今月号の美STに、美容医療特集がかなりのページを割かれて載っていますね。
どんな雑誌でもそうですが、一度にいろんなクリニックといろんな治療が載っているので、全くの素人の方からしたら、「こんなことも美容医療でできるのか、こんな治療があるんだ」と、そういう意味では分かりやすいと思います。
以前のアンアンの美容皮膚科特集(何回かされているので、どの号の分か忘れましたが)、かなりマニアックな美容医療も載っていて、「いきなり、全く知らない人が見たら、ちょっと引くんじゃない。。。」というのもあったので、そういう意味では、今回の美STは、新しいものからスタンダードなものまで、初心者から上級者までと、いろいろあって、わかりやすいと思います。
Dr.ウサコの認定ドクターのクリニックから、美STファミリーいきつけのクリニックまで、多数紹介されていて、編集部のほうから載せるのをお願いされたクリニックもあれば、(学会でも超有名どころのドクター方がいらっしゃるので、そんなところは、取材される側であって、お金は払われないでしょう。)、載せてもらうのに、どこまでお金がからんでいるのかなと思ってしまうようなクリニックもあり、それは編集部にしかわかりません。
それだけ、美STに載る、というのは、美容クリニックからしたら、ものすごい反響があると思いますから、そういうのに興味のあるドクターは、お金を払ってでも乗っちゃうでしょう。
クリニックといえども、経営はやっていかないといけないわけだし、もちろん、素晴らしいクリニックもあって、美STに載ることで、世間に知られて、そのドクターのいい治療が認知されていくのは、とてもいいと思います。
ただ、読者の方は、なんでも鵜呑みにされませんように。
雑誌に載せる治療内容は、全体のバランスを見て編集部で、ここのクリニックは、これでお願いします、というのがありますから、たとえば、連れてこられたモデル役の方に、向いていない治療も、中にはあるわけです。
モデル役の方も、その場でいきなりカウンセで、どんな副作用があるのか合併症は?初めて聞かされるわけで、ビックリされることもあるかと思います。
これは、まあ、よくある話です。
でも、もう段取りが済んでいるので、いまさら治療内容を変えるわけにも、モデルを変えるわけにもいかないんです。
予定通り、やらないと。
(明日、生放送のあるタレントさんに、私は、注射はしませんね。。ご本人が、ホントに気にしない、というなら話は別ですが。。内出血は、プロのメイクさんなら、ある程度隠してくれますが、腫れはどうもできません。
明日、大丈夫ですか?と聞かれても、「わかりません」としか、私は答えようがないですね。。心配な方は、日にちを変えるように言っていますから。
絶対、なんて、ありませんよ。だって、注射ですから。
今なんて、TV、すっごいキレイに映るでしょ?女優さんやモデルさんは大変だな、と思って、TVを観ています。)
いろんなことが、美容医療で、実はできるんだ!というのを、紹介されるのは、美容医療業界からしたら、とてもありがたいことです。
美容医療を、ここまで市民権を得られるようにしたのは、美STのおかげと言っても、過言はないと思います。
私たち、美容医療にたずさわる者として、美STに感謝しないといけないでしょうね。
おかしなエステにいって、効きもしない施術に大金取られて、火傷させられて、傷跡残って、と被害者が後を絶たない中で、美容医療がもっと知られていれば、そういう被害者は、減るわけです。
(また違う意味の(美容医療の)被害者は出てきますが、まだ医療なので、エステの被害よりは、私はマシと思っています。シミやシワ・たるみを治すためにエステに行く!、というのは、入口からして間違っているわけですから。
あとは、多くのクリニックの中から患者さんがどう選ぶのか、です。)
ただね、いつも美STはやりすぎなんですよね。。。
あおりすぎというか。。。
もうちょっと、副作用や合併症も、同じくらに大々的にページを割かないと。
基本、いいことばっかり書いていますよね。
隅のほうに、ちょこっと合併症のことが、軽~く書いてあることもありますが、全部の施術の副作用が、同じページにちゃんと載っていませんよね。
あおるだけじゃね、ダメなんですよ。
そのまま信じた読者は、雑誌通りになると思って、美容クリニックに行って、ホントに揉めますよ。
一つのクリニックのページが少ないので、いちいち全部書いてはいられないでしょうし、実際、患者さんが受診されるなら、受診する前に、ちゃんと自分で調べろよ、との言い分もわかりますが、そのまま鵜呑みにする読者が多いことくらい、わかっているでしょうに。
だからこそ、この雑誌は、反響も大きく、売れているわけでしょう?
編集部の方はみなさんわかっているくせに、と思いますね。
ちゃんと副作用やリスクのことを載せれば、これだけの読者がついている雑誌なんだから、いい方向に行くと思うんですけど、スポンサーの問題とかありますから、ホントのいいことばかり載せてられないのも事実でしょう。
ホントのことを書くと、エステと化粧品会社のスポンサーは大幅に減るでしょうし、美容クリニックにしろ、ホントに自信を持って読者に紹介できる良心的なクリニックというのも限られていますから、そういうところばかりがスポンサーになってくれるわけではありません。
また、そういう良心的なところは、こんな大手の雑誌の広告料なんて、ハンパなく高いですからね、そんなお金を払ってまで、広告をしようとは思われないでしょう。
だって、今だって、患者さんが大勢来られているわけですから、必要ないんですよね、そういうところは。
スポンサーがいないと、すべてのマスコミは成り立ちません。
雑誌もTVも。
だから、難しいんですよ。ホントのことを紹介するのなんて。
そんなことができるのは、NHKだけです。
「ためしてガッテン!」は大変ためになりますし、そういうものを真っ向から否定してくれるTV番組です。
でも、認知度が低いので、美STほど、大勢の方(特に、美容に興味のある女性たち)が番組を見ているわけではありません。
インパクトが弱いんでしょうね。評判にまで、一般の方の美容業界ではならないんですよね。
NHKの他の番組も、なんとか視聴率を上げようと、一部、民放のような構成にしている番組もありますが、民放みたいに、医学的におかしなことを言いきったりはしないので、やはりインパクトにかけてしまいます。
TVも雑誌も「娯楽」ですからね、みんな楽しくおもしろおかしく観たいわけですよね。
だから、美容医療特集といえども、「娯楽」として見てくださいね。
学会でも有名なドクターも私が尊敬するドクターも、今回の美STにも登場されていますが、紙面は、そのドクター方が編集構成されたわけでも、医療監修が入っているわけでもありません。
ただ、取材された内容を、編集部のほうで、編集されているんです。
編集権は、出版社側にありますから、取材されたほうはどうもできません。
そういうこと、わかって、ちゃんと見てくださいね。
今回、「アフターのその後」というのが載っていましたね。
東京のクロスクリニックの石川先生のブログに書いてありましたが(詳しくは、石川先生のブログで)、この企画、石川先生がずっと編集部におっしゃっていて、今回やっと企画が紙面い登場したそうです。
「その後をちゃんと載せないとダメだ」とおっしゃって。
石川先生は、面識もありませんが、学会でもマスコミ活動でも有名なドクターで、美容医療の普及にも多大なる貢献をされているドクターです。
マスコミの必要性もすべてわかっていらっしゃるドクターだと思います。
(石川先生の学会発表は、とてもお茶目で(失礼)、大変勉強になるので、いつも楽しみにしています。)
ああ、また、石川先生、太っちゃったんですね。。。(私も人のことは言えませんが。。)
石川先生の今後のマスコミでのご活躍に期待しております。
マスコミが暴走しすぎないように、また一般の方が美容医療を誤解しないように、美容医療とマスコミと患者さんの橋渡しをうまくしていってくださる要になる方だと思っていますので、お体気を付けて、頑張っていただきたいものです。
さて、話を戻します。
今回、いろいろな美容医療が載っていましたが、ドクターズコスメとはちょっと違うんですが、クリニックから処方される医薬品で、シミ・しわ・たるみを何とかして欲しい的なページがありましたが、あまり信じ込まれませんように。
紙面でも、ちっちゃい字で、効果のほどは、特効薬ではない、ようなことが書いていますが、もっと大きな字で、「これだっ!」みたいに載っていますよね。
シワに効く薬をほしい、と言って、洗顔フォームや化粧水・乳液を買わされたら、貴女、怒りませんか?
いくらクリニック処方(開発)の化粧品や医薬品と言っても、ホームケアはホームケアなんです。
ちゃんと、光・レーザー・RF治療やボトックス・ヒアルロン酸との違いを説明されたうえで、患者さんがわかって、化粧品を購入されるならいいですけど、ホームケアにあまり期待させたら、ダメだと私は思います。
そんなもので解決すらなら、レーザーも注射もいらんでしょ。
基礎化粧品やホームケアって、あくまで、スキンケアの基本です。
どこまでの医薬品を使うのか、何のために使うのか、それで内容は変わりますけどね。
うちに来られて、基本であるホームケアに、多大な期待を持っている方は、がっかりさせるだけなので、購入をお断りしています。
だって、その1万や2万でホントに効くならいいですよ。
でも、そこまで効かないでしょ。
あるいは、そのお金が別に構わない、と思うなら、買ったらいいですよ。
でも、ホントに効くものがほしいなら、そのお金、レーザーや注射をする足しにして、貯金すべきですよ。
基礎化粧品なんて、最低限のものだけ揃えればいいわけですから。
(化粧品の質は大事ですけどね。)
ページの下に、ダメなクリニックとして、シワの相談に行ったら、速攻ボトックスを勧められ、「ホームケアで。」と言ったら、女医の眉間にシワが!みたいに載っていました。
¥15.000の美容液を紹介されて、「これで少しは改善しますか?」と聞いたら、「しません」と5分で終わった、と記載がありました。
これ、みなさん、どう思います?
一見、このクリニック、全然説明もせず、ホームケアに興味なく、ボトックスばっかり勧める金儲け主義みたいに、思いますか?
真偽のほどはわかりませんが、患者さんが相談されるシワって、いろいろな種類があるんです。
シワの治療=これっ!って、決まっているわけではありません。
症状によって、違うんです。
一体、どのシワを相談されたのか知りませんが、もし眉間の縦ジワなら、アラフォーの方なら、まずボトックスです。
ボトックスありき、です。
どうしてもボトックスがイヤ!というなら、次の選択肢は、ヒアルロン酸がたいてい勧められると思いますが、ボトックスせずに、ヒアルだけしても、効果は、むちゃくちゃ悪いです。それくらい、ボトックスありきなんです。
眉間の縦ジワに、「ホームケアで。」で、言われたら、ふざけてんのか~!とちゃぶ台ひっくり返されてもおかしくないくらい、効きません。
もちろん、素人の方には、そんなことはわかるわけないと思いますが、こういう、クリニック用の化粧品や処方薬のホームケアはすごい!という特集が組まれているためか、ホームケアの意味をはき違えて、過大な期待を持って受診される方も、うちにもたまに来られます。
もうそれで、治る、みたいに、どんどん、妄想が進んでいるというか、期待が膨らみすぎて、もうわけわかんなくなっているんですよね。
ここまで膨らんだ人に、何を言っても無駄なことが多く、何度説明しても、雑誌に効くと書いてあった、ネット(うちのではなく)に書いてあった、と聞く耳を持ちません。
そんな方は、大体すぐにわかりけどね、話がホントに通じないから。
そんな人が来たら、ちゃぶ台はひっくり返しませんが、あ~あ~、と思って、私も眉間にシワは寄せるでしょう。。。
(私は、眉間にボトックスしてますから、実際寄りませんが。。。)
それで、仕方なく、何か化粧品紹介して、というなら、しますが、「効きますか?」と聞かれたら、「効きません」と言うでしょう。
患者さんに余計な期待を抱かせて、買わすほうが、よっぽど悪質だと私は思います。
まあ、うちで化粧品を買う場合、説明はしますけど、過大な期待をしている方には、ホントに揉めるだけなので、売りません。
まあ、副作用がほとんどないもので、それでもほしい、と言い張るなら、「効かないですけど、いいんですね?」と確認までしてから売ります。
でないと、あとから、効かない、と文句言うんですよ。「効かない」って、言ったでしょって。。だから、売りたくないんです。
ホームケアで、光・レーザー・RF・注射に勝るものなんて、ほとんどありませんし、もともと役割が違うんですから、同じ土俵に持ってきて、比べるのは止めてほしいです。
ホームケアは、まず基本で、そこに、クリニックでないとできない医療を足していく、というのが、理想です。
美容クリニックで、たくさん化粧品や処方薬を買わされたことないですか?
効きましたか?
値段の割にどうですか?
最初のカウンセで受けたのと同じだけの効果を、そのホームケアは約束してくれましたか?
してないでしょ?
そのまま、記事を真に受けちゃダメですよ。
特に、大きな字しか読まずに、(まだ今回は小さく書いてあっただけましです。)真に受けると、お金も時間も足りませんよ。
とりあえず、診察・カウンセに行って、話を聞く、というのはいいと思いますが、納得するまで、お金払ったら、ダメですよ。
雑誌やHPに書いてある、いいことばっかりの内容と、そこのドクターの印象が違ったら、貴女には合っていないんです、そこは。
とりあえず、話だけ聞いて、帰ってきましょう。ゆっくり考えればいいんですから。
ちなみに、ホントにいいクリニックは、患者さんが、処置名を名指しで希望されても、どうしてそれがしたいのか、何を改善したくてしたいのか、ちゃんと具体的に聞いてくれます。
患者さんの思い違いって、ものすごく多いので。
何も聞かずに、はいはい、と簡単に説明して、お金だけ取ってる、というクリニックは、ダメですよ。
ホントにいいものを勧められてたり(営業のこともありますが)、断られたり、全く違うものを勧められたり、といろいろです。
希望を伝えるのは、大事ですが、それが全てではないので、思い込みは捨てましょうね。
雑誌をそのまま、信じると裏切られるだけです。
あくまでも参考にするだけにしてください。