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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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今月のキャンペーンのお菓子、載せるのが遅くなり、申し訳ありません。

オーレリーの定番、私の大好きな焼き菓子、マドレーヌとフィナンシェをおひとつずつです。

毎年、どれかおひとつ、としておりましたが、オーレリーのマドレーヌは、絶品です!

それで、いろいろ味わっていただきたく、セットにしてみました。

今年は、両方味わえますよ♡

(すみません、写真を撮ったのに、データーを持って帰るの忘れました。。。うう。。また明日アップします。)

 

さて、ボトックスです。

みなさんは、ボトックスって、ご存知ですか?

これは、アメリカのアラガン社の商標登録で、アラガン社以外のものは、ボトックス®と呼んだらいけません。

ボトックスビスタ®も、もちろんアラガン社で、ボトックスビスタ®は、厚労省が美容医療(と言っても、眉間のシワにですが)で使用を認可した商品名です。

中身は同じです。

日本語で、「ボトックス®」と書いてある商品は、美容医療の患者さんには使えません。

国内で使うとしたら、この厚労省認可の、「ボトックスビスタ®」ですが、お値段は、やはり一番高くなりますから、アメリカからボトックス®を個人輸入をして、使っておられるクリニックもあります。

正規代理店からち」ゃんと卸していたら、アラガン社のボトックス®(アメリカ製ですから、に日本語で「ボトックス」ではなく、「BOTOX®」となっていると思いますが。。)だと思いますが、正規ルートじゃないと、もちろん本物かどうかもわからないし、万が一何かあっても、学会の保険も適応されません。

(ビスタがあるから、アメリカの分であっても、保障してくれるかどうかは、わからないですよね。今、ふと思いましたが。。)

 

でも、イギリス製や韓国製とかいろいろありますよね。

(中国製はダメですよ。その名も、「BTXA」!(ボトクサって読むんですかね。。)

正規代理店では取扱いもしていないし、7~8年前くらいはよく見かけましたが、今じゃすっかり見ませんね。

クリニックに勝手にFAXで送りつけてくる怪しい個人輸入代行業者の案内で、この間久しぶりに見ました。まだ、買うクリニックがあるんだっ!と驚きでしたね。

まあ、アラガンのことを思えば、ムチャクチャ安いです。

でも、自分には打ちたくないし、もちろん患者さんにも打ちたくありません。

でも、利益重視のクリニックは、使うんでしょうね~。実際、怪しいところでは使っているんでしょう。

イギリス製は、ディスポート(Dysport :商品名です。)、韓国製は、ニューロノックス(neuronox)やリジェノックス(Regenox)など、商品名が違います。

中身は、どれも、ボツリヌストキシン(正確には、A型です。A型とB型があります。)です。

ブランド力と言えば、それまでかもしれませんが、精製の過程の精巧さなどにも差があるのかもしれませんし、(たんぱく質などの不純物は、アラガン社がダントツ少ないはずです。一番抗体(耐性)ができにくいのは、アラガン社です。これは、本当です。)、ボツリヌストキシン製剤の、薬の分子の形が、よそと違うというのもミソです。

どれだけ打ったら、どれだけ効くのか、という調査もちゃんとなされているし(これは、ディスポートもされています)、売っておしまい、というのではなく、アフターケアにも余念がないです。世界中で起こった副作用なども把握しておられます。

ただし、正規ルートで購入したクリニックの分だけです。ボトックス®に関しては、なんでもデーターがある限り、教えてくれます。

まさに、世界のトップなんです。

なので、値段が高くなるんです。

人件費は莫大ですよね。データー収集するにしても。

まあ、仕方ないです。「安全」はお金を出して買うものですから。

ディスポートや韓国製の長所は、やはり安いことです。

安く仕入れられるので、その分、患者さんも安めの料金でできる、というメリットはあります。

うちも開業当初は、韓国製のニューロノックスも置いてました。

お手軽にしたい方もいらっしゃるかと思って。

でも、実際、ボツリヌストキシン注射を希望の方に、アラガン社と韓国製の両方のメリット・デメリットをお話しすると、ほとんどの方が、アラガン社にされ、韓国製のほうが不人気で、余る羽目に。。。

(これは、アラガン社のを安くしすぎたのもあると思いますが。。。私が計算を間違えたのです。)

で、そうこうしているうちに、アラガン・ジャパンができ、ボトックスビスタ®ができ、FAX1枚で、翌日には、厚労省認可のボトックスビスタ®がクロネコヤマトで届くという素晴らしい流通!

(それ以前は、アメリカからボトックス®を個人輸入していて、クール便で来ますから、もし不具合があったら、どうしよう、とドキドキしました。

正規ルートの場合は、ちゃんと新しいのを送ってくれますけどね。それでも、休診日に履配達されたらどうしよう、と焦ることもありました。)

ボトックスビスタ®は、一番高いですが、ちゃんと配達されてくるし、厚労省認可だし、ドキドキして待たなくていいので、ビスタができてからは、ビスタばかりで、韓国製は、在庫がなくなったと同時に、取扱いを止めてしまいました。

(韓国製も、同じくクール便ですから。)

 

うちの場合、ボトックス注射は、位置づけが、あくまでも光・レーザー治療をされている方が、ついでにちょこっとしたい、という時用の、おまけ、というか、あまりボトックスで儲けようとしていなくて、光・レーザーの普段のお金にさらに足していただくので、追加しやすい金額設定にしています。

(計算間違えたまま、ずっと来てるんですが。。。まあ、いいか、と。

レーザーしてない方とで、途中から値段を上げましたけどね。)

 

ボトックスは、自由診療ですから、各クリニックで、好きな値段をつければいいんです。

ようは、患者さんが、その値段を払っても、そこでやりたいかどうか、という契約ですから。安くしようが高くしようが、そこの勝手ですし、やるもやらないも決めるのは患者さんです。

高すぎる!と思うなら、そこでやらなきゃいいわけで。

アラガン社を使うよう、学会からの推奨はありますが、実際、どこの何を使おうが、それはクリニックの自由で、各ドクターの全責任においてやるので、それを止める権利は誰にもありません。

それも、患者さんとの契約ですね。

 

例えば、家電を買う時に、国産の一流メーカーを買うのか、海外のメーカーを買うのか、それぞれメリット・デメリットがありますよね。

患者さんの価値観によって、何がいいのかは違うわけですから、好きなのを選べばいいと思います。

(ちゃんと説明を受けた上でね。)

さて、そういう背景がある中で、先日多汗症で、ワキボトックス希望の初診の方が来られました。

某クリニックで、ずっとされてきたんですが、アラガン社のボトックスだと思っていたら、イギリス製になっていたそうで。騙された気がする、と受診されました。

お話しを聞いて、早速、そこのクリニックのHPを確認すると、料金表には、「ボトックス注射」となっています。

商法登録マークの、®  とかはついていません。

治療の詳しい説明のところに行くと、「当院はアラガン社のBOTOXを使っています」とかなんとか。

 

。。。じゃあ、なんでイギリス製?

 

ところが、多汗症の説明のページはないんですね。

料金表に、多汗症治療だか多汗症注射だかの値段が書いてあるだけです。

でも、ボトックス注射と書かれたすぐ下に書いてあり、「当院はアラガン社のを使ってます」とか書かれたら、誰だって、アラガン社と思うんじゃないでしょうか。

 

極め付けは、そこの初診時、「アラガン社のボトックス®を使っています」と説明を受けたそうです。

それで、何年もされてきて、前回の時、ちょっと安めなのがおかしいと思われたそうで

(良心的に安め、という場合も、あるとは思いますが)

受付に聞くと、「アラガン社ではなく、イギリス製です。患者さんによって(だったかな?)調整しています」、だとかなんとか。。イギリス製のほうがよく広がって、効くから、そうしてる」と言われたそうです。。。

(アラガン社が聞いたら、怒りますよ~。イギリス製より効くって、なにを根拠に。。

ちなみにですが、患者さんは、途中から、何か効きが悪くなった気がする、とは思っていらっしゃったそうです。)

まあ、患者さんからの一方的な話ですから、真偽はわかりませんが、経過を聞く分には、あまりそこのクリニックは信用できない気がするのは、私だけ?

 

ちなみに、多汗症治療の場合、ボツリヌストキシン製剤の種類もそうですが、一番大事なのは、打ち方、だと私は思っています。

アラガン社を使っても、打ち方が悪かったら、なんか早く切れる気がします。。。

(私の独断と偏見ですが。。。)

逆に、打ち方によっては、アラガン社以外でも結構いい結果になることもあると思います。

この患者さんの場合、最初に、アラガン社、という説明を受けていて、知らない間に、イギリス製に変わっていて、もし途中からイギリス製に変わっていると聞いていたら、別のクリニック(アラガンのボトックスを注射してくれるところ)に行ったかもしれないわけで。。

(実際、うちで、ボトックスビスタ®で治療を受けておられますから。値段は、うちのほうが高いです。注射だけの方でしたから。)

説明義務違反だし、表示が紛らわしい、というか、多汗症のページは書いてはいませんが、診察時にいわれているので、やっていることって、ホントに事実なら、これ、詐欺と同じでは?と思います。

「ボトックス注射」という名前が、ものすごく有名になってしまったので、

(「ホッチキス」みたいなものですね。

「ホッチキス」は商品の名前なので、商品自体は、「ステープラー」と言います。)

確かに、料金表やHPに、「ボツリヌストキシン」と載せても、見てる方が意味がわからない、あるいは、スルーしちゃうこともあるでしょうから、見る方にとって、わかりやすくするために、「ボトックス」と書いてあるのは、仕方ないかと思います。

でも、ボトックス®を使っていないんだったら、その下に、ちゃんと商品名を書くべきでしょうし、HPに、あたかもアラガン社を使っている、という表現もダメでしょうし、「ボトックス」と勝手に名前をかたっておいて、HPのどこにも、アラガン社使用」とは書いていないとなると、アラガンだ、と思う患者さんも出てきますよね。

これは、やはり詐欺でしょう~。

アラガンが良くて、探している方がいるわけで。

アラガン詐欺です。偽装ですよね、今流行りの!

 

イギリス製であろうが、韓国製であろうが、ちゃんと説明した上で、患者さんが選ぶなら、それはそれでありかと思います。価値観は人それぞれですから。

韓国行ったら、みんな韓国製を使っているわけですし。。。

好み(というか、お金)の問題も大きいですよね。

だから、そういう方は、そういうクリニックを探したらいいと思います。

自分で折り合いの付けられるところまで、折り合う、ということです。

でも、詐欺はダメでしょ。

料金用には、「ボトックス」としか載せていないクセに、実は、アラガンじゃない、というクリニックは、診察・カウンセ時に、ちゃんと言っているんですかね。。。

そういうことを、カウンセ時にきっちり言うクリニックは、HPにも、そんな詐欺まがいの表現はしないと思うんですよ。

アラガン以外の写真も載せているとか、他のメーカーの名前も書いているとか。

そういうクリニックがとても多いので、結局は、患者さんが自分で確かめる羽目になりますよね。

説明不足と、詐欺は違いますし、そんなことまで確認しないといけないなんて。。。恥ずかしと思わないとね、医療者側は。

 

 

その患者さんにも聞かれましたが、こういう時、どこに言えばいいんでしょうね。

ジャロ(公共広告機構)?市役所?保健所?

消費者庁?

 

お役所に言っても、注意だけで終わって、そこまでの拘束力がなかったり、無視するクリニックもありますから、自分の身は自分で守るしかありません。

心配な方は、とりあえず、クリニックに確認されては?

詐欺まがいだったら、もうそんなところに関わるのは止めましょう。

ろくでもない、から。

そんな詐欺をするところは、他にも似たようなことがたくさんありますよ、きっと。

あと、料金表などHPが、「ボトックス」としか書いていなくて、詳細が書いていなければ、怪しいことが多いです。

(書いていても、詐欺があるかもしれません。)

今一度、確認されては?