京都には、「あぎやお」さんという、ミシュランも取った、魚介類とお酒の有名なお店があります。
烏丸五条にあって、気にはなっていたものの、五条か。。(五条には何も他に寄りたいお店、服とか小物とか、お菓子とか、そういったお店がないのです。四条や河原町・先斗町・木屋町・衹園などの繁華街とは違います。)と思って、なかなか行く機会がありませんでした。
それが、ちょっと前の「あまから手帖」の「夏こそ魚」の特集で、「コモジノア」というお店が載っていて、魚と白ワインのお店だそうで、しかも、この「あぎやお」さんが出されたお店!
おまかせコースがあって、料理ごとに、白ワインが1杯ずつ、つくそうな。。
こういう、料理とお酒のマリアージュをお店側が、最初から用意してくれてるのって、私にとっては理想で、こういうお店って、あるようで、ない。
ある程度のお店であれば、メニューになくても、その場で、選んでくれるんでしょうが、
お皿毎に、ワインを1杯ずつ、グラスワインの料金分で出てきたら、ものすごい量だし、料金も大変だし、グラスでそれだけの種類を用意しているお店というのも、なかなかないものです。
いいワインは、なかなかグラスでは飲ませてくれないですしね。
この記事を見て、これはいくしかないっ!!と、大事に、あまから手帖を取っておきました。
食事会があったので、ちょうど予約をとりました。
まずは、お電話で、お酒は白ワインしかありませんが、よろしいですか?と聞かれました。
ビールも日本酒も赤ワインもないそうです。
お料理も魚だけで、野菜とか他のものは出ませんが、よろしいですか?と聞かれました。
(こういうことは、聞いておかないと、当日その場になって、揉めることがありますものね。
よくわかります。
以前、大市さん(すっぽん鍋で有名なお店)に予約の電話をした時も、お鍋には野菜もなくて、すっぽんだけですが、それでもよろしいですか?と聞かれたのを思い出しました。
うちの予約の際も、かなり細かく確認させていただくので、お気持ち、よくわかります。
提供する側にこだわりがある以上、こだわりを理解した方に、自分が最高と思えるものを提供したい、と私は思いますね。
なんでも、売ればいい、という考え方もあるんでしょうけど、私は、そういうの、イヤだな。
きっと、同じ気持ちかしらん、と思いました。)
電話の段階で、店主の方の、こだわり具合が伝わってきて、かなりの期待です。
(でも、ちょっぴり不安もあり。)
で、土曜日、FACEBOOKなどから、「コモジノア」は、飲み物メインの方は、コモジノアで、お料理メインはあぎやおで、と、どっかに書いてあったので、もし足らなかったら、2軒目に行ったらいいや~、とお店に向かいました。
東洞院五条を、ホントにちょびっとだけ上がったところにあります。
四条からず~っと下がってきたので、まだないけど、どこにあるのかしらん、ともう五条!という、ホントの手前に、暖簾がかかっているお店が!
(店名は、「あぎやお」さんも表に書いていないのです。)
でも、この暖簾は、「あぎやお」さんの入り口で、この横の、暖簾がかかっていない扉を開けるように(あぎやおさんのお二階だそうで)と、「あまから」に書いてあったんですが、実際、本物の扉を見たら、「ホントにこれ、開けるの?!」(非常扉のような。。)と、かなりビックリ!
扉を開けると、階段があって、恐る恐る上がっていくと、そこは別世界!
落ち着いた大人の空間で、衹園のいいお店に来たような、質のいい椅子(とっても長居したくなるイスなのです)と、一枚板のカウンターと、整理された理系のような厨房と、整然と並んだワイングラスに、ワインサーバーにワインセラー。。。
「このお店、絶対、当たりだっ!!」と私の第六感が訴えかけます。
お店の方は、おひとりだけで、お客も私たちだけでした。
1日二組しか(!)予約を取らないそうです。
なんと贅沢な!
どうやら、この方が店主の青柳さんのようです。
店主自ら全てやってくださるようです。
贅沢です。
お料理などが始まる前に、もう一度、お酒は、白ワインのみで、お料理は、魚だけですけど、よろしいですか?ともう一度、確認されました。
おもしろい趣向ですね。全然OKです。
最初は、スパークリングです。
アルザス(だったか)のもので、クレマンと同じ作り方だとおっしゃってたような。。
とてもおいしいっ!
小皿に、白海老のせんべいが、出ました。
付きだしみたいな感じ。
「これくらいの量で、1品ずつ出していきます」
ホントに小皿で、大食いの私は、「おなか一杯になるかしらん。。」とちょっと心配に。。
(7皿くらいなのかな、と思っていたので。)
せんべいが小皿にのっている量ですから、最初の一杯目が飲みきれず、二皿目と二杯目に。
残しておいていいですよ、とおっしゃいましたが、冷たいお酒は冷たいうちに、泡が抜けないうちに飲んだほうが絶対おいしいですものね。
せっかくの、マリアージュですし。一気に飲んじゃいます。
(でも、2杯目からは、量は少な目にされてます。でも、おかわり自由だそうです!!)
2皿目は、1日前に〆たサバとその日に〆たサバの食べ比べが出ました。
同じサバとは思えないくらい、味が違う!どっちもおいしい!でも、全然違うんですよね~。不思議ですね!
また、2杯目の白ワインと、とても合う!
(2杯目以降、最初のものもですけど、全く名前が覚えられません)
そんな感じで、どんどん、お料理と白ワインが出てきます。
ホントに、魚介類だけです。
野菜など、一切なし。
薬味とかはありますが。
生牡蠣もプリプリで、一緒に出た白ワインと抜群に合うし、グジやのどぐろやマグロ、イカに鱧に、お魚たくさん!
こんなに、魚ばっかり、しかもいろんな料理法で、食べたのは初めてです。
割烹で魚ばっかり出るところって多いですけど、同じような味付けばっかりで、途中でちょっと飽きてくることも多くて、結局、刺身か焼くか煮つけ、天ぷらと、ワンパターンで、そういうお店に行くと、魚以外のものを食べないと、気が済まないことは多い私ですが、こちらのお店は違う!
生で出されることも多いのですが、全部、味ツケが違うんですよね~。
一仕事されている生の魚が、こんなにおいしいなんて!
また、ちょこっとずつ出てくるのも、イイ♡ いろんなものが食べたいのですよ~。
それぞれに、白ワインが、どんどん出てきます。
こんなに、白ワインばっかり飲むのも、これまた初めてです。
お店に行くと、赤ばっかりなんですが、白ワインは、夏の一杯目とか、ホントに前菜や魚料理に、1杯くらいとか。。。白も好きですが、普段は、赤派です。
(赤だと、レスベラトロールが入っているから。赤の濃い~い、でも飲みやすいワインが好きですね~。)
私、生魚って、絶対ワインよりも日本酒のほうが合う!と、ずっと思っていたんですが、晴天の霹靂ですね!
白ワイン、合う~!!
でも、それは、ちゃんと青柳さんが選んでくださっているから。
お料理も、とても繊細で、いいわ~♡
全部ね、おいしんですよ。
私の嗅覚は、素晴らしいですね!
おいしいお店を見極める力(たま~に、外れますが。。。)、う~ん、素晴らしいな。これでは、ちっとも痩せられない。。。
でも、こんなにおいしいものを食べるほうが大事ですよね!
ちょっとデブいだけで、着れる服は売っているし、メタボとかの病気じゃないし。
う~ん、健康って素晴らしい!好きな物が食べれて、飲める幸せ。
人生に感謝です。
次に何が出てくるのか、ドキドキですね。
ワインも、種類も全然わかんないし、ブドウの種類も聞いたことのない種類で、ちんぷんかんぷんでしたが、(あまり詳しくないので)、お話しを聞いているだけで、とてもおもしろいです。
一体、何皿食べたのか、わからなくなった頃、結構、おなか膨れてきたかな。。。と思った頃に、最後にサンマのパスタです。
ちょうどパスタ、食べたかったんですよ~。
う~ん、素晴らしい!
一番最後は、お口直しのトマトのシャーベットです。
デザートワインというか、ワインを作るブドウで作った果実酒も出していただいて、とってもおいしかったです。
いいわ~♡
飲んだ後のワイングラスを、カウンターにず~っと並べていかれます。
ワインは全部で、13種類だったか。(量にしたら、ボトル2本~2本半くらいでしょうか?)
ホントに全部、白です。
お料理は、12皿だったかな。全部魚介類です。(パスタもサンマだし。)
お任せなので、その日の仕入れで、料理やワインの内容は変わりますよ。
ワイングラスの形で、ワインの味わいが変わる、というお話をしてくださし、グラスを変えて、出してくださいました。
ホントに違うんですね~。
こういうキレイなグラスで飲むと、家で飲む時も、洗うの、大変だけどちゃんとしたグラスで飲もうかな、と思っちゃいますね。
これらの提供は、お料理もワインも全て店主の青柳さんおひとりで、調理からサーブまでしてくださって、なんて贅沢なんでしょう。
炭火焼も、私たちのためだけに、贅沢に大きな炭をバンバン足していかれます。
高台寺和久傳を思い出しましたね。
(和久傳では、それぞれのコースに、(多分)必ず炭火焼がついていて、職人さんが各部屋について、目の前で、焼いてくださって、焼けたところを、各自のお皿においてくださるのです。うまいっ!なんてものではないです。できたてホヤホヤのを、最短でいただけるのです。)
イヤ~、良かったですね~。
足繁く通いたいお店がまた増えちゃいました。
(と言っても、そんなに外食するわけでもないので、なかなかいけないんですが。。)
こういうお店って、他には絶対ないから、ぜひまた行きたいですね。
こういう変わったお店、私はてっきり、あおやぎさんの常連さんから、「こういうお店作って!」と言われて、作られたんだと思ってました。
そんなに白ワインと魚好きが多いんだ!と、ちょっとビックリしてたんですが、違うそうです。
青柳さんのこだわりだそうで、白ばっかりにしたほうがおもしろいから、とおっしゃってました。
また、マリアージュのセットのほうが、一番合った組み合わせで、味わっていただけるから、とも。
そうなんですよね~。
レストランで、ワインを選ぶ時、自分ではよくわからないので、お店の方に選んでいただくんですが、ソムリエの方も、たくさんお皿があるので、選ぶの大変だな、と思います。
メインに合わされるのであれば。。と言われることが多いです。
全部のお料理に、無難に合わせることは可能かもしれませんが、ベストな組み合わせか?と聞かれると、そうでない場合もありますものね。
お店によったら、どれでも合います!と言われることがあり、ホントかな。。?と思うことがあります。
まあ、そこまでこだわっているわけでもないし、そこまで味の違いがわかっているわけではないですから、ボトルを頼むことが圧倒的に多いので、そのままいただいてしまうわけですが。。
ワインを飲むことで、味がもっとふくよかになる、とか、そこまで体験したことは少ないかも。
それぞれが独立しておいしいっていう感じでしょうか。
ものによったら、全然合っていないこともあるし。。。
特に、生魚は、お酒によったら、余計に生臭くなることもありますから、いくら本人が好きで飲んでいるから、と言っても、せっかくのお料理を、その人のお酒の選び方が間違っているせいで、「生臭い!」なんて、言われたら、そりゃ、料理人の方は嫌でしょうね。私だったら、すっごいイヤですね。
プロの方に、選んでいただくのが一番ですね。せっかくのおいしいお料理ですもの!
今度から、白ワインは、ここ以外のお店では、あまり飲まないでおこう、と心に決めました。
おなかもほどよく膨れて、とても楽しい時間を過ごすことができました。
ありがとうございます。
お酒が飲めない方には、向いていないお店ですし、なにより、白ワインのみですから~(笑)
でも、白ワイン全然OK!な、呑兵衛な方には、最適です。
ご飯もガッツリ!が好きな方には向いていませんが、いろいろな魚がいただけるので、健康には、とてもいいんですよ、特に生魚は!
健康にもいいですが、なにより、ホントにお料理がおいしいので、魚&白ワイン好きの方には、うってつけのお店です。
ぜひ、どうぞ!