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    柴 亜伊子
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オーガニック化粧品って、何がいいの?②

コンビニやファストフードやインスタント食品など添加物まみれの食生活をしているのに、化粧品だけ「オーガニック化粧品」の貴女、しかも「なんちゃってオーガニック」の貴女。

なんか根本的に間違っていると思うのは私だけでしょうか。。

せめて化粧品だけでもってか?

まだ逆のほうが、肌は綺麗なんじゃないですかね、いや、肌は汚いか、でも体は健康だから、よほど間違った化粧品を使わない限り、そごく肌が汚くなることはないかな、と思います。

そこまでして、みなさんが使いたい「オーガニック化粧品」、なんなんでしょうね。。

これは、時に、「ミネラルなんとか」になったり、「敏感肌用」「アトピーでもいける」「赤ちゃんもママも」(これ、ひどいコピーですよね、なんで赤ちゃんと大人が同じやねんっ!て。椿油やワセリンってこと?)「無添加なんとかかんとか」「ドクターズコスメ」などなど、言葉は巧みに変わりますが、HPはどこも似たり寄ったり。同じ会社が作っているのか、というくらい、マネマネ~、楽でいいわね~。

日本人は、流行りが好きですね、ホントに。

流行っているから、安心、なんてことは、絶対にないですよ。

さて、最近急成長している、とある化粧品会社の話です。

私も患者さんからよく名前を聞くし、雑誌やネットでも見たことありますが、ちゃんと診たことはなかったんですけど、先日、ここのを使っている、といいう患者さんがいらっしゃったので、HPを拝見しました。

またしても、マネマネ~のよくあるパターン。。恥ずかしくないのかな。ま、どこが一番最初に始めたのか私にはわからないので、どれも同じにしか見えません。

ここのコンセプトというか、ここだけではなく、よくあるのが、「口に入れていいものだから安心して肌につけられます」というパターン。

誰が言ったの?

いかにも素人さんらしい詐欺の手口。

ちょっとよく考えればわかることなんですけどね、つい、「そうですよね~!」と納得してしまいやすい発想。

(顔筋体操と同じですね。)

昔は、成分だけを抽出する技術がなかったですし、一般で売っている、そういう化粧品もない時代でしたから、自分たちで手作りしたりするしかありませんでした。

(戦前以前~戦後どれくらいかは、ちょっとわかりません。)

民間伝承で、昔からいいと言われていることを、自分自身でやってみるしかない時代です。

でも、今は(というか、かなり前から)、科学が進歩して、成分だけを抽出できるようになって、かぶれる成分を抜くことができるようになったわけです。

添加物もたくさん作られ、いろんな商品(もちろん食べ物や飲み物にも)に混ざられるようになって、そのおかげでいろんな恩恵も受けています(便利さや安さや、安定供給など。みせかけのおいしさとかみせかけのキレイさとか。)。

私は、化粧品は「科学」と思っています。

なので、「科学者」がエビデンス(証拠)をありきで作った化粧品しか使いません。患者さんにも勧めていません。

精製水にグリセリンを混ぜる、というのも、立派な化学ですよ。ま、グリセリンを混ぜているだけで、文明社会の恩恵ですが。

石けんづくりもそうですが、油(廃油とか)で作った、昔ながらのせっけん(純せっけんです。商品化されているのは、廃油ではありませんよ。念のため。)も、科学です。

どれくらいの割合で混ぜるのか、わかっていないと、石けんは作れません。

石けん作りもお手製化粧品もそうですが、料理と似てます。

料理も、科学だったりします。

どうして、人間がその成分をおいしいと思うのか、科学的に証明できるんでしょう。

ただ、料理は、科学的に反応を考えて作っていらっしゃる方もいるでしょうけど、天性のカンと経験と舌の感覚で、とてもおいしい料理ができることも多いです。

自炊される方のほとんどが、科学的に料理をしている、という感覚はないと思います。

私も、そんなことを考えては料理はしていません。

料理は味見して調整ということができますが、化粧品はできない、というか、しないですよね。(できる材料とダメな材料があるでしょう)

よくこうい化粧品会社のつくる化粧品は、大体、花や草木の成分が、「なんとかエキス」と山ほど入っているんですよね。

。。。なんで・・?

花や草木の成分がたくさん入っていたら、何がいいんですか?

全く私にはわかりません。

じゃあ、その辺の雑草でもいいってこと?何がどういいんですかね。

なんでも混ぜりゃーいいってものではないんです。

本来、化粧品というのは、その作った作り手が、必要と思った成分しか混ぜていません。

防腐剤にしろ、香料にしろ、そのコンセプトには必要だったんでしょう。

(防腐剤のおかげで、冷蔵庫に入れなくても、洗面所にほっておいても、大きな瓶に入っていて、半年たっても、くさらないんですよ。)

あれもこれも、と混ぜていくと、下手したら、なにか化学反応がそれぞれ起こってしまうかもしれないじゃないですか。

大変ですよ、調べるのも。

その手間暇を考えて、どこまで混ぜるのか、って難しいと思います。原価代もその分上がりますしね。

あんなに、植物エキスを多数混ぜて、何も起こらないんでしょうか。

で、たくさん入ったからって何がいいんでしょう。

有効成分以外、入っていても、それだったら、その「なんとかエキス」って、いらないんじゃないですか?

欲張っても仕方ありません。

またそれぞれの成分で、吸収具合・浸透具合も全然違うわけですから。

その患者さんが使っていて化粧品会社は、「酸化したら老化するから、抗酸化剤を化粧品の中にたくさん入れました!」というもの。

成分表をみても、てんこもり、いろんな天然らしき成分が、「なんとかエキス」「かんとかエキス」とつらつらと書いてあります。

植物(花や木や葉っぱや野菜・フルーツなど)には、「フィトケミカル(ファイトケミカルとも言います)」という、成分があって、これが体にとてもいいんです。

いろんな刺激(紫外線や虫やいろんな病気など)から、葉っぱや根っこや花などを守るために、この「アク」みたいな成分を自分で作り出しているんです。

人間と違って、動いたり、虫を追い払ったり、日焼け止め塗ったりなんて、植物にはできませんからね。

人間だけが、このフィトケミカルを作り出せないので、これらを摂取しないといけません。

摂取したら、強くなるというか、いわゆる「抗酸化」作用ってヤツですね。(抗酸化だけではないでしょうけど)

だから、色の濃い野菜や、いろんな食べ物をバランスよく食べましょう、と言われるわけです。偏ったら、この栄養成分も偏ってしまうからです。

なので、このフィトケミカルを、化粧品に入れて、肌にも与えてあげましょう。

どうですか?うん、うん、塗りたい!と思いましたか?はい、これ、間違っています。

フィトケミカルは、本当です。抗加齢医学をしていく上で、これは知っていないといけない事実であり、科学です。

でも、これらは、食べものや飲み物で摂取をすることが原則。あるいは、そこにサプリメントとして足すか、です。

肌に塗ったらいいかというと、何度も言うように、かぶれたり刺激になる可能性があります。

でも、肌にも塗りたいですよね。食べたり飲んだりしても、全身に回っちゃいますから、肌にばっかり、摂取した分全部がいくわけではないので、塗ったらもっといいんじゃない?と誰でも考えると思います。

ここまでは間違っていません。

サプリメントもそうですが、試験管の中で、「こんなに吸収しています」というダイエットサプリ、ありますよね。あんな単純なことは、体内では起こりませんよ。

そんなので実験終了していたら、そんな楽なことはないです。それで済んだら、製薬会社は、もっとウハウハですよ~。

皮膚も一緒です。

仮に混ぜて塗っても、どこまで皮膚に入っているのか、わかりません。ただの推測とイメージです。

科学的に、「こう作ったら、ここまでは入っているんじゃない?」と思っても、実際測定すると、全然入っていません。

それほど、皮膚のバリア機能を突破させるというのは、大変なんです。

じゃあ、どうやって確認しているかというと、ちゃんとした実験室がないと(もちろんスタッフも知識も、お金もね)確認できません。

大変だと思います。

特に、皮膚にどこまで入っているのか、皮膚をそのたびに切り取るわけにもいきません。

勝手にいろいろ混ぜて、何にもおかしな反応が起こっていない、という保障はどこにあるんでしょうか。

実験したの?どこで?誰にしてもらったんでしょう。

そこまで実験してスゴイというなら、医学論文で発表すればどうでしょう。

大勢の方に、その化粧品の素晴らしさがわかってもらえると思いますよ。

老舗のオーガニック化粧品は、そんな派手なポップもメーカーとしては作っていないし、パッケージもそれほど目立たないし、雑誌やTVにバンバンとお金をまいているわけではないので、宣伝もそれほどされていません。

宣伝すると、莫大な経費がかかりますから、化粧品の売値も上げざるを得ません。

老舗は、そんなべらぼうに(詐欺まがいのことをして)儲けようとしている感じは、あまり受けませんけどね。

地球と人間のためにやっている、というコンセプトが、ひっそりと見えます。

宣伝していない分、地味だったりするかもしれません。

基礎化粧品の目的は、保湿です。(あと、日焼け止めね)

ただの保湿で、アンチエジングとか美白とかあまりそういうラインを作っていない企業も多いです。

(最近は、それでも、ちょっと出てきましたけどね。)

添加物も少ないぶん、天然の成分も必要最低限なので、使っても、可もなく不可もなく、使っても使わなくても、あまり変わらないかも。。。?

(だったら、要らないんじゃないのかな。。)

大した成分が入っていない、ということはそういうことです。

また、塗りづらかったり、塗り心地が良くなかったり、などなど、あまり使っていて、嬉しいことって、ないこともあります。

なるべく、添加物を減らして、肌にもやさしく、となると、結局こうなってきます。

それだったら、最初から、精製水とグリセリンだけでいいでしょう。

まあ、もうちょっと添加物が入っていても、種類によったらいいかなと思いますが。

カテゴリ:

スキンケア, 化粧品