ヒアルロン酸、注入剤と言えば。。。。
パンパンマンって、ご存知ですか?
いえ、私が勝手に命名したんですけどね。
アンパンマンじゃないですよ、いや、アンパンマンの親戚かもしれません。
顔が丸くて、デカいから。
中に、餡子は入っていないし、食べることもできませんし、アンパンマンのアニメにも登場はしません。
<パンパンマン>
ヒアルロン酸やレディエッセなど、なんでもいいんですが、何かの注入剤を顔(主に、頬全体)に入れすぎて、頬全体が膨らみ過ぎて、顔が大きくなっている状態を、揶揄した表現。
体は細いのに、顔だけが大きすぎることから、アニメの「アンパンマン」に似ていることから、名づけられたと考える。
肥満による脂肪が付き過ぎて、頬が膨らんでいるのではなく、何かしらを注入することによって、人工的に作り上げられた状態の時のみ、使用する。
本人の以前の顔よりも、膨らみ過ぎるため、注入した事実が露呈することもあるが、以前の顔を知らなくても、あまりにも不自然なため、強く疑われる場合も多数存在する。
注:男性でなくてもよい。女性であっても、表現することあり。
ウィキペディア風、あるいは、大辞林風に書いてみました。
最近、TVを観ていると、女性だけでなく、男性の「パンパンマン」も増えてきましたね。。
女性と男性で、名前を変えておくべきたったでしょうか。。
男性でされているのは、50代以上かしらん。。
男性の場合、頬がこけていても、頬のトップの脂肪が減っても、シワが出てきても渋いですよね。また、別の魅力が出てくるというか、女性の場合だと、周りから、「この人も老けたな。。」と思われることも、男性の場合だと、確かに老けても、それはそれでいい味が出てるかなと、私は思うんですけど。
特に、男性の40代だったら、少しくらいのシワやこけは、アリと思います。
ところが、50代に入ると、もともと痩せていらっしゃる方の場合、肌のツヤも減ってきますから、コケやシワが一気に来ることも。。。
男性の場合、昔のイメージを維持されたい方も、そりゃ、女性同様いらっしゃいますよね。その点は、女性も男性も同じです。
俳優さんだったら、シワができたら、またその年齢に合った役を演じられるわけですから、あまり顔をいじられない方が多いように思います。
男性の眉間のシワは、あれはあれで、いいシワですよね。(キャラにもよりますが)
パンパンマンは、女性だけかと思うくらいの勢いで増殖していたので、ちょっとビックリしました。。
ああ、この人も、とうとうパンパンマンか。。と。
(もうちょっと太ったらいいのに、と思いましたが、50代前後で、痩せていらっしゃる方というのは、もう体質的に、太れない方で、仮に、たくさん食べて太ったとしても、おなかの皮下脂肪や内臓脂肪になるだけで、顔などついてほしいところにつくわけではないから、意味ないんでしょうね。。)
40歳を過ぎると、女性もそうですが、自分の力だけで、なかなか、「ちょうどいいところ」に、体型などを維持するというのが、かなり難しくなってきます。
できる方もいらっしゃいますが、ホントになかなか難しい。。。
女性の場合、男性もそうですが、頬のトップのところ、目の下側のところね、ここに、脂肪がついている、というのが若さの象徴です。
ここに、脂肪があると、若々しく見えるんです。
例えば、タレントの柳原加奈子さんとか。ほっぺたふっくらして、可愛らしいですよね。
もともと、ぽっちゃり体型ですから、頬にも脂肪がついていらっしゃるわけですが、ああやって、頬のトップに脂肪があると、実年齢よりも若く見えます。
逆に、頬のトップの脂肪が減ったり、ゴルゴラインが出てくると、疲れて見えるし、老けて見えます。
フェイスラインには、脂肪はないほうが、若く見えるんですが。。。
頬がこけているのは、こけ方や、その他の要因(肌にツヤがあるかとか、肌が綺麗で若く見えるとか、などなど)で若く見えていたら、あまり関係ないかも。
こけ過ぎは老けて見えますが、耳前からフェイスラインにかけて、スッキリしているのは、それはそれで羨ましいです。
「頬のこけ」=「老けている」のは、直結しないこともあります。
でも、頬中央のトップは、脂肪がないといけません。
ここ数年、顔の若々しさの目指すところの例えでよく言われるのが、「ハート型」です。
まさに、頬のトップには、ボリュームがないと、若々しくは見えないんですよね。
ほとんどのパンパンマンの方が、痩せていらっしゃる方です。
アラフォーであろうが、50代以上であろうが、ぽっちゃり体型の方は、頬(顔全体もですが)に脂肪はたっぷりついていますから、法令線に、何か注入剤を入れることはあっても、あまり頬には入れないです。
むしろ、減らしたいくらい。。。
ホントに、人間ってないものねだりというか、年をとると、いろいろ調整って難しいんですよ。若い方には、まだまだわからないと思いますが。
痩せている方が、顔にだけ、しかもついてほしいところにだけ、脂肪をつけるというのは、自分の力では無理ですから、注入剤に頼るしかありません。
手術という方法も、いろいろあるんでしょうけどね。なかなか手術は、ダウンタイムのことやいろいろ考えると、簡単に手を出す方は少ないでしょう。
それに引き替え、注入剤は比較的簡単ですから(もちろん、副作用はいろいろありますよ)、施術する人数から言ったら、圧倒的多数です。
ちょっと入れるだけで、頬がふっくらして見えるし、法令線にしろ、マリオネットライン(口角下のたるみ)にしろ、いろんなところが、溝を浅くすることによって、若く見えますから、とてもいいと思いますし、私もお勧めです。
「膨らます」というのは、レーザーではできませんからね~。
患者さんがどこまで望むのか、にもよりますが、注入剤の力を借りないと、レーザーで全て済む、というわけではないんですよね。
ちょっと注入したら、もっといいのに~、という方は、いくらでもいらっしゃいます。
それは、ヒアル・レディエッセだけでなく、ボトックスもそうです。
それぞれに役割があります。(もちろん、デメリットもあります。)
TVで観た男性のパンパンマンさんは、ボトックスもちょっと不自然でしたが、なんか目が前より小さいな、と思って気になったんですが、多分、目の下までめいっぱい入っていて、ちょっと頬が押し上げているのかな?と思いました。
あるいは、おでこのボトックスが効き過ぎて、まぶたが下がっちゃったか。
(この方は、おそらく、めいっぱい入れたほうかと思いましたが。
先日、別の番組で、全然見たことのない女性タレントさんが出ていて、名前を聞いてもも本人ってわからなくて、何でこんなに顔が違うんだろう?と思ってしばらく見ていたら、ああ、まぶたが下がっているのか!と気づきました。
久しぶりだから、ボトックスもめいっぱいやっちゃったんでしょうか。。
メイクも変えて、鼻もいじったのか、それもメイクのせいなのか、ホントに顔がわかりませんでした。
こういう方がどんどん増えてくると、市民権を得るというか、当たり前になってきますね。少数派でなくなりますものね。
「美」への考え方が、両極端になっていきますかね。
パンパンマンであろうとなかろうと、ご本人が満足されていて、またそれを見て、「若い!キレイ!」と思う人が増えれば、新しい「美」の誕生ですね。
平安時代は、しもぶくれ・一重まぶたなどが流行ったみたいに、時代によって、流行りの「顔」って違いますものね。。「キレイ」の基準も、こうして変わっていくんでしょうか。。
私は、やり過ぎの「パンパンマン」は、「キレイ」とは思わないんですが。。
ほどほどがいいかな、と。それこそ、周りの人からバレないくらいの自然さがいいのでは?
うちの患者さんで、パンパンマンの方は一人もいません。
(私が、注入をしている方の中でです。脱毛だけ、とか、レーザーだけとか、注入と関係ない方だったら、数人くらいはいるかもしれません。。思い当たる方は浮かんできませんが。)
初診の方で、他のクリニックですでにパンパンマンになっていて(自分の意思なのか、やられてしまったのかはわかりませんが)、クリニックを変えるために、うちにたまたま来られた方というのが、ごくたまにですが、来られます。
引き続き、パンパンマンにしたい方は、あまりうちには来られないと思うんですが(私が基本勧めないですから。初診の予約時に、「絶対に入れてほしい!」というお電話の場合、「診察によったら、できないこともありますが、それでもいいですか?」と確認しているので、「絶対に入れたい!」という方は、来られません。
(そう言って、了承を取って、予約を取っているのに、「自分は入れてもらえる」と思いこんでいる方も、ごくたま~にいます。
医学上、危ないと判断した場合は、絶対に入れません。
(これ以上入れたら、皮膚が腐るかも、とか、何が入っているのかわからないから混ぜないほうがいいとか、入れることで余計にひどくなる場合などです。余計に弛むとかねもね。)
他院でいろいろされている方の場合、何がどうなっているのかわからないので、「安全面」から入れられないことがあります。
「見た目」で勧めないけど本人の好みの問題ですから、とやる方とやらない方と、いろいろです。
先日来られた方も、3か月前ほどに、他院でレディエッセを頬・法令線に入れていて、予約時に、「入れられないこともあります」と言って、予約を取りました。
で、来られると、見事なパンパンマンで、これほど間近で、パンパンマンを見たのは久しぶりかも。。うちでは、絶滅危惧種だったので。。(新患でも、久しぶりでした。ホントに、そういう方は、うちに来られませんから。。)
そんなにパンパンマンなのに、ゴルゴラインが出ていて、法令線は、そんなに深くなかったんですが、レディエッセの1年くらい前に、ヒアルロン酸も同じ場所に入れておられます。
入れた量を聞いたんですが、どうも入れた量と今の状態が合っていない。。。
もっと入っているのでは?
入れて経っている時間から考えて、その量がそれだけ残っているかな。。
(1年前のも、ホントに、ホントのヒアルロン酸?と疑いたくなります。)
これだけ入っているのに、ゴルゴラインが出ているのも、入っている深さがおかしいのかな、と思いましたが、(完全にゴルゴラインを消すのは難しいことがあります)、ちょっとずつ入れていって、この深さ!と思っているところで違ったら、また違う深さに入れて、調整していくんですが、これだけパンパンマンだと、もうそんなに入れられない。。
なにしろ、顔がデカい!!
体は細い方だし、フェイスラインの感じや頭の骨の大きさなどから言っても、もともと、そんな顔の大きさじゃないでしょ?もっと顔小さかったでしょ?と患者さんに聞くと、もっと小さかったとおっしゃってました。
「その顔が大きくなったのは、イヤじゃないんですか?」と聞くと、「顔が大きいのは、やっぱりイヤ」とのこと。
「入れるのは構いませんが、顔は余計にでかくなりますよ?それでもいいんですか?」
→「もうちょっと入れたいけど、顔がさらに大きくなるのはイヤです。」
もうちょっとだけで、そのゴルゴラインが消せるという約束は、ようしません。
しかも法令線は入れる必要がないほどの深さで、入りますが、顔はフグみたいになってしまいます。
(法令線って、もともと膨らんでいる場所ではありませんから。)
パンパンマンから抜け出すなら、今しかありません!
私が提案したのは、とりあえず、もう少し吸収するのを待ってから、新たに注入する(ある程度、深さをいろいろ変えて注入しても余裕が出るくらいになるまで)、その間に、顔のタルミが気になるわけで、タイタンなどをして、ついでにスキンケアをする(顔中、ひどい肝斑で、肌もボロボロでした。ついでに、イタいエクステも止めて、まつ毛育毛に切り替えるように説得する)というものです。
(今、うちの患者さんで、肌治療をされている方は全員と言っていいくらい、エクステからまつ毛育毛に変えられました。
似合っておられる、少数の方々でしたが、先日の厚労省の危険性の発表を受けて、みなさん、切り替えられました。良かった、良かった。)
さて、法令線は、ひどいわけではないので、タイタンで十分ですし、顔全体のタルミ治療にも役立ちます。
ゴルゴラインは、私はタイタンの適応ではないと思いますが、注入剤と合わせて使うと、結構持ち上げてくれたり(回数は必要です)、注入剤が無くなっても、ゴルゴラインが目立たなくなったり、注入がイヤな方でも、タイタンを定期的にやることで(回数はかなりいりますが)、ゴルゴラインが目立たなくなる方もいるので、注入はしないけど、もうちょっとなんとかしたい、という方には、タイタンをお勧めしています。
肌さえキレイだったら、ちょっとのシワや法令線やゴルゴラインって、そこまで目立ちませんけどね。先になんとかするんだったら、肌が先では?と私は思うんですが。。。
まあ、どこまで目指すのかは、患者さんの価値観と好みですが。。。
結局、この方は、肌のお手入れもする気はなく、注入のみにこだわっておられて、入れてほしいけど、顔が大きくなるのはイヤ、という、うちの治療方針と真反対を選択され、最後まで入れてほしいと言われましたが、顔が大きくなるのは了承してくれるんですか?と何度も念を押したところ、大きくなるのはイヤだから、少し考えると帰って行かれました。
他のクリニックだったら、何も言わずに、入れているんでしょうね~。
商売下手ですか?、いいんです、下手で。
入れたいけど、大きくはしないで、という無理難題は、私には無理です。
だって、ボリュームアップの治療だから。
全てを了承してくださるなら、やりますが。。(いやいやですが。。)
まあ、こういう方は、ゴルゴラインがもうちょっと消えれば、顔が多少さらに大きくなっても、気にされないんでしょうけどね。もう麻痺しちゃってるのか。
でも、パンパンマンの片棒はかつぎたくないな~。
他院だと、まず断らないでしょうし(だって、患者さんが入れてほしいんだもの)、大きくしないで、と言われたところで、「そんなに大きくなりませんよ」とやっちゃうから、パンパンマンは、どんどん生産されていくんですね。世の中のからくりが見えました。
なるほど!
まあ、ドクター自身がパンパンマンで、パンパンマンが美しいと思っておられたら、迷うことなく、入れられるんでしょうしね~。
注入剤が悪いのではなく、たくさん入れること自体が悪いのではなく、一番大事なことはバランスですから、バランスを崩さない程度に多めに入れるのは、(入れたい人は)入れたらいいと思います。
この「バランス」というのが、人によって、バラバラではありますが。。。