昨日書いたのが消えてしまって、イヤになって寝ちゃいました。
それでは、続きです。
ちょうど昨日、お問い合わせをいただいたので、私なりの考えを書きます。
最初、知った時には、一般の美白化粧品で白斑ができるとは、とうてい信じられず、しかもカネボウだったので、ちょっとビックリしました。
ネットや通販で売られている、あやしい化粧品会社が出しているわけわからん化粧品なら、何が入っていてもおかしくないし、無茶な成分配合などもやるでしょうから、あり得ると思います。
そういう会社は、問題になったところで、HPを閉鎖したり、電話がつながらなくなったりと、計画倒産みたいなことをしますから、また買っている人数も、それほど大したことないので、社会的に大問題にまで至らないケースがほとんどです。
ところが、カネボウなんて、大企業が、なにかあったら、それこそ倒産寸前にまで追い込まれかねない大打撃を食うわけですから、ふつうに考えて、そんな大手は、あやしいことには手を出しません。
昔、雪印が、賞味期限の過ぎた牛乳を再利用して、内部告発でしたっけ?大問題になりましたね。社名も変更されて。。。
確かに、あの時に、大手であっても、信用しちゃいけない、と学びましたが、それでも、そういうことをする大企業というのは、ごくごく一部で、氷山の一角かもしれませんけど、その辺は、信用したいですよね。でないと、買うものがなくなりますから。
このカネボウの、「ロドデノール」なる成分ですが、自社開発成分ですから、詳細は、カネボウの研究所以外には、なかなかわかりません。
ただ、成分の構造式が、ハイドロキノン(美容クリニックなどで処方する美白成分)に似ており、シミの作るのを抑える働きがある、ということですから、やはり類似しているのかな、と思いました。
この成分は、「医薬部外品」で、厚生労働省の認可が下りているんです。
「医薬部外品」で認可をもうらうということは、莫大なお金と時間をかけて、厚労省に、あらゆるデーターを提出し、やっと認可が下りる、大変な作業です。
でも、この認可が下りると、ある程度の効果・効能を言うことができます。
(たとえば、シミなら、「シミの生成を抑えます」とか。)
一般の化粧品は、一切、効果・効能を言っちゃあいけません。
何故かというと、効くわけないから、詐欺になるんです。
効く成分自体、仮に、作ることができても、混ぜて売ったら、いけないわけです。
「効く」ということ自体、なんらかの副作用があるわけで、消費者にとって、ホントに誰でも買えて安全なものなのか、という、まず基準があります。
一般の化粧品は、誰でも、どこででも買えますから、(ネットででも)、だから、まず、安全第一なわけです。
(個人レベルの合う合わない、というのは、また別の話です。誰にでも合う化粧品なんて存在しませんから。)
消費者が求めているのは、「効く化粧品」であって、だからこそ、どの企業も、「医薬部外品」として、堂々と効果・効能をうたって、販売したいわけです。
(ちなみに、ホントに、「効く」と言っていいのは、「医薬品」だけです。「医薬品」と「医薬部外品」との間にも、ものすごい差があるわけです。
その分、副作用も心配になるので、「医薬品」の購入は、いろいろ制限があるでしょう?第3類の医薬品をどこまで規制するのか、消費者の便利さと安全性をどうするのか、結構もめてましたでしょ?)
なので、たかだか、「医薬部外品」であったとしても、「白斑」を起こすレベルのものが、入っていること自体、もしそれが本当だったら、かなりの衝撃です。
美容クリニックで、ふつうに販売されているハイドロキノン製剤(自家調合は別として)でも、「白斑」まで起こすって、めったにありません。
せいぜい、赤くなって、かぶれるくらいです。
(ハイドロキノン自体に、細胞毒性があります。)
それに、発売されたのが、2010年でしたっけ?厚労省から認可下りたのが2008年ですかね。
もう3年以上、発売されていて、なんで今頃?というのにも、ちょっとビックリです。
それと、25万人以上使用していて、現時点での「白斑」が出た方が39人。
確率が低すぎませんかね?
ホントに、「ロドデノール」が、そこまで「効く」なり、「副作用」があるなら、もっと出ていてもおかしくないし、もっと早期に発覚していると思うんですけど、どうなんでしょう。
これから、被害者はまだ増えるのかもしれないし、それはわかりませんけどね。
年齢とともに、水玉みたいに白く肌色が抜けていく老化現象があり、それも「白斑」となります。
皮膚の病気で、「尋常性白斑」というのがあり、これも白く抜けます。(細かく言えば、まだ他にも白くなる病気はありますが)
25万人以上に対して、39人となると、自然発生する「白斑」の割合と比較したら、どうなんでしょう。自然発生の白斑率のほうが高かったりして。。。(そこまでの統計は知りませんよ。)
専門の皮膚科医なら、診察したら、老化なのか、病気なのか、外因性(薬とか)なのか、は、ある程度、わかると思います。
まず、全員の方の正しい診断と、それと、ホントに、カネボウの化粧品以外は、何も使っていないのか。。?
ネットで、海外からの個人輸入とかで、あやしい美白剤を使っていると、何が起こっても、ホントにおかしくありません。
そういうものとか、他に何も使っていなかったのか?
ホントに使ってなくて、カネボウの商品のせいだというなら、それでこの割合で被害が出たというなら、ロット番号など調べて、工場で作った時に何かそのロットのものだけ、異常が起きたのか。。
(でも、白斑が起きるって、対外ですけどね。)
カネボウの社長さんが、「紫外線などの影響や個人の体質なのか、」いうことを、現時点で、考えられる原因としてあげておられましたが、確かにハイドロキノンも紫外線に当たると、細胞毒性がまして、よけいいかぶれ易くなります。
なので、朝や昼に塗る場合は、徹底した日焼け止めは、必須です。(そういうことも言わずに、処方するクリニックも、実は、むちゃくちゃ多いです。。)
でも、紫外線で、あんな白斑ができるような化粧品は、ホントだったら、恐くて塗れないし、市販したらダメでしょう。
それがホントなら、認可を下した厚労省は、なにしとるねん!って、話です。
今後の経過とカネボウの調査を待たないと、ホントのことはわかりませんが。。。
でも、昨日、ネットやニュースで、その「白斑」の写真を見て、かなりビックリしました。
私が見たのは、手の写真だったんですか、周りもピンク色になっていて、おそらくかなりの炎症が起こっているんでしょうけど、白く、結構大きく抜けてましたね。
あの写真の感じからして、「尋常性白斑」や老化などは、確かにちょっと考えにくい。外的な要因(何を塗ったりして)をやはり考えるな、と思いました。
炎症の反応は、結構出てたように思いますが。。
(この方は、手に塗っていたんですね。丸く、あの白く抜けている部分だけに、なんですかね?それとも、手全体に?)
今朝もニュースでやっていて、その時チラッと思ったのが、ホントにカネボウの化粧品でなったんだとしたら、それ、「本物」のカネボウでしょうか?
最近、ネットで、偽物のブランド化粧品がたくさん出回っているんですってね。
先日、患者さんが、SK-Ⅱの偽物が出てたから、もう買わない、とおっしゃってました。(デパートなどの直営店なら、本物だと思うんですけど。日本だったら。)
ドクターシーラボの偽物も、ネットで売られてましたよね。
売れている化粧品は、すぐに中国で適当にマネされて、中身は全くの別もので、最悪、ものすごい粗悪品だったり、ネットで、格安だったり、ちょっと安だったりして、売られています。
正規の販売ルートを通さない、ということは、そういうリスクも考えて買わないと、消費者側にも責任があります。
「安かろう悪かろう」です。
(だから、クリニック専用化粧品や医薬品をネットで売っているサイトを、私は一切信用していませんし、うちの患者さんにも、買わないように言います。本物だという証拠がないから。ホントにえげつないですからね。)
私自身は、あまりカネボウ化粧品って使いませんが(あ、キッカは買ったことがありますし、好きですね。最近は買ってませんが、機会があれば、また欲しいです)、「ブランシール」、ものすごく売れていたんですってね。
だったら、偽物がネットで出回っていても、おかしくないと思いますよ。
「白斑」が出た方が、ホントに正規代理店でカネボウを買われたのかどうか、それも調査しないとわかりませんね。
まあ、経過を待つしかありませんが、たかだか化粧品に、過大な期待をして、高い高機能化粧品を買うのは、いい加減、止めましょう。
そんな都合のいい、魔法みたいな化粧品は、どこにも売っていません。
医療と化粧品で、役割が全く違うんですから。
基礎化粧品で必要なのは、保湿と日焼け止めだけです。
日焼け止めで、1000円以下で、質のいいもの、というのを、私は見たことがありませんのでせめてもうちょっと高いものを買うように、患者さんには言いますが、(だからと言って、5千円 7千円、1万円もするものはいりません。高いものは高いもので、ろくでもないことも多いわけです。)
保湿なんて、ちゃんと探せば、1000円以下でも、見つかることがあります。
ものすごく質がいい!とまでは言いませんが、「これ使ってます」(おそらく1000円以下)と言われても、診察して、肌が調子が良くてトラブルがないなら、私のほうから止めることはありません。
保湿さえできていればいいわけです。(肌がそれによって傷んでいたら、止めますよ。)
高い化粧品が絶対いい!というわけでもありません。
(詳細は、「ホントにおススメしない化粧品 高機能化粧品編https://www.aiko-hifuka-clinic.net/2013/01/post-603.html」をどうぞ。)
化粧品は、私も大好きですが、化粧品は化粧品です。
何かを治したり、消したり、良くしたりするものではありませんから、はき違えないように、お願いします。