今月の美STですが、
(まだ読んでいるの?と言わないでください。仕事のためです。
新患の方や患者さんが読んでいて本気にしたら困ることもたくさん載っているし、世の中では、こんなこともされているのか。。。と知っておいたほうがいいことがたくさん載っているので、一応サーッと目を通しています。
組合のほうで、年間購読も申し込んでいるので、毎月送ってきます。
STORYの今月号は、ものすごくたくさんの広告ページで、しかも、STORY読者と広告の服や靴やバッグって、一致する?!という感じの広告ばかりで。。。通販のチラシかと思っちゃいましたよ。
なんかあからさまですね。。不景気なんですかね。それとも、出版社の方針ですか?
いや、同じ出版社でも、他の雑誌はこんなあからさまではないので、編集長の方針?STORYも年間購読していましたが、ちょっと止めることにしました。
雑誌やTVにとって、スポンサーはとても大事なのはわかりますし、スポンサーがいないと出版することすらできないのもわかりますが、もう読むページが少なすぎるので、他の雑誌に変えることにしました。
5年以上前って、STORYが一番売れていると聞いていたし、ものすごい勢いがあったのにね。ずっと毎月見てきましたが、ちょっと残念。。)
さて、美STに話を戻しましょう。
美STのDr.ウサコのページ、美容医療業界でも有名な先生方に取材に行かれて、美容医療についての特集ページのところです。
クロスクリニックの石川先生とクリニックFの藤本先生は、美STの常連ドクターですよね。
今回もこのお二人中心のお話が載ってました。
今回のテーマは、「2013年美容医療総仕分け」だそうで。。。
「時間とお金の無駄遣いをしないためにも、最新情報をインプット!」ということなんですが、お二人に、意見を聞いておられるわけです。
ドクターが100人いたら、100人とも全然意見が違うので、もちろん考え方だけでなく、好みの問題もありますから、違って当然で、お二人の意見は、お二人の意見なわけで、参考にされるのはとてもいいと思いますが、たったお二人の意見だけで、なんで、このページは、なんでも言い切るんですかね?
記事の中に、「一番効果があるマシンが知りたい!」
→って、何に対して?誰に?アラフォーが対象なわけ?副作用や金額は回数は?
状況によっても、もちろん患者さんの好みや希望によっても違うわけです。
そんなこと、一口に答えが出せるわけがありません。
また、その下に、「旬のマシンをセレクト!」って、「一番効果があるマシン」と「旬のマシン」は違うと思うんですが。。。
日本語の取り方にもよるんでしょうけど、「旬」っていうと、「今話題の!」っていう意味かな、と私は思いましたが。。
(でも、eプラスもマドンナリフトも、今業界で話題ではないです。っていうか、もう出たの、ちょっと前ですし。。セミナーはしょっちゅう学会でも開催されたりはしていますが。(企業側がお金を出して、セミナーをする時間と場所を、学会から買うのです)
「旬」なのかな。。?「旬」の意味がよくわかりませんが。。。)
お二人のクリニックには、マドンナリフトが入っていますし、まだ日本では導入しているクリニックが少なく、日本人の症例も、機械が新しい分、少ないので、そりゃ、今後が楽しみでしょうし、私も、おこもり生活が1週間フルタイムで取れるなら、いつかやってみたいとは思いますが、これができる日本人女性が、どれだけいるのか、となると、機械自体がとてもいいと思いますが、導入するクリニック側としては、多くの患者さんに受け入れられる治療でないと、導入費用がペイできないわけです。
(こういう医療機器は、べらぼうに高いっ!!きっと皆さんが考えているよりも、ず~っと高いです!!
高級外車~ちょっとした安めの、あるいは小さ目のマンションまで買えます。)
うちでは、当分、買いませんね~。それなら、他の欲しい機械があるから。
(私の中では、ダウンタイムの出る治療は、優先順位がかなり下がります。)
お二人のクリニックは、日本でも超有名ですし、全国からマドンナリフトをしたい、とダウンタイムもOKな方が大勢集まって来られますから、十分ペイもできるでしょうが、このお二人のマネができるクリニックなんて、そうそうないですよ。
eプラスも機械はそりゃいいでしょうけど、複合機器ですから、クリニック側としたら、1台買えば(って、ハンドピースをたくさん付けてグレードアップすれば、ですが)、場所も取らずに、いろんなことができる、というモノです。
こういう複合機は、いろんなメーカーが出していて、うちのキュテラ社のXEOもそうです。
(うちは、パールやパールフラクショナルなどのダウンタイムの出るのは、積んでいませんけどね。)
どこのクリニックでもそうですが、こういう複合機だと、1台で、簡単に治療内容を足していけて、手間暇が少なくて済む(機械自体を変える、というのは、日常の診察の中で、結構手間暇と時間を食うわけです。忙しい外来の中では、機械をあまり動かさずに、患者さんも移動せずに、続けて治療ができれば、楽なわけです。
なので、複合機でまとめて治療してくれるなら、そりゃ、嬉しいし、もちろん、複合することの相乗効果も期待できるでしょうし、患者さんもクリニックも時間短縮できるし、その上、たくさん治療メニューを組みますから、客単価は上がるし、患者さんはいろんなことできるし、(お金持ってないとできませんけどね)そんなにしてくれるんなら、セットメニューでちょっと割引きしてあげようか、というメニューも出てくるでしょう。
複合機のメリットですね。
「2014年に、継続するマシンは、eプラスとマドンナリフトに決定!」って、なんでやねん。。。どんな基準・・・?
そりゃ、そのどちらもいいと思いますが、これさえすればいいってものでもないし、誰でもやったらいい、というものでもないです。
うちに来られている患者さんの大半は、そういうことはちゃんとわかっておられて、美STを読んで、「うわ~!」と娯楽としてご覧になっていて(最近は、昔は読んでいたけど、読むのを止めました、という方もかなり増えました。。そのまま信じるという方はあまりいらっしゃいません。
ちゃんと自分の頭で考えれば、何が正しくて、何誇大広告か、なんて、わかりますし、ウマすぎる話なんて、ない!ということがわかっていらっしゃいますから。
ただ、一部の患者さん、あるいは、読者の中で、そのまま真に受ける方がいらっしゃるようで。。。
そういう意味で、こういう大手出版社が出している雑誌の影響力というのは絶大ですね。
その影響力のある雑誌の医療ページで、高名な先生方の写真やコメント付きで、機械の名前だけを言い切るから、ネットで、機械を入れているクリニックを探して、カウンセの中身がムチャクチャでも、おかしくても、「雑誌に書いてあったし。。」という理由で、やっちゃって、と被害者を生んでいる事実は、どう思っておられるんでしょう。
こうやって、大々的に機械の名前だけを書くと、機械を作っているメーカーは宣伝になっていいでしょうが、あまり知識もない、金儲け主義のクリニックが、「流行ってそうだから」「患者が集まりそうだから」と導入して、適当にやって、副作用だらけ、あるいは、全く効果なし、ということがいかに多いか!
光・レーザー・RF・超音波、なんでもそうですが、料理のレシピと同じで、各ドクター・各クリニックによって、全くやり方が違います。
最低限のやり方(設定)は、業者さんから、マニュアルのようなものを教えてもらっても、それは、たいてい、安全にやるための目安であって、早く確実に効果を出すための設定ではないのです。
だから、ちゃんとしたドクターは、自分で効果をひとつずつ診て、自分なりの設定の工夫をして、早く患者さんに効果が出るように、日々努力しているわけです。
機械だけ入れていても、最低限のカウンセだけで、ナース任せで、ドクターの診察一切なし(ひどいところは、エステティシャンにやらせていたり。これは違法ですが。)、というところもあるし、一応レーザーはなんかやっているけど、スキンケアの話は何もしていないとか。
典型なのが、レーザートーニングで、美STでも大々的に、「肝斑にはレーザートーニング!」としょっちゅう載っていた記憶があります。
あの時点で、それ自体はウソではないんですが。。。
また業者自体も、業界内でも、ものすごく宣伝していましたから、ちゃんとしたクリニックだけでなく、流行に乗るかのように、金儲け主義のクリニックが、たくさん導入しました。
その結果、スキンケアも何も言わずに、お金だ払わせて、高いコースを買わせて、適当に当てている、プレトリートメントもせずに、悪化のリスクも言わずにやっている、トラネキサム酸も飲まさず、飲まない時のリスクも言わずにやっている、というクリニックも爆発的に増えました。
そして、肝斑が悪化する、色が水玉みたいに白く抜ける、と被害者が大勢出て、葛西先生を始め、学会でも注意喚起が出て、現在、肝斑の第一選択は、レーザートーニングではありません。まずは、スキンケアです。そして、内服や外用の追加です。
もちろん、この被害者を出したのは、美STではありませんし、一番の責任は、いい加減な治療をやっている金儲けクリニックなわけですが、そういうクリニックがあくどい商売ができるように、情報提供(というか、誘導してないですか?)をしている懸念があります。
治療方法や機械の紹介をされるのは、美容医療業界としても、一般の方に知っていただくのに、とてもいい宣伝や情報提供にはなっていますし、そういう意味では私も感謝していますし、私自身、雑誌はなんでも大好きですが、機械や治療の名前の後に、もっと大きな字で、「こういうクリニックで受けましょう」「スキンケアを同時に(前もって)ちゃんとしていないと効果が悪い、あるいは悪化のリスクもある」「他力本願はいけないし、美容医療は魔法ではない」など、ちゃんと書くべきだと思います。
安易に、一般の何も知らない方々を煽るのは、止めていただきたいものです。
他のページに、ボトックスやヒアルロン酸の話が載っていて、ボトックスビスタを使っていないクリニックは止めましょう、とか、安売りクリニックは止めましょう(違いましたっけ?)、とか、書いていましたが、確かにそれは正しいんですが、ボトックスビスタさえ使っていればいいというものでも、もちろんありません。
うちは、ボトックスビスタしか扱っていませんが、ドクターによったら、ちゃんと他メーカーのものでも、ちゃんとメーカー名を言って、リスクや効果の違いを説明された上で、何かあった場合の責任もちゃんとされているなら、他メーカーであれば、患者さんに安く提供できるわけですから、患者さんがいいなら、ひとつの選択肢かもしれません。
いい加減に適当に、ボトックスビスタを注射するクリニックよりは、よっぽどいいと思います。
(ま、うちは、アラガンジャパンができてから、ボトックスビスタしか使ってませんが。今後も厚労省認可のボツリヌストキシン製剤が出てこない限り、アラガンのみだと思います。)
ボトックスビスタを使っているクリニック=いいクリニック、とはならないので、そういうことも書かないと、薬剤名だけの連呼では、また違う被害者を作るだけです。
ヒアルロン酸なんて、鼻が腐った写真を出しておられましたが、「こんなクリニックでは受けないでおきましょう」と書いておられたのは、とても素晴らしいことですが、そういうクリニックの宣伝を今までも載せておられたでしょう。
雑誌に載っていたら、一般の方は、安心して、そのクリニックに行ってしまうわけなので、矛盾してません?
今月号に、そういうクリニックの広告が載っていたとは記憶していませんし、過去の話ですから、編集部の方針が変わったならいいんですが、今まで、いろんなことを煽っていたのも事実です。
美容の世界では影響力のある雑誌なわけですから、その辺のところ、頑張ってほしいです。
スポンサーとの兼ね合いもあるのはわかりますが、ページ数も足らないのかもしれないし、そんなに医療ばかりにページを割けないのかもしれませんが、極端な誘導は止めてほしいです。あくまでも、紹介ページであったり、「このドクターの今のお気に入り」というレベルで止めるべきでは?と思うのは、私だけ?
編集の方の好みもかなり反映はされるんでしょうけど。。。
誰だって、自分の気に入っているものは、紹介もしたくなるでしょうし、同じやるなら、これやって!と思うのかもしれませんけど。。。
影響力をわかって書いておられるんだったら、スゴイですね。。。
雑誌の場合は、もうちょっと偏らずにいけないものなんでしょうか。。それが、その雑誌のカラーと言えば、カラーなんでしょうけど。
(このページも、そういう企業から広告費が出ていたら、仕方ないですけどね。
それなら、PRページと明記してほしいものですが。。ま、いろいろあって、書けないでしょうけどね。)
今回は、まだまだ言いたいことが山ほどあるので、今日はこの辺で。続きます。