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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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今月号の「美ST」の付録ですが、みなさん、ご覧になられましたか?

 

今、美容医療の特集をすると、やはり雑誌も売れるし、TVも視聴率が上がるし、と、美容医療に関して、毎日どこかで、情報が出てるような気がします。

それだけ、美容医療(美容外科ではなく、プチ整形や美容皮膚科のレーザー治療など)に興味のある方が増えて、当たり前までまだいきませんが、以前に比べると、かなり知っている方が増えましたよね。

高額な施術料金を払っても、全然効かないエステ(当たり前ですが。。)や、高額な化粧品のキャッチコピーなどに、うんざりしていらっしゃる方が、現実に気づきだされたことは、大変喜ばしい限りです。

エステは、リラクゼーションだし、化粧品は、あくまでも、保湿と日焼け止めさえあれば、いいわけで、それ以上のことを期待されるのであれば、クリニック専用の化粧品や、医薬部外品(一部の)や医薬品でないと、それは、無理な話です。

使い分けですね。

賢い方は、ちゃんと使いわけができていて、賢く、お金と時間を使っていらっしゃいます。

散々、エステと化粧品でお金を使い倒して、宣伝文句ほど効いていない、と気づいてから、美容皮膚科にいらっしゃる方、ネットとかでいろいろ調べて、エステには行ったことはないけど、最初から美容皮膚科に来られる方、さまざまですが、それぞれの違いに気づかれただけ、儲けものです。ラッキーでした。

だって、もういらんことにお金をかけなくてもいいわけですからね。

それくらい、美容医療というのは、医療であるからこそ、「効果」というものを言ってもいいわけなんです。「効く」という証拠が、ちゃんとデーターとして、出ているわけですから、エステや化粧品とは違うのは当たり前です。

(だから、化粧品やエステは、「効果・効能」を言ってはいけないんですよ。効果が出るようなものでは、最初からないので。)

 

今回の美STの付録は、まるまる一冊、美容医療特集で、ここまでの特集は、ひょっとして初めてですか?

私も毎回美STを見ているわけではないので、よく覚えていませんが、美容医療が大目に載っている時は、なるべく買うようにしています。

 

賢い方々が、わかって美STをおもしろいから見ている分には、全然かまわないんですが、ここに載っていることを、「全て正しい」と信じ切って、読んでる方が、結構いらっしゃるようで、そういう方が時々、うちに来られるので、全く話が合わなくて、治療をお断りすることもありますし、何度も再カウンセに来られる方も、ごくまれにいらっしゃいます。

普通の方は、「そんなわけないじゃないですか~」と説明すると、「そうですよね~。おかしいと思ってたんです。」とか、「そうなのか~、知らなかった。騙されてた。なんでも信じちゃいけないんですね~。」と、目からウロコ状態で、理解された上で、美容医療を受けられるからいいんですが、美ST信仰というか、完全に信じ切っている方は、(うちに来なくていいのに、と思いますが)、説明しても、ダメですね。

ちょっとやそっとでは、別の次元から来られた異邦人ですから、噛み合うはずがないんです。

ホントに、言葉が通じませんからね。

ひどい方は、私を、非科学的なことを並べて、いかに(美STを信じている)自分が正しいか、ということを延々と話して、私を説得しにかかられます。

。。。ちょっと勘弁してほしいです。

(どうして、説得されるかというと、雑誌に書いてあったような、副作用がなくて、しかも簡単にキレイに、しかもすぐに、なりますよ!と私に言わせようとするからです。私が、頑として、そんなことは無理です、とか、うちではやりません、とか、全否定をするから、よけいなんですかね。。?)

 

だから、そういう方は、うちに来なくても、同じような宣伝をしている(いいことばっかり書いてある)美容クリニックに行けば、その方が欲しい言葉を山ほど並べて、お金を巻き上げて、治療をしてくれるというのに。。来るところが間違っているんですよね。

 

さて、美STの話に戻りますね。

その付録の表紙に、ちょっと省きますが、要約すると、

「夏老けは、他力本願に限ります。夏老けは、医療でなかったことに」

素晴らしいキャッチコピーですね。

美容クリニックが泣いて喜ぶ宣伝文句です。

インパクトから考えると、これ以上、魅了する言葉はありませんね。

読者の皆さんが、わかっていて、これを読む分には、おもしろいからいいんですが、これをそのまま、本気にする方がいるので、悪徳美容クリニックは滅びません。

 

確かに、化粧品やエステなんて、効くわけないから、それをク美容医療に任せる、というのは、そういう意味では、自分ではもうどうもできないので(クリニックに行かないと、治療は受けられませんから)、それを「他力本願」というなら、まあ、わからないでもないです。

 

でも、そんなわけ、ねーだろっ!!

夏(ホントは、春からですが。というよりも、年中毎日ですが)に、日焼け止めも塗らず(塗り直しもせず)、自分ではお肌のお手入れを正しいこともせず、好き勝手やっておいて、それで、美容医療受けたって、「なかったことに」なんて、なりませんよ、絶対に!

 

なにもしないよりは、マシかもしれません。

 

じゃあ、どくれくらい、マシ?

マイナス1000点のところが、マイナス999点くらい?それとも、マイナス100点くらいまでなんとかしてくれる?

 

それは、どんな医療を受けるか、というよりも、お肌のダメージ度合によります。

紫外線をたくさん浴びれば浴びるほど、光老化はどんどん進むので、何をやっても、日焼け止めをちゃんと塗っていた方には、勝てません。

美容医療をやったからと言って、なかったことにはならないわけです。

 

ただ、昔のことを思えば、今後、スキンケアを頑張っていくなら、過去のダメージを早めに挽回したり、少しマシにしてくれたり、と、美容医療もかなり進歩しました。

でも、万能なんて、ありえないんですよね。

美容医療さえ受ければ、お金さえ払えば、私は何もしなくて、好き勝手やっていいんでしょ?みたいなことは、有り得ません。

学会でも、正しいスキンケアありき、で、話はされています。

魔法ではありませんからね。

 

こういう美容医療が世の中にはあるんだ、へ~、という程度で、必ず読んでくださいね。

誌面の関係で、あまり副作用のことやデメリットのことが書いていませんが、いいことだけ、なんていうのは、絶対有り得ません。

効果が早く出るものは、それだけ、副作用がきつかったり、副作用が軽いものは、その分、回数が必要がだったり、効果が緩やかだったり、必ず、メリットとデメリットがありますから、自分のライフスタイルに合わせて、治療を選んでいく、というのが、賢い方のすることです。

 

こういう風に、施術の名前ばっかりが並ぶと、「○○が絶対したい!ところで、○○は、何に効くんですか?」と、本末転倒な方がいらっしゃいます。

その機械ありき、ではないでしょう~?

何を改善したいのか?お肌(顔や体)をどうしたいのか?どう変えたいのか?ということが一番先にあって、それなら、こんな治療がありますよ、と紹介された治療の中から、選ぶ、というのが、当たり前だと思うんですが。。。

 

なにかやりたいけど、何をしていいのか、わからない~!、というのであれば、冷たいことを言いますが、わかるまでやらないことです。

いろいろやりたいことがあって、でも、美容医療は初めてで、という方には、気になっている順番から、されたらどうですか、一つずつ。というふうに、私は、患者さんに申し上げています。

初めてでも、一気にいろいろされる方もいらっしゃいます。ご自分で、いろいろ調べて、予習をしてこられた方ですね。

そういう方は、理解もある程度されてるので、大丈夫なんですが、頭の中が整理されていない時に、一度にたくさんすると、キャパオーバーで、ホントに理解されていないまま、処置が進んでいきますから、それはよろしくない、と思います。まあ、ご本人がそれでいいなら、ダメではないんですけどね。

 

雑誌を読んで、気になる処置がれば、それが本当は、どういうものなのか、調べてみて、その効果・副作用に納得されたのであれば、機械の名指し処置希望もありとは思いますが、ごくたまに、「タイタンでシミも消してくれ」とか、「ライムライトでタルミ治療もできるんでしょ?」みたいな、えげつないことをおっしゃる方がいて、どこをどうすれば、そういう発想が出るのかわかりません。うちのHPを見てきて、という方でも、そういう方が、たまにいるので、ホントに見てきたの?と信じられないことがあります。

いろいろ調べて、何が何かわからなくなってしまったのか、よそのHPとかで、そういうウソが書いてあるのか、真実はわかりません。

名指しされる方は、本当に両極端なので、不思議ですよね~。

 

情報は多いに越したことはないと思いますが、その情報の中から、ちゃんと自分で、正しい情報だけ選べないと、本当に、お金と時間のムダです。

何事も経験してみないとわかりませんから、試す、というのも大切ですが、情報をそのまま信じていたら、体も顔も、いくつあっても、足りませんよ。

情報が多すぎて、選べない、という方は、ホントは、こういう情報誌、TVも含めて、あんまり見ないほうがいいんですけどね。

見てもいいんですけど、へ~、って流さないと!信じない(信じすぎない)っていうのが大事かも。。

そんなうまいだけの話なんて、あるわけないんだから、いい加減、情報の惑わされないように、冷静になりましょうね。