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  • 院長
    柴 亜伊子
  • 京都四条 あいこ皮フ科クリニック

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昨日の続きです。

合わない化粧品は、コイツだ!と見つける作業が難航する場合があります。

皮膚科に行って、パッチテストまで、ものすごい数をされているのに、肝心の犯人らしきものがなぜか入っていなかったり。。。

(これは、そのクリニックが悪いんですが、何をパッチテストをするのかを、患者さんに決めさせていて、これを調べなきゃ!と、誰も客観的に判断しないまま、されていました。

患者さんが調べたいものは、一緒に混ぜてやればいいんですが、患者さんだけで判断したものだけしかやらないと、いつまでたっても、犯人は見つかりません。)

こういう場合、順番に、容疑者を絞っていくために、順番に止めるか、一切止めて治ってから、1個ずつ始めていくか。。

ホントは、一斉に止めて、しばらく何もせずに、その間にパッチテストをするなり、皮膚のバリア機能を強くするなりして、完全に良くなったら、怪しくなさそうなモノから順番に使っていくか、ケースバイケースです。

実際は、患者さんが、いきなり全部止めるのはイヤだとなりますから、

(皮膚の程度によります。いくとこまで言っちゃうと、ホントに全部止めないと、えげつないことになりますよ、となるので、そういう意味では、早め早めに、適当に止めておいて、さっさと皮膚科に行くのが正解ではあります。)

使っている中から、それはいらないでしょ、というのは、どんどん止めてもらって、最後に、患者さん側から必要だと判断するものの中から、怪しい順番に止めて、良くなるかどうか、様子を見るかな。

原因が1個だけではない時もあり、1個だと大したことがなくても、複数かぶると、ダメ、ということもあるので、単純に犯人が見つけられないこともあります。

肌が荒れちゃったら、何を塗ってもダメ、ということも多いです。

バリア機能が破壊されてしまうと、こういうことにも一気になることもあります。

なかなか化粧品を止めてもらえない時に、順番に止めさせていく場合もそうですが、悪化するまでの、その前後も含めて、何を塗っていたのか、どういう状況だったのか、かなり事細かに聞いて、犯人捜しです。

そうやって、経過を整理していくと、こいつじゃないんかいな、というものが出てきます。

でも、患者さんは、それとは思っていなかったり、使い続けたいので、いろいろと、いかにそれが原因ではない、ということをコンコンと言ってくれますが、大体それが原因です。

本当に、薄々わかっていらっしゃることも。

よくあるのが、検討違いの濡れ衣が多いです。

例えば、「C」という化粧品を患者さんが、「このせいで、顔が真っ赤になるんです」と言ってこられ、実際、受診しても赤くもなく、たった1度赤かったようですが、すぐに治ったそうです。

でも、「絶対にC!」と思っていらっしゃいます。

でも、この「C」は、半年以上前から使っているもので、半年間何も問題はありませんでした。

(年使ったから、絶対にかぶれない、ということはないですが、かなり確率から言えば、ものすごく下がるかな、と。。

急に赤くなるとか、いきなりのかぶれの場合、それ前後で使った化粧品を順番に聴いています。)

半年以上でかぶれるかな、新しくとか、久しぶりにとか、他になにか使ったものはないですか? →「ないです。」

で、「C」はもう使いたくないから、AとBを使いたいと言われました。

変えるのは構わないんですが、原因がどうかは別として、「C」が怖くて使いたくないだろうし、違ったとしても、気持ちはわかります。

でも、実は、「A」「B」にも、同じ成分は入っていて、「C」でかぶれるなら、「A」「B」でもかぶれるよね?

「AとBは大丈夫です」と言われます。

。。。じゃあ、「C」も大丈夫では。。?

実は、この時、久しぶりに、2年前のファンデーションを使われ、それで真っ赤になったようでした。(その時しか赤くなっていないそうで。。。)

パッチテストをしたわけではないですが、私はこれだと思いました。

経過からの判断です。

ここまで聞き出すのに、ものすごく時間がかかり、最初、患者さんは何も変えていない(2年前に使っていたものですから、変えていないと言えば変えていませんが、ものすごく久しぶり(2年ぶりくらい)ですから、中身も蒸発したり、酸化したりと成分変わりますからね)と、悪気なく、ず~っとおっしゃってました。

結局、「C」は「A」と「B」に交換されたわけですが、するのはいいんですが、もし、「C]なら、AとBでもいずれかぶれてきますし、濡れ衣のせいで使われなくなったC、Cを使わないことでの不便さが、いつか出てくるだろうな、という商品でした。

患者さんの中には、思い込んだら、こうっ!という方がいて、正解の時もあるし、違う時もあるんですが、客観的にみていかないと、人生、肌荒れなんて、これからも起こりますから、思い込みで全部止めて行ったら、使うものがなくなっちゃうんですよね。。

で、そういう時に限って、止めていないモノの中に、新犯人がいるので、事態はますます悪化をたどります。。

渦の中に入ってしまうと、自分のことですから、なかなか冷静な判断・客観的にみることが難しいのかと思います。やっぱり、あせっちゃいますかね。

診察の最後のほうになって、実はこの方、クレンジングを止めていないことが判明いたしました。。。クレンジングジェルだかミルクのあとに、純石けんは使っておらず、赤ちゃんでも使えるせっけん?赤ちゃん用石けん?なんだ、そりゃ?誰が赤ちゃんで実験したわけ?どこの病院で?とツッコみを山ほど入れたくなるようなネーミングの石けんでした。

思わず聞いた時に、イスから転げ落ちそうになりました。。気を失いそうで。。

トホホ。。。

去年や今年はやっていませんでしたが、キャンペーンで何度か、純石けんをお配りしたことがあります。

クレンジングを止めてもらうためです。

もちろん、この方にも差し上げていて、もう2年以上通っていらっしゃいます。

。。まだまだ私のクレンジング廃止運動が足りなかったようです。

凹みますね。。まだ、足らんのか。。道は遠いですね。

ず~っとクレンジングをやることで、肌のバリア機能がちょっとずつちょっとずつ破壊されていて、そこに、2年前のファンデーションがとどめを刺したのかな、と。

(受診時には治っていらっしゃったので、推測でしかないです。ホントの急性の化粧品かぶれは、原因をさっさと止めれば、薬を塗らなくても、すぐに治ります。原因と取り除くだけです。)

また、クレンジングを止めていない中で、クレジングが原因かと思って、クレンジングもいろいろ変えられてたようです。。うう。。最悪の事態突入。。

(不幸中の幸いというか、このクレンジングを止めていない間、極度の乾燥はありましたが、赤みなどの皮膚炎は起こらなかったんです。エビーゼをオイルも含めてたっぷり塗っているのに、乾燥する、と言われていて、エビーゼの上から、ナビジョンの乳液やクリームまで塗っておられて、もともと乾燥肌の方でしたが、え~?と不思議でした。そんなに乾燥するのか?!と、ここで気づけばよかったんですね。私のほうも、純石けん洗顔だと思いこんでいました。すみません、気づけなくて。。

赤みなんかがちょっとでも出れば、気づいたかもしれないところが、運が悪かったのか、良かったのか。。)

当院に通院中の方が、化粧品かぶれと思ったら、とりあえず原因かな、と思うものは止めていただいたらいいんですが、ホントに検討違いなこともあるし、そこで自己判断すると、いらん化粧品まで買う羽目になるし、それで余計かぶれるし、といいことひとつもないですから、何かあったら、とりあえず、メールをください。

同じ止めていくなら、怪しいものから、サッサと止めていきたいし、他に刺激がないか、もう一度全部見直したほうがいいので、確認もさせてください。

特に、長引いている時、あまりにもひどい時は、ターゲットをさっさと絞らないとね。取り返しがつく間に、防御しないといけません。

化粧品って、健康な肌のためのものなので、好きな時に、好きな化粧品が使えるように、トラブルは早めに封じ込めましょうね。