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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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夏の間のシミ治療は休むほうがいいのか

うちのシミ治療と言えば、ライムライトをメインでしているんですが、他院であれば、いわゆるフォトなんとか、に当たります。

顔全体に、光を当てて、(Qスイッチレーザーのような強い光ではなく)、顔全体の色の治療をしていきます。

茶色・赤みなどを中心に薄くしていって、毛穴を目立ただくなせたり、代謝がよくなって、キメもよくなり、うぶ毛も除毛されて、美肌・美白治療で使っていきます。

直後から化粧ができて、人知れず、キレイになれるという、素晴らしい治療で、医学の進歩に感謝です。

(欠点は、マイルドな治療ですから、濃いシミなどは、これだけでやると、時間・回数がかかりすぎることです。何をどう改善したいかで、どの治療を選ぶか、ということがまず大切です。)

 

今、シミが出ていなくても、実は、皮膚の奥には、シミの予備軍がいて、数週間・数か月・数年してから、本格的なシミとして、出てきます。

ライムライトをはじめとした、フォト系では、シミの予備軍を取っていくことが可能で、続けていると、肌色がワントーン明るくなって、クスミぐらいなら、即座に取れます。

クスミやすい方は、直後にちょっと白くなるので、ジェネシスと並んで人気を二分する治療です。

私も大好きで、できれば、月2回できればな、と思う時もありますが、1~1か月半くらいに1回のペースでやるのがやっとです。

 

ホントにこまめにやっておられる患者さんだと、私よりも色白で、元が色黒目になりやすい方でも、頑張れば(日焼け止めも含めて)、ここまで白くなるのか!とこちらがビックリすることもあります。

(注:いくらなんでも、限界はありますよ。)

 

シミの予備軍が多いと、フォトのパワーを上げた時に、火傷のリスクが上がるし、火傷しなくても、ひりひり痛みが出たり、赤みが続いたり、といろいろ心配なことが出てきます。

すぐに、そういう反応が出るわけでもなく、遅れて、(パウダールームや帰る間際や、自宅に帰ってから、などなど。)反応が出ることもあるので、注意が必要です。

 

日焼け止めを、実は、全然塗れていない、とか、塗っていたつもりが、取れていたかもしれない、という場合、確かに、理論上、見えなくても、シミの予備軍は増えているでしょう。

そういう場合は、正直に言っていただければ、それに合わせて、シミの予備軍を減らしていくような設定にしていきますから、日焼けで、真っ赤っかになっていない限り、ライムライトは、当てていきますが、(例外もあります)患者さんが、ウソをつくと、(塗れていなかったのに、塗っているというとか。だから、強くしてくれ、としつこいくらい催促するとか。

うちでは、そんな催促にのることはありませんが、他院で、ナースにさせているところだと、ナースが患者さんがうるさいから、とあまり何も考えずに、設定を強くして(フォトでも脱毛でも、)、その挙句、患者さんが火傷する、ということが非常に多いです。

ウソをついてまで、催促した患者さんが、そりゃ、ことの発端ですが、一番悪いのはそれにのせられた医療者側になるので、(患者さんは、素人ですから)、医療者側は、注意しないといけません。

 

私は、患者さんに、普段の環境や、どれくらい日焼け止めを塗っているのか、今現在の肌色・シミや赤みの状態などの肌状況、紫外線に対する感受性などをこ考慮した上で、ライムライトの設定をしています。

(だから日焼け止めを実は、あまり塗っていないのに、「塗っています。塗り直しもしています。」とウソをつかれると、すぐにわかる場合もありますが、反応が遅いて、パワー調節ができない間に、照射が終わってしまうので、後から、「。。。なんか、おかしいな。。」みたいな反応が出て、赤みが長引いたり、その後、しばらくシミになったり、(肌は攻撃ばかりされるので、防御反応で、シミになります。)

 

さて、そのライムライトなどのフォトですが、他院だと、適当にあててることが多いですが、うちでは、私自身が直接当てますから、その部分・肌質に応じて、設定を変えていくことが可能です。

極端な話、1発ずる設定を変えようと思えばできるので、最初に診察して、設定を書いて、ナースに、「これでお願いします」というのとは、効きが違うわけです。

 

フォト系に力を入れているところは、(まあ、少ないですが)、ナースにさせずに、ドクター自ら当てていて、(だって、効果が全然違いますからね。しかも、もちろん安全です。)

その辺が、クリニックを見分けるポイントかもしれませんね。

 

このフォトが日本に入ってきて(10年くらい前の話です)、しばらくは、夏の間はフォトはしないように、みたいな、都市伝説みたいなのがあり、今でも、クリニックによったら、「夏の間は、フォトはしません」みたいなクリニックがあると聞きます。

今では、そんなことは言われません。

まあ、そのドクターの考え方次第ですが。。。

 

うちでは、夏であろうが、冬であろうが、日焼け止めをTPOに合わせて塗り直しをしない方は、季節に関わらず、すべて、お断りしています。

日焼け止めの塗り方が甘い場合でも、お肌の状況と、患者さんの理解度、というか、目標地点によっては、治療を継続することはありますが、日焼け止めをしている方と同様に、どんどん強くするとかは、しません。それなりのパワーです。

 

今でも、患者さんの一部には、この都市伝説が、なんとなく意識の中に残っている方がいらっしゃって、紫外線の強い季節の間は、ライムライトを止めておきます、という方がいらっしゃいます。

患者さんが、現状に満足して、しばらくお休みしよう、とか、シミが落ち着いたkから、今度は違う治療をしてみたい、ということで、止めておかれるのは、ごく当たり前のことですし、全然いいと思います。

でも、ホントはやりたいけど、止めておいたほうがいいんでしょう?というのは、間違いです。

 

やりたい方は、季節問わず、されたらいいです。うちでは、季節は関係ないです。患者さんが、日焼け止めを、TPOに合わせて、塗っているかどうか、ということが、ポイントですから。

 

お休みされたいなら、患者さんが決められたことですし、それでいいんですが、休んでいる間に、またまた、シミの予備軍は、どんどん溜まっていくわけです。

「秋や冬になってから、やります」という場合、秋や冬に、溜まった分と新しく出てきたシミと、元々あるシミと、いっぺんに全部やっつけにかかる、というのは、結構大変で、そりゃ、強くあてれば、うまくいけば、少ない回数で、マシになるかもしれませんが、かなりリスクの高いことで、特に、日焼け止めをちゃんと塗れていなかった方の場合、強くすること、イコール、火傷と隣合わせです。そんなリスクは、私は冒したくありません。

溜まった分を、まとめてやっつけるのは、大掃除と同じで、大変なわけです。時間も回数もかかります。

 

患者さんがやりたくないのに、無理やり夏の間、やりなさい、とは言いませんが、患者さんがやってもいいと思っておられるなら、私は、ライムライトを普通に勧めます。

 

夏の間は、元々あるシミを薄くすることに専念するのではなく、悪化させないように、少しでもシミの予備軍を溜めないように、溜まった分は、ライムライトで、少しでも減らせられるように、秋や冬になったら、どんどんパワーを上げやすいように、そのためのメンテンスと思って、受けられるといいと思います。

 

日焼け止めの塗り直しを頑張って、ライムライトも定期的にあてて、それでも、私も秋になると、なんかシミが増えた気がしたり、ワントーン、暗くなったような気がします。

真面目にやっていなかったら、もっとひどくなっていたでしょう。

やっていたおかげで、その程度で済んでいるんだと、思ってます。

どう捉えるのかは、その方の価値観ですが。。

 

患者さんの中には、毎月ライムライトをするのではなく、2か月毎、という方も結構いらっしゃって、肌質にもよりますが、患者さんが、本当に日焼け止めの塗り直しを頑張っていられたら、大体同じくらいのパワーで続けていけることも多いです。

間の空いた、1~2か月にどれくらい、紫外線に当たったのか、ということはお聞きして、肌の反応を診て、強さの設定を決めていますが。

 

でも、3か月以上空くと、ほとんどの方が、強さを下げます。

だって、その間に、シミの予備軍は絶対溜まっていますからね。

真冬なら、同じ強さでいけることもありますが、普通肌~色白の方限定です。

色黒の方は、例え、日焼け止めの塗り直しを頑張っていたとしても、やっぱりパワーは下げますね、安全のため。

火傷していたら、何してるのか、わかりませんからね。

(実際、色黒の方を明るく白くしたい場合、強くすればいいってもんではありませんので、色白の方と、設定は、全然違うんですけどね。季節に関わらず。)

 

ライムライトを続けてされている場合、(例えば、月1回とか)シミの予備軍も、日常生活変わらないなら、溜まる暇、ないですから、安心して、どんどん強くしていけます。

そばかす・濃い目のシミのある方は、やはりどこかで、強めの処置をしないと、なかなか効いてきません。

(肝斑は、全く設定が違います。)

 

どこまで続けるのか、は、患者さんの価値観にもよりますが、せっかくここまで、強くなったのに、もったいない、と思う時もあることはあります。

(来月には、さらにもっと強くできたのにな~、と思うからです。そばかす・濃いシミの話ですよ。)

でも、患者さんが、完全に消えることを希望されていなくて、ここまで薄くなったから、満足、というのであれば、それでOKです。

 

まあ、一番もったいない!と思うのは、肝斑と濃いシミが混ざっている方で、肝斑が落ち着いてからしか、濃いシミの治療できませんよ、と言っていたのに、肝斑がちょっと落ち着いたら、お休みされる場合です。

まだ、肝斑も残ってるし、濃いシミの治療、してないや~ん、と正直思いますが、患者さん側にも事情もおありでしょうし、仕方ないですね。

(もっと早く強い治療にいける、と思いこんでいらっしゃった場合もあります。1回や2回で、肝斑が落ち着いて、濃いシミの治療できたら、世話ないよ~、という無理難題を治療が始まってから、告白される方もたまにいて、びっくりします。

そりゃ、1~2回で、強い治療に切り替えることができる方もいらっしゃいますが、肌質とシミの種類、患者さんのスキンケアの頑張り具合などなど、光や薬との相性もありますしね。)

 

何回で、シミを取って欲しい、とか、ここまで白くして欲しい、という要望に応えるのは無理ですが、例えば、3回なら3回、5回なら5回だけしよう、と最初から決めておられる場合、最初でも途中でもおっしゃってください。

聞いたからって、早くシミが取れるわけでもなんでもありませんが、やる回数が決まっているなら、どのタイミングで、お休みされたらどうですか?と一緒に、治療方針が建てられます。

おっしゃらない場合、ある程度、定期的にされていくと思っていますので、(最初に、時間と回数がかかることは申し上げているので)、シミと肌状況に合わせて、設定をしています。

そろそろ、こういう治療を追加できるかも、と思っていたら、「最初から3回って決めていたので。」と3回目の帰りに言われる方とかいて、それだったら、こうしたほうが良かったのに、ということがあります。

もったいないです。もったいないオバケが出ますよ~。

せっかくお金を払って治療をされているわけなので、もちはもち屋で、プロにご相談ください。利用できるものは、利用しないとね。

 

お休みされる場合、特に、肝斑の方は、薬は急に止めないで、ゆっくり減量したほうがいいですよ、と言っているにもかかわらず、いきなり止める方がいて、満足して止めて、再発していない時はいいんですが、「知らなかった~」という方は、(説明しても忘れておられるわけですが)、止める前に、一言相談されていたら、アドバイスできたのに、と思います。

まあ、患者さんがそれでいいなら、私にはどうすることもできませんし、大きなお世話ですかね。

 

満足してから、お休みする、というのが、理想は理想ですよね。そういう意味では、夏だからと言って、休む必要は、ありません。

貴女次第です。

お休みされる場合は、スキンケアは、とっても頑張る、ということだけは、お忘れなく。それと、一言声をかけていただいたほうが、いいアドバイスができると思いますし、安心して、お休みできるんじゃないでしょうか。

当院で、処置された方には、メールアドレスをお渡ししていますから、それこそメールでいいので、お声をかけてください。

メール相談は、再診料はかかりませんからね~。

 

 

 

 

 

 

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医療