているレーザーというのが、ダウンタイム(テープを貼ったり、赤みやかさぶたが出たり、腫れたり、などなど、患者さんが困ることの総称です。どんなダウンタイムが出るのかは、処置の内容によって、違います)の出るレーザーです。

炭酸ガスレーザーが、うちでは唯一ダウンタイム(うちでは、テープを貼ること、処置後、少し赤みが出る、ことくらいでしょうか。あとは、色素沈着が場合によったら、残ることも。だから、患者さんにも、スキンケアをしっかり頑張ってもらいます)の出る治療ですが、そういう治療の中では、やり方にもよりますが、うちのは、そこまできつくないな、と思ってます。

(炭酸ガスレーザーは、ホクロやいぼなど、盛り上がっているものを削るレーザーです。レーザーメスのような。。レーザーが当たったところは、一瞬にして、蒸発して煙となって、無くなってしまいます。)

 

美容医療には、いろんなダウンタイムの出る機器というのがあって、学会やセミナーでもたくさん見てきましたが、今回、見ていて、心に響くレーザーがありました。

それが、エルビウムヤグレーザーです。

エルビウムも、ふくらんだものを削るレーザーと思っていただけると、わかりやすいかな。(ふくらんでいないものでも、削っていいんですが。。)

 

エルビウムは、かなり昔から発売されているレーザーで、置いているクリニックは置いています。

どんなレーザーを置くのかは、ドクターの好みですね~。何がいいとか悪いとか、美容皮膚科・形成外科を専門でやってると、好みは、結構分かれてきますね。

もちろん、用途によって、使いわけすることも多いですけど。好みも変わったりとか。

 

エルビウムは、もちろん知っていましたが、ダウンタイムが結構出るので、あまりちゃんと学会発表も聴いたことがなかったかも。。。というより、あまり発表がないのかな。。演題に取り上げられている、という記憶があまりないような。。。

 

発表では、炭酸ガスレーザーとの違い、をされていました。

これを見ると、炭酸ガスより、エルビウムですね~。

まあ、炭酸ガスの機種にもよるし、エルビウムの機種にもよるんですが、少しでも皮膚に負担なく(周囲へのダメージなく)、キレイに取れるのは、エルビウムなんだな~、と大いに納得させられる、ご発表でした。

この発表を見ただけで、ちょっと、私、このレーザー、欲しいな~、と思ってしまいました。

あてたところが、キレ~イに均一に削れて、おナスとかに、一筆書きみたいに、ビ~っとあてると、ビ~っと皮が削れているんです。むっちゃ、キレ~イ!!

ちょっとご年配の、日焼け止めを塗ってこなかった方とか、シミとイボだらけの顔になってることがありますが、それも、ビ~っと削って、キレイになります。

この紹介されていた機種は、ある程度の大きさを一度にできるので、時間も早くて済むし、大きなシミやイボを取るには、もってこい!です。

 

ここまで、聞かれると、みなさんも、やりたい!と思われるかもしれませんが、このレーザー、その分、ダウンタイムがすごいんです。。。。

 

かなり血が出ます。

→ 皮膚を削りますから。。。皮膚の真皮の血管に当たったら、ピューっ!と血がふくことがあるそうで。。。。。

健康な方であれば、必ず出血は止まりますが、血管の大きさによると、ちょっと時間がかかることがあるかも。。。早く止めるために、特殊な止血剤(貼るタイプの)を使ったり、などなど。。ひたすら、押さえるのが基本ですが。。。

(ちなみに、炭酸ガスレーザーは、全く血が出ません。削るのと同時に、止血をしているレーザーなんです。それぞれ、特徴が違うんですね~。)

 

削った大きさにもよりますが、1週間~10日間~2週間くらい、完全に創傷被覆材(キズを早く治すための、ガーゼとは違う、ゼリーみたいなものや、特殊な素材なもの)で、密閉するそうで。。。

範囲が小さくても、かなり目立ちます。。。。完全に、「何かをしたので、貼っています」とわかるものです。。。

「何したの?どうしたの?」と、聞かれること、請け合いです。

。。。。う~ん。。。

お盆休みとか、年末年始とか、お籠りできるなら、まあ、いいですが、これは、普段仕事している人には、ちょっと無理でしょう。。。土日だけでは、絶対終わりません!

 

血が出るくらいの深さまで、削るので、こうやって、ちゃんと処置後のホームケアをしないと、傷も治んないし、傷跡は、かなり汚いかと。。。。

 

発表で出されていた、処置後の経過は、学会発表に出すくらいですから、そりゃ、キレイなもんです。(跡形が全くない、ということではありません。処置した深さや大きさや、元の状態と比べて、医師として、キレイですね、という話です。)

発表されている先生も、処置後の処置が、とても大切、とおっしゃってました。

(多分、この処置を守らない方には、エルビウムj自体をされないと思います。)

 

これはね、ホントに、言われた通りに、家で、処置しないと、エライこといなりますよ、傷跡。。。。

(もちろん、ちゃんとしたクリニックは、処置前に、ちゃんと説明されるはずです。)

 

。。。すっかり忘れてました。。。ここまで削られるの。。。そりゃ、血、出るわな。。。

 

どんな処置も、長所と欠点があって、自分が何を重要と思うか、どこまでなら許せるのか、ですね~。

私は、できれば、ダウンタイムのあることはしたくないです。仕方ない時って、もちろんありますけど。。

私が、そんなだから、うちに来られる患者さんの大半が、ダウンタイムは困るから、できる範囲でしてください、という方が多いです。

 

エルビウム、もちろん、機種にもよりますし、まずは、やるドクターの腕によっても、全然違いますから、いきなり広範囲は止めておきましょう。

ひどいところだと、副作用が全然消えるどころか、汚すぎて、もうどうにかしてっ!となってしまいます。

きつい処置は、それなりのリスクがありますから、カウンセで、副作用のこととか、軽く言い過ぎたら、そのドクターは要注意です。

いくつかのクリニックを回ると、違いがわかりますよ。

最終的には、そりゃ、やってみないとわかりませんが、きつくなればきつくなるほど、ホントに大変ですからね。。

 

この発表のあった、エルビウム、いい機器ですが、当分、うちでは買わないな~。それなら、他のを買います。

そこまでの治療が、したいっ!となる時期が来ることもあるかもしれませんが、今のうちでは、あまり活躍の場がないかも。。。

カテゴリ:

医療