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    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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医療観光ブーム

少し前ですが、学会から、医療観光ブーム(美容整形を目的として、海外旅行すること)が急激に増加して、トラブルがあいついでいて、問題になっていることへの注意喚起がきました。

 

特に、整形大国の韓国は、「術が高くて、しかも安い」と信じている人が多く、医療観光・医療ツアーが増加傾向にあるそうです。

韓国だけでなく、タイ・インド・シンガポールも、外国人医療観光客の数が増えているそうです。年間100万人を超えているそうです。

 

美STで、よく韓国での施術を推奨しているような記事が出ていますが、あれは、ホントにロクでもないと思います。

 

はっきり言って、韓国人と日本人では、「美」の基準が全く違います。

韓国以外のアジアの国、他も全部、多分、日本人の美容整形やプチ整形で、キレイにしたい、という、基準は、ホントに違うでしょう。

(私の、これまた、独断と偏見ですが、タイとかの整形美人って、確かにキレイですが、なんかニューハーフっぽくないですか?顔のいろんなパーツを、大きく目立たせるというか強調するというか。。。ああいうのが、あちらでは、受けるんでしょうけど、日本では、ちょっと痛くないですか?日本人は、顔も体も、ちっちゃいですからね。大柄なパーツは、バランスがとても悪いです。)

 

また、日本人以外は、人からばれようが、キレイになるなら構わない、ガーゼもテープも包帯も、キレイになるなら、へっちゃら、ダウンタイムもなんのその、劇的に変わらないなら、手術をする意味がない、という感覚です。

日本人は、絶対人に知られたくない、ダウンタイムは困る、劇的に変わるのも困る、さりげなく、ちょっとキレイに変わりたい、というのが、大半の方は、施術に関して望んでおられることです。

 

韓国の美容ドクターって、なんでも大丈夫、大丈夫、って言う印象です。(私の独断と偏見ですが。。)

「これ、大丈夫じゃないでしょ?!」ということでも、です。

(もちろん、ちゃんとしたドクターも、きっといらっしゃると思います。私が知らないだけで。)

向こうの大丈夫は、韓国の地元の人には大丈夫な感覚かもしれませんが、日本人には、全然大丈夫じゃない、という、意識の差ですかね。

日本の格安クリニックもダメと思いますが、韓国や外国って、まず言葉が通じないでしょ?

母国語のように話せるなら、どこで受けようが、アリだと思いますが、通訳を介して、ホントに正しく訳してもらっているか、なんて、保障はどこにもないですよ。

なにかあっても、あちらは、カルテと契約書に書いてあるし、あなた、サインしたでしょ、言ったでしょ、なにを文句言っているの?という話です。

また、なにかあった時に、あちらまで、診せにいかないとアフターケアもしてもらえませんからね。

 

実際、言葉のハンデによる、「仕上がり不良」のトラブルだけでなく、医療過誤に対する賠償責任、保険の未整備、手術後のアフターケアやカウンセリングを受けるのが難しい、などなど、たくさんのトラブルが発生しているそうです。

 

楽観的なのも、ここまで来ると、スゴイですね。。。

だって、自分の顔ですよ。

言葉も分かり合えない人に、顔や体を、手術させるんですね。

私は、信じられません。。。安さの問題じゃ、ないと思いますけど。。

そうまでして、やりたいんなら、その人の勝手ですから、大きなお世話ですよね。

(こういう人は、人の忠告とかは絶対聞きませんからね。ひどい目に遭うまで、わからないのか、遭っても、コリないのか。。

まあ、その人の人生ですが。。。。)

 

また、そういうアジアの国で、安いところは、手術とかの衛生面も心配です。

だって、ホントにそういう国のお金持ちの人は、やっぱり、日本と同じくらいの値段を取る、ちゃんとしたクリニックに行っていると思うから。

医療ツアーには、そんなところ、載ってこないでしょうけどね。

(高いから、わざわざ、行く価値ないですものね。)

 

実際、耐性菌(化膿止めである、抗生物質が効かない、ばい菌のこと)を移されて、帰国してから、死亡されている方もいらっしゃるそうです。

 

保険先進国である、アメリカ・カナダでは、大手保険会社を通じて、医療観光を利用される例が多いため、さほど、医療紛争が表面に現れることはないそうですが、アジアで急増する美容整形・レーザーなどの治療・歯科・眼科・漢方薬などの場合、外国人に対する保険の仕組みが皆無と言っても、過言ではないそうです。

 

そりゃ、そうですよね。自国の保険システムも、しっかりと確立しているかどうかもあやしいのに、外国人の保険整備なんて。。

 

アジアは、日本よりも、確かに物価が安いから、美容医療も、物価に合わせて安いとは思いますが、ちゃんとしたところは、それほど安くないですよ。

言葉もわからないのに。どんなものが使われているのかも、国によって、基準もまちまちですし。。

海外で、なにかわからないけど、顔に入れてきた、という方の場合は、うちは、全ての治療をお断りしますね。

何が起こるか、わかりませんから。

 

せめて、医療ツアーに行くなら、そういう保険のことも、ちゃんと確かめてから、行かれてはいかがですか?

アフターケアで、毎日~頻繁に通わないといけなくなったら、どうするつもりですか?

(アメリカ・カナダの医療ツアーの場合、交通費や宿泊費を考えると、日本でするよりも、断然高くなるから、そこまでして、する必要もないですよね。。)

 

よく、学会で、美よ外科の超一流の先生方が言われますが、海外(アジアへの)の医療ツアーに行く、たくさんの日本人のことを嘆いておられました。

「日本ほど、最高の技術を持っている国は、ないのに!」とおっしゃってましたよ。

一体、海外に行って、どんな特殊なことをしたいのか、私にはわかりませんが、日本人ほど、細かく丁寧にしてくれるドクターは、いません。

海外に旅行に行くと、何でも、雑に感じませんか?安いところなら、なおさらです。

雑でも、安いから許せますよね?レストランとか、洋服とかの買い物でも。

ブランドのお店や、お高めのお店でも、日本ほどの、きめ細やかなサービスをしてくれる国は、恐らくないだろうし、かゆいところに手が届く、というのでしょうか。日本人のことが、ホントに理解できるのは、やはり日本人ではないでしょうか。

感覚が、まあ、同じなわけで。。

 

日本では、美容整形やプチ整形が、韓国ほど、オープンにされていないから、あまりされていないように思われるかもしれませんが、大半のクリニックは、学会の指針に従って、(多分ね)、あやしいものは使わないようにしていると思います。

(学会やFDA(アメリカの厚労省みたいなもの)が認めていないモノを使って、患者さんの体・顔に何かあった場合、学会は、一切味方してくれませんからね。また、医療行為を、医師・看護師以外が(エステティシャンなど)行うのも、当たり前ですが、禁止しているし、一切、保障はされません。

まあ、独自の道を行っている美容クリニックも、結構あるのは、ありますが。。。

FDAが認可しているものかどうかくらい、ちょっと調べたら、わかりますからね。

認可していないものを、早々に美容に使うのって、かなりの勇気(というか、無謀?)がいると思います。

日本は、その辺、きっちりしているほうだと思います。(学会自体が)

でも、アジアのほかの国は、何でもあり、というか、何使われたのか、なんて、調べようもないですしね。規制の基準も、国によって、さまざまなので、日本と同じように、考えて、施術を受けたら、ホントに、ひどい目に遭いますよ。お金と時間の問題では済みません。

日本でも、海外でも、格安は格安なりの、理由があるので、いいとこどりなんて、できないんですから、いい加減、そこまでして、美容医療をするのは、止めませんか?

 

 

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医療