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    柴 亜伊子
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カネボウの美白化粧品自主回収:続き

先日あったカネボウの美白化粧品「ロドデノール」による、「白斑」被害の件、とうとう日本皮膚科学会が乗り出しました。

 

カネボウの発表によりますと、これまでに利用者6808人が被害を申し出て、うち2250人が「3か所以上の白斑がある」と訴えているそうです。(今日の共同通信社の発表を見ました。)

ニュースになったので、「私も?!」ということで、どんどん名乗り出てこられたということでしょうね。

日本皮膚科学会は、診断と治療方法を早急に確立すべく「ロドデノール含有化粧品の安全性に関する特別委員会」を平成25年7月17日に発足し、対応することになったそうです。

委員会の委員長は、藤田保健衛生大学皮膚科教授の、松永佳代子先生です。

「茶のしずく」の調査委員会の委員長も松永先生です。

化粧品かぶれや皮膚のアレルギーと言えば、松永先生、とまでは言わないのかもしれませんが、(いや、言うのか)、この分野では、(他の分野でも、もちろん)、超~ご高名な先生でいらっしゃいます。

今の時点で、化粧品の使用後に発症している症例が少なからず確認された事実から、因果関係を強く疑っているものの、まだ十分に解明されていない、というのは、事実です。

そのための、調査委員会で、情報収集と、治療・患被害に合われた方々の今後の経過も含めて、解決するにも情報がまず必要です。

データー整理ですね。

専門の皮膚科医が、ちゃんと診察して、そういう薬剤による「白斑」なのか、それとも他の病気なのか、まずは、正確な「白斑」の人数ですよね。

 

そして、本当に原因は、この「ロドデノール」にあるのか、あまり関係がなかったのか、何か原因が複合しているのか、という解明とさらに、正確な人数も必要です。症状を把握したところで、治療の検討です。

(原因が疑わしいとなった時に、確率がどれくらいなのか、ということも、診断・治療に役立つんです。)

 

日本皮膚科学会のHPに、詳細が記載されていますので、お心あたりのある方が、カネボウのHPと合わせて、ご覧ください。

まだ、学会も、委員会が発足して、情報が大変なことになっていますから、現時点での、速報での対応であり、随時、追加修正される予定のようです。

診療可能施設がHPに載っています。

http://www.dermatol.or.jp/upfile/1374710101_4.pdf

全国の大学病院は、全部対応だと思います。(各都道府県を見たわけでないですが、そりゃ、そうでしょう。) もちろん、皮膚科に受診しないといけませんよ。

大学病院以外でも、対応一覧に載っている病院もあります。

もちろん、個人のクリニックでも、対応はしてもらえますが(大学病院は、時間がかかるから、というのであれば)、受診前に、電話で、「カネボウの白斑だと思うのですが。」「カネボウのを使っていて、白斑が出てきた」旨を必ずおっしゃってくださいね。

クリニック側にも、準備があるはずです。(調査表とか。)

対応していないクリニックも、あるでしょうし。

診察だけでなく、写真も撮られたり、いろいろ問診が長くなりますから、結構時間はかかるはず。。(明らかに、薬剤性以外の白斑だったら、あまり時間はかからない、かも、しれませんが。。。わかりません。)

もし、人数がものすごく多くなってきて、やっぱり本当に、この成分のせいによる「白斑」しか考えられない、となったら、結構恐ろしい話ですね。。。

そんなものが、市販されていたなんて。。

詳細を待つしかありませんけど。

 

「白斑」になった方々で、半年から1年で、回復した方が、とても多いようですが、原因などがはっきりわかっていない以上、「絶対戻る!」とまでは、言えないのが現状です。

治療法についても、どこまでの薬を使っていいのか、原因がわからない以上、方針もまだ立たないわけですが、とりあえず、該当の化粧品を使っていて、おかしかったら、一旦中止して、皮膚科医の意見を聞きましょうね。

カテゴリ:

医療