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    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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水光注射やリデンシティー

最近、この注射を宣伝する美容クリックが増えましたね。

美STにも、ちょっと前から結構載っていて、魔法のような治療方法であるかのような書き方が載っていますね。

どうして、あそこまで煽るんでしょうか。。。雑誌に書いてあるイメージほどの、魔法でもないし、誇大広告すぎだと思うのですが。。。

ライターの方が、よほどお好きとか?

「水光注射」って言葉にインパクトがありますから、記事は書きやすいし、読者も興味をそそられやすいネーミングですね。

こうなると、ネーミングの偉大さに感動していまします。

 

「リディンシティー」は、ただの商品名ですから、知っている人は知っているし、知らない人は知らないし、となりますが、「水光注射」って聞くと、なんかよくわからないけど、みずみずしそうで、光り輝くのかしら。。。?と願望も込めて期待してしまいませんか?

何何?それって?って、興味を引きますよね。

 

簡単に言うと、ヒアルロン酸を含んだ、いろんな成分(ボトックスやビタミン剤や各種アミノ酸など)を一緒にして、お肌に、細かく注射してやることです。

ヒアルロン酸を含んだお肌の美容液というか栄養剤というか、それをたくさん注射して、中からドーピングというか。

たくさん刺されることで起こる腫れ・内出血などの副作用を気にしないのであれば、いろんなものを入れてやることで、ボロボロの汚いお肌を上げて見せてくれる可能性があります。

簡単に言うと、まあ、単純に足すわけですので。

スキンケアして、お肌元気にして、光やレーザーあてて、お肌にも頑張ってもらって、というのに比べると、時間がかかりません。

まさに、究極のメイクでしょうか。

最大の欠点は、必ず吸収してなくなります。

しかも、こういうのに使われるヒアルロン酸は、皮膚になじみやすいのを使いますから、シワやボリュームアップに使うのとは、全然種類が違って、吸収がむちゃくちゃ早いです。

でも、結構なお金を取られますから、「効果こんだけ?もう無くなったの?」と思う方には向きません。イベントがあって、メイクしてもらうつもり、みたいな感覚でされるといいんじゃないでしょうか。

1回で満足されることも少ない場合があり、(この辺はクリニックによって、やり方や考え方が全然違います。もちろん中身も。ちゃんと確認されてくださいね。)、広告なみの効果を出そうと思ったら、まめに続けてやったほうがいいこともあるようで、さまざまです。

効果を維持するとなると、吸収するスピードよりも追加するスピードが勝たないとダメですから、結構お金がかかります。

 

まさに、他力本願の治療です。「プチ整形」の、まさに王道と言っても過言ではないかも。

 

スキンケアはしたくないし、タバコもやめたくない。寝不足と不規則な生活で、お肌はボロボロ。汚くて、とてもスッピンなんて、人に見せられない、でも、化粧ノリも最悪~。でも、イベントもあるし、急いでいるら、手っ取り早く、肌をちょっとキレイに見せられないかな?多少の出費は我慢しよう、仕方ない、すぐになくなってもいいやと、やるならアリですが、長い目で、老化に対して何かやっていきたい、というのなら、私はあまりおススメしていません。

。。。お金、かかりすぎです。

お金がかかるわりに、根本的な治療とは、ちょっと違うから。

時間とお金を使ったわりに、こんなもの?と私は思います。

(「こんなもの」のレベルが、人それぞれだと思いますが、私は、スキンケアをちゃんとするだけでも、お肌はある程度キレイになると思っているし、老化も遅くなると思っていますから、スキンケアありき、だし、スキンケアができている方が定期的に光・レーザー治療をしていると、ホントにお肌がきれいで、中側から光り輝いているので、そんな方が、まあ、水光注射、しなくても、副作用のほうが目立つんじゃない?と思います。)

 

ビフォーがいいと、アフターはわかりにくいんです。そのちょっとした差に気づく方・満足されるならいいと思います。価格と結果についての自己判断です。価値観です。

ビフォーのひどい方(うちには、そこまでひどい方は、あまりいらっしゃいません)は、とりあえず、スキンケアを始めて、お肌が元気になるのに、時間がかかりますから、その間少しでもなんか良くしたい、というなら、アリかな、と。

 

韓国が発祥ですが、韓国の人って、ホントに注射系が好きですね。

「やった感」があるんでしょうね。

少々痛かったり、副作用があるほうが、結構好まれるとか聞いたことがあります(「やった感」があるから。)

まあ、向こうは金額も安いから、こまめに入れておられるのかもしれません。美容クリニックに行ったりするのも、あちらではかなりオープンですし、副作用も気にされないようで。。

日本人と考え方が全く違いますから。

(だから、韓国で流行っている治療を、日本人がやったら、えらいことになることが多いです。副作用のショックとか、こんなはずじゃなかった、とか、kれのどこが大丈夫なの?とか。。。考え方がホントに、日本人と、日本人以外で、全然違うんです。

もちろん、韓国の美容医療って、なんかザツなイメージが。。だって、副作用とか気にされないから。

でも、日本人て、ちょっとした内出血や腫れも気にしますからね、同じやり方でやったら、大体クレームになるでしょう。ビックリすると思います。

日本人医師の施術のキメ細かさ・丁寧さ・繊細さは、世界一だと思いますよ。(どこのクリニックでも、というわけではありません。)

 

ただ、私も気になるなら、やってみたら?と思う適応は、目の下の凹みですね。

目の下の骨との境目らへんに出る、ちょっと色のついているところ。

多少誰でも、段差があるんですが(骨との境目だから)、その辺の周囲も含めて、結構目立つ方は、やってみる価値があるんじゃない?と思います。

 

最近、リデンシティーなどの注射をするのに、「内出血ゼロ」みたいに宣伝しているクリニックを、たまに見かけます。

 

でも、こんなの、嘘ですよ。

 

美容の処置の場合、内出血の出る可能性って、顔の注射の場合、ちゃんとやれば、

そんな無茶苦茶高いものではありません。

でも、ゼロではないんです。当たり前ですよね。

しかも、目の周りってのは、細かい血管がい=っぱいありますから、他の場所をやるよりも内出血の可能性が上がります。

ちゃんとしたクリニックだと、いろいろ工夫もして、内出血の可能性を極力低くするようにしてくれていますが、それでも、ゼロにはなりません。

そういう説明があると思いますよ。

 

針の種類で、「鈍針」と言いまして、先が円くて尖っていない針があります。長めに作ってくれていて、それを別の尖った針で開けた穴から、刺して、(鈍針は皮膚を突き破れないから、他の針で、穴をあけないと入れられません)、奥に入れていく、という方法を取るんです。

 

確かに、従来の尖った針よりは、血管を傷つける可能性がかなり下がりますから、内出血の可能性は低くなるはずなんですが、やっぱり血管をひっかけて、内出血した、痛かった(刺しにくいので)、という話もしばしば。。。(そういう方が来られますから)

有名なクリニックだから、と言って、安心はできません。

とあるクリニックで、このリデンシティーをされて、えらい内出血が出て、(しかも効果がわからず)、とても困った、という方がご相談に来られたことが何度かあります。

鈍針を使っても、まあ仕方ない時もあるわな、と思い、「でも、内出血の話は説明なかったんですか?あったでしょ?」とお聞きすると、「全く出ない」、と言われたそうです。

(だから、やったのだ、とみなさんおっしゃってました)

本当に、そこのクリニックが内出血ゼロ、とカウンセして、やっているなら、かなりあくどいな、と思いました。

可能性は、かなり低くなるはずですが、ゼロと説明したら、イカンでしょう~。

結局、内出血して、困るのは患者さんですからね。

目の周りの注射とかで内出血が出た場合、小さな血管だといいですが、わりと出血が出て、止まりにくかったり、止められなかったり、止めてなかったりすると、DVで殴られてパンダみたいになったのか!というくらい、内出血が出ることがあります。

こうなると、患者さんも、「DVに遭った」と知人に、ウソの説明をしたほうがいいのか、「美容クリニックで注射したら、こんなことになった」と言ったほうがいいのか、究極の選択に悩むわけです。

美容治療にオープンな方・環境であれば、正直に言えるんでしょうけど、そういう環境じゃないと、「あの人、整形失敗したんやって~」とウワサになりかねません。(まだまだ理解がないですものね)

たかが注射を、顔中美容整形してる!みたいに、言いふらされたら、たまったものじゃありませんから、ほとんどの方は、クリニックの処置とは言われないようです。

でも、かといって、DVともいえないし、自転車で転んだとか、タンスの角でぶつけた、とか、いろいろ苦しい言い訳を職場や集まりの時にされるみたい。。。消えるまでも、結構かかりますけどね。

「水光注射」と言っても、クリニックやドクターによって、かなりやり方に差があります。

例えば、東京の、みやた皮膚形成外科の宮田先生やクロスクリニックの石川先生は、学会でも超有名なドクターでいらっしゃいますし、石川先生は、美STの常連というか、美STにはかかせないくらいのドクターでいらっしゃいますね。

私の勝手な想像ですが、このお二人は、ちゃんと説明されて、できるだけの注意を払って処置してくださると思います。

「有名だから」「老舗だから」「よく広告を見るから」というきっかけで、とりあえず話を聞きに行かれるのはいいと思いますが、あまりにも、副作用が軽くいわれたら、ちょっと一旦、帰ってきましょう。

ホントに?と、ちょっと考えたほうがいいですよ。

 

副作用の軽い、あまり深刻にならなくてもいい美容医療の処置って、いろいろあります。

ただ、そういうのは、回数がいるとか、効果がマイルドとか、何か欠点というか、あるはずです。

副作用もない、効果も結構出る、なんて処置は、めったにありません。

広告通り、簡単に考えていると、大変な目に遭うのは、貴女自身ですから、きつい治療になればなるほど、そういうことは覚悟しておかないとね。

副作用の確率がかなり低くても、ゼロではない以上、「絶対大丈夫!」なんて処置はあり得ません。

そういうことを軽く言いすぎるクリニックは、どうかと思います。

私個人的には、注射系は、イベントや大事な用事の直前は止めておいたら?と患者さんには申し上げています。

医学的にやって、ダメではないんですけどね。もちろん。

コンシーラーも用意したし、何度もやっていて、わかっているし、もし副作用が出ても、気にしないから、くらいに言われたら、キャラによったら、処置するかもしれませんが。ご納得の上でね。

(いいことしか、考えていないな~、という方の場合、副作用なんて構わないと言っておいて、なにかあったら人一倍騒がれますからね。そういう方は、ホントに、イベント前には勧めません。)

 

何にでもメリットとデメリットがありますから、ちゃんとご理解の上、治療は受けましょう。

気になったら、他のクリニックにも話を聞きに行きましょう。

1軒だけではあまりわからなくても、何軒か回ると、なんとなくわかってきますから。

急いでやって、いいことなんて、大概ありませんから、美容医療は落ち着いてやりましょうね。

 

 

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医療