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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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極細針導入のお知らせ

美容医療をされたことがない方も、人生で一度くらい、注射をしたことってありますよね。

予防接種だったり、子供の時にしたツベルクリン反応も注射ですし、健康診断で実施される採血も注射です。針を刺しますね。

具合が悪い時にされる病気のための注射や点滴であったり、さまざまです。

 

針の太さの数字を聞いて、具体的にどうこう、とわかるのは、医療関係者でないと、なかなか難しいと思いますが、

数字が大きくなればなるほど、細いことを意味します。

数字の後に、「G」マークが付きます。

これは、多分世界共通でしょうか。(日本・アメリカ・ヨーロッパが一緒だからと言って、世界共通とはならないかもしれませんが。。。そこまでの知識はありません、スミマセン。。)

 

例えば、献血に行って、血をいただく時は、いただく血液の細胞をキズつけないために、太目で採取されます。これは、普通16G(16ゲージと言います)だったかと。18Gの場合もあるかも。血管の細い人の場合、18Gではなく、20Gだったか、う~ん、忘れました。

病院で、手術される時、研修医の時、全身麻酔だと、より太い針で、点滴をするように教わりました。

万が一の時(大量出血で、緊急に点滴・輸血しないといけないとか、)、針が太いと、一度に速く、たくさん入れられるからです。細い針だと、たくさんいれようにも、なかなか入っていきません。

18Gを入れて、怒られることはありませんが、最低でも20Gを入れないと怒られます。23Gを入れようもんなら、入れ直しは、よほどのことがないとさせられませんが、(でも、出血が予想され、輸血を予定している時は、全身麻酔がかかってから、麻酔科の先生が、もう1本、太い針で、血管に針を刺されてました。ルート確保といいます。)

怒られますね~。ヘタクソ!と叱られます。ナースからも舐められます。

太い針を刺して、血管確保できることで、医者として一人前、みたいなところが研修医時代がありますね。

 

病院で、採血される時は、21Gだったかな、その辺だと思います。

でも、人間ドックとかの採血で、ちょっといい病院とかは、女性で細い血管の場合、23Gを使ってくれます。

(針の値段が高くなったりするわけです。針の値段だけでなく、ホントは太目の針のほうが、血液のいろんな成分を傷めないので、より正確に採血結果が出るのは確かです。

人間ドッグや検診センターの場合、採決は、ベテランの方がされているので(ヘタクソだと仕事になりませんからね)、めったに失敗することはありませんが、やはり女性に多いんですが、血管が細かったり、見えにくかったり、そういう場合、23Gでしてくださることがあり、これは失敗を、よりさけるということもありますが、相手が痛く感じにくいようにという配慮も大きいかもしれません。検診の場合、自費ですからね。客商売というか、採血で失敗が多いと、もう来てくれなくなりますからね。ちょっといい病院は、すぐに針を変えられますね。

(去年行った人間ドッグの病院は、女性専用フロアがあるような、至れりつくせりの病院でビックリしたんですが、私の血管を見て、

(私、細くて(血管がね)、見えにくいんです(血管がね)。たまに、ベテランの方でも失敗されることがあるので、もう手の甲でもいいですよ、と言うこともあります。)

すぐに、23Gに変えられました。秘かに、スゴイ!と思いました。教育が行き届いています。いい病院というのは、ホントに教育が行き届いているので、いいですよね~。)

 

病院の点滴とかは、21Gくらいだったかな。(病院にもよります。)

保険診療の場合、細い高い針を使っても、針台の請求はできないんです。どんな針を使おうと、料金は同じなんです。だから、安い針(太目の針)を使ったりするわけです。

安いと言っても、質が悪いのではなく、経費削減のため、最初から針がセットになっている採血セットとか点滴セットがあって、それには、細い針って付いていないんです。

細い針を使おうと思えば、付属していた針を捨てて(他の人に使うわけにいきませんから)、新しく細い針を使う、という二重にコストがかかることをしないといけないので、保険診療では、あまりしないと思います。

(人間ドッグも経費削減メインの病院は、あまりそういうことはされないかなと。。。)

 

糖尿病で、自己注射(太ももとかに、自分でインスリンを注射する)は、多分26Gです。

形成外科・皮膚科で、顔の手術をする場合、最初に局所麻酔をしますが、その針は、23Gを使います。

細い針を使ってあげてるよ~、という感じです。大学とか普通の病院にいたら、23Gって、むっちゃ細く感じます。

 

子供の場合、忘れちゃいましたが、23Gよりもっと細い、25Gとか27Gとか、大学病院に30Gって、あったかな。。私は、麻酔科研修で、手術室に半年いましたが、子供の手術でも27Gが最高だったかも。。。スミマセン、覚えてません。大人からしたら、やっぱり考えられない細さでした。

 

ところが、自費治療となると、痛みもそうですが、針跡が問題になるわけです。

病院で、点滴や採血した時に、肘のところに、針跡、見えることないですか?

そりゃ、消えますが、最低でもその日は、赤くなったり、針穴と同じ大きさのかさぶたみたいなのが、しかも顔に付いたりしたら、患者さんもイヤですよね。

顔に刺すのは、普通30Gで、ヒアルロン酸の大き目の粒で、27Gとか、25Gとか、レディエッセで、27Gです。

もうね、普通の病院にいたら、考えられない細さなんです。

26Gなんて、30Gを見慣れちゃうと、「こんなの、美容で、顔に刺したら、イカンだろ~。」と思っちゃいます。

 

だから、30Gで、充分やん?と思ってました。

だって、30Gで、それほど針跡が汚いと(私は)あまり思ったことがないし、注射して、若干の腫れや内出血が出るのは、運もありますが、仕方ないことだと思ってます。

腫れ・内出血は針の大きさだけで決まるものでもないので、やり方が悪ければ、極細を使おうが、出ますし、どんなに配慮しても、出てしまうことも、もちろんありますから。

 

数年前に、より細い針(32Gとか33Gとか)が発売されるようになって、一部のクリニックで使われてました。(この時は、まだもっと値段が高かったです。)

ところが、ヒアルロン酸注入で、針が細すぎて、血管の中に入ってしまい、血管塞栓を起こすという事例が、いくつか学会とかでも報告され、私自身は経験ありませんが、そういうことをしたドクターというのは聞いたことがありました。

法令線にヒアルロン酸を入れたそうですが、鼻の血管が詰まって、小鼻に栄養がいかなくなって、小鼻が腐ってしまったそうで。。。(人づてなので、詳細はわかりません。)

ただ、この時は、30G使用で、極細針は使われていなかったそうなんですが、対処方法として、あまり細い針は使わないように(皮下に入れる場合だと思いますが)、ということがありました。30Gでは、まあ、大丈夫、という見解でした。

学会でも30Gよりも細い針を使う場合の、注意喚起の発表があったように記憶しています。

 

でも、この数年で、また医療は進化して、極細針の需要も高くなり(それに合わせて、値段もちょっと下がってきました)、注意喚起のせいか、それほど問題が増えることもなく、使用するクリニックが増えてきました。

 

私も、あまり細い針は、ちょっと何かあったら、コワいな、と思い込んでいて、(そういうところには、元々使いませんが)、わずかな痛みよりも、安全第一かな、と思っていたし、そのために、お金をわざわざ患者さんからただかなくても、と考えてました。

 

今年は、いろいろ注射関係のセミナーや発表を聴く機会が多かったんですが、そんな時に、極細針だと腫れ・内出血が少ない写真を見る機会もあり、特に、ワキボトックスは、少しでも痛くないほうが、そりゃいいに決まってますから、極細針、やっぱりありかも、と思い、今回導入しました。

 

どこに、どんなことをするのか、で、使う針の細さと本数が違います。(たいてい、1本でいけることが多いですが。)

ワキボトックスだけでなく、顔の浅い小さいシワとか、腫れ・内出血の気になるところ、痛みに敏感な方は、試す価値はあると思います。

 

ただ、極細針は、刺される瞬間の痛みはマシでも、薬が入ってきて、皮膚を広げる時の痛み(これも、かなりマシだとは思いますが)や、薬自体がしみる、というのは、どうしようもないので、ご了承ください。

 

細い針は、よく詰まりやすいんですが、今回の針は、ニプロ(だったかな?)とかの一流メーカーに、オーダーで作ってもらった針だそうで、まだ詰まりにくいと思います。

でも、シワとかにワキとか、何度も刺してると、針のキレが悪くなるので、どんどん針は変えているんです。(キレが悪いと、患者さんも痛いし、私も刺しにくいので。刺しにくいから、余計また痛い、みたいな。)

今まで、30Gの時は、ワキボトックスで、最低4本、両脇で使います。場合により、もっと使います。

4本全部、極細にするのか、麻酔がちょっと効いてくるまで、最初のほうだけ、極細を使うのか、そこは患者さん次第です。(お金かかりますからね。)

ホントは、全員の方に、無料でおつけするべきですが、元々、うちは、ヒアルロン酸もボトックスも、それほど高い料金設定にしていませんので、高価な針まで無料でつけると、利益が無くなってしまうので、ご了承ください。

気になる方は、カウンセ時に、ご相談ください。

 

 

カテゴリ:

医療