ついに、日本初の、厚生労働省承認の注入用のヒアルロン酸製剤が出ました!
「ジュビダーム®ビスタ ウルトラ」「ジュビダーム®ビスタ ウルトラプラス」です。
この製品は、ボトックスビスタ®で有名な、アラガン社の製品です。
アラガン社は、アメリカの大きな製薬会社で(製薬会社だと思っていましたが、もっと多角的に、薬剤だけでなく、いろいろ展開されているようですね。知りませんでした。)、ボトックスビスタ®が厚労省が承認してから、アラガン・ジャパンが設立されて、ボトッスクの発注がとても楽になりました。
今回は、ヒアルロン酸も承認ですから、国内で、簡単に発注できる、というのも、とても魅力的です。
なんてったって、アラガンですから~。
昨日の日曜日は、このジュビダームのお披露目セミナーが、東京でありました。
厚労省承認ですから、欧米人ではなく、日本人でのデーターが取られているはずだと思います。(きっと)
FDA(アメリカの厚労省みたいなもの)でも、約1年の持続力がある、ということでも、かなり以前に承認を取っている製品です。
この持続力を、ちゃんとデーターを出しているヒアルロン酸製剤って、少ない気がするのは気のせいでしょうか。。
今回のデーター、思っていた以上に良かったです。
いや~、ヒアルロン酸って、知らない間に進化しているんですね~。勉強不足でした。
詳しくお知りになりたい方は、こちらをどうぞ。
http://vst-beauty.jp/juvedermvista/pc/
ヒアルロン製剤って、実は多くの種類があって、ひとつのメーカーであっても、それぞれの粒の大きさというか、用途別に、いろいろ種類があります。
どこに、どう入れたいのか、どうしたいのか、で、選んでいくんです。
その前に、どこのメーカーのものがいいのか、これ、とても重要です。
メーカーというか、ブランドによって、得意分野みたいなものって違いますが、似ているようで全然似ていないのが、実は、ヒアルロン酸製剤なんです。
私は、最初、Q-MED社のレスチレンシリーズを使っていました。
日本でもトップシェアを誇りますし、世界シェアは、確かこれが1位のはずです。
最高峰ブランドと言っても過言ではないかもしれません。
このレスチレンシリーズの中で、部位毎に使い分けをやっていました。
その後、レディエッセ®が出てきて、シワには入れられないし、あくまでも、ボリュームアップの製剤ですが、ヒアルロン酸に比べて、吸収が遅く、綺麗に形を作ることができて、特に、鼻やアゴには、最適です。法令線に入れるにしても、ヒアルほどの量がいらないんですね~。同じ量を入れても、持ち上げる力は、レディエッセは格段に優れているので。
レディエッセ®が出てきて、鼻にシリコンを入れる人は減ったんじゃないでしょうか。ヒアルロン酸の時は、入れすぎたら、ブヨブヨになるし、目頭まで、ヒアルロン酸が流れ込んできて、やりすぎだっつーのっ!!という、変な人タチを、雑誌の読モや、下手なゲーノージンで、見たことないですか?
アバター鼻とか、コアラ鼻とかでも呼ばれてました。
ヒアルロン酸でも、ちょっと入れる分には、鼻もいけるのにね。まあ、鼻は、レディエッセ®のほうがやっぱりいいとは思いますが。
ちなみに、レディエッセ®の欠点は、吸収がホントに遅いので、もし入れすぎてしまった時に、あるいは、減らしたい・なくしたいとなった時に、吸収を待つしかない、ということです。
マッサージをしたからといって、ヒアルみたいに、早く無くなるわけではありません。
それに引き替え、ヒアルは、吸収も早いし、遅い場合ももちろんあるんですが(部位や量によります)、最悪というか幸いというか、ヒアルロニダーゼという分解する酵素で、溶かすことができます。
(ヒアルロニダーゼは、これはこれで、問題があり、よほどのことがない限り、バンバン使うものではないと思います。反応が行きすぎると、自分自身の皮膚内のヒアルロン酸も溶かされてしまって、シワシワに。。。
入れすぎた分だけ、うまく溶けてくれればいいですが、行き過ぎてシワシワになった分は、これは、そうそう簡単には戻せないのでは。。?
(また、入れればいいのか?)
他院でやられて、あるいは気軽に「なかったことに」みたいに考えてやっちゃって、エライことになっている患者さんを、結構見てきました。
そういうのは、もううちでは触りません、というか、触れないかな。
もうそこまで行っちゃったら、何もせずに、そーっとしておくほうが一番かも。。
なんとかしようとあがいて、いろいろやった患者さんも知っていますが、東京まで治療に行ったり、費用もエライことに。。それだけやっても、ちょっとはマシになったけど、元を考えれば全然ダメダメやん、、、ということも。。
こういう酵素は大切ですが、使う場合は、患者さん側は、ホントに気軽には考えないほうがいいですよ。絶対、なんてないから。
どうしても、溶かしたい時は、少な目にしておいて、もうちょっと、という場合は、もう止めておいたほうが、私はいいと思います。欲を出して、おかしくなった患者さんも、これまた見たことがあり、結構悲惨でした。。。
ちゃんとしたところでされたので、勧められなかったり、それを押し切ってされたんですが、もちろん、やり過ぎた場合の副作用というか、見た目はひどくなる話などもされたと思いますが、(あくまで想像ですが)、こういう時の患者さんって、「良くなった自分」しか考えていないので、聞く耳もたないんでしょうね。。
話を戻しますね。
レディエッセ®が出てきてから、深いところに入れる注入剤は、ほとんどヒアルロン酸を使うことはなくなりました。
最初は、深いところ用のヒアルロン酸も用意していましたが、説明すると、患者さんみなさんレディエッセ®を選ばれたので、在庫が無くなったと同時に、ヒアルロン酸は、シワ用専用にしました。(粒の大きさとかね)
モノによったら、シワ用と言っても、余ったら、法令線・鼻・アゴにも入れるのは可能なものもありましたが、レディエッセ®と混ぜたらいけないので、そういう場所は、レディエッセを別に購入される方もいて、人それぞれでした。
レスチレンに飽きたわけではなかったんですが、他のヒアルロン酸製剤もやっぱり気になり、それぞれの商品特徴を活かして、使ってみたくなるものです。
細か~いシワや浅目のところに欲張って入れちゃうと、どのヒアルロン酸も、なかなかゼリーぽくなるというか、ある程度は仕方ないんですが、う~ん。。欲張っちゃ、イカンよ、となることも。。
(エセリスで、かなりこの問題は解決しましたが。)
ジュビダームは、確か、世界シェア2位だったと思うんですが、違いましたっけ?
それくらいメジャーな、一流ブランドのモノです。
ジュビダームは、私が、最初ヒアルロン酸を使い始めた時は、柔らかい、柔らかすぎる、という意見があり、(今回のとは、またちょっと違う話です。昔の話だし、鼻やアゴに入れることが前提の話でしたから。)、実は、使ったことはないんです。
そのほかのメーカーもちょっと使いましたが、トップランドと言われているものであっても(レスチレンではなくて)、製品によって、「粒子にムラがあるんじゃない。。?」と不安になることもあったり、なんかこの間と感じが違うな。。。なんか使いづらいな、と思うこともあったり、メーカーに聞いても、要領を得ることができなかったり、「長く持ちます」と言っていても、自称だったり。。悪いわけではないけど、他に何かないのかな。。?などなど。。
モノによったら、衛生面(安全面)は大丈夫?と疑いたくなるものも。。。怖すぎて、仕入れられません!
(安すぎるものは、ホントに怖いですよ。。うちでは、絶対に取り扱うことはありませんが。まあ、ドクターの好みですが。)
トップブランドから選ばないと、注入剤だけは、私はダメだと思うし、今まで全ての注入剤が、厚労省未認可ですから、全て個人輸入なんですね。
ちょっと手間暇もかかるし、個人輸入を仲介していただく業者さんも、おかしなところ経由では絶対ダメで、偽物が混ざっていることもあるそうです。
こういうモノを仕入れるのに、絶対にケチってはいけないんですね~。
(素人(医師以外という意味です)が個人輸入で、こういうものを買うのは絶対に止めておきましょう。知らないだけで、偽物だらけですよ。そんな値段で、買えるわけないですから。
自己責任とはいえ、アホちゃうか、と思います。中途半端なお金で偽物買って、エライことになったら、そんなハシタ金で、治せませんよ。大金積んでも治せないことも多いんですよ。初めから、ちゃんとしたお金を出して、ちゃんとしたクリニックに行きましょう。そんなお金がないなら、注入は止めておきましょう。)
ボトックスを個人輸入していた時は、4℃以下でちゃんと保持されてこないと、ボトックスは失活してしまっている可能性があるので、代理店によったら、いつ届くのかも連絡がないので、(連絡があっても、絶対ではないので)いつもひやひやしてました。もし、休診日に届いたらどうしよう!と気になって仕方なかったです。
あきらかに、中身のアイスノンとかが解けていたら、代理店に言えば、またちゃんとしたものを届けてはくれますが、時間のロスですよね。
なので、アラガンジャパンが出来た時は、アラガン様様でした~。もう悩まなくて済みましたもの。FAX1本で、翌日クロネコヤマトが届けてくれます。絶対、安心!
そこに来て、今回のヒアルロン酸承認です。
さすが、アラガンですね~。
承認を取る、というのは、よく知りませんが、どえらい苦労と時間とお金がかかるのかなと。。小さいメーカーでは、大変だと思います。
これをきっかけに、もっとどんどん国内承認の美容医療が増えて行けば、情報公開も増えますから、その結果、患者さんにもいい医療が提供できることになるわけで、韓国なみに、とまでは言いませんが、もっと美容医療がオープンになればいいですね。
未承認だと、ホントは、注入セミナーも、あからさまにどこまでやっていいのか、グレーゾーンだったりするようで。。難しいところのようです。個人セミナーみたいなものはいいはずですが。。
そういうセミナーがないと、広く技術も知られないわけで、一番困るのは患者さんなんですが、「未承認」となると、承認のものほどスムーズにいかないこともあるようです。
今回のセミナーは古山 登隆先生という一流の先生のライブがあり、Dr.Braz(ブラジルの有名なドクターだそうです)の記念講演があり、ものすご~く勉強になりました。
他にも、一流の先生方のディスカッションもあり、行って良かったです。
最初は、ヒアルロン酸のセミナーか~、とあまり期待はしていなかったんですね、実は。
レディエッセもあるし、目の周りは、結局エセリスになるし、(今回のジュビダームは、承認されている2種類とも、目の周りはダメです。目の周りでも、大きなシワならいいのかもしれませんが。。。でも、使わないかな。)う~ん。。と思ってましたが、この2種類で、結構いい感じになるな~、と思いました。
というのも、そりゃ、一流の先生が、2種の製剤を好きなだけ使って、顔中に入れていますから、そりゃ、良くなりますわね。
これを同じことを、患者さんがされたら、いくらかかるのかしらん。。。
お値段は張りますが、多種の注入剤セットで、顔中おまかせ、というセットはいいですね。
法令線にだけこだわっている方も多いですが、そこよりも、先にこっちをしたほうが。。ここを足したほうがもっと綺麗に見えるのに、ということもあり、ご提案はしますが、1本買い取りでは、足りないこともあったりすると、全部法令線に!と言われる方もいらっしゃいます。
まあ、2本目を買えばそれはそれでいいんですが、私も、2本目は様子を見てからでいいんじゃないですか?と、一度に大量、というか多めに入れることはあまり勧めていないので、よけいかもしれませんね。
2本くらい(3本でも)入れても大丈夫な場合(年齢・皮膚・骨格の状態などによります)も、あるんですが、うちに来られる方は、「いきなり極端には変わりたくない」「あくまで自然に」という方がとても多いので、(私の好みもそうです)、結果、ちょっとずつ足す、様子を見ながら足す、ということが大半です。
ある程度のシワが出てくる年齢になると、どこか1か所だけ良くなると、次に違うところが気になってくるもの。
そういう方のために、セット(いろんな注入セット)は、いいですね。まとめる分、患者さんにとっても、お得になるし。
ヒアルロン酸のいいところは、モノにもよりますが、入れる深さに関して、レディエッセほど気を遣わないというか、いや、まあ遣うんですが、万が一、入れすぎたら、レディエッセは大変なので、入れる量も部位によったら、ヒアルロン酸以上に気を遣う気がします。
エセリスはエセリスで、目の周りはデリケートですから、これまた気を遣いますし、他の場所でも、それはそれで気を遣うんですが、やっぱりヒアルロン酸は、皮膚になじむので、水も吸いますし、(そのおかげでボリュームアップがさらに増すこともあります。それがいい時もあれあ、悪い時もあります)、専用マッサージ(なんでもやればいいというものではありません。)で、かなり早くなじんだりしますので(この場合は、私も、患者さんにお願いすることもあります。指導されていない場合以外は、やらないでください。マッサージする時に塗っていただく薬をお渡しして、やっていただくので、やり方にも方法があります)、入れた直後よりも、より自然にいい感じになるのが、ヒアルロン酸のいいところですね。
(レディエッセもなじみますが、もともと、皮膚の浅いところに入れるものではないので、なじみ方や自然な感じ、というのは、ヒアルロン酸と比べるものではありません。
やっていることが全然別のことなので。)
どこをどうしたいのか、で、選ぶ注入剤って、ホントいろいろで、ボトックスも足したほうがいいし、単独で改善というのは、アンチエイジング目的ではちょっと難しいことも多いです。
いろいろ足しやすいように、うちでは、光・レーザー治療をされている方は、割と負担にならない価格設定にはしているんですけどね。
目の周り以外のヒアルロン酸を、次にどうしようかな、とちょうど考えていたところなので、ちょうど良かったです。
多分、ジュビダームは、取扱いを開始すると思います。(きっと。多分。おそらく。。)
開始する時に、セットも考えますね。
エセリスも必要ですし、エセリスにもいろいろ種類があるので、揃えてはいますが、エセリスをはじめ、実は、FDA承認が取れていないヒアルロン酸製剤って、多いんです。
(多いわけではないのかもしれませんが、有名で当たり前のように使われているものが、FDA承認がなかったり。
FDAが全てではありませんが、CE(ヨーロッパ)のみだと、問題になっているものも混ざってくる場合があるので、注意が必要ですし、FDA承認じゃないと、アメリカであまり使われていないので、症例数が全然違ったり、と情報がもっとほしい時に困ることもあります。)
注入剤に一番求めるものは、私は、「安全性」なので、今回の厚労省承認は、とても嬉しく思います。
皆さんも、ちょっと安心なこと、ないですか?
取扱いまで、もうしばらくお待ちください。
セット価格、というか、トータル注入モノセットというか、いくつかパターンを出してみますが、価格セットは、ホントに未定です。