プロフィール

  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

カレンダー

2013年5月
« 4月   6月 »
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

最近投稿した写真

ホーム > その他, 医療 > 美容医療をやる回数の目安



美容医療をやる回数の目安

うちのHPの「よくあるご相談」というところにも書いていますが、たまに、うちに来られる患者さんから、「何回したらいいですか?」と聞かれます。

HPにも書いてあるように答えるだけなんですけどね。

 

美肌にしろ、美白にしろ、終わりってないんですよ。

「老化」って、止まりませんからね。

頑張って、何回かやって、白くなったり、シワやタルミが改善したとしても、老化がずっと進んでいきます。死ぬまで一生、老化は進むのです。

白くなろうが、シワが減ろうが、またシミは作られるし、シワも出てきます。

脱毛は、とてもわかりやすく、終わりが見えやすいですよね。

毛が無くなったら、終わりです。

皮膚の裏側を見るわけではないですから、いつの時点で、毛が無くなったのかはわかりませんから、何年かしてからまた1本、生えてきたりとかは、ありますが、わざわざお金を払って、また脱毛をしてもらうのか、となると、これくらいなら、自分で剃ったらいいや、と思えれば、その人にとっては、治療はもう終了でいいですよね。

(細~い産毛まで、全くの完全脱毛しようというのは、まあ、無理と思っておいたほうがいいでしょう。一部のクリニックで、かなり産毛の脱毛をしてくれるところもあるとは思いますが、結構大変ではないのかしら。お値段や回数(というか、目安)や注意事項は必ず確認されてくださいね。)

 

脱毛は減らせばいいわけで、シミやシワは、増えていくものを減らしていかないといけないので、逆行です。難しいのに決まってます。

美容医療に、どこまでお金と時間をかけられるのか、なんて、人それぞれだし、その時の状況によっても、全然違うでしょう。

だから、その人にとって無理のない範囲で、(気になるなら)定期的にやる、というのが一番いいと思います。

何かイベントがあるとか、具体的な目的があるなら、それまで、ガーッと一気にやったらいいと思いますが(やりたいんだったら)、一生老化は進むのに、ずーっと全力疾走していたら、お金と時間も体力も精神的にももたないでしょ。どうです?

だから、その人の無理のない範囲で、のんびりカメでもいいから、定期的にやっていったらいいと思います。

どこまで目指して、どの辺で維持したいのか。

それは、人のお金と時間の価値観です。コンプレックスも大いに関係しているでしょうけど。

 

昔、初めてフォトフェイシャルが日本に入ってきたときに、「とりあえず5回」みたいに言われました。

5回って、何をするにしても、ひと段落っちゃーひと段落です。

よく言われるが、「お肌をワンランク上げるのに、5回くらい、あるいは5回前後くらいが目安」ということです。

ただ、この「ワンランク」というのが曲者で、私たち医療関係者から見たら、学会やセミナーで、ビフォーアフターの写真を見て、「ワンランク上がったな、あがっているな。」と感じる程度と、患者さんが、もしそういうふうに説明されて治療を受けた場合、期待していた「ワンランク」と大いに差がある場合があります。

「ワンランク」の程度が全然違うわけです。

よくよく話を聞いてみると、「それはワンランクって言わないでしょう~。3ランクくらい上じゃない?」みたいなこともあり、タルミ治療でも、「ちょっと上がったらいいんです」と指で思いっきり、ホホを引っ張っていて、「それ、光やレーザーで無理だし。フェイスリフトとか手術じゃないと・・。」みたいなこともあります。

シミや肝斑の治療にしても、ちょっとでもファンデで隠しやすくなったらいい、という方も要れば、徹底的に減らして白くなりたい!と続けて長期に通う方もいらっしゃいます。エステ感覚です。

価値観も経済力も全く違うわけで、もちろん肌質・肌の状況・シミの色や形態・肌色やその方の普段いる環境やスキンケアによって、全部違うんです。

そんなものを、数値化して、1回で、何個消します、みたいに、「○○回してください。」なんて、言えるわけないでしょ。私は神様かっちゅーねん!

 

そこまで言い切る必要はないから、おおよその目安(あるいは平均)を教えてください、という方も中にはいて、知りたい気持ちはわかりますが、スキンケアの重要性と老化は止まらないこと、個人個人全然条件が違うから、という話を散々したあとで、しれっと聞いてこられると、理解できていないんだな、と思います。

それでまた何度も同じことを繰り返して、それでも「平均が無理でも目安と教えてくれ」と、わけわからん日本語を言うという。。。

(まあ、こういう方は、美容医療は向いていないと私は思うので(少なくとも、私のやる美容医療は向いていないです)、うちでは治療をお断りしています。)

「そんなはっきり回数を言わなくても、○○回以上とか、最低何回とか教えてほしい」と言われることもありますが、それも全く同じで、わかりません。というか、スキンケア(特に日焼け止めなど、やることやってから言えっちゅーの、と思います。取らぬ狸の皮算用で、こういうことを言う人に限って、そういうことばっかり言ってきます。

 

昔勤めていたところでは、というか、どちらかと言えば業界の主流が、「最低3回以上は必要ですよ」とか「5回以上はしてくださいね」というのが、まあ、謳い文句というか、やる側もされる側も確かにそういう目安を言って、クリニック側がコースを買わせる、というのが、一般的でした。利益重視のために、そういうところも多くありました。

 

ホントの意味では、1コース=○○回(治療内容によって違いますが)という目安自体は、医療者側には、ある程度あります。

ただ、その目安が、患者さんとの間に、かなりの差があるので、私はもう使っていませんし、あまり患者さんに言いません。

「3回以上」「5回以上」といくら言ったところで、患者さんは勝手に、「3回」「5回」と決めてしまうんです。特に、そういうことを聞く方は、そういう傾向に多い。

で、実際、3回目や5回目に、「シミ消えてませんけど」「シワがまだ気になるんですけど」と不満そうに言われるので、「以上って、説明したでしょ」となったところで、「それはわかっていますけど。。。」と、またしても不満が残るわけです。

具体的な数字を言われただけに、勝手に期待してしまうんですよね、最初の説明は忘れちゃって。

ある程度、回数を言える治療もあれば、全然言えない治療もあるわけですが、せっかく、少し良くなってきていたのに、不満が残るというのは、私も不本意なので、開業して以来、ライムライトや肝斑治療、シワやタルミ治療などの美肌・美白治療では、やればやるほどいいので、どこまでするのかは、私から強制は一切しないので、自分で決めてください、と言います。私がお金を払うわけではないですからね。

お金があるなら、やったらいいと思いますけど、お金の問題があるから、やるかどうするか悩んでいらっしゃるわけで、それに関しては、私が介入することではないでしょう。ノータッチです。医学的にどうするのがいいのか、という説明と提案はしたわけですから。

私に、背中を押してほしいのかもしれませんが、お金で悩んでいる方の背中は一切押しません。自分で決めてください。

(こういう方は、質問の内容がお金のことばかりなので、すぐにわかります。ご自分でも予算が限られているともおっしゃいますし。)

まあ、こういう方は、とりあえずやって、どんな感じなのか見る、ということにも決心がつきませんから、そういう方には、なおさら勧めませんけど。1回分のお金が貴重なわけで。ご自身で踏ん切りをつけていただかないと。

 

エステや悪徳美容クリニックでよくあるパターンが、「5回でキレイになりますよ」とかすっごい具体的なことを言って、すぐにコースを買わせます。(こういう言い切りに、消費者は弱いんですよね。ついやってしまいたくなる。)

せっせと患者さんは、スキンケアもせずに(そういう説明もないから)、とりあえず通って、言われた回数を消化していきます。

(やればいいと思っているから消化することだけを考えて、詰めて通ったりされる人もいるようです。)

で、コース最後の日や終わってからの診察で、ご本人が満足していない場合、「普通は、1クールでキレイになるんですけどね、貴女にはまだ足りないようですね。もう1コースされたら、キレイになりますよ。」と、また1コース買わせるのです。

(満足されたのであれば、勧められても、気が済んだからやらないか、気にってまたやるのか、どちらかでしょうが、満足しているのなら、好きにされたらいいわけで、問題はありません。)

で、また1コース済んでも、なんか全然キレイにならないし、なんかおかしい、このまま続けていいのかな、と思って、また言うと、今度は全然違う治療の、しかも、またしてもコースを勧められたり、しかも勧められた治療が、実は前よりももっといいものだったり、それなら、どうして、最初からそっちを勧めてくれなかったのか!?と不信に思いませんか?

とりあえず、どんどん、何かさせていくわけです。

本当にキレイになろうが、なるまいが、そんなことは、こういうクリニックやエステは関係ないんですよね。

お金が大事だから。

 

ちょうど、今日、スタッフの研修で説明していましたが、確かに、そういう営業の仕方って、経営というか、お金をとりあえず稼ぐ、という意味からすればアリなのかもしれませんが、結局、こういう自分達の儲けしか考えていない営業をすると、患者さんは不信感を抱いたまま、離れていきます。

本当の意味でのリピーターが減ってしまうわけです。

おかしな広告を出して、新規の顧客をまた騙して、と、最悪の悪循環に突入です。

スタッフにも言いましたが、「目先のお金にとらわれない!」ということ。

ちゃんと、患者さんの立場に立って、いい治療をしていたら、老化は止まらない以上、また気になったら、治療をしに来てくださいます。いわゆるリピーターですね。

結果にお金はついてくるから、目先の利益を優先させない!

 

はいっ!

今、私、とってもいいこと言いました~。自分で自分に感動~♪

あまりに名言なので、ここに書いておきますね。

 

とりあえず、患者さん騙して(騙す気がなくても、結果騙したことと同じで)、コース買わせたり、お金巻き上げても、そんな経営がうまくいくわけありません。

患者さんが、ちゃんと理解して、お肌と老化と、仲良く向き合ってもらえると、一番嬉しいです。

お肌と老化について、正しく理解できれば、お金も時間も、本当に本当に有効に使えますよ!

スキンケアを頑張れば頑張るほど、美容医療にお金もかからないし、一石二鳥です。

スキンケアに終わりがないように、美容医療にも終わりがありません。

だからこそ、無理のない範囲で、どこかで限界を知って、妥協をすることも必要ですし、ある程度は気にして、ほどほどに上を目指していくことも同時に大切です。

価値観は人それぞれですから、情報に惑わされることなく、やってみてください。

 

ちなみに、回数を気にする方は、美容医療は、まだ止めておくべきです。人間、機械ではありませんからね。数字で割り切れるものではありません。

何度も書いていますが、おかしなところの餌食になるだけですよ。

 

 

 

カテゴリ:

その他, 医療