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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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化粧品の害

クレンジング、みなさん、止めていただけましたでしょうか?

無添加石けん(純石けん)を購入して、使ってみたのはいいけど、ファンデとかの種類によったら、なんか残っているような感じがする。。。と、なかなか純石けんになじめない方もいらっしゃると思います。

そこをなんとか我慢して、しばらく使っていると、それに慣れてきますから、そうなると、お肌も、どんどん合成界面活性剤の害から、立ち直ってきますから、洗顔後、乾燥がひどかったり、痒くなったり、赤くなったり、などなどの、お肌トラブルが減っていきます。

早い方で、止めたその日のうちに、調子が良くなる方もいらっしゃいます。

それが我慢できずに、やっぱりクレンジングを止められない方も、もちろんいらっしゃいます。

そういう場合は、うちの化粧品なら、プラスリストアのクレンジングソープを使われたらいいんですが、クリニック限定化粧品ですので、クリニックに来ないと(うちなら、診察を受けないと)買えません。

なかなか来れない方、あるいは、クレンジングソープが高いと思われる方、(だったら、純石けん(1個¥150くらい)で頑張ればいいんですけど)、そういう方が、今まで使っていたクレンジングはそのままに、ダブル洗顔の洗顔フォームを、純石けんに変えた、という方が、たまにいらっしゃいます。

はっきり言って、これは、やりすぎです。洗いすぎです。

純石けんだけで、メイクが落ちるくらいですから、かなりの洗浄力があります。

クレンジングで、お肌を根こそぎ荒らされた後に、純石けんで、さらに洗ったら、乾燥肌の方なんて、もうバシバシになります。

以前にまして、乾燥がひどくなり、今までの、クレンジング+洗顔フォームの組み合わせよりも、ひどくなるんじゃないでしょうか。

界面活性剤の害はマシかもしれませんが、乾燥がひどくなりますから、お肌の状態は、トータルでひどくなると思いますし、私は、勧めません。

私の言っているスキンケアを、自分にとってのいいとこどりをされても、それが、私の考える理論と一致されていればいいですが、一致していなければ、全く違うスキンケアのわけで、自分でそれが皮膚科学上わかってされているなら、何も言いません。

(でも、私と考え方が違うなら、うちで治療をしないでください。キレイにする自信はありません。)

ご自分で、正しいと思う道を進んでください。

クレンジングをしながら、洗顔フォームを純石けんに変えるだけでいいなら、私も最初から、そういうわけでしょ?

でも、そうは言っていませんよね。

クレンジング一切(洗顔フォームも)を止めろ、と言っているんです。

世の中には、合成界面活性剤の害をわかっているメーカーも、もちろんあり、ちょっとでも優しく汚れを落とそうと、界面活性剤の代わりに、乳化剤という成分に変えて、クレンジングと洗顔フォームを出しているメーカーーもあります。

(うちのクリニックの洗面所にも、置いています。)

確かに、市販のクレンジングのことを思えば、かなり優しいとは思いますが、やっぱり純石けんとは違うんですね~。

私の家には、クレンジングというものが存在しません。純石けんのみです。脂性なので、たま~に、ピールバー(ピーリング石けんのことです。肌が健康であれば、好きな時に、乾燥さえしていなければ、ピーリングができます。ただし、ピーリングの強さとかは選ばないといけませんが。)を使います。

化粧を落とすためにピーリングをするのではなく、たまの毛穴掃除目的で使います。

純石けんで、ず~っと洗っていて、たまに、そういう優しいと配慮されているクレンジングと洗顔フォームを使うと、「取られた~!(肌のいろんな成分が)」という感じがします。

洗顔後、乾燥しますね。

純石けんに慣れると、比べることができるので、いかに、いろんな大事なものが取られたのかがわかります。

汚れだけ取れたらいいんですが、なかなかそういうクレンジングはなくて、あっても、お値段もそこそこします。

(市販では、合成界面活性剤のくせに、高い値段を取っているメーカーもあります。高いから、いい、というわけではありません。)

汚れだけでなく、お肌の大事な成分まで取ってしまうなら、ホントに洗わないほうがマシです。

顔を洗うな、と言っているんではないですよ。それだけ、クレンジングというものが、やりすぎ、ということが言いたいわけです。

日本製のメイク用品で、純石けんで顔を洗って、それでも残っているようなものって、害はありません。ほっておいたら、勝手に垢と一緒に取れ行きます。

(日本製でないもの・あまりにも品質の悪いものは、ちょっとわかりませんが。100均の化粧品は、止めておきましょうね。化粧品の原価は、1割以下、と一般的に言われていますから、その辺は、ご自分で推測してください。)

で、クレンジングを止めて、お肌を扱うのも、とっても優しく、赤ちゃんを扱うように扱っているのに、なかなか肝斑やお肌のちょっとしたトラブルが良くならない方がいらっしゃいます。

良くなる時もあるんですが、またすぐに戻るんですね。

そういう方の中には、季節の花粉などでもアレルギーがあって、最初は、アレルギーのせいかな、と思っていたんですが、肝斑や赤みのでき方が、顔のほほの端のほう、首との境目くらいに、赤み・茶色みが地図みたいに、なっています。

(だからご自分では、見えないので、気づかれないわけです。)

そういう方が使われている化粧品を、ず~っと聞いていくと、高機能化粧品を足しておられる場合があります。

うちで、ナビジョンを買っておられても、ご自分で他の化粧品(ファンデや美容液など)を足しておられる場合もあるので、基礎化粧品だけでなく、全ての化粧品を聞いていく必要があります。

「高機能化粧品」というと、ピンとこない方もいらっしゃるかもしれませんが、例えば、化粧品のパッケージなどに、「美白」「ホワイトニング」「くすみを取る」「シワ対策」「たるみ予防」など、みなさんが大好きな言葉が書いてある化粧品のことです。

そもそも、市販の化粧品は、薬ではないわけで、ホントに効く成分なんて、混ざられるわけがありません。

一部、医薬部外品という、特殊な、化粧品と医薬品との間みたいなものもありますが、それでも、医薬品なみに、成分をバンバン混ぜられるわけではないのです。

ホントに、「効く」なら、それなりの副作用があったり、使っていい人に制限があったり(だから、診察がいるわけです)、すなわち、「医療」なんです。

赤の他人に、「効きますよ」「改善しますよ」と言っていいのは、医師免許のある医師と医療行為だけです。

それ以外のエステ・化粧品は、医療ではないから、言ってはいけません。医師法違反・薬事法違反です。

どうして言ってはいけないのか?

だって、効かないから。効くわけないので、完全に詐欺なんです。

「だって、化粧品に書いてある!」と憤慨される方、もう一度、パッケージをよく読んでください。

どこにも「シミを消す」「シワを消す」「たるみを改善する」なんて、書いてないでしょ?

雑誌やCMのイメージだけで、「効く」と思わせられているだけなんです。

でも、それだと、化粧品売れませんよね。

特に、高機能化粧品は、各メーカーとも、一応高い研究開発費もかけていますし、広告にも費用をかけています。これで儲けないとメーカーも困るわけです。

でも、ホントに効く成分を、効くほどには、いれられないわけです。

じゃあ、どうしたらいいのか?どうしたら、またお客さんは、リピートして買ってくれて、「この化粧品は効く!」と評判になるのか?

答えは、ピーリング剤を混ぜるんです。あるいは、ピーリングと同等の作用をするものを。

ごく弱~いものを、少量混ぜてあるんです。成分表を見ても、あまりトップには書いていません。(多分)

ピーリング作用があることで、角質を取って、クスミを取り、つるつるには一見なりますから、使った人は、なんとなく白くなった気がする、手触りがつるつるする!とはまるわけです。

そのメーカーが押している成分で、効いてるように感じているのではないんです。

ピーリング自体の作用として、角質をちょっと取って、そうすることで、お肌の代謝が上がって、手触りもつるつるさせる、素晴らしいことですね。

私もピーリングは大好きです。

でも、やっていい時と悪い時があるし、強さも大切ですし、顔中やっていいのか、鼻だけなのか、一部分なのか、というのもその都度、お肌の状態によっても違うわけです。

また、「この日にピーリングをした」と自覚を持って、やることが大切です。

のべつまくなし、何も考えずに、やる、というのは、私は勧めていません。

絶えずやり続けることで、弱いものであっても、角質がどんどん薄くなり、バリア機能が弱くなってしまいます。また、角質が薄くなることで、肌の保湿機能も減るし、紫外線などのカット機能も減るわけです。

角質は、お肌の鎧みたいなものなのです。

たまに、古い鎧を取ってあげて、新しい鎧に変える、というのはいいんですが、(必要なら)、毎日毎日、鎧を取っていたら、鎧が無くなってしまうか、弱い鎧だけ、ということになりかねません。

ニキビとか特別な理由があって、わかっていて毎日やるのは構いませんが(ちゃんと専門の医師と相談しならがね。)、普段のスキンケアとして、特に乾燥肌の方がやるものではないと私は思います。

高機能化粧品でも、そういうピーリング剤が入っていないものもあるかもしれませんが、たいてい市販のものに入っていると思ってください。

肝斑や赤みがなかなか引かなかった患者さんの化粧品を調べていったときに、ひとつが、某有名ドクターズコスメメーカーの美白機能付きBBクリームです。

これには、「サリチル酸シランジオール」という、ピーリング剤が入っていました。美白、美白といいながら、ピーリング剤が入っているわけです。

毎日、ピーリング剤とは患者さんは知らずに、顔中、何年も塗っておられたわけです。

患者さんに指摘した時に、「言われてみれば、これを使いだしてから、顔がかゆくなるようになった気がする。。」と言われ、調べる前に確信を持ちました。

ただ、メーカーによっては、ネットで、全成分表示をしていないメーカーもあり、(私は、こういうメーカーはダメだと思いますが。どんなに、高級化粧品であっても、ブランドであっても。)、成分が見えないと、調べられません。

別の患者さんは、ナビジョンを買っておられたので、基礎化粧品ではないのかな、と油断していたら、化粧水だけ別のメーカーを使っておられて、その化粧水が、さっぱりしているヤツでした。(塗ると、す~す~するタイプです。)

たいてい、こういうのには、アルコールがたっぷり入っていて、これまたろくでもありません。

アルコールによる慢性炎症を引き起こします。

どんな化粧品でも、水と油を混ぜて溶かすために、極少量のアルコールが入っていることはあります。

極少量であれば、まあ、言うほど、問題になることはありませんが、塗ってスースーするくらいとなると、ものすごい量です。ホントに、アルコールを塗っているわけです。

アルコールは消毒薬としても使われますが、バイ菌を殺すだけでなく、お肌も殺してしまうわけです。バイ菌だけ殺すなんて、都合のいいことはできません。

かなり前からの医学でも、キズは消毒しません。(健康な方のキレイなキズの場合です。すべてではないです。)

それくらい、消毒は、有効なこともあれば、体にとって、毒にもなるんです。

アルコールも同じです。

今、一般によく売れている化粧品メーカーは、「アルコールが悪い」とかなり前から知られるようになって、減らしているメーカーが多いと思いますが、大手でもまだまだ、山ほどアルコールを入れている商品もあるので、注意が必要です。

ニキビは、化粧品では治りませんから、「薬用」「ニキビ用」というのに、騙されて使っていると、たっぷりアルコールとピーリング剤が入っていることがあり、ニキビお死ぬけど、お肌も死んじゃう、ということにもなるわけです。

ニキビ肌でも保湿は必要で、(注:保湿=クリームではありません)、もちろん、自分の皮脂で保湿がいけてるなら、化粧品で保湿する必要はありません。

CMでもやっているでしょ?「ニキビは皮膚科へ」って。

市販の化粧品で必要なものは、保湿と日焼け止めだけです。

(ちなみに、エステも、ただの化粧品です。医薬品ではありません。だからエステでなんか、「治す」ということはできません。)

それ以上のことが、家でしたいのなら、クリニック用の化粧品を選んでもらうか、一部の医薬部外品を使うか(中身がわかってて、使いましょうね。)、医薬品を使うか、です。

化粧品に、できないことを求めてはいけません。役割が違うんですから。

私は、化粧品自体は大好きですし、化粧品を使うな、と言っているわけではありません。

ただ、みなさん、マスコミに躍らせれて、いらんものをたくさん買って、その上、お肌を痛めているのが、悲しいです。

正しく選んで使えば、最低必要な基礎化粧品なんて、ホントに、それほどお金がかかるものではありません。

保湿目的の化粧品に、無茶なお金をかけるなら、メイクアップの化粧品にお金を回すほうがいいですし、高機能化粧品をホントに使いたいなら、クリニック用のものでないと、意味ないですよ。市販で効くものなんて、存在しませんから。

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スキンケア, 化粧品