プロフィール

  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

カレンダー

2014年2月
« 1月   3月 »
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
2425262728  

最近投稿した写真

ホーム > スキンケア, 医療 > ビタミンCのイオン導入



ビタミンCのイオン導入

キャンペーンのイオン導入のことを書くのを、すっかり忘れておりました。すみません。

 

今回は、めずらしく、イオン導入のキャンペーンで、ビタミンCをやります。

何故かというと、患者さんから、一度やってほしい、やってみたい、と言われたからです。

 

ビタミンCは、美肌に必須!美白はビタミンC!と思っていらっしゃる方も多く、そういう化粧品も多いし、イオン導入と言えば、ビタミンC!というくらい、めやーですものね。

それは、確かに正しいんですが。。

 

うちでも、イオン導入のメニューにも加えていますし、ホームケア用としてのご用意もしていますが、ビタミンC大好き!絶対やりたい!!という方以外に、私からあまり勧めることはありません。

 

ビタミンCのイオン導入をやりたい、化粧品としてほしい、という方に、どうしてビタミンCがいいんですか?ビタミンCの何がいいんですか?(ビタミンCをやろうと思ったきっかけや理由ですね)とお聞きすると、美白になるから、シミが取れるから、美肌にいいって聞いたから、などなど、ご本人が今までにやってよかった、というのではなく、雑誌や化粧品会社の広告などによる刷り込み現象が大半です。

 

若い子がニキビや脂症に悩んでいて、という時は、私も勧めますが、若い時は、予算も限られていますから、イオン導入に回すお金を、他の薬やレーザー治療・ホームケア用化粧品などに回すほうが、優先順位は上かな、といつも申し上げています。

予算に余裕があれば、そりゃ足すほうがいいに決まっていますが、イオン導入の場合、1回で劇的に効く!というのは、期待してはいけません。

稀に、ドンピシャ!に、薬剤と肌の不足していた何か・悪化させていた何かと、ぴったり合って、1回で、私がびっくりするくらい良くなる方というのはいらっしゃいますから、絶対に期待するな、とは言いませんが、イオン導入は、「チリも積もれば山となる」で、積んでいかないと、効果がわかりにくいです。

いい成分を、皮膚の奥まで入れた、というだけの話です、ものすごく簡単にいうと。

 

光・レーザー治療みたいに、シミを破壊するとか、何かを刺激して、コラーゲンを出させるとか、そこまでの力はありません。

奥に入っていった成分が、肌の細胞に働きかけるのを、じ=っと待たなくてはいけません。

働いて、何かが変わるとしても、1回ではレーザーでも顕微鏡レベルのことが多いのに、「医療ではない」イオン導入で、どこまで確認できるのか?ということです。

 

イオン導入は、家庭用の機械も売っていますし、エステでもやっています。「医療」ではありませんから、資格も必要ないですし、間違ったやり方をしなければ、安全なものです。

(それでも、エステで火傷を起こすことがよくあるというので、ビックリします。

エステにも、イオン導入器を売っている業者さんから、買うかどうかの話を聞いたときに、売る際の同意書が必要と言われました。

業者側が教えていないやり方を勝手にやって、お客さんがホントに火傷して、責任をメーカー側に振ってくるので、間違ったやり方をした場合、メーカーは責任をとりません、という同意書です。

私がびっくりしていると、エステでは多いんです、とおっしゃってました。だから、同意書まで出てくる必要があるんでしょうね。。

機械が壊れていたとかなら、その場合は、家電でもそうですが、やり方・使い方の問題ではないので、メーカー側の責任も出てくる場合があるでしょうけど。

1回で普通は、効果が見えないことが多いので、わざと、流す電流の目盛をめいっぱい上げてビリビリさせて、「ほら、効いているでしょ!!」とやるパターンは非常に多いらしいです。

ビリビリ=火傷 ではありませんが、強くする場合、リスクもわかってやらないと、何でも強ければいいっていうものではありませんから。

リスクがわかってやる場合、(医療ならね)、前もって説明もしておけるし、何かあってもすぐに対処できるので、万が一の時でも、最小限で済むことが多いです。

エステや化粧品は、リスクを冒してやるものではありません。だって、そこまでの効果なんてそもそも出ないんだから。

(ホントの「効果」が出たら、逆に、ちょっとおかしいですよ。危ないですよ。

一時的にのみ変わる、というのはありますが、それは「効果」とは言いません。そんなものを「効果」と言われたら、エステのお客さんは、高いお金を払っているのに、こんなもの?!と思うでしょうし、実際、思っているでしょう。)

さて、イオン導入の成分に、話を戻します。

 

ビタミンCは、そりゃ確かにいいんですが、あまりみなさんご存知ないんですが、ビタミンCには、「皮脂を抑える」という働きがあります。

なので、脂症の方・ニキビのひどい方はいいんですが、自称脂性(実は混合肌、というか、乾燥がひどくなり、そのせいで変な脂が出てきて、悪循環にはまっている肌)だったり、乾燥肌の方が、「とにかくお肌にいいから!」と、一生懸命やればやるほど、どんどん乾燥がひどくなり、おかしなことになっていくわけです。

ビタミンCの化粧品を使う場合は、乾燥させる分、保湿成分を足してあるとか、なにかちゃんと(科学的にね)工夫されているものでないと、特に大人の肌には向きません。

また、市販で売っているビタミンC化粧品は、「高濃度」とすごく宣伝してあっても、ビタミンCは、そんな簡単には皮膚の奥に入らないので、信じて買っても、高濃度には作ってあっても、実際入っていないので、何の意味もありません。

(一部、ちゃんと入っているのもあるかもしれませんが、ちゃんと入っているのを、どうやって確認したのか、証拠を見せてもらったらいいんじゃないでしょうか。大半はそんな確認もしてないし、(できる研究室もない)、確認していても、そんな奥まで入っていません。

塗るだけで奥まで入るなら、イオン導入もいらないわけですし。)

 

ビタミンC単独で導入するなら、もうちょっと気温が上がって、皮脂が増える季節になってからのほうがいいかなと思ってましたが、患者さんからの要望もあり、今回、組合せならいいか、と思いました。

 

実際、イオン導入をしたいとおっしゃる患者さんの目的は、美白であったり、美肌であったり、アンチエイジングであったり、と欲張りな目的です。

同じやるなら、ビタミンCよりも、トラネキサム酸やプラセンタのほうが、目的によったら、優れていることが多いです。(値段も上がりますが)

なので、大人の方には、目的を聞いて、イオン導入の種類を選んでおススメしてました。

違うものを、それぞれ足してあげると、そりゃいいですが、予算のこともありますから、そこでやってみたい方に、今回キャンペーンです。

 

家庭用のイオン導入機にしろ、エステであろうと、クリニックであろうと、やり方を間違えたら、それこそ擦ってしまって、反って刺激になり、顔中肝斑になっている、という方が大勢いらっしゃいます。

クリニックでも、肝斑が悪化した方の経過を聞いていると、イオン導入で、ゴリゴリ、あるいは、ゴシゴシ擦ってされていて、いくら導入されても、擦っている刺激のほうが勝ちますから、良くなるはずがありません。

クリニックですら、それですから、一般の方がおうちで、正しく、一人で、しかもずっとやっていけるわけがない、と私は思っていますから、家庭用美顔器の類は一切おススメしていません。

とにかく、顔を極力触らないように、触らずに済ませられるなら済ます、というのが目標です。

イオン導入した成分にしても、そんな何日も持つものではありませんから、ホントは家庭用でちゃんと正しく行えば、機械自体はとてもいいものだと思いますが、これが無理なんだな~。

できる人が絶対いない!とまでは言いませんが、絶対自分は擦っていません!という方に限って、擦っていたりして、自覚がないから治らないのです。

仮に、擦らずにできたとしても、貴重な時間(お金もね)を削ってまで、やった価値がありましたか?

クリニックでやるならいざしらず、おうちで導入できる成分というのは、限られていますから、効果らしきものが出る前に、肌がおかしくなっていることのほうが圧倒的に多いです。効果が出ないから、もっともっと、とやり方もどんどん変な方向にいっちゃうことが多いのです。。

(これは、成分だけではなくて、大半はやり方の問題なんですが。ダーマスコピーで見ると、肌ボロボロ。。。悲しいですね。。)

患者さんがビタミンCを希望されても、お肌の状況によったら、お断りするかもしれません。

とりあえず、再診の方は、電話かメールでお問い合わせください。

当日追加を言われても、時間が空いていたらできますが、空いていないとできませんから、されたい方は、前もって言っておかれるほうがいいです。

ちょっと早めに来ていただいて、肌がいけるなら、追加、という形ですかね。

 

カテゴリ:

スキンケア, 医療