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    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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「肝斑にレーザートーニングは禁忌」②

トーニングの続きです。

レーザートーニングの機械というのは、各社レーザーメーカーからいろいろ出ていて、目メジャーなものからマイナーなものまで、様々です。

トーニングの機器はうちにはありませんが、興味はあるので、発売された時から、いろいろとセミナーや学会で、ハンズオン(実演)や動画などで、実際にされているのを見たことが何度もあります。

ドクターによって、やり方も様々で、もちろん設定の仕方も様々です。

これは、何の治療でもそうですけど。

今、トーニングで一番問題になっているのが、肝斑も悪化よりも、脱色素斑(白く水玉みたいに、色が抜けてしまうこと)です。

肝斑の悪化は、ちゃんとしたクリニックでちゃんとやってもらっていても、患者さんのスキンケアが間違っていたり、季節によったり、はたまた、たまたま、ということもあるでしょう。

おかしなクリニックで、ぼったくられて悪化した場合にしても、たまたま悪化した場合もで、いつかちゃんと落ち着きます。

(落ち着くって、言っても、以前と全く同じ、というわけにはいかないこともありますよ。

落ち着くまでの間に、老化もされているわけで、その分も含めて、「元通り」ということは、若返らせろ、ということまで含んできますからね。近づけることは可能であっても、絶対に戻る、というわけではありません。)

もちろん、ちゃんとしたクリニックで、ドクターの指示通りにスキンケアもやっていた上での悪化であれば、一時的なものでしょうし、そのクリニックでも、なんらかのアフターケアはしてくれると思いますから、それほど心配はないと思います。

(指示通りにしていないと、それはダメですよ。指示にも従わない、でも、キレイにしろ、というのは無理難題というもの。どこに行っても、そんな人は、見捨てられます。)

でも、脱色素斑は違います。

時間をかければ戻ることもありますし、戻らないこともあります。

戻らない場合、何か月待てばいいのか、という問題も。。

3か月なのか、半年なのか、それ以上なのか、1年なのか、1年以上なのか。。

患者さんも、いつまでなら待てるのか、というのも、あります。

ちゃんとしたクリニックであれば、その分のアフターケアもしてくれると思いますが、かなり大変な場合もあるようです。

もちろん、ほったらかしのクリニックもあるでしょう。

学会でもよく発表されていらっしゃって、きちんとデーターをとっていらっしゃるクリニックでも、一部の患者さんに脱色素斑が出て、今は大体以前よりもパワーを下げてあてていらっしゃるはずです。それにならって、多くのクリニックがパワーを下げてきていらっしゃると思います。(そのはずです。)

パワーを下げていないクリニックもあるのかもしれませんが、そのドクターなりの信念がおありの場合、そういうこともあるのかもしれません。

(何も考えずにやっているところは、知りません。もともと、良くする気もなく、悪化しようが知らんぷりのわけで。。だからこそ、スキンケアも話も薬などの話もしていないんですよね。)

さて、今回も学会で、レーザートーニングのハンズオンセミナーに参加しました。

以前にもあったハンズオンセミナーでも同じドクターでハンズオンがあり、企業主催のセミナーでも見たことがあったので、もう何度も見せていただいているドクターのハンズです。

前からずっとそうなんですが、結構スカスカにあてていらっしゃいます。

今までは、「そんなんでいいの。。?全部あたってへんやん?」と思っていたんですが、こちらのクリニックは、レーザートーニングの効果(長期経過も含めて)がいいんですよね。

トーニングのハンズオンなどは、いろんなドクターがされていらっしゃるのを観てきましたが、わりと大体のドクターはきっちりあてていらっしゃることが多いです。

なので、何度見ても、そのスカスカにあてていらっしゃるのは、結構衝撃的なんですが。。(なので、処置はすぐに終わります)

今回おっしゃっていましたが、トーニングで脱色素斑を起こしているのは、きっち当てるからだとおっしゃってました。

その結果、重ねうちのような結果にもなり、脱色素斑を起こしやすくなっていると。

(ちなみに、うちでもやっているような、ライムライトやフォト系を使った肝斑治療では、脱色素斑は出ません。そこまでの破壊力はないので。)

パワーを今みんな下げているけれど、あれでは効かない、と、こちらの施設では、おそらく他のドクターよりも強めにあてていらっしゃいます。

トーニングで言われている、1か月毎に当て続けないと、濃くなってくる、濃くなる前にまた次をあててしまわないとも言われていて、施設によったら、1か月ということはないでしょうは、やはり止めてしばらくすると、肝斑が再発してくることが多いようです。

ところが、こちらの施設では、長期経過も学会発表されていらっしゃいますが、再発はないそうで、快挙と言ってもいいんじゃないでしょうか。

レーザーや光・RF/超音波、なんでもそうですが、やり方というのは、ホントに星の数ほどあって、自分で、「これが最適」と思う設定ややり方を見つけていかないといけないのです。

企業が初めてに教えてくれた設定というのは、日本人用にはなっていなかったり、副作用が出ない程度、というだけで、効かそうと思ったら、すごい回数が必要、などなど。

保険診療で処方される薬と違って、量や飲み方が決まっているものではありません。

そういう意味では、よほどのことがない限り、「ダメ!」ということも少ないですし、正解がひとつ、というわけでもありません。

新しい治療法で、特にシミの治療、その中でも肝斑に、となってくると、日本に入ってきてすぐに使えるか、というとそんなことはなく、手探りで、一番いいかな、と思える設定を探していかないとダメなんです。

そういうのがお好きな、最先端をされていらっしゃるドクター方はいいんですが、一開業医にとって、それは結構大変なことです。

なので、最先端をされていらっしゃるドクター方が、セミナーや学会で、最適と思われる設定ややり方を発表されるのを待って、それから試すほうが、良かったりすることも多いです。

どの時点で、新しい治療を始めるのか、というのも、難しい選択ではありますが。

ある程度当たり前になってから導入するのか、早めの新規参入組に入るのかか。。

あまりのもマイナーな機械だと、そういう発表の場である企業セミナーもなかったり、学会発表してくれるようなドクターが買っていなかったり、と、情報が一切漏れてこず、ホントに自分で手探り状態になってしまいます。

それはそれで、かなり大変なんですよね。。

そういう意味では、ある程度、メジャーな機器のほうが、情報が多いので、助かります。

同じヤグレーザーによるトーニング、と一口で言っても、メーカーが変わると、同じ

3.0J/㎠と設定したところで、全然違うこともあり、機種によって、探っていかないといけません。

そういうことも、最低限わかっていないと、思うような効果が出ないので、患者さんが結局最後に一番困るわけです。

患者さんからしたら、どこがちゃんとしているのかわからない、ということも多いとおもますが、まずはカウンセ・診察のみにして、一旦帰ってくる、というのがいいと思います。

そして、何軒か回ってみるんです。

そうすると、各クリニックの違いや特徴も見えてきます。

(ここで、似たりよったりの、ダメダメクリニックばかり回ると、違いがないかもしれません。。)

どこも似たりよったりで、満足できなかったら、とりあえずやらない、というのが正解です。

値段につられない!

安いものが絶対ダメとはいいませんが、安い=薄利多売でないと経営は成り立ちません。安いからには、なにか理由があるんです。

一番の理由は、おびきよせるワナだったりします。そして、治療自体に全然時間も、もちろ手間暇もかけない、ということです。

安いところにそれでも行きたいなら、まずはカウンセで確かめてきましょう。

時間も手間暇もかけてもらいましたか?

ひどいところは、化粧したまま、カウンセです(!!)。

どうやって、診断をつけているというのでしょう。

カウンセも5分程度で、させようさせようと丸見え。。悪化の話なんか、全然聞かされていない。

大問題です。

いきなり、コースを買うのも止めましょう。

どうしてもやりたかったら、1回のみやってみる。

1回でも取り返しのつかないこともあるかもしれませんが、すくなくとも被害が最低限度で済みます。

まだやってもいないし、どんなクリニックかもわかっていないのに、コースを勧めてくるところというのも、おかしいです。

最低限、これだけは、踏まえて、診察・カウンセに行ってくださいね。

最後に、「トーニングを丁寧にしてもらっている」と自負されている方、今一度、鏡でよく顔を見てください。特に、目の下~頬骨の出ているところ。

これはもしや?と不安になったら、やったクリニックで相談しましょう。

その上で、ダメだ、ここは、と思ったら、クリニックを変えるほうがいいのかもしれません。

トーニング自体が絶対禁忌、とは私は思いませんが、何事にもリスクはあるし、肝斑=トーニングではないです。

医者の使い方の問題もありますが、患者さんのスキンケアが何事よりも大事です。

くれぐれも他力本願にしないことが重要ですよ。

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医療