昨日の注入剤の続きを少し書いておきますが、ヒアルロン酸で大変な副作用が出ることは、通常稀です。ものすごく。ただゼロではありません。
それは、ヒアルロン酸に限らず、何の治療でも同じなのですが、てきと~にやっている一部のクリニックで、大変なことが続いたりしていていることが、あまり世の中に知られておらず、患者さんも、そういうクリニックで容易にやりすぎ、甘すぎるというのも拍車をかけているのかもしれません。
今の美容医療の、特にアンチエイジングの主流は、光・レーザー・RF・超音波などの手術以外のことですが、注入系は、ボトックスにしろ、ヒアルロン酸にしろ、レディエッセにしろ、必要不可欠で、どれか単独でのみやる場合、患者さんの満足度は下がります。
どこまでのレベルのことをやりたいのかは、個人の価値観の問題ですが、現状にもよるでしょうし。。
ただ、うまいことだけ言って、させようさせようとするようなクリニックで、簡単に考えてやるのは止めましょう。
特に、高い料金であったとしても短い時間で、説明どころか、施術自体にも時間を取ってくれないような、パパッとやって、ドクターは、すぐにどこか別の部屋へ行ってしまうようなクリニックは、止めておきましょう。危ないです。
注入は、急いでやると、ホントにロクなことがありません。その辺は、見極めて、やってください。
一度に大量に、パパっと入れてくれるクリニックは、急いでいる方にとっては一見いいクリニックかもしれませんが、(同じ料金でたくさんいれてくれるわけですし)、とても危ないです。
(いいクリニックであっても、トラブルがゼロにできるわけではありませんが、そういうことが起こってもいいように、最善の注意がなされているはずです。なんの処置であっても、絶対に大丈夫、なんてモノはありえません。)
さて、またまた肝斑のレーザートーニングの話です。
ず~っといろんなクリニックでされている誇大広告などのせいで、いまだに、「肝斑=レーザートーニング」という方がまだままだいらっしゃいますかね。今の時代、レーザートーニングは、ファーストチョイスではないですよ。
最低でも、まずプレトリートメントをしないといけないし、一部に信念を持って、やらずに、レーザートーニングをされているドクターもいらっしゃいますが、こういうドクターはかなり特殊で、なにかあっても、ちゃんと責任も取られるわけで、ホントに、必要ないと思って、やっていらっしゃって、プロトコールもそのドクターなりのオリジナルなので、「薬なしでやっていいんだ」と安易にはなりませんので、ご注意を。
一口にトーニングと言っても、各クリニック、各ドクターで全然やり方が違うわけです。
今回の学会でも、レーザートーニングの話がありましたが、とうとう、「肝斑にレーザートーニングは禁忌」という論文が出てしまったそうです。
原文を確認はしていませんが、あまりにいい加減にやるドクターも多く、肝斑の悪化・脱色素斑(水玉にみたいに、色が白く抜けてしまうこと)が多発などして、被害者が増えたからでしょうか。。
帝京大学の渡辺先生は、レーザートーニングが出た時から、トーニングにいい印象は持っておられず、このレーザーが肝斑に効くのは、悪化する前に、またさせるから、良くなっているように見えているだけで(実際のレーザートーニングの推奨間隔は、1週間毎に照射です)、悪化させないようにするんだったら、一生やりつづけないといけない、とおっしゃってました。
5年以上前だったか、うちの開業前?いや、もっと前か。。。まあ、トーニングの機械をまさに売り出そうと企業側が動き始めた時です。
何回か続けてやって、その間や後は、ハイドロキノンを塗らせたりして、時間稼ぎをしてるだけで、1か月もたつと、どうせ出てきますよ、全部悪化していますよ、データーを出すなら、止めてみて、長期の経過をみないと、などなど、昨日の学会でも、以前と全く同じことをおっしゃってました。
うちには、トーニングの機械もないし、実際に患者さんにやって経過を診たわけではないので、学会でのご高名なドクター方の発表を見たり聴いたりしているしか知識はありませんが、長期経過を診ても悪化していない症例ももちろんあるようで、その辺は、私にはよくわかりません。
ただ、いろいろとトラブルもあって、脱色素斑が起こってしまうと、消えるのにもすごく時間がかかったり、もう戻らないのでは?というくらい長期化することもあります。
戻るという意見もあれば、戻らない、という意見もあります。これは、細胞個々の状況にもよるので、ケースバイケースとしか言いようがありません。
肝斑の悪化だけで済めば、そ~っとしておけば、どんなに時間がかかっても、いつか良くなるので、いいんですけど、脱色素斑はね。。ちょっと、というかかなり困りますよね。
うちでは、肝斑治療は、フォトブライトのライムライトを使いますから、状況により肝斑が一時的に悪化することはあるかもしれませんが(絶対に起こらないとは言い切れないので。だからこそ、日焼け止めを塗らない、擦るのをやめない、おかしなことを止めない方は、肝斑治療は悪化のリスクを上げるだけなので、うちでは治療をお断りしております)、脱色素斑は起こりません。
そこがトーニングと違うところです。
肝斑を落ち着かせるだけであれば、ライムライトだけで十分ですし(レーザーの種類として、という意味です。薬などなしで、ライムライトだけあてるわけではありません)
濃いシミが残ってきますが、それはアキュチップの打ち方を工夫すれば、Qスイッチレーザーがなくても、結構取れます。そしたら、テープも貼らなくていいし、あてた直後からすぐにメイクできるし、カバーファンデやコンシーラーはいるかもしれませんが、テープを貼らなくていい、というのが、私はとても気に入っています。
強くやりすぎると、アキュチップでも、炎症後色素沈着は起こることがありますが、それを我慢すれば、元よりも薄くなることが多いです。
ただ、うちのやり方では、最後に、遅発性太田母斑様色素斑(略してADM。大人になってからできるアザの一種)が最後に残ってきます。
(*ADMのある方の場合)
ライムライトの設定をあれこれ工夫して、薄くなる方もいらっしゃって、これは、アザの上のほう、シミの予備軍溜まっていたり、するせいで、上のほうのシミ部分が薄くなったり、もうこれだけ薄いんだったら、Qスイッチしなくていいや、という方が圧倒的に多く、Qスイッチをしたかったら、どこかに紹介してやっていただくしかないですが、今まで紹介をしたことは一度もありません。
そこまでしてあてたい、あててみたい、話だけでも聞きたい、という方は現れなかたんです。。。
気が済んだ方も多かったりもするようです。化粧で簡単に隠せるからいいやと言う感じです。
うちで、刺青を治療するわけでもないので、今流行り(?)のピコレーザーを買う予定はありません。
ピコじゃなくていいから、普通にQスイッチレーザーが付いていて、トーニングが出来たらいいな、と思っています。
アキュチップと炭酸ガスレーザーで、大概のシミは薄くなってきましたが、やっぱりQスイッチがあるにこしたことないし、なにより、ADMに欲しいんです。
今回の学会でも、トーニングの機械をいろいろみてきました。
どこのメーカーのが、絶対に優れいてる、と抜きんでているわけではないです。
それぞれの特徴はありますが。
一番大事なのは、レーザーの設定だったり、打ちかたです。
メジャーな機械だと、企業側も、有名な先生にお願いして、日本人ならこれくらいかな?となどなどいろいろと設定を見つけてもらっていたり、そういう勉強会があったりします。
なので、まだそういうデーターがないなど、シミ治療において(特に肝斑)、最新すぎる機械を買っちゃうと、いいと思われる設定を自分でデーターを取って、見つけていかないといけません。
ものすごく大変な作業です。
そういう意味では、自分で最適だと思える設定を探していきたい人は別として、学会発表や勉強会で率先して、設定を教えてくれりドクターが買ってくれたとか、貸出を受けてくれて発表してくれる、というのは、とてもありがたく、それであっても、その設定は、またひとつの目安にしか過ぎません。
どういう人に選ぶのか、当て方はどうする?同じでいいのか?微妙なパワーの差?などなど、醍醐味と言えば醍醐味ではありますが。。
すみません、もう眠いので、寝ます。。お休みなさい。。